こんにちは、粟津サヤカですコーヒー

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

古いもの特有の

ロマンチックで味わいのあるもの。

何十年も前に生きていた人と

同じものを共有しているという不思議。

 

そんな感覚にどうしようもなく魅かれます。

 

今から数年前、

素敵だなと思っていたレトロが

影も形もなく街並みから消え去っていた現実。

永遠にそこにあり続けると

信じて疑わなかった自分。

 

抗えない時代の流れを感じました。

 

そんなことから、

レトロを自分の目で見て記録に残そうと

はじめたこのブログ。

 

今回のレトロは、

同志社女子大学栄光館です。

 

直線が多い角張った校舎、

八角形の塔を載せ、

計算され尽くした全体のバランスの良さが印象的です。

京都御所の北に位置する

同志社女子大学の今出川キャンパス内

南を向いて建っています。

今出川通りから門越しに見えますので

ご存知の方も多いかもしれません。

 

昭和7年の竣工、

設計は近代建築界の西のドン、武田五一です。

直線、多角形、アーチなど

様々な建築意匠を巧みに組み合わせ、

多くの斬新な建築物を世の中に生み出した建築家です。

 

これまでこのブログで取り上げた武田五一作品はこちら

(※一部共同作品あり)

 

これでもまだ一部、
これからも追加予定です。
 
直線の多いこの建物、
中央の三連アーチがアクセントになって
うまく調和しています。
2階のベランダ部分がせり出しています。
 
ベランダ部分の陶板装飾が印象的。
京大時計台にも似た雰囲気の陶板が使われていました。
 
 
玄関ロビーです。
壁面のトラヴァーチン(大理石)は沖縄のもので、
武田自身が沖縄で発見、
作品に取り入れたものなのだそうです。
(「京都の洋館」光村推古書院より)
 
彼の建築に対する熱が伝わってくるエピソードですね。
 
扉の雰囲気やタイル張りの床もレトロですね。
 
照明も武田らしいデザインです。
写真中央右寄りに
「ELDRIDGE FOWLER CHAPEL ファウラー講堂」
と銘板がかかっています。
講堂というと
学校の教室のようなものを想像しますが
教会目的でも使用できる講堂が
正面奥にあり、
毎週日曜の朝、礼拝が行われています。
 
廊下です。
丸窓に格子がついています。
木製のベンチと傘立てもレトロです。
作り付けでしょうか。
 
正面ロビーから東西に伸びた廊下です。
左が校長室、右が事務室になっており、
管理部門のオフィスがあるようです。
歴史を感じる木製の扉が並んでいますね。
 
廊下は東西の壁を貫通し、
出入り口がついています。
昔ながらの靴箱があります。
小さなカサのついたハダカ電球もレトロです。
 
八角形の塔はかつて、
時計台だったのだそうです。
戦時の供出で時計が撤去された後、
再びここへ時計が設置されることはなく、
現在は瞑想室として使われているのだとか。
時計はどんな風に設置されていたんでしょうね。
よく見ると窓ガラスに柄のようなものが見えます。
 
同志社女子大学栄光館は
国の登録有形文化財に指定されています。
昭和のはじめに流行した建築様式で、
計算され尽くしたカッコいい建物でしたね。
 

今回ご紹介した同志社女子大学栄光館は

コースに含まれていませんが、

私がご案内している

オフアワーズの

京都のんびりおさんぽ旅

(詳細はこちらをクリック!チケット販売サイトへリンクします)

では

他にもおもしろい場所をご案内しています。

 

2017年開催分はすべて受付終了しましたが、来年も開催を予定しています。

  • 伏見稲荷から清水寺 ゆるトレッキングコース 1/13() ・ 2/3()
  • 洛中レトロ御所南コース 1/20() ・ 2/17()
  • アカデミック北白川・疎水コース 1/27() ・ 2/10()

ご参加お待ちしております!

 

さてさて、次はどこへ行こうかな~ランニング