『私が見た未来』

3.11の東日本大震災をマンガで予言していたとして各方面で超話題になってる、たつき諒先生の予知夢マンガ。ずっと本屋で気になってたけど、一人で読むほどでもないかな～と思っていたところ、友人が読みたいと言ったので買ってみた。

このマンガは1999年、たつき先生が漫画家を引退する直前に出版された最後の作品を、今回新しい情報を加えて完全版として復刊したものだそうで、前半が予知夢編、後半がミステリー漫画編と分かれています。で、圧倒的に面白いのは前半です。

たつき先生がどのように予知夢に興味を持っていったのかが綴られ、またその解釈にエゴが感じられないので好感。おそらく大事なポイントは、マンガに描いた地震と津波は3.11のことではなく（3.11はまた別の夢）、2025年7月に起こるとされる南海トラフを超える大地震。で、他の多くの都市伝説や陰謀論と違うのは、人を不安にさせて終わりじゃなくて、そのあとには明るい未来が待っている、だからみんな、争いや欲望にとらわれた生き方を見直し、大災難の準備を各自でしっかりやってね！　じゃ、私の役割はこれで終わりだから！　というなんともサッパリとしたアドバイス。

今後の5年間で、たつき先生がセミナーとかを開かず、一切表にも出ず、そして本当に大災難が起こった時、きっとこの本はまた注目されるんでしょうね。でもなんか、その大災難になにか意味があって起こるなら、その前に人間の意識が変わってたら、何も起きない気もする。5年後、このマンガを見返すのが楽しみ。