ガザ危機5ヶ月
深刻化するばかりのガザ虐殺
29日、北部ガザ市で支援物資を受け取りに集まった市民たちに、イスラ
エル軍が攻撃を仕掛け100数十人を殺し、700人以上が負傷するという惨事
がまた引き起こされた。イスラエル軍はほぼ連日のようにラファその他の
避難民の密集地に空爆、地上攻撃を仕掛けており、毎日数十人の子供たち
市民を虐殺している。
ガザ地区の死者は3万人を越えた。瓦礫に埋まって行方不明の人は8000
人近いといわれている。
ガザ全域が飢餓状態に追い詰められており、多数の子供たちが栄誉失調
や感染症で次々死亡している。直近では50数万人が飢餓になると国連が声
明を出した。(緊急の支援が要請されているがイスラエル軍は妨害する。)
ガザ危機はまもなく5ヶ月、イスラエルによるガザ地区のパレスチナ人
(ヨルダン川西岸地区でも)虐殺が依然続いており、ユダヤロビーに牛耳
られているバイデンはなす術もなくイスラエルを支持し、虐殺を容認して
いる。
これにアラブ系アメリカ人の多い地区では米大統領候補の民主党の予備
選で、バイデンに大量の不支持票で抗議の意志を突きつけた。
本戦で大量のアラブ票が逃げれば「もしトラ」が現実化しかねない。
イスラエル(米、エジプト、カタール)とハマスとの間で、連日の虐殺
の中でもこの1ヶ月以上交渉は続いてきたようだ。
2月の終わり頃から(3月10日頃から始まる)アラブのラマダンの期間の
休戦と人質の解放を巡って、バイデンは希望的観測を出したが、その途端
ネタニヤフはガザ市の市民虐殺攻撃でこれをぶち壊した。
ハマスは恒久的な停戦とイスラエル軍のガザからの撤退を求め、ネタニ
ヤフは停戦は認めず、戦闘を止めるつもりはなくそもそも折り合うことは
望み薄だった。
ネタニヤフは避難民の密集するラファへの地上攻撃計画をやめるつもり
は全くない。イスラエル内でもネタニヤフ戦時内閣の退陣、早期選挙を求
める市民の声は強まるばかりで、内閣が崩壊すればネタニヤフは多分牢獄
行きは間違いないから、戦争をやめるわけにはいかないのである。
今の状態でも一体どれ程の人が死ぬことになるか分からないほどなのに。
能登半島地震
地震から8週間
26日で地震から8週間になる。今も1万人を越える人が避難所で暮らし
ている。およそ76000棟近くの住宅が被害を受け、今も22000戸近くで断
水が続いている。更に問題は輪島市など6市町村の下水管685kmのうち52
%に当たる359kmが破損していると分かった。最も深刻な珠洲市では94%
とかでほぼ壊滅。
この下水管の破損は過去のどの大地震と比べても突出しているそうだ。
能登半島北部から西部の沿岸部は地盤が最大4mも隆起した。漁港は干
上がり船を出せなくなった漁師が多い。
顕著なのはこれらのインフラの復旧がなかなか進まないということだ。
港を掘削したり船を別の港に移すなどの対応策はそう簡単に進むものでは
ないし、仮設住宅の整備や断水の解消、下水管の補修などにはまだまだ時
間が掛かりそうだ。交通事情が悪いという半島という特有の事態もあるの
は確かだが。
各地からの応援を入れても家屋の被災の診断がなかなか進まず、解体す
べき家屋の解体も、地元の解体事業者がそもそも少なく、外からは道路事
情で思うように応援部隊も事業者も入れない。
これはボランティアなどの手が欲しいのだが、現地に拠点がないため日
帰りを余儀なくされて支援の十分な時間を取れないなどの問題と同じよう
だ。ボランティア宿泊施設などは少しずつ作られつつあるようだが。
最大の問題はこれらの事情の上でボトルネックになっている問題を解消
したり、さまざまな支援を統一的に調整する機能が、当然県を越えた国レ
ベルでの支援はどうなっているのだろうと思わざるを得ない現状にある。
馳知事は維新の顧問だとかで関西万博がいよいよ復旧の妨げになること
は明らかなのに止めようという気はさらさらない。1ヶ所2億円のトイレ
を2ヶ所作るとか全く冗談ではないが、問題は2億円などというレベルで
はない万博の巨大な無駄遣い、そんな金があれば復旧に回すべきだという
ことばかりではない。
建設業界ではすでに人手不足が顕著であるが、4月以降時間外労働の上
限規制で人手不足に拍車がかかることは明白で、今でも足りない人材と資
材を巡って、地震被害の復旧工事と万博工事との競合が更に激しくなり当
然のこと復旧の足を引っ張ることは避けられない。
なのに岸田政権は既に破綻が迫る万博を辞め能登復旧に力を傾注しよう
ともしないし出来ない。これでは復旧が進むはずがないのだ。
ウクライナ
ロシアのウクライナ侵略2年
24日で2年になる。これと3月の大統領選があるので、プーチンは成果
をあげようとウクライナに対する攻撃を激化させている。ウクライナ全土
へのミサイル、無人機による攻撃、18日には東部ではドンバスの要衝アブ
デーフカからウクライナ軍が撤退を余儀なくされたと伝えられた。プーチ
ンは今後ドンバス地方全域の制圧を目標にしている。
欧米からの支援が細り、ウクライナ軍の武器、弾薬、防空能力が不足し
ている事態につけ込まれている。またウクライナ政権内部でもゼレンスキ
ーが軋轢が伝えられていたザルジニー軍総司令官を解任するなどの混乱が
士気に影響していることも否めない。
更に戦争の長期化でウクライナ兵20万人近くが死傷(うち7万人近くが
死亡)しており、兵力不足が深刻化してきている。50万人の兵士の動員が
要請されているようだが、国外脱出や徴兵逃れが横行し、長期動員されて
戦っている兵士やその家族には不公平感が募り、不平不満を訴えるデモが
多発している。ウクライナは兵力確保の難題に直面している。
もちろんロシア軍はプーチンが兵士の損耗など気にもしてないわけで、
ウクライナ軍の倍以上の兵士が死傷している。当然のことこちらも兵力不
足は深刻化しているのだが、プーチンがこれを強権的に押さえ込んで表面
化させてないだけである。また「ワグネル」のような民間軍事会社などの
闇の軍隊を使わざるを得ないということでもある。
(アジア、アフリカ等の貧しい国の若者たちを高給で釣って兵士に仕立て
上げ、またワグネルがそうであったように、受刑者を駆り出して前線に投
入して使い捨てにする。)
ウクライナへの攻勢だけでなく大統領選での圧勝を演出するため、プー
チンは目障りなナワリヌイを刑務所に隔離するだけでは足りずとうとう殺
してしまった。家族への遺体の返還にも「2週間」応じないのは「ノビチ
ョク」などの暗殺毒薬の痕跡が遺体から消えるまでということなのは見え
見えである。
そしてほぼ同時にウクライナへ亡命した元ロシア軍パイロットを逃亡先
のスペインで暗殺部隊が銃殺した。これらはプーチン支配に叛逆したり、
逃亡したりする者に対する明白な恐喝以外の何ものでもない。こうした暗
殺は元KGBプーチンの常套手段で多くの人たちが殺されてきた。
こうしたウクライナのピンチの現状にもかかわらずバイデン政権はトラ
ンプに引きずられた共和党の抵抗で、ウクライナ支援の予算を通すことも
出来ずにいる。大統領選に向け「もしトラ」が現実味を帯びてきている。
しかし二人とも高齢で一体米国はどうなるやら、「もしトラ」は大惨事だ
がバイデンであれお先真っ暗以外にない。