大好きな佐野洋子さんの、これも大好きなエッセイ集。


佐野さんが、がんで亡くなる直前のエッセイと対談なんだけど、余命2年と宣告されてから周りがやさしくしてくれるので調子に乗る佐野さんがおかしい(笑)。そんで、「私自由業だから年金もないし、長生きしたら困ると思ってたからラッキー」とかいってその足でイングリッシュグリーンのジャガーをポンと買っちゃうところなんて、ほんとにパンク!でも何に?命に、というか、これが世間で命だとされているものに対して、だろうか。ぜんぜん「もうすぐ死ぬ人」っぽくないんだもん。清々しいったらないね。


そしてこの本の中でもとりわけ好きなのは、最後のエッセイ『知らなかった』。佐野さんいわく、「ガンなんかより十年前の神経症のほうがよほどつらかった」その神経症で入院したホスピスの話。死にそうなのにますます冴えわたる観察眼。そうしてこの世界がゴッホの絵画のように見えたとき、佐野さんはあることを、命の秘密のようなことを知る。凄絶な迫力がある。


私は、佐野さんの本を、ガンの人とか、もうすぐ死ぬ人とかにそれとなく薦めることがあります。


いつだって、死ぬ気まんまんで生きていたいものだ。

 

 


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