今日の音読は

万葉集の月 お月様

 

英語教師だった

夏日漱石が

アイラブユーを

「私はあなたを

 愛しています」と

訳した学生に

「日本人はそんな

 ストレートな

 言い方をしない」

と言い

「じゃあ何と訳したら」と

問われ

「月が綺麗ですね

 とでも訳しておけ」

と言ったという

逸話があるほど

日本人の感性は

月に彩られていますね お月様

 

さて 万葉集を

音読しましょう キラキラ

 

万葉集と聞くと

堅苦しい

難しいと思われるかも

しれません が

 

いえいえ

それはそれは

面白いのです 気づき

 

「歌が

4500首以上ある?」

 

では

最初の歌はなんでしょう?

 

 

巻一のー 

 

雄略天皇歌

 

籠(こ)もよ み籠持ち

ふくしもよ みぶくし持ち

この岡に 菜摘ます児

家告(の)らせ

名告らさね

そらみつ大和の国は

しきなべて 我こそいませ

我こそば 告(の)らめ

家をも 名をも

 

 

籠を 立派な籠を持ち

ふくし(掘串)を

立派なふくしを持って

春の野原で

若菜を摘む娘よ

家はどこ 名前は何

天皇が支配するこの大和の国

この土地はすべて私のもの

私こそが支配しているのだ

私こそ 名乗ろう

家をも 名をも

 

 

大和は

四方を山に囲まれた盆地

東は三輪山に連なる山並み

南のすそ野を流れる初瀬川

この川をはさむ谷あいを

初瀬・長谷と呼び

古代の英雄

第21代 雄略天皇の

宮が営まれた土地です

 

畳みかけるように

菜を摘む乙女に求婚する

若い心のじれったさに

クスっと

笑ってしまいますね ハートのバルーン

 

当時は偉い人の求婚は

断れませんでした

 

それを逃れるには

まず親兄弟しか知らない名前を

名乗らないこと

 

名乗ってしまうと

〇〇の宮の

〇〇という娘をと

もう

逃れられませんでした ランニングあせる

 

哀しみであれ

喜びであれ ぽってりフラワー

 

さあ 音読ですよ 笑い

 

慣れないと

読みにくいですね ふんわり風船星

 

慣れましょう 笑

 

 

 

さて

月の歌を

読んでみましょう ラブラブ

 

 

み空ゆく

月の光にただ一目

相見し人の

夢にし見ゆる

 

美しい空にのぼる

月に照らされたあなたを

一目見た時から

忘れられなくなり

夢にまで

見てしまいました 恋の矢

 

 

東(ひんがし)の

野に炎(かぎろい)の

立つ見えて

かへり見すれば

月傾きぬ

 

東の野の果てに

夜明けの光が差し染めて

振り返ると西の空に

月が傾いている

 

映像化しやすく

スケールの大きい歌ですね

 

太陽に喩えられた

軽皇子(かるのみこ)の

誕生と

月に喩えられた

亡き草壁皇子を重ねて

詠んだとされています

 

美しい和歌と思われる

歌にも

政治の匂いがプンプンです

 

それにしても

大和言葉の美しさよ !!

 

 

世間(よのなか)は

空しきものと

あらむぞと

この照る月は

満ち欠けしける

 

 

この世は

むなしいものだと

いうように

この照る月は

満ちたり欠けたりするのだな

 

無常です DASH!

 

 

 

 

さらに日本最古の

三角関係といわれる

二人の歌のやりとりです

 

 

あかねさす

紫野行き標野行き

野守は見ずや

君が袖振る

 

(額田王)

 

 

 

紫草の

にほへる君を憎あらば

人妻故に

我恋ひめやも

 

(大海人皇子)

 

 

 

 

テストで〇を貰うには

ほど遠い訳を

勝手にさせて

もらいますと リボン

 

宴の席で

元夫 

大海人皇子(天武天皇)と

現夫 

中大兄皇子(天智天皇)に

鉢合わせした額田王

 

周囲はどうなることかと

興味津々・・・

好奇心いっぱい アップ

 

額田王は

わざと明るく

みんなに

聞こえる声で

歌を詠みました

 

「天皇の所有である

 紫草の野(私)を

 うろうろする人がいたら

 盗みにきたのだと

 みんなが

 思ってしまいますよ


 野守(世間)は

 見るのでしょうか

 あなたが私に未練が

 あると」

 

といったら

 

みんなに

聞こえる声で

大海人皇子は返歌を

詠みました

 

 

 「紫草のような

 美しい人を

 (未練がないから)

 憎いとは思いません

 人妻になった人に

 私はいまさら

 恋したりしませんよ」

 

なんて訳しちゃいます クラッカー

 

気の利いた

おとなのおしゃれな会話に

その場にいた人は

どっと笑う人

クスっとわらう人

さまざまだったそうで

これこそが万葉集の

面白さ

才能のある二人の

歌のやりとりです 合格

 

このほかに

 

 

巻十三の三三一二

 

こもりくの

泊瀬小国に よばひせす

我が天皇(すめろぎ)よ

奥床に 母は寝(い)ねたり

外床に 父は寝ねたり

起き立たば 母知りぬべし

出て行かば 父知りぬべし

ぬばたまの 夜は明け行きぬ

ここだくも 思ふごとならぬ

陰(こも)り妻かも

 

(作者未詳)

 

 

四方を山で囲まれた

奈良・泊瀬小国に

夜這いに来る天皇

奥に母が寝ています

廊下側に父が寝ています

起きれば母が気づき

出て行けば父が気づきます

漆黒の夜は明けていきます

想いどうりにならない

人目を忍ぶ隠れ妻の私

 

 

通い婚とはいえ

面白いですねー リボン

 

これが万葉集です スノボ

 

 

さらにいくつかの歌を読んで

好きな歌を一首ずつ

選んでいただきました ふんわりリボン

 

万葉集を

「読んだことない」と

おっしゃっていた方も

楽しんでいただけたのでは ハート

 

最後に

阿川佐和子さんの

「みやげ上手」を音読


佐和子さんらしい

軽妙な文章に

皆さんクスリと

笑っちゃいましたね 💓


佐和子さんの楽しい

エピソードをいくつか

お話しさせて頂き

今日の音読会は

終了しました 🌈



 

 

では また皆さんに

楽しんでいただける

作品を用意しましょうね

 

チャオ バレエ