明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
隠居は正月も通常運転なので、さっそく新年一冊目の本を。
ときどき読み返す、ユーミンの自伝的語りおろしです。
ページをめくってもめくっても、エスプリがはじけてて、はじけすぎて凡人の隠居には意味がよくわからんところもあるんですけど。
すごいうらやましいのは、世界がまだ今ほど近くなかったときに触れた世界って、今より何倍も刺激的だったんだろな、ということ。
たとえば30年前の地球の裏側の遠さって、こんだけ便利になっちゃった今地球の裏側に行ってもかなわないっていうか。意味とか、距離感がまったく変わっちゃってるし。
そんな時代に、呉服屋の娘で、基地にも出入りして、夜は六本木でブイブイ、昼はお茶の水で美術ガールしてたなんて!
異文化が一番ロマンにあふれてた時代の、一番おいしいカルチャーが凝縮してる人なんだなあ。
それにしてもユーミンがこれを出したのが20代の終わりぐらい。私にはあんまり語るほどのことがないのでそれだけでもすごいと思う。しかも情熱的に語るってわけでもなくて、ほんとに水面のきらめきみたいにさらさら話が進んでいって、この軽さがまた天才的なんです。



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