佐野洋子さんの文に、北村裕花さんが絵をつけた、イラストエッセイ第二弾。

私は佐野洋子さんが、人間のどーしようもない部分を隠さずそのままさらけ出すところを信頼している。

めんどくさいところに発生する人間のつながりがなくなるのが惜しくて、便利になったら困る!と嘆きながら、歩いてすぐの郵便局すら車で行ってしまう。怠惰のあまり、もうこれ以上誰も何も考えないで!と、どこまでも他人任せ(笑)。

あと、ガンになってからの佐野さんの、生きる死ぬにまつわるエッセイが尋常じゃなく良い。

「生き続けるということは、自分の周りの人達がこんな風にはがれ続けることなのだ。老いとはそういうさびしさなのだ」

とくにその9、「フツーに死ぬ」は、死んでゆく飼い猫と自分、そして人間を引き較べて、シーンとしちゃうような迫力がある。

イラストエッセイなので字も絵も大きくてすぐ読めて、でも佐野洋子さんの魅力がよくわかるようになってる。大好き、このシリーズ。