今回訪ねたのはかの有名な清水寺からほど近く。

土産物店ひしめく街路をひょいと入ったところに人知れずそびえる

旧松風嘉定邸(現清水順正五龍閣夢二カフェ)です。

 

清水寺の近く!?

あんなとこにこんな目立つもんあるかいな~ドクロ

と思った方、

わかりますニヤリ

わかるよ、その気持ち。

 

私も場所を聞いたとき、

はぁっ?

って思いましたもん。

 

もう何回もこの辺りにきたことがありますが、

こんな洋なのか和なのかわからないインパクトのある建物、

見たことがありませんでした。

 

でもね、表通りから見えないんですよ、ここ。

だから、私みたいなレトロ好きや建築マニアの方で、

あらかじめ知っていないと見つけられないと思うんです。

 

あ、でも、今は順正さんというお豆腐屋さんが

レストランやお土産物店を並べる場所の一角になっているので

順正さん目当てにきた方は知っているかもしれませんね。

 

とにかく、

ここへたどり着いたときは、

はーー目キラキラ

と立ち尽くして動けなくなりました。

1日中動き回って疲れ切ってたんですが

もう、無我夢中でシャッターを切り続けましたよカメラ

 

さ、内部の夢二カフェへ入りますよグッ

 

3階まで吹き抜けのらせん階段です。

重厚な木造に赤いじゅうたんが豪華レトロ物件のお約束ラブラブ

 

そして天井は日本建築お得意の格天井!

3階の天井から余裕たっぷりに私をのぞきこんでいます。

階段は2階の手前までならのぼれます。

(2階から撮りました)

 

さあ、高鳴る胸を抑えてカフェフロアへ行きますよ~右差し

 

こ、これはびっくり

・・・

言葉を失います。

大正時代にタイムトリップしたような気持ちになりました。

 

なんということでしょう・・・びっくり

三連アーチ、菊のステンドグラスが出迎えてくれます。

和魂洋才です。

まあるい照明が見る人の心を高揚させます。

奥はサンルームになっています。

窓の外には噴水が見えます。

 

「お好きな席に」

とのことで、まっすぐサンルームへ向かいましたが、

そこは喫煙席になっていました。

残念・・・。

後で写真だけ撮らせてもらうことにします。

 

ならば、

と暖炉の横をキープ!

立派な暖炉です。

暖炉は各部屋ごとに違うものが設置されているそうですよ。

夢二の絵も大正ロマンに一役買っています。

 

さてさて、注文を終え、

店員さんに撮影の許可を頂いて、

再びサンルームへ。

 

大きな窓の下は大理石がささえています。

赤いじゅうたんが色あせているのもいいですね。

それにイスがなんともかわいらしいラブラブ

 

鳩のステンドグラスです!

鳩に和を感じてしまうのはなぜでしょうか?

 

三方にステンドグラスがはりめぐらされています。

格天井も。

ステンドグラスにキュンとする女性、

私だけじゃないはずですニヤリ

 

しばし我を忘れて夢中になっていましたが、

気付くと私のテーブルに素敵な品が・・・

 

五龍閣夢二カフェ特製、豆乳プリンパフェですラブ

お豆腐屋さんならではのメニューです。

プリンはどこ??

いちばん底に敷かれているのがプリンですよパフェ

もちろん豆乳製。

あとドーナツも豆乳製。

ちょっと見えにくいですがいちばん奥はゆばサブレです。

建物もだけど、

甘いものは疲れが吹き飛ぶわ~うずまきキャンディ

 

さて、ちょっとだけこの建物について触れておきましょうかね。

 

はい、解説板のとおりです。

清水焼の窯元の邸宅だったのですね。

三代目の松風嘉定氏は当時、

安い陶器に市場を奪われて勢いを失っていた清水焼に、

質の良い義歯を作るという新しい事業をつくりだしたのだそうです。

それまで輸入品に頼っていた義歯は国産品が作られるようになると

大人気になったそうですよ。

先見の明がある方だったんですね。

 

4階の望楼からは清水寺が見えるとか。

三代目松風嘉定氏はその景色をどんな思いで眺めたのでしょうね。

 

そして注目すべきは設計が武田五一氏であるところ。

京都には彼の設計した洋館がたくさん保存されていますが、

こちらも武田五一氏の作でしたか。

 

洋風なのか和風なのかわからない造りは

清水寺など周囲の景観に配慮したものだったのですね。

不思議に調和したその風情も、

武田五一氏の計算通りだったのでしょうか。

 

大正十年竣工、

国の登録有形文化財です。

 

どうやら少し前まで修復工事が行われていたようです。

確かに本やネットにあがっている写真はもっとさびれています。

 

2階のテラスとそれを支えるサンルームの柱が真新しいですね。

 

窓の鉄枠のレトロさは残されています。

こういう寂れた感じが大好きなんですが・・・。

いえいえ、残してくださるだけありがたいと思わなくちゃ。

価値あるものを有効利用しようと考える企業は

私のようなレトロマニアには本当にありがたい存在です。

 

五龍閣が2階の高さから眺められる展望台が設けられています。

その威容を真正面から受け止められる場所ですので

忘れずにいってみてくださいね。

 

その展望台にあった陶製のしゃちほこ(?)です。

これ、五龍閣の屋根についてたのかなと一瞬思いましたが、

たぶん、違うと思います。

これはさすがに・・・。

どなたかご存知の方いらっしゃったら教えてください。

 

レトロ建物が急速になくなっていくことに

危機感を覚えてはじめたこのブログ。

今回のような商業利用価値が高い物件は

ひとまず安心ですね。

内部も見られるし。

あまりキレイになりすぎるのは心配でもありますが。

 

さあ、次はどこへ行きましょうかね。