みうらじゅんさんの、反・自分探しエッセイ。
「自分探し」とその周辺を、震度2くらいの余震で「あんたの言う自分って何やねんホレホレ〜」と揺さぶり続けてくるような名エッセイでした。
そのやり口が、まじめにふまじめってゆーか、さすがサブカルの帝王・みうらじゅん!
たとえば、
「インドには古くから男の一生を“学生期・家住期・林住期・遊行期”と分ける考えがありました」
からの、
「学生期にはさらにオナニー期、トンチンカン期が含まれていることはあまり知られていないどころか新説です。」
どうよこの、オッ、みうらじゅんがまじめに何かを語るのか!?仏教にも造形深いしな〜さすがだな〜、と思わせてからのふまじめな揺り戻し!!
こんなふうにして、読み終わると、人々がこだわるところの「自分」や「私」がどうでもよくなってくる。そんな妙薬のような本でした。
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