大詰め | 鬼川の日誌

大詰め

  休戦はなるのか?

 

 

  5月7日でガザで戦闘が開始されてから7ヶ月も経つ。ガザ地区の死者

 は3万4千人を越えている。

  4月になり戦闘の終結を匂わせる「持続可能な平穏の回復」という曖昧

 な文言が入ったイスラエルの休戦案が提示された。早速アメリカはこれは

 イスラエルの大幅な譲歩で、応じないハマスが悪いという国際世論を作ろ

 うと画策した。

 

  イスラエルによるパレスチナ人虐殺に抗議する学生デモが全米に広がり、

 秋の大統領選に向け若者やアラブ人、イスラム教徒らの支持離れに苦慮す

 るバイデンのイスラエルに対する圧力があったと思われる。

 

  6日エジプト、カタールによる3段階の休戦案の受け入れをハマスが表

 明した。これには「軍事・敵対行為の恒久的な停止」「イスラエル軍のガザ

 完全撤収」との表記が盛り込まれている。

 

  しかしネタニヤフはこれをイスラエルの「要求とかけ離れている」とし

 て応じる可能性は低い。7日イスラエル軍はガザ南部ラファの東部を空爆

 し、限定的な地上作戦を開始、エジプトとの境界にあるラファ検問所を制

 圧しハマスへの圧力を強めた。これで国連のガザへの援助が遮断された。

 

  イスラエル国内ではハマスの奇襲の責任を取りネタニヤフは辞任すべき

 との世論が62%に上りネタニヤフ退陣の圧力が強まっているが、戦闘終結

 合意が(極右派の離脱)戦時内閣の崩壊=即退陣に繋がるのでネタニヤフ

 はあくまで戦闘を続ける以外にない。合意のいかんに関わらずラファへの

 侵攻は止めないと繰り返してきたし、今回の東部での「限定的」作戦の開

 始となった。

 

  しかしイスラエルもエジプトへの交渉団の派遣は続けていて最後の駆け

 引きが続いている。これまでも繰り返し交渉は崩壊してきた。

  何らかの合意がなるか決裂しラファへの侵攻が拡大されるか分からない

 が、ガザ市民虐殺が収まることを願うばかりだ。