去年まで花粉症にはならなかったのに、今年は花粉症っぽい
気がするということはありませんか。
そんなあなたは、免疫力が低下しているかもしれません。
免疫力は体を病気から守ってくれる機能です。
体の外から食べ物と一緒に入ってくる病原菌などの異物を
認識し、免疫細胞が「抗体」という武器を使って排除
しようとする働きです。
さまざまな病原菌は食べ物と一緒に入ってくる場合が多い
ので、免疫の戦いの最前線は小腸にあります。
免疫細胞は白血球の仲間で、マクロファージ、樹上細胞、
リンパ球、好中球などが一生懸命に戦っています。
免疫細胞の約60%は、小腸にあるので腸は免疫の中心とも
言われています。
●花粉に対するアレルギー反応
杉やひのきなどの花粉は、人間にとって害のある物質では
ありません。
でも、免疫細胞の機能が低下していると、免疫細胞は
花粉を異物として誤解し体から異物を排除しようとします。
その結果現れるのが花粉症と呼ばれているものです。
花粉が体に入ると、それと戦うために免疫細胞はいくつかの
抗体を作ります。
その中の1つの抗体が目、鼻などにある肥満細胞とくっつき
ます。
その後、再び花粉が入ってくると肥満細胞は過剰反応し、
ヒスタミンが分泌されることで、鼻水、鼻まづり、くしゃみ等
のアレルギー症状を引き起こします。
異物を誤解するのは、花粉ばかりでなく特定の食べ物や
ほこりなどいろいろありそれらはアレルゲン
(アレルギーの原因物質)と呼ばれています。
アレルギー反応には、花粉症の他食物アレルギー、
気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などがあります。
●なぜ花粉などのアレルゲンを異物と間違えるの
腸を中心とした免疫細胞は腸に入ってくる栄養素や病原菌など
自分にとって何が必要なもので何が不要のものかを常に
判断しなければなりません。
つまり、栄養素など体に必要なものには免疫反応を示さず、
病原菌など害のあるものには免疫反応を示すようになって
いるのです。
この両者のバランスは非常に微妙にできており、免疫細胞が
間違ってしまうのでアレルギー反応が起こります。
このバランスを崩すものが一般的には、食生活の変化、
自律神経を乱すような不規則な生活や睡眠不足、ストレス
などと言われています。
●免疫細胞活性化のカギをにぎるのは乳酸菌
腸周辺に存在する免疫細胞は、腸内の善玉菌であるビフィズス菌
や乳酸菌が優位になると活性化することがいままでの研究から
分かってきています。
例えば、健常な子どもとアレルギーにかかった子どもの便を
比較すると健常な子どもの便の方が、ビフィズス菌や乳酸菌の
割合が非常に多いことが調査結果から分かっています。
腸内細菌がビフィズス菌、乳酸菌優位の状態になっていると、
これらが腸管免疫が刺激されます。
そのため、免疫細胞が活性化してある抗体は働きが増し、
アレルギーを生み出す抗体を作る働きが抑制されるように
働きます。
そうすると免疫反応の誤作動が起こりにくくなり、アレルギー
は起こらなくなります。
以上のように免疫細胞活性化のカギをにぎるのが、
乳酸菌です。
花粉症に悩まされている方は、ヨーグルトや乳酸菌サプリメントを
積極的に摂り、腸内環境を改善していくことが大切です。
肌荒れやお通じを改善する