ガロ、6枚目の

オリジナルアルバムです

(75年6月発売)。

 

メンバーは

堀内護さん(G,Vo)、

大野真澄さん(Vo)、

日高富明さん(G,Vo)。

 

シングル

「姫鏡台」(74年3月発売)の発売後、

テレビや芸能雑誌などの仕事を

抑えるようになり、

ライヴとアルバム制作に

充分な時間が取れるように

なっていた時期のアルバムです。

 

初のコンセプトアルバム

「CIRCUS」(74年5月発売)

の次に出されたこちらも

コンセプトアルバムでしたが、

前作は16曲中11曲が、

山上路夫さんの作詞、

そして本作は、

全曲阿久悠さん作詞という

制限がつけられていて、

自分たちのオリジナルに

プライドを持っていた彼ら、

特に、

堀内護さんと日高富明さんの

不満の残る中で制作されたことが

予測されます。

 

ただ、このアルバムに関しては、

第一級の職業作詞家である

阿久悠さんの歌詞が素晴らしく、

青年期から壮年期に

差し掛かろうとする

人間の心理描写が

さすがに鮮やかで、

とてもよくまとまったアルバムとして、

高い評価を得ていました。

 

このアルバムからは、

先行シングルとして、

A面1曲目の「一本の煙草」がA面に、

アルバムタイトル曲「吟遊詩人」

(ショートヴァージョン)が

B面にカップリングされて

発売されています。

 

A面の「一本の煙草」は、

阿久悠さんの歌詞が

先に用意されていて、

メンバーに曲の依頼があったため、

大野真澄さんが

曲を書いたのですが、

制作側の意向で、外部作家の、

荒木和作さんのメロディで

録音することになったようです。

 

ちなみにこの時の

大野さんのメロディには、

新たに大野さん自身が歌詞を作り、

「青春の旅路」という曲として、

ラストアルバム

「三叉路」(75年12月発売)に

収録されることになりました。

 

また「吟遊詩人」は、

堀内護さんと日高富明さんが、

別々に作曲したメロディを

合わせた曲なのですが、

組曲風のドラマティックな

構成が印象的な、

ガロ後期の名曲の

ひとつだと思います。

 

順調と思われていた

音楽活動でしたが、

実はヒット曲が出て

メジャーなグループに

なったときから、

3人の間で燻っていた火種が

徐々に増えていったようで、

あれだけの人気を博した

このグループは、

この年のうちに解散を

決めることになります。

 

 *過去記事

GARO

GARO 2

GARO 3

GARO LIVE

GARO 4

CIRCUS(サーカス)

三叉路

GARO BOX

 

FROM LIVERPOOL TO TOKYO 2

かまやつひろし:どうにかなるさ

 

大野真澄

VOCAL'S VOCALS

堀内護

シローとブレッドバター:ムーンライト

マーク・ファースト 六夢(りくむ)

日高富明

シークレット ゾーン