ヤマシタトモコ先生の、BLじゃないほうのマンガ。


連作短編集になっていて、さまざまな抱えきれない気持ちを抱えている女の子たちが、どいつもこいつも一生懸命生きた結果がえらいことになったりならなかったりするんだけど、そうして最終的には彼女たちが自分なりの小さな受容に至るところに作者の愛を感じます。


私がいちばん好きなのはCASE.3に出てくる、主人公の女子高生・西鶴…のお隣さんの写真家・武山さん。「フツー」からはみ出さないように一生懸命な西鶴の前で、武山さんは初老で独身の一人暮らしだわ、白髪は染めないわ、女同士でキスしちゃうわ、群れないわ、言いたいこと言うわ、超カッコイイ! そして口を開けば名言しか吐かない。


「男と繋がれないのは こんな絶望をしなければいけないのかと思った」

「体は減らないなんて思ってるか知らないけど減るのよ」

「あと何万年生きたって悩まない日はないし 誰が隣にいても孤独じゃなくなる日は来ないから」

「フツーじゃないってサイコーでしょ?ははは」


世間で許されるフツーの範囲内で何者かにならなければいけないと焦っていた子供のころに、こんな人が近くにいるかどうかで心持ちってずいぶん変わるんじゃないだろうか。

 

 

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