今日も音読会に
21名の方が参加です
ありがとうございます
音読講座前期の
最後の月が始まりました
早速始めましょう
9月は月の美しい季節ですね
百人一首から
月の歌を
選んで音読しましょう
天の原
ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に
出でし月かも
あの日
故郷で両親や友人と見た月が
同じように美しく
空に登っているじゃないか
みんな
どうしているだろう・・・
阿倍仲麻呂は
19歳で唐に渡り
一度は帰ろうとするも
生涯日本の地に帰ることは
叶いませんでしたね
そんな気持ちを込めて
この歌を読んでみましょう
唐では楊貴妃を愛した
玄宗皇帝に気に入られ
「静夜思」の李白や
私の大好きな
「竹里館」の王維とも
交流しました
けして寂しくはなかったと
思いたいですね
今来むと
いひしばかりに長月の
有明の月を
待ち出でつるかな
今行くとあなたが言ったので
9月の長い夜を
眠らず待っているうちに
夜明けまで残る有明の月が
昇ってしまいました
素性法師は遍昭法師
「天つ風
雲の通い路吹き閉じよ
乙女の姿しばしとどめむ」
の息子
血筋の良さが
うかがえますね
月見れば
千々にものこそ恋しけれ
わが身ひとつの
秋にはあらねど
これぞ秋の歌といっていい
大江千里です 🤭
私だけに来た秋では
ないのに・・・
秋の夜長にぽつりと
口ずさんでみてください
夏の夜は
まだ宵ながら明けぬるを
雲のいづこに
月宿るらむ
清少納言の祖祖父の
清原深養父の歌ですね
私事ですが
この歌には
私の名前が使われているので
なぜかちょっと
照れます
なんでやねん
めぐり逢いて
見しやそれともわかぬ間に
雲隠れにし
夜半の月かな
恋の歌かと思いきや
友人を歌ったものでした
いつまでも少女のような
式部さんです
「源氏物語」には
795首の和歌があり
その多さから
「歌物語」ともいわれています
紫式部の
その才能開花の謎は
秘密です
心にもあらで
憂き世にながらへば
恋しかるべき
夜半の月かな
(死んでしまいたいけれど)
心ならずも
この儚い現世で
生きながらえたならば
この夜更けの月を
恋しく思いだされるに
違いない
三条天皇は
藤原兼家の孫であり
一条天皇の次の天皇です
藤原道長に
無理やり退位させられました
切ないです
ほととぎす
鳴きつる方をながむれば
ただ
有明の月ぞ残れる
ほととぎすが
鳴いた方をみると
姿は見えず
ただ明け方の月が
淡く空に残っているだけ
藤原定家のいとこ
後徳大寺左大臣の歌です
ほととぎすは
日本人に愛された鳥ですね
嘆けとて
月やはものを思はする
かこち顔なる
わが涙かな
月と花の歌人といわれた
西行法師です
松尾芭蕉も西行さんを偲んで
「奥の細道」に
旅立ちましたね
平清盛と
同じ北面の武士でありながら
出家した西行さん
宮廷生活で
ドス黒い権力争いを
目にしていたのでしょうか
西行さんの最も有名な歌は
「願はくは
花のもとにて春死なむ
その如月の望月のころ」
願った通り
お釈迦様が亡くなった
旧暦二月十六日に
満開の桜のもとで
亡くなりました
さらに
17首のなかで
1番好きな歌を選んで
お一人お一人に
読んで頂きました 🌈
「どれも素敵で
迷っちゃう~」の声あり 💦
本当にそうですね 🤣
さらに
歌うように・・・
吸った息をすべて
吐ききるように
声を出してみましょう 👄
これは
呼吸体操にもなりますね 💖
終わりに
先日亡くなった
新川和江さんの詩を
音読しました
「私を束ねないで」
新川和江
私を束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱のように
束ねないでください
私は稲穂
秋 大地が胸をこがす
見渡すかぎりの
金色の稲穂
私を止めないで
標本箱の昆虫のように
高原から来た絵葉書のように
止めないでください
私は羽ばたき
こやみなく空のひろさを
かいさぐっている
私を注がないで
日常生活に薄められた
牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください
私は海
夜 とほうもなく満ちてくる
苦い潮 ふちのない水
私を名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名で
しつらえた座に
座りきりに
させないでください
私は風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
私を区切らないで
コンマやピリオド
いくつかの段落
そして おしまいに
「さようなら」が
あったりする
てがみのようには
こまめにけりを
つけないでください
私は終わりのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく
拡がっていく
一行の詩
『比喩ではなく』より
ご冥福をお祈りします
さて音読は秋からが本番 💃
秋の長夜をどうぞ
お楽しみください
ありがとうございました