こんにちは、粟津サヤカですニコニコ

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

価値あるレトロな建物の解体を目にし、

現存しているものだけは

自分の目で見て記録に残そうと

ブログを書いています。

 

私が京都に深く関わりはじめたのは

学生として京都の大学に通うようになった時からです。

 

ちょうどその頃、

今日ご紹介するレトロビルはまだ現役で

竣工当時の目的で

使われていたことを覚えています。

 

旧毎日新聞京都支局です。

京都の繁華街、四条河原町からほど近く

かつて東海道の終着点として賑わった三条大橋から

西へまっすぐ進んだところにあります。

現在は「1928ビル」という名で

若いアーティストが活躍する貸しギャラリーや

劇場、カフェの入る商業ビルになっています。

 

竣工は現在のビル名にもなっている1928年(昭和3年)。

京都帝国大学建築学科初代教授で

関西に今も数多くの名建築を残す武田五一の設計です。

水平ルーバー(水平の板状のものをすき間をあけて連続的に配置したもの)

により水平方向を強調した意匠には

アメリカの建築家フランクロイドライトの影響が見られます。

(「京都の洋館」光村推古書院より)

 

玄関の左右に配置された照明が印象的です。

夕方に訪れたのは正解でした。

 

3階のベランダがかっこいいですね。

この形は毎日新聞社の当時の社章を模っているのだそうです。

心憎い演出拍手

 

星形の窓も目を引きます。

これだけ見るとちょっと奇抜すぎる印象もありますが、

壁面のロンバルディア帯(連続アーチの装飾)や

左手に映っている柱の上部のような古典的なデザインが

うまくバランスをとっているような気がします。

 

ななめ後方から西側を撮影しました。

ここだけ見たら、小学校のような雰囲気がありますね。

装飾も正面部分に比べると抑え気味です。

 

正面玄関から中へ。

観音開きの扉の内側です。

鉄格子がレトロです。

かつて、特ダネを抱えた新聞記者が

喜色満面で飛び込んできたこともあったのかもしれません。

 

1階は現在、

若いアーティストの活躍の場になっています。

来るたびにいろんな作品が見られるので面白いですよ。

かつては販売執務室があったそうです。

(「京都の洋館」光村推古書院より)

 

ギャラリーのほうは現在(2017年12月)、

漫才コンビキングコングのひとりで

アーティストでもある西野亮廣さんの絵本展が開かれていました。

 

こちら地下への階段です。

なんだか雰囲気たっぷりですね。

地下はかつては食堂、理髪室として使われていたそうです。

(「京都の洋館」光村推古書院より)

現在はカフェになっております。

 

2階へ上がってきました。

手すりの曲線がモダンです。

 

各階の床タイルはこちらの模様で統一されていました。

レトロな風合い。年月を感じますね。

 

大きな窓。

ちょうど正面の星形のバルコニーの下の窓です。

季節柄、クリスマスの飾りつけがされていました。

 

歩き疲れたので二階のスイーツカフェへ。

レトロ保存にささやかな貢献をするため、

私は商業施設になっているビルでは

少しでもお金を落とすようにしています。真顔

 

なんて、

カッコつけてしまいましたが

結局はスイーツが好きなだけなんですけどね・・・

特製ティラミスセットです。

季節を感じるラテアートにおとめ心がくすぐられました。

 

お店独自の飾りつけもありましたが、

かなりビル本来の雰囲気を残してあるようでした。

ダクトや天井のアールがむき出しのまま。

いろんなレトロビルに行きましたが

再利用の場合、内部は期待できないケースが多いのですが

ここは元新聞社という雰囲気を大切にされている感じがしました。

おっと忘れてましたが、

この2階は編集部だったそうですよ。

 

3階は使用している劇場がお休みで

中へは入れませんでしたが、

アーチ状の梁を活かしたホールが残されているのだそうです。

上の写真でもわかりますが、

西側の屋根は勾配がついて中は屋根裏状で

天井に傾斜がついています。

 

これは当時の市街地建築物法の

斜線規制にひっかからないための措置なのだそうですが、

この傾斜をうまく利用した

素晴らしいアーチ天井のホールがあるのだそうです。

また次の機会に見られるといいのですが・・・

 

今回ご紹介した旧毎日新聞社京都支局は

コースに含まれていませんが、

私がご案内している

オフアワーズの

京都のんびりおさんぽ旅

(詳細はこちらをクリック!チケット販売サイトへリンクします)

では

他にもおもしろい場所をご案内しています。

 

2017年開催分はすべて受付終了しましたが、来年も開催を予定しています。

  • 伏見稲荷から清水寺 ゆるトレッキングコース 1/13() ・ 2/3()
  • 洛中レトロ御所南コース 1/20() ・ 2/17()
  • アカデミック北白川・疎水コース 1/27() ・ 2/10()

ご参加お待ちしております!

 

さてさて、次はどこへ行こうかな~ランニング