行動する大家さんの会スタッフ -87ページ目

家賃・非課税に関する旧建設省局長通達


7/18


前回までに“消費税の仕組み”についてお話しましたが、これから大家さんの消費税についてお話します。


ご存知のように消費税は平成元年に導入され、当時は住宅家賃は“課税(3%)”でした。

その後、既述の通り平成3101日より住宅家賃は“非課税”となりました。この時(実際は、同年610日付け)旧建設省住宅局長名で、以下の“住管発2号”という通達http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/pdf/200905/00005142.pdf )が出されました。




私はこの通達を“財務省”から入手しましたが、現役の“国交省住宅局住宅総合整備課の役人”もその存在すら知りませんでした。まぁ、
20年近く前の話ですから現役の役人が知らなくても仕方が無い分部もありますが、ここに書いてある“非課税のカラクリ”については、私が調べた限り、この通達の内容を知っている不動産関連業者(大家を始め、仲介・管理会社、各種協会・財団等)は一つもありませんでした。唯一知っていたのは、“学者さん”のみ。(実際には、ちゃんと知っている方もいらっしゃると思いますが、私が調べた非常に狭い範囲だけの話です。)


ここに書いてあることを要約すると・・・・


1.消費税導入前、10万円だった家賃は現在103,000円(消費税込み)となっている。

2.住宅家賃の消費税が非課税となることで、現在の家賃は以下のようにしなければならない。

1)仕入に関わる消費税を残して、家賃を101,500円とする。(不動産業のみなし仕入率は50%

2)一旦家賃を10万円に下げ、次回の契約更改時に“1500円分を回収する家賃”に設定しなおす。


この通達を見ただけでは、多分だれも理解できないですよね!


もし、大家さんの中に顧問税理士がいらっしゃる方は、この通達の意味を聞いてみてください。


(ちなみに、この通達は当然の如く私が質問するまで国交省のHPにはなく、私が“HPに掲載すべき”と指摘し続けた結果、半年後にHPに掲載されました。)


<続く>


行動する大家さんの会スタッフ

仕入税額控除とは?


6/18


ちょっとここで“専門用語”を使います。


仕入に関わる消費税額を、預かった消費税額から差し引きすることを“仕入税額控除”と言います。また、第5回では、“全額仕入税額控除する”と説明しましたが、実際には“課税売上割合”という係数を乗じます。つまり、納税額は以下の通りになります。


納税/還付額=預かり消費税額-仕入税額控除額(+なら納税、-なら還付)

仕入税額控除額 = 仕入に関わる消費税額 x 課税売上割合*

 *課税売上割合=(課税売上+免税売上)/(課税売上+免税売上

+非課税売上)


課税売上しかない“課税事業者”は、上記の課税売上げ割合は常に100%となりますので、事実上仕入に関わる消費税全額が仕入税額控除できます。


ところで、非課税売上とは何でしょうか?大まかにいうと、土地・有価証券・利子・切手/印紙・役所の手数料(ここまでAグループ)、医療費・介護関連・助産・埋葬・障害者関連・授業料/入学金・教科書・住宅家賃(後半はBグループ)


Aグループは、“いわゆる消費という概念にそぐわない”という理由で、Bグループは“社会政策的配慮(つまり、逆進性解消)”により非課税とされております。


この辺の詳細は“消費税のあらまし(http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/aramashi/01.htm )”でご確認下さい。



<続く>


行動する大家さんの会スタッフ

どうやって消費税は国庫に入るの?


5/18


それでは、お店(例えばコンビニ)は“5円全額を納税”するのでしょうか?


それは違います。コンビニは100円で販売するモノ(例えばペン)を、問屋から“80円で仕入”ます。その際、コンビニは問屋に80+4円(消費税分)を支払います。そして、コンビニは100円で販売する際、最終消費者から5円を預かります。


コンビニは、預かった5円-仮払いした4円=差額の1円 のみを“納税”します。




問屋は
80円で販売するものを、例えばメーカーから60円で仕入れます。つまり、問屋の納税額は、4円―3円=1円・・・・これが“川上”まで行われると、最終消費者が負担した5円が国庫に入るという仕組みなのです。


それでは、コンビニが80円で仕入れたものを“赤字放出=例えば40円”で販売した場合はどうなるでしょうか?


仕入で既に4円を払っておりますが、最終消費者からは2円しか預かれません。つまり、2円-4円=マイナス2円となります。この場合は、2円が税務署から“還付”されます。なぜならば、最終消費者が負担した税額は2円だから、ちゃんと“仕組みが機能”していることになりますね!



行動する大家さんの会スタッフ



<続く>