能登半島地震 | 鬼川の日誌

能登半島地震

  地震から8週間

 

 

 

  26日で地震から8週間になる。今も1万人を越える人が避難所で暮らし

 ている。およそ76000棟近くの住宅が被害を受け、今も22000戸近くで断

 水が続いている。更に問題は輪島市など6市町村の下水管685kmのうち52

 %に当たる359kmが破損していると分かった。最も深刻な珠洲市では94%

 とかでほぼ壊滅。

  この下水管の破損は過去のどの大地震と比べても突出しているそうだ。

 

  能登半島北部から西部の沿岸部は地盤が最大4mも隆起した。漁港は干

 上がり船を出せなくなった漁師が多い。

 

  顕著なのはこれらのインフラの復旧がなかなか進まないということだ。

 港を掘削したり船を別の港に移すなどの対応策はそう簡単に進むものでは

 ないし、仮設住宅の整備や断水の解消、下水管の補修などにはまだまだ時

 間が掛かりそうだ。交通事情が悪いという半島という特有の事態もあるの

 は確かだが。

 

  各地からの応援を入れても家屋の被災の診断がなかなか進まず、解体す

 べき家屋の解体も、地元の解体事業者がそもそも少なく、外からは道路事

 情で思うように応援部隊も事業者も入れない。

  

  これはボランティアなどの手が欲しいのだが、現地に拠点がないため日

 帰りを余儀なくされて支援の十分な時間を取れないなどの問題と同じよう

 だ。ボランティア宿泊施設などは少しずつ作られつつあるようだが。

 

  最大の問題はこれらの事情の上でボトルネックになっている問題を解消

 したり、さまざまな支援を統一的に調整する機能が、当然県を越えた国レ

 ベルでの支援はどうなっているのだろうと思わざるを得ない現状にある。

 

  馳知事は維新の顧問だとかで関西万博がいよいよ復旧の妨げになること

 は明らかなのに止めようという気はさらさらない。1ヶ所2億円のトイレ

 を2ヶ所作るとか全く冗談ではないが、問題は2億円などというレベルで

 はない万博の巨大な無駄遣い、そんな金があれば復旧に回すべきだという

 ことばかりではない。

 

  建設業界ではすでに人手不足が顕著であるが、4月以降時間外労働の上

 限規制で人手不足に拍車がかかることは明白で、今でも足りない人材と資

 材を巡って、地震被害の復旧工事と万博工事との競合が更に激しくなり当

 然のこと復旧の足を引っ張ることは避けられない。

  なのに岸田政権は既に破綻が迫る万博を辞め能登復旧に力を傾注しよう

 ともしないし出来ない。これでは復旧が進むはずがないのだ。