一時的な戦闘休止
わずか4日間の戦闘休止
イスラエルとハマスが人質の一部解放と戦闘休止で合意したようだ。
23日中にもこれが実行されるかもと言われたが、しかし未だに人質の解放
も戦闘の休止も始まらず、果たして実行されるか分からない。
極右ネタニヤフ政権は「ハマス壊滅」の名の下にガザ地区でパレスチナ
人の大虐殺攻撃を続けてきたが、人質の居場所の把握や奪還に失敗し支持
率が急落、人質の早期解放を求める国内世論や西側諸国からの圧力に押さ
れる形で方針転換せざるを得なかったようだ。
戦闘を4日間休止し、人質を50人解放(10数人毎に順次)することで合
意したという。イスラエルは拘束中のパレスチナ人150人の釈放、ガザへ
の燃料を含む人道支援物資の大量搬入にも合意した。またハマスが追加で
人質を10人解放する毎に1日ずつ戦闘を休止することも表明した。戦闘の
休止開始は近く発表されるという。
しかしネタニヤフは休止後にはハマス掃討と人質全員の奪還に向け戦闘
を続け、南部への地上侵攻に踏み切る構えだし、ハマスもイスラエルとの
対決方針には変わりがない。双方とも次の戦闘のための準備期間に過ぎな
い構えだから、合意がうまく実行されるかもわからない上、長い戦闘の休
止や停戦へのきっかけになってくれればいいが望み薄だ。
わずか4日間の戦闘休止では到底事態が改善するとは思えないがしかし、
ともかく一刻も早い支援物資の搬入などにより、飢餓や避難者が密集し
最悪の衛生状態による感染症の蔓延など、とりわけ子供たちにとって地獄
の様相のガザ地区の人々の救済が求められる。
どういう形であれ今のイスラエルのパレスチナ人大虐殺は止めなければ
ならない。
ガザ危機 3
危機のますますの深刻化
ガザで医療支援に当たっていた日本の看護師さんが今のガザの悲惨な人
道的危機について「私たちは傍観者であってはならない」と涙ながらに訴
えていた。許してはならないパレスチナ人の大虐殺、ジェノサイドが今目
の前で進行している。
ロシアのウクライナ侵略ではおよそ1年半くらいで殺されたウクライナ
市民の数をガザではわずか1ヶ月近くで遥かに上回っている。今や死者数
を調べる機能も失われつつある。数千人に及ぶ市民、子供達が瓦礫に埋も
れたままだ。
このネタニヤフ極右政権による大虐殺を誰も止めることが出来ない。
15日イスラエル軍はハマスの司令部があるとして、ガザ市最大のシファ
病院に戦車で突入した。爆撃と銃撃による死ばかりではなく燃料不足など
で既に病院機能は失われ大勢の乳幼児、病人たちが死に追いやられていた。
遺体安置すらできず病院敷地内で集団埋葬を実施せざるを得ないなど悲
惨極まりない「絶望的」(視察した国連要員)状況にある。
イスラエル軍が攻め込んだその他の病院も同様でガザの病院は(ハマス
の拠点だとして)ほぼ破壊し尽くされている。
なんであれ病院に戦車で攻め込むなど許されることではない。なのにイス
ラエルの口実を認めてバイデン政権はこれを支持した。
しかしイスラエル軍はそこにあるとした「ハマス司令部」の明白な証拠を
示すことは出来ずでっち上げの少数の武器を並べただけだ。(地下トンネル
があったとか?)
大虐殺に対する国際世論の反発に焦りを深めているイスラエルは、逆に
住民たちを避難させた南部でも「ハマスがいるから」と無差別虐殺攻撃を
更に強めるつもりのようだ。
18日ガザ北部で避難民の集まる3ヶ所の学校を爆撃、多数の犠牲者を新た
に出している。南部でも爆撃は続いている。
市民たちはどこにも逃げ場がないし水、食料、燃料が封鎖されたままで
飢餓がいよいよ深刻化しつつある。一刻も早くガザへの支援物資が届かな
ければどれだけの市民、子供達が死ぬか分からない。
他面これだけの虐殺攻撃でもネタニヤフは人質解放の展望を示すことが
出来ないことから、「人質奪還を第一に」とする声が高まりイスラエルの
世論が揺れている。ネタニヤフは「人質奪還」よりも「ハマス壊滅」の名
の下パレスチナの占領を、ガザからパレスチナ人を追い出すことを目論んで
いるに違いない。(そもそもネタニヤフは自国市民が犠牲になることをあえ
てしたに違いないのだから。)
ガザ危機 2
許しがたいネタニヤフによるパレスチナ人ジェノサイド
何を言おうと今のガザ地区、パレスチナ人に対するイスラエルの戦争は
大虐殺であり許し難い犯罪であることは間違いない。
ガザの惨状の映像はほとんど見るに耐えない。
血まみれの少女の泣き叫ぶ姿や2、3歳の子供がただガタガタとふるえて
いる映像は、沖縄戦最中に助け出された子供がガタガタと震えていた姿と
重なり、ベトナム戦争でナパーム弾で焼かれて裸になって道路を泣き叫び
ながら逃げて行く少女などを思い出させる。
しかも問題はこのネタニヤフ極右政権の暴虐を誰も止めることが出来ない、
いやむしろ欧米などはこのイスラエルを支持し、日本政府(岸田)もこれに
追従しているということにある。
ハマスによる越境攻撃とイスラエル市民の虐殺に対する憤激を口実として
ネタニヤフはパレスチナの市民の大虐殺を一向に止めようとしない。市民の
犠牲者は既に一万人を遥かに越えている(瓦礫に埋もれている数千人がいる)
上、半数近くが子供達である。ネタニヤフにはハマスの襲撃を「ホロコース
ト」だなどと非難する資格はどこにもない。
これが「ユダヤ人の生存」をかけた戦いというなら逆に世界中に反ユダヤ、
「ユダヤ人差別」の動きを加速するばかりだ。他面では反イスラム、「イス
ラム(教)差別」の動きも加速している。世界の混迷が進む。
パレスチナ人の死者数は日を追って増加するばかりなのに、イスラエル人
の死者数は1400人以上から1200人以上へと減らされた。(誇大宣伝)
さすがに世界中でパレスチナ人大虐殺反対の声が湧き上がっているから、
イスラエルはハマスの拠点があるとして大勢の避難民、怪我人でごった返す
病院をもあえて爆撃、攻撃し多数の虐殺を繰り返しながら、ハマス側の
「誤爆」だなどと白々しく強弁せざるを得なくなっている。
攻撃された病院の院長は「今私は100人の遺体の前で話をしている」とい
うほど悲惨な状況で、物資を封鎖し病院機能を奪い病人、怪我人を大量に
殺しているのは間違いなくイスラエルだ。
*
ネタニヤフはどうやらハマスの越境攻撃を意図的に見逃したか、タカを
括っていたらしいので、この「意図的見逃し」あるいは「失態」を突かれれ
ば即首が飛ぶくらいでは済まない。何故なら自国市民の犠牲をあえてしたら
しい(ハマスの攻撃はネタニヤフの思惑を越えたようだが)ことがバレかね
ないからである。ネタニヤフはこれに怯えているに違いない。
(「失態」を突く声はイスラエルでも既に上がっている。だが日本の中東、
パレスチナ問題の専門家と称する連中はこのネタニヤフの「意図的見逃し」
の可能性ー「3日前にはエジプトからハマスの越境攻撃についての情報を
受け取っていた」ーについては一切触れることがない。)
だからなんとしても「ハマスのテロ」に全てを集約して自己の責任(イス
ラエル市民を意図的に見殺しにしたか、少なくともタカを括って見殺しに
した)を隠蔽し逃れるためにこそ、ガザ市民に多大の犠牲が出る(大虐殺)
のを承知の上で、バイデンの仲介を蹴飛ばし、表向きは誤魔化しながらだが
「地上戦」でのハマス壊滅に突っ走っている。
どうみてもガザの再占領に進むつもりに違いない。
(ネタニヤフはイスラエル人の報復感情を煽るためにもむしろ虐殺をあえて
進んでやらせているようだ。「ハマスは市民を盾にしている」などと強弁
するのは盾なんだから殺しても構わないと言ってるわけだ。)
*
米国内のユダヤロビーに急所を握られてるが故に「イスラエル支持」を打
ち出すしかなく、他方イスラエルによるパレスチナ人大虐殺反対の米世論に
押されて、オロオロとみっともない「仲介」をやってはネタニヤフに蹴っ飛
ばされて哀れな姿を曝け出しているのがバイデンだ。
米国・バイデンはそのロシアのウクライナ侵略への対応とは明らかに異な
る「ダブルスタンダード」がモロに浮き彫りになり、プーチン、習近平は高
笑い、そしてネタニヤフに完全にコケにされる始末で、市民の犠牲を止める
ため一刻も早い「停戦」の仲介が求められているにも関わらず、それをやる
つもりもそれを押し通す力もどこにもない。来年の大統領選が危うい。
子供たちが毎日毎日何十人何百人と殺されている。今直接爆弾で殺され
なくても、飢えや病気で膨大な市民、子供たちが死に直面させられている。
事態は悪くなる一方、犠牲が増える一方ひどい話だ。