中国艦艇が初めて尖閣接続水域に、ロシア駆逐艦など3隻も
中国艦艇が初めて尖閣接続水域に、ロシア駆逐艦など3隻も
TBS News-i 2016/6/10 02:51
9日未明、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域に進入したと防衛省が発表しました。また、ロシア軍の艦艇3隻も同じ時間帯に接続水域を航行していたことがわかりました。中国海軍の艦艇の進入が確認されたのは初めてのことです。
防衛省に緊張が走りました。9日午前0時50分ごろ、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域内に入ったことを、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が確認しました。
「今回、中国海軍の軍艦が接続水域に入ってきたのは初めてのことです」(斎木昭隆外務事務次官)
外務省の斎木次官は午前2時ごろ、中国の程永華大使を外務省に呼び、厳重に抗議を行う異例の対応をとりました。接続水域に入ったのはジャンカイ1級と呼ばれるフリゲート艦1隻。
「中国海軍艦艇が接続水域に近づきつつある段階から警告を発していました」(河野克俊統合幕僚長)
これを受け政府は、官邸内にある危機管理センターに情報連絡室を設置しました。
「今後とも米国をはじめとする国際社会と連携しながら、こうした緊張を一方的に高める行為は行うべきではないと強く求めていかなければならない 」(岸田文雄外相)
尖閣諸島は、石垣島の北およそ170キロ、沖縄本島の西およそ410キロの場所に位置する島々の総称です。中国のフリゲート艦は、久場島の北東で日本の領海の外側にある接続水域を航行。接続水域は通関などで国内法を適用することが認められています。防衛省によりますと、フリゲート艦は午前3時10分ごろ、接続水域を出て、北に向けて航行したことを確認したといいます。
尖閣諸島をめぐる日中間の確執。2010年に中国漁船が故意に海上保安庁の巡視艇に衝突し、漁船の船長が公務執行妨害で逮捕されました。自らの領土を主張する中国は強く反発。各地で反日デモが相次ぎました。
「東京都はあの尖閣諸島を買います」(東京都知事【当時】 石原慎太郎氏 2012年4月)
2012年、当時の石原慎太郎都知事が、日本固有の領土でありながら個人所有だった尖閣諸島を東京都が購入すると表明。その後、当時の民主党政権が国有化に踏み切りました。
再び当時の緊張がよみがえるなか、防衛省は、中国のフリゲート艦を確認する前に異なる国籍の艦艇の存在を確認していました。その国とは、ロシアです。8日午後9時50分にロシア海軍の駆逐艦など3隻が付近の接続水域に入っていたことを海上自衛隊の護衛艦が確認したのです。日中外交に詳しい富坂聰氏は、ロシアと中国の艦艇の動きに関連性はないのではないかと指摘します。
「フィリピンが仲裁裁判所に持ち込んだ(南シナ海の領有権を争う裁判の)結果がまもなく出て、(中国が)すごく警戒心を持っていたので、南シナ海の問題で関わっている日本にも非常に強いメッセージを発したと思う」(拓殖大学 海外事
情研究所 富坂聰教授)
一方で、ロシアと中国の海軍艦艇が相次いで進入したことについて、外遊中の中谷防衛大臣は、ロシア艦船の動きに中国が反応した可能性があると述べました。
日本側の報道を受け、中国国防省は9日、尖閣諸島を中国固有の領土と強調した上で、次のようなコメントを発表しました。
「中国の軍艦が自国の管轄海域を航行するのは理にかなっていて合法的である。他国がとやかく言う権利はない」(中国国防省 9日)
(09日17:54)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4615623
尖閣接続水域に中国海軍、NSCで情報分析
TBS News-i 2016/6/10 04:27
尖閣諸島付近の接続水域に中国海軍の艦艇が進入したことを受け、政府は9日夜、NSC=国家安全保障会議の関係閣僚会合を開き、情報分析を行いました。
会合には安倍総理のほか、菅官房長官、岸田外務大臣や防衛省幹部らが出席しました。岸田外務大臣から中国海軍の艦艇が接続水域に進入した事案について報告を受け、情報分析や今後の対処方針を確認したものとみられます。
会合に先立ち、防衛省の河野統合幕僚長は、今回の事案について次のように懸念を示しました。
「全体的に海洋を巡る安全保障環境は厳しさを増しているということは言える」(防衛省 河野克俊統幕長)
防衛省では、海外出張中の中谷防衛大臣がアメリカと緊密に連携するよう幹部に指示を出すなど、警戒態勢を強めています。(09日23:52)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4620263
TBS News-i 2016/6/10 02:51
9日未明、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域に進入したと防衛省が発表しました。また、ロシア軍の艦艇3隻も同じ時間帯に接続水域を航行していたことがわかりました。中国海軍の艦艇の進入が確認されたのは初めてのことです。
防衛省に緊張が走りました。9日午前0時50分ごろ、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域内に入ったことを、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が確認しました。
「今回、中国海軍の軍艦が接続水域に入ってきたのは初めてのことです」(斎木昭隆外務事務次官)
外務省の斎木次官は午前2時ごろ、中国の程永華大使を外務省に呼び、厳重に抗議を行う異例の対応をとりました。接続水域に入ったのはジャンカイ1級と呼ばれるフリゲート艦1隻。
「中国海軍艦艇が接続水域に近づきつつある段階から警告を発していました」(河野克俊統合幕僚長)
これを受け政府は、官邸内にある危機管理センターに情報連絡室を設置しました。
「今後とも米国をはじめとする国際社会と連携しながら、こうした緊張を一方的に高める行為は行うべきではないと強く求めていかなければならない 」(岸田文雄外相)
尖閣諸島は、石垣島の北およそ170キロ、沖縄本島の西およそ410キロの場所に位置する島々の総称です。中国のフリゲート艦は、久場島の北東で日本の領海の外側にある接続水域を航行。接続水域は通関などで国内法を適用することが認められています。防衛省によりますと、フリゲート艦は午前3時10分ごろ、接続水域を出て、北に向けて航行したことを確認したといいます。
尖閣諸島をめぐる日中間の確執。2010年に中国漁船が故意に海上保安庁の巡視艇に衝突し、漁船の船長が公務執行妨害で逮捕されました。自らの領土を主張する中国は強く反発。各地で反日デモが相次ぎました。
「東京都はあの尖閣諸島を買います」(東京都知事【当時】 石原慎太郎氏 2012年4月)
2012年、当時の石原慎太郎都知事が、日本固有の領土でありながら個人所有だった尖閣諸島を東京都が購入すると表明。その後、当時の民主党政権が国有化に踏み切りました。
再び当時の緊張がよみがえるなか、防衛省は、中国のフリゲート艦を確認する前に異なる国籍の艦艇の存在を確認していました。その国とは、ロシアです。8日午後9時50分にロシア海軍の駆逐艦など3隻が付近の接続水域に入っていたことを海上自衛隊の護衛艦が確認したのです。日中外交に詳しい富坂聰氏は、ロシアと中国の艦艇の動きに関連性はないのではないかと指摘します。
「フィリピンが仲裁裁判所に持ち込んだ(南シナ海の領有権を争う裁判の)結果がまもなく出て、(中国が)すごく警戒心を持っていたので、南シナ海の問題で関わっている日本にも非常に強いメッセージを発したと思う」(拓殖大学 海外事
情研究所 富坂聰教授)
一方で、ロシアと中国の海軍艦艇が相次いで進入したことについて、外遊中の中谷防衛大臣は、ロシア艦船の動きに中国が反応した可能性があると述べました。
日本側の報道を受け、中国国防省は9日、尖閣諸島を中国固有の領土と強調した上で、次のようなコメントを発表しました。
「中国の軍艦が自国の管轄海域を航行するのは理にかなっていて合法的である。他国がとやかく言う権利はない」(中国国防省 9日)
(09日17:54)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4615623
尖閣接続水域に中国海軍、NSCで情報分析
TBS News-i 2016/6/10 04:27
尖閣諸島付近の接続水域に中国海軍の艦艇が進入したことを受け、政府は9日夜、NSC=国家安全保障会議の関係閣僚会合を開き、情報分析を行いました。
会合には安倍総理のほか、菅官房長官、岸田外務大臣や防衛省幹部らが出席しました。岸田外務大臣から中国海軍の艦艇が接続水域に進入した事案について報告を受け、情報分析や今後の対処方針を確認したものとみられます。
会合に先立ち、防衛省の河野統合幕僚長は、今回の事案について次のように懸念を示しました。
「全体的に海洋を巡る安全保障環境は厳しさを増しているということは言える」(防衛省 河野克俊統幕長)
防衛省では、海外出張中の中谷防衛大臣がアメリカと緊密に連携するよう幹部に指示を出すなど、警戒態勢を強めています。(09日23:52)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4620263
猫の夜散歩を「GPS」で調べたら…予想外の遠出をしまくっていることが判明!
猫の夜散歩を「GPS」で調べたら…予想外の遠出をしまくっていることが判明!
2016年6月7日
あなたはイヌ派、それともネコ派でしょうか?
親しみやすく温和なイヌ、マイペースだけど魅力的なネコ。
私の周りには、「自分勝手なネコに支配されている感じがたまらない!」そう話していた知り合いもいました(笑)。
今回はそんなネコが主役の話です。(イヌ派の人ごめんなさい…)
ネコの夜間の行動範囲は、驚くほどの広さ
ネコの夜間の徘徊をGPSを使い、調べたと言います。
驚きの結果に、世界中で大きな話題となっているようです。
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
こちらは山の奥まで突っ込んでいるようですが…(笑)。
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
この結果に、「GPSが正確に測れていないのではないか」と疑問視する声もあります。
こんなに山の奥にまで移動しているとは確かに考えにくいですね…。
それにしても、なぜこのような実験を行ったのでしょうか。
そこには、簡単には片付けられない重大な問題が隠れていました。
Next: この実験を行った理由とは?/驚きを隠せない人々の反応
実験が行われた理由…
オーストラリアの政府が調査したようですね。
反捕鯨国としても有名なオーストラリアは、鳥類や哺乳類の生息数を増やすためにネコがいない保護地区を創設すると表明していました。
実は、野生に潜む多くの鳥や哺乳類がネコによって殺害されているのです。
その対策の一環として、今回の調査が行われたのではないでしょうか。
出典:Flickr
出典:Flickr
オーストラリア政府は、在来種を守るため2020年までにネコ200万匹を殺処分すると発表しています。「希少動物を襲ってしまうので、ネコを人の手で殺してしまう」何だかとても皮肉めいた話ですね…。
この実験は大きな話題を呼んでいます
このエピソードは凄まじい…(笑)。
れ髪サスーン
@momusicmolife69
@orangeflower08 昔、うちの父親のじいちゃんが猫嫌いだったらしく、阿蘇(家から約20キロ)のところに捨てにいったら、二日後くらいに帰ってきたらしいです(笑) その後は諦めて飼ったらしいです。
OCCHI-METAL9/19東京ドーム @mn115115
@orangeflower08 ナスカの地上絵みたいですねw
2016年6月4日 21:04
聖☆チベタンガルパンおじさんことタツコマ @tatukoma1987
@orangeflower08 野良猫だと、縄張り範囲が13平方キロメートルになったりするとか。
一般的に、安全な餌場が豊富に確保出来てる個体は縄張りが狭い傾向にあります。
2016年6月5日 11:43
やはり
赤間道岳 @m_akama
@orangeflower08 2~4枚目の写真には長距離の直線状の移動がありますが、おそらくこれはGPSの測定誤差と思われます。ネコの習性に狭い所を好む傾向がありますが、このような場所は電波が乱反射して誤差が多く出る傾向がありますし(´・ω・`)
きちんと計られていなかったのかもしれませんが、最後に驚きの結果をご覧ください。
これは無事に戻って来れたのでしょうか…(笑)。
ネコを飼っている方は、夜間にネコを追跡してみると、驚きの結果が得られるのかもしれません。
「死が近い猫は主人に姿を見せないのではなく、方向感覚が狂っており、遠出したものの帰ってこれなくなっている」今回の結果からそんな風にも考えられますね。
【併せて読みたい】
◎道端で倒れていた猫を発見!救助しようと脈を測ろうとしたら…そのあとの展開に笑える♡(画像3枚)
◎どうしてこうなった?!笑わずにはいられない、にゃんこの寝相傑作集12選
◎大怪我を負いながらゴミ山に埋もれたところを少女に救出された子猫。その出会いが奇跡を起こした
◎『あ、これ詰んだわ…』哀愁ただよう表情がたまらない!好奇心旺盛なはずの猫たちが諦めた瞬間11選♡
記事提供:@heaaart
http://www.mag2.com/p/money/14307
2016年6月7日
あなたはイヌ派、それともネコ派でしょうか?
親しみやすく温和なイヌ、マイペースだけど魅力的なネコ。
私の周りには、「自分勝手なネコに支配されている感じがたまらない!」そう話していた知り合いもいました(笑)。
今回はそんなネコが主役の話です。(イヌ派の人ごめんなさい…)
ネコの夜間の行動範囲は、驚くほどの広さ
ネコの夜間の徘徊をGPSを使い、調べたと言います。
驚きの結果に、世界中で大きな話題となっているようです。
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
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こちらは山の奥まで突っ込んでいるようですが…(笑)。
出典:designyoutrust
出典:designyoutrust
この結果に、「GPSが正確に測れていないのではないか」と疑問視する声もあります。
こんなに山の奥にまで移動しているとは確かに考えにくいですね…。
それにしても、なぜこのような実験を行ったのでしょうか。
そこには、簡単には片付けられない重大な問題が隠れていました。
Next: この実験を行った理由とは?/驚きを隠せない人々の反応
実験が行われた理由…
オーストラリアの政府が調査したようですね。
反捕鯨国としても有名なオーストラリアは、鳥類や哺乳類の生息数を増やすためにネコがいない保護地区を創設すると表明していました。
実は、野生に潜む多くの鳥や哺乳類がネコによって殺害されているのです。
その対策の一環として、今回の調査が行われたのではないでしょうか。
出典:Flickr
出典:Flickr
オーストラリア政府は、在来種を守るため2020年までにネコ200万匹を殺処分すると発表しています。「希少動物を襲ってしまうので、ネコを人の手で殺してしまう」何だかとても皮肉めいた話ですね…。
この実験は大きな話題を呼んでいます
このエピソードは凄まじい…(笑)。
れ髪サスーン
@momusicmolife69
@orangeflower08 昔、うちの父親のじいちゃんが猫嫌いだったらしく、阿蘇(家から約20キロ)のところに捨てにいったら、二日後くらいに帰ってきたらしいです(笑) その後は諦めて飼ったらしいです。
OCCHI-METAL9/19東京ドーム @mn115115
@orangeflower08 ナスカの地上絵みたいですねw
2016年6月4日 21:04
聖☆チベタンガルパンおじさんことタツコマ @tatukoma1987
@orangeflower08 野良猫だと、縄張り範囲が13平方キロメートルになったりするとか。
一般的に、安全な餌場が豊富に確保出来てる個体は縄張りが狭い傾向にあります。
2016年6月5日 11:43
やはり
赤間道岳 @m_akama
@orangeflower08 2~4枚目の写真には長距離の直線状の移動がありますが、おそらくこれはGPSの測定誤差と思われます。ネコの習性に狭い所を好む傾向がありますが、このような場所は電波が乱反射して誤差が多く出る傾向がありますし(´・ω・`)
きちんと計られていなかったのかもしれませんが、最後に驚きの結果をご覧ください。
これは無事に戻って来れたのでしょうか…(笑)。
ネコを飼っている方は、夜間にネコを追跡してみると、驚きの結果が得られるのかもしれません。
「死が近い猫は主人に姿を見せないのではなく、方向感覚が狂っており、遠出したものの帰ってこれなくなっている」今回の結果からそんな風にも考えられますね。
【併せて読みたい】
◎道端で倒れていた猫を発見!救助しようと脈を測ろうとしたら…そのあとの展開に笑える♡(画像3枚)
◎どうしてこうなった?!笑わずにはいられない、にゃんこの寝相傑作集12選
◎大怪我を負いながらゴミ山に埋もれたところを少女に救出された子猫。その出会いが奇跡を起こした
◎『あ、これ詰んだわ…』哀愁ただよう表情がたまらない!好奇心旺盛なはずの猫たちが諦めた瞬間11選♡
記事提供:@heaaart
http://www.mag2.com/p/money/14307
意識回復の女子大生 「脳機能に異常は認められない」と診断
小金井市のアイドル刺傷事件
国内の事件・事故
日テレNEWS24
意識回復の女子大生 「脳機能に異常は認められない」と診断
2016年6月8日 12時15分
ざっくり言うと
アイドル刺傷事件で、女子大生が事件から約2週間後に意識を回復した
入院先の医師は「脳機能に異常は認められない」と診断している
警視庁は女子大生の容体の回復を待って、事故当時の話を聞きたいとしている
意識回復の冨田真由さん、脳機能に異常なし
2016年6月8日 12時15分
日テレNEWS24
芸能活動をしていた女子大学生がファンの男に刺された事件で、女子大学生は意識を回復しているが、脳機能に異常はないことがわかった。
捜査関係者によると、事件で意識不明の重体となっていた冨田真由さん(20)は、事件から約2週間後の先週末に、意識を回復したという。冨田さんは8日も入院していて、面会謝絶の状態が続いているが、入院先の医師が「脳機能に異常は認められない」と診断していることがわかった。
冨田さんは小金井市のライブ会場前で岩埼友宏容疑者にナイフで首などを20か所以上刺されたが、頭部や心臓などの臓器に損傷はなかったということで、警視庁は、冨田さんの容体の回復を待って事件当時の状況について話を聞きたいとしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/11616779/
顔は大丈夫だったのだろうか。とにかく意識が戻ってよかった。
国内の事件・事故
日テレNEWS24
意識回復の女子大生 「脳機能に異常は認められない」と診断
2016年6月8日 12時15分
ざっくり言うと
アイドル刺傷事件で、女子大生が事件から約2週間後に意識を回復した
入院先の医師は「脳機能に異常は認められない」と診断している
警視庁は女子大生の容体の回復を待って、事故当時の話を聞きたいとしている
意識回復の冨田真由さん、脳機能に異常なし
2016年6月8日 12時15分
日テレNEWS24
芸能活動をしていた女子大学生がファンの男に刺された事件で、女子大学生は意識を回復しているが、脳機能に異常はないことがわかった。
捜査関係者によると、事件で意識不明の重体となっていた冨田真由さん(20)は、事件から約2週間後の先週末に、意識を回復したという。冨田さんは8日も入院していて、面会謝絶の状態が続いているが、入院先の医師が「脳機能に異常は認められない」と診断していることがわかった。
冨田さんは小金井市のライブ会場前で岩埼友宏容疑者にナイフで首などを20か所以上刺されたが、頭部や心臓などの臓器に損傷はなかったということで、警視庁は、冨田さんの容体の回復を待って事件当時の状況について話を聞きたいとしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/11616779/
顔は大丈夫だったのだろうか。とにかく意識が戻ってよかった。
日記
会社で100枚ぐらいのCDに入れたデータをパソコンに取り込めとの
指示あり。毎日、まだか、まだかと急かされているが
「わかりません」というしか無し。1枚にパンパンにデータが入っているのもあるし、2件だけの場合もある。しかも与えられているパソコンがよくフリーズする。
古いイラストレータのデータは、まっ白になってクリックしても出てこないのでイラストレータを開けてそこから開く。でも、常にフリーズするし、パソコン画面に消したはずのデータがいっぱい残っていてイラストレータを開くと見えるのだ。
古いデータを今、見れるデータに変換する作業も途中でパソコンが固まってイラストレータを再度立ち上げないといけないし、時間がかかる。それを説明しているのに、新しい部署の新しい上司2名は意味が分からないのか、毎日、急かしてくる。この間、今週中にできる?と聞いてきた。
終いには、上司のフォルダーにすべてCDの中身をぶち込んでそこから整理整頓しろという。
「〇〇さんのことどうしよう言う話になって、フォルダーに入れて監視しよう、いうことになったから」と言う。金曜日のことだった。それでも我慢した。
でも月曜日に上の上司に
「〇〇さん。CDにデータ入れた時間、ちゃんと見てんねんで。最初に入れた時間と次に入れた時間に2時間、あいだあいてんの見てんねんで。」と言われた。
「それは、その時は別のことをしてたからです。年間のカタログのフローチャート作成の資料のために過去のメールのチェックをしていたんですよ。」
と説明したが、どうも信じていない様子。
「〇○さんは、ネット観すぎや。特にメールしすぎや。こんどからメールは全部CCでこっちにも送るように」
ようするに、ネットを観るなということでした。
友人Oにこのことを言うと
「神様に祈りしなさい。彼らの目的はあなたが嫌がる態度を見せることだから、いつもにこにこしてなさい」と言った。
クリスチャンだから、自分でできないことは神さまに祈る。クリスチャンの常識。
B子ちゃんは、「それ間違いや。メールじゃなくて、ブログや」と言っていた。
友人Tは、「ボクも会社でネット観すぎや言われた」と言っていた。
以上。新い部署の新しい上司は、わたしをどう監視しようか、毎日話しているそう。新人さんが言っていた。
「みんなでわたしの悪口言ってんのやろ」と言うと
「いや。でもみんな〇〇さんのことめっちゃ看ていますよ」と言っていた。
今まで一人で、全部会社の雑用をしてきたのに、入社30年目にしてこんな目に遭うとは、、、。
指示あり。毎日、まだか、まだかと急かされているが
「わかりません」というしか無し。1枚にパンパンにデータが入っているのもあるし、2件だけの場合もある。しかも与えられているパソコンがよくフリーズする。
古いイラストレータのデータは、まっ白になってクリックしても出てこないのでイラストレータを開けてそこから開く。でも、常にフリーズするし、パソコン画面に消したはずのデータがいっぱい残っていてイラストレータを開くと見えるのだ。
古いデータを今、見れるデータに変換する作業も途中でパソコンが固まってイラストレータを再度立ち上げないといけないし、時間がかかる。それを説明しているのに、新しい部署の新しい上司2名は意味が分からないのか、毎日、急かしてくる。この間、今週中にできる?と聞いてきた。
終いには、上司のフォルダーにすべてCDの中身をぶち込んでそこから整理整頓しろという。
「〇〇さんのことどうしよう言う話になって、フォルダーに入れて監視しよう、いうことになったから」と言う。金曜日のことだった。それでも我慢した。
でも月曜日に上の上司に
「〇〇さん。CDにデータ入れた時間、ちゃんと見てんねんで。最初に入れた時間と次に入れた時間に2時間、あいだあいてんの見てんねんで。」と言われた。
「それは、その時は別のことをしてたからです。年間のカタログのフローチャート作成の資料のために過去のメールのチェックをしていたんですよ。」
と説明したが、どうも信じていない様子。
「〇○さんは、ネット観すぎや。特にメールしすぎや。こんどからメールは全部CCでこっちにも送るように」
ようするに、ネットを観るなということでした。
友人Oにこのことを言うと
「神様に祈りしなさい。彼らの目的はあなたが嫌がる態度を見せることだから、いつもにこにこしてなさい」と言った。
クリスチャンだから、自分でできないことは神さまに祈る。クリスチャンの常識。
B子ちゃんは、「それ間違いや。メールじゃなくて、ブログや」と言っていた。
友人Tは、「ボクも会社でネット観すぎや言われた」と言っていた。
以上。新い部署の新しい上司は、わたしをどう監視しようか、毎日話しているそう。新人さんが言っていた。
「みんなでわたしの悪口言ってんのやろ」と言うと
「いや。でもみんな〇〇さんのことめっちゃ看ていますよ」と言っていた。
今まで一人で、全部会社の雑用をしてきたのに、入社30年目にしてこんな目に遭うとは、、、。
消えた年金ー昨年7-9月期にGPIFの運用は7兆8千億円もの損失を出した
安倍政権がひた隠す「年金スキャンダル」 偽りの株高、代償計り知れず=斎藤満
2016年4月24日 ニュース
「消えた年金」問題や「物価スライド見直しによる実質減額」など、国民はこれまでも年金に対する様々な不安を感じてきました。さらに今度は、この年金の運用成果の発表が、夏の参議院選挙前を避けて先延ばしされようとしています。
国民の年金積立金を管理運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用結果には、選挙前に出したくない「不都合な真実」があるようです。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)
プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
【関連】【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
「年金損失が明るみに出れば7月参院選で不利」判断か
GPIF議事録「年に1回の報告だけに減らすべき」
昨年7-9月期にGPIFの運用は7兆8千億円もの損失を出したこともあって、15年度は年間でも大きな損失を出した模様です。
3月末の相場が確定すれば、時間をかけずに3月までの運用実績はわかります。これまでのスケジュールをみても、2か月後くらいには成果を発表していました。15年度分は5月末か6月初めには発表できるはずです。
ところが今回は参議院選挙後の7月29日まで発表を延ばす模様です。選挙前に年金が大きな損失を出したとわかれば、選挙戦で不利になるとの判断があったようです。
3月10日に開催されたGPIFの運用委員会の議事録を見ても、そもそも四半期ごとに成果を発表すると、損だ得だと言われるだけだから、年に1回の報告だけに減らすべき、との発言が見られました。
もともと年金は安全資産で運用していた
国民の年金積立金は、政府(厚生労働省)が集めて、そのまま支払いに充てているわけではありません。国民から預かった積立金を一旦プールしてこれを運用し、将来の支払い原資を増やそうとしています。
従来は安全資産としての財投債(財政投融資の貸付原資として使うために発行するもので、通常の国債とほぼ同じ物)で運用していたので、損を出して資産が減ることはまずありませんでした。
しかし、積立金の規模が大きくなったこともあり、2001年度から市場での運用を始めました。それでも3分の2は安全な国内債券で運用し、残りを株や外国資産に充てていました。
最初の2年はITバブルが弾けた時期でもあり、運用で損を出し、年金資産が減少したのですが、その後は徐々に成果を上げ、資産額が一時10兆円以上増えました。しかし、リーマン・ショックでまた資産が減る事態となったのです。
Next: 安倍政権の「株価押し上げ」八百長芝居に使われたGPIF
安倍政権の「株価押し上げ」八百長芝居に使われたGPIF
この100兆円をこえる巨大な年金ファンドに目を付けたのが安倍政権です。
かつて「上げ潮派」と言われ、成長重視で株価を上げ、支持率を上げたい安倍政権は、2014年からこのGPIFの運用比率を大きく変更し、従来よりも日本株や外国株、外国債券への運用を大幅に拡大しました。
アベノミクスに期待して株高、円安が進んだのですが、これをさらに押し進めるためです。
現在約140兆円もの資金を預かるGPIFは世界一大きな年金ファンドですが、この巨人が動けば、それだけで相場が動きます。市場では「プールにクジラを入れたようなもの」との例えまで出ました。
安倍政権はGPIFの運用改革を「成長戦略」の柱としたのですが、従来の国債での運用を半分の35%に減らし、国内株で25%、外国株で25%、外国債券で15%運用する「リスク型」に変えました。
これだけ巨大なファンドが大量に株や外国資産を買うと言うので、市場はクジラについてゆくコバンザメのように、一緒になって株を買い、円を売りました。
このため、2014年度は消費税引き上げで国内総生産(GDP)はマイナス成長となったのですが、その中でも株価は大きく上昇し、翌年には日経平均が2万円を超え、ドル円は125円台まで円安となりました。
GPIFは結局、安倍政権の株価押し上げ、円安促進の「エンジン」として利用された格好です。それで株価が上昇し、円安が進んだので、一時はGPIFの資産そのものも株高と円安のダブル効果で大きく増える形になりました。安倍政権になってから毎年10兆円以上の資産増が実現したのです。
ところが、「好事魔多し」と言います。15年度になって流れは一転します。
Nex
15年度は5兆円前後の赤字に
まず、昨年夏場から世界の市場が不安定になり、GPIFもこの嵐に巻き込まれました。中国上海の株価が急落した上に、人民元を大きく切り下げたことが、世界の市場に不安の連鎖を起こしました。
そこでは、日本も含め世界の株価が下落し、安全資産の円が買われ、円高となりました。その市場不安は、今年初めにもまた世界に広がりました。
そうなると、GPIFの運用を「リスク型」に変えたことが裏目に出ます。株価の下落、円高という状況に対して、運用資産の半分が株で、4割が円高に弱い外貨資産というGPIFの運用構成が、余計損失を大きくすることになったのです。
相場上昇下では儲けが大きい反面、相場が下げれば損も大きくなる「博打型」になり、その付けが回ってきた形です。
皮肉なことに、こうした嵐の中で、「株価押し上げエンジン」が使えないのです。日本株の運用は昨年末ですでに24%近くになり、運用枠の25%に達しつつあるため、ここからは大きく買い上げることができません。外国株や外国債券の買い増し余地もあまりありません。
巨大ファンドの買いで相場を押し上げていたのが、買えなくなると「エンスト」になります。
このため、今年1-3月分も、株価がこの間12%も下落したのですが、GPIFは株価を押し戻すことができず、株で4兆円近い損を出したと見られます。外国株では米国株が堅調だったのですが円高で目減りし、欧州株が下落したので、これも2兆円から3兆円の損となった模様です。
皮肉にも、運用を減らした債券が頑張り、国内債は金利低下、価格上昇で2兆円ほど稼いだようです。
外国債券は金利低下(価格上昇)で利益が出た半面、為替が円高となって利益の多くを打ち消してしまいました。
以上はGPIFの運用が指標平均並みとの前提で計算しましたが、この結果、1-3月の運用成績は4兆円から5兆円の損失となり、15年度全体でも5兆円前後の損失となった可能性があります。
Next: 今後も逆風が続く市場で、国民の年金資産に目減りリスク
今後も逆風が続く市場で、国民の年金資産に目減りリスク
GPIFへの逆風は昨年だけのものではなさそうです。今後もかなり厳しい運用環境が続き、我々の年金資産は目減りしてゆくリスクがあります。
その主な理由は、日銀や欧州中央銀行(ECB)が、マイナス金利策なども含めて、金融市場を異常な世界にしてしまったためです。
すでに日本やスイスでは10年国債の利回りまでマイナスになり、一般の投資家は買えなくなってしまいました。日本では個人向け国債の発行が取りやめになっています。
マイナス金利の国債に投資するということは、例えば金利ゼロで額面100円の国債を105円で買うようなもので、満期まで持っていると額面の100円しか返ってこないので、5円の損失になります。
それでも機関投資家などのプロがこの国債を買うのは、一段の金利低下で国債の値上がりを期待したり、日銀が高い値段で買ってくれるのをあてにしたりするためで、買った時より高い値段で売れればよいのですが、満期が近づけば、値段は確実に下がり、最後は額面の100になってしまいます。
安全資産のはずの国債が、今や売り場を逃すと確実に損をするリスク資産になりました。
言い換えれば、国債そのものが異常な価格に値上がりしていて、いわば「バブル」の状況にあり、その国債を買いにくくなった分、株などほかのリスク商品に投資をしてきたので、株も実体経済とのバランスを超えた「バブル」水準になっています。
つまり、日欧などの中央銀行が異常な金融緩和を続けているため、株も債券もバブルになっている可能性があります。
バフェット基準では株価はすでに「天井」
例えば、日本の東証一部上場の株式時価総額は4月21日時点で528兆円を超え、日本の名目GDPを超えています。米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏は、株の時価総額がGDPの100%になると、これを「天井」とみて株価の過熱警報と見ます。
現在の日米の株価は、この「天井」に達し、過熱警戒警報が出ているような状況です。
この金融市場にバブルを生じさせている中央銀行の異常な緩和策について、米国がいち早く修正に乗り出しましたが、日欧は依然としてマイナス金利策を強化しようとしています。
そのために、貸出や債券運用で利益を上げられなくなった金融機関が利益を減じ、経営が圧迫されて金融仲介機能が十分果たせなくなりつつあります。
せっかく金融緩和しても、マイナス金利という異常な世界で金融が機能不全になれば、血の巡りが悪くなった身体と同様、経済の体力が弱ってきます。そうなると株も債券も下落し、バブルが弾けやすくなります。バブルが弾ければ、それらを大量に保有するGPIFなどの年金基金はさらに損失を拡大し、年金原資が細ります。
Next: 安倍政権の見栄と短期利益を優先した年金運用は失敗する
バブルが弾ければ経済に大きなダメージとなることは、20年前に日本は嫌というほど経験しましたが、金融政策で無理したつけは、バブルに手を染めていない一般の年金受給者など国民に回ってきます。
政権維持のために、金融政策に無理強いし、資産バブルを生みだした結果、所得格差、資産格差が拡大した上に、今後バブルが弾ければ、年金減額などの将来不安を生みます。
年金という国民の将来生活に深くかかわるものを、現政権の短期的な利益のために無理な運用をさせたことが、次の世代に大きな負担を負わせることになります。
安倍政権が隠蔽する「不都合な真実」
年金運用の損失発生は15年度だけでは済まない可能性があるのです。この「不都合な真実」を隠してもいずれわかってしまいます。
国民の年金を預かる立場の者は、その運用実態を国民に正直に正確に報告する義務があり、時の政権の「短期的な利益」でなく、長い目で見て国民の利益に供する努力が求められます。異常な金融市場にあっては、「博打に参加しない」判断も必要になります。
運用比率にこだわらず、嵐の中では「現金」で安全に逃げる柔軟性も必要です。国民の将来を担う年金の運用責任はそれだけ重いのです。
【関連】【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年4月24日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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マンさんの経済あらかると
[月額864円(税込) 毎週月・水・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。
http://www.mag2.com/p/money/10679
【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
国民の大事な年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、今回の株安でパフォーマンスを悪化させたうえに、その運用成績の発表を政治的な都合により遅らせようとしています。ひどい話です。(『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』4月18日号)
※このコラムは有料メルマガの一部抜粋です。初月無料の定期購読で、すべてのコンテンツをすぐにご覧いただけます。次号は4月25日配信予定、興味のある方はぜひこの機会に定期購読を!
プロフィール:江守 哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に運用者たる資格なし
株安で悪化、年金の運用成績
安倍政権の肝いりで始まったGPIFの株式中心の運用戦略。中心ではないのかもしれませんが、これまでの株式への投資比率を劇的に引き上げたことを考慮すれば、株式中心といってもよいでしょう。
しかし、今回の株安でその運用パフォーマンスが大きく落ち込んだとの試算がなされているようです。運用成績というのは、どの期間で見るかで変わりますので、いまの株安の時期だけをみると、パフォーマンスが悪化していることは明白です。
【関連】日経624円安「ブルームバーグショック」日銀追加緩和見送りで失望売り進む
これは、投資している対象の多くが、いわゆるパッシブ運用であることに起因します。つまり、上場投資信託(ETF)など株式指数に連動する投信に投資をしていれば、株式指数が下げると必然的に運用パフォーマンスも低下するからです。
これは市場任せの運用ですので、自分ではどうすることもできません。株価が下げると思えば、早めに投資を解約するしかありません。
ここには投資判断という、きわめて重い責任が入りますので、一般的には投資を開始した際に決めた比率を維持しながら、投資を継続するのが一般的です。その結果、相場が上下動しながらも長期的に良い運用成績になっていればよいわけです。
しかし、これも実際にどうなるかはわかりません。あくまで市場任せであることに変わりありません。
人為的に作られた相場の限界
やれることは、投資先の配分を見直すことぐらいです。自分で売り買いのタイミングを決められないので、投資対象の比率を変更することで、多少のパフォーマンス向上は可能です。しかし、これもどの投資対象が上昇するかを見極めるのは困難であり、実際には現実的ではありません。
安倍政権の肝いりで投資比率を変更したため、株価が上がってくれないと困るわけです。ですので、円安・株高誘導に必死になっているのですが、それでも残念な結果にしかなりません。所詮、人為的に作られた相場は長続きしません。
運用成績の発表遅延は意図的か
それ以上に問題なのは、運用成績の公表に関する政府の姿勢です。年度が3月末で終了しているので、本来であれば、発表すべき時期に来ているのですが、運用成績が悪いので、どうやら意図的に発表時期を遅らせているようなのです。
Next: 政治的理由で運用成績を隠すGPIFにプロ運用者の資格なし
GPIFの常識は世界の非常識
今回は、過去10年間のパフォーマンスの状況を詳細に公表するとのことで、その精査に時間がかかっているとしています。
しかし、そんなものは、最初から決まっているのであれば、すぐにできるはずなのです。
まして、運用というのは、保有している資産の現在価値を常に時価評価して把握しておくのが、運用の世界では常識です。このグローバルスタンダードと完全にかけ離れた、むしろ逆の姿勢で運用管理を行っているのがGPIFということになります。
私もヘッジファンド運用をしていたからよくわかるのですが、3月末時点の運用成績を7月末に出すなどというのは、運用者としてはあり得ないことです。
それは、意図的に遅らせているか、それとも運用状況を精査できないほど体制が貧弱であるかのどちらかです。もちろん、今回のケースは前者でしょう。
先が思いやられる年金運用の将来
国民の大事な年金が運用されているのですが、その運用成績の発表が政治的な都合で遅れる。ひどい話です。一般の運用業界の話であれば、即座に投資家は資金引き上げを行います。そのような運用者には、安心して資金を預けることはできません。
日本の年金運用の大本尊がこれではお話になりません。日本の年金運用の体制の将来が思いやられます。
日本の運用業界は世界に比べて大きく遅れています。そして、年金運用も同様というわけです。とても残念ですね。
※今回ご紹介するコラムは有料メルマガの一部抜粋です。初月無料の初月無料の定期購読で、株式・為替・商品市場の週間見通しや、ヘッジファンド投資戦略の解説、住友商事銅地金チーム時代の回想録など、すべてのコンテンツをすぐにご覧いただけます。
【最新号(4月18日)の内容】
◆マーケット・ヴューポイント~大局観は変わらず
・株式市場~想定以上に堅調な米国株
・為替市場~円高への動きが再開する展開を想定
・コモディティ市場~一旦調整の可能性も
◎今週の「ポジショントーク」~日経平均先物をショートは...
○ヘッジファンド投資戦略~「政治要因の重要性」-投資戦略構築のポイント
●マーケット・トピック~「GPIF」はプロの運用者か?-成績発表遅延は世界標準ではあり得ない
□マーケット人生物語~私の人生を変えたアノ事件
◇ベースボール・パーク~久しぶりのプロ野球観戦
次号は4月25日配信予定です。興味のある方はぜひこの機会に定期購読をお願いいたします。
【関連】GPIF運用益4.7兆円~それでも日本の公的年金は実質破綻している=近藤駿介
【関連】公開すればパニックに?年金(GPIF)が保有株式より前に開示すべきもの=近藤駿介
【関連】「パナマ文書」の目的と国内マスコミが報じない国際金融の闇=吉田繁治
『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』(2016年4月18日号)より一部抜粋
[月額3,240円(税込) 毎週月曜日(祝祭日・年末年始を除く) ]
株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。
http://www.mag2.com/p/money/10248
t: リスク資産中心のポートフォリオで自滅、15年度は5兆円の赤字に
2016年4月24日 ニュース
「消えた年金」問題や「物価スライド見直しによる実質減額」など、国民はこれまでも年金に対する様々な不安を感じてきました。さらに今度は、この年金の運用成果の発表が、夏の参議院選挙前を避けて先延ばしされようとしています。
国民の年金積立金を管理運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用結果には、選挙前に出したくない「不都合な真実」があるようです。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)
プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
【関連】【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
「年金損失が明るみに出れば7月参院選で不利」判断か
GPIF議事録「年に1回の報告だけに減らすべき」
昨年7-9月期にGPIFの運用は7兆8千億円もの損失を出したこともあって、15年度は年間でも大きな損失を出した模様です。
3月末の相場が確定すれば、時間をかけずに3月までの運用実績はわかります。これまでのスケジュールをみても、2か月後くらいには成果を発表していました。15年度分は5月末か6月初めには発表できるはずです。
ところが今回は参議院選挙後の7月29日まで発表を延ばす模様です。選挙前に年金が大きな損失を出したとわかれば、選挙戦で不利になるとの判断があったようです。
3月10日に開催されたGPIFの運用委員会の議事録を見ても、そもそも四半期ごとに成果を発表すると、損だ得だと言われるだけだから、年に1回の報告だけに減らすべき、との発言が見られました。
もともと年金は安全資産で運用していた
国民の年金積立金は、政府(厚生労働省)が集めて、そのまま支払いに充てているわけではありません。国民から預かった積立金を一旦プールしてこれを運用し、将来の支払い原資を増やそうとしています。
従来は安全資産としての財投債(財政投融資の貸付原資として使うために発行するもので、通常の国債とほぼ同じ物)で運用していたので、損を出して資産が減ることはまずありませんでした。
しかし、積立金の規模が大きくなったこともあり、2001年度から市場での運用を始めました。それでも3分の2は安全な国内債券で運用し、残りを株や外国資産に充てていました。
最初の2年はITバブルが弾けた時期でもあり、運用で損を出し、年金資産が減少したのですが、その後は徐々に成果を上げ、資産額が一時10兆円以上増えました。しかし、リーマン・ショックでまた資産が減る事態となったのです。
Next: 安倍政権の「株価押し上げ」八百長芝居に使われたGPIF
安倍政権の「株価押し上げ」八百長芝居に使われたGPIF
この100兆円をこえる巨大な年金ファンドに目を付けたのが安倍政権です。
かつて「上げ潮派」と言われ、成長重視で株価を上げ、支持率を上げたい安倍政権は、2014年からこのGPIFの運用比率を大きく変更し、従来よりも日本株や外国株、外国債券への運用を大幅に拡大しました。
アベノミクスに期待して株高、円安が進んだのですが、これをさらに押し進めるためです。
現在約140兆円もの資金を預かるGPIFは世界一大きな年金ファンドですが、この巨人が動けば、それだけで相場が動きます。市場では「プールにクジラを入れたようなもの」との例えまで出ました。
安倍政権はGPIFの運用改革を「成長戦略」の柱としたのですが、従来の国債での運用を半分の35%に減らし、国内株で25%、外国株で25%、外国債券で15%運用する「リスク型」に変えました。
これだけ巨大なファンドが大量に株や外国資産を買うと言うので、市場はクジラについてゆくコバンザメのように、一緒になって株を買い、円を売りました。
このため、2014年度は消費税引き上げで国内総生産(GDP)はマイナス成長となったのですが、その中でも株価は大きく上昇し、翌年には日経平均が2万円を超え、ドル円は125円台まで円安となりました。
GPIFは結局、安倍政権の株価押し上げ、円安促進の「エンジン」として利用された格好です。それで株価が上昇し、円安が進んだので、一時はGPIFの資産そのものも株高と円安のダブル効果で大きく増える形になりました。安倍政権になってから毎年10兆円以上の資産増が実現したのです。
ところが、「好事魔多し」と言います。15年度になって流れは一転します。
Nex
15年度は5兆円前後の赤字に
まず、昨年夏場から世界の市場が不安定になり、GPIFもこの嵐に巻き込まれました。中国上海の株価が急落した上に、人民元を大きく切り下げたことが、世界の市場に不安の連鎖を起こしました。
そこでは、日本も含め世界の株価が下落し、安全資産の円が買われ、円高となりました。その市場不安は、今年初めにもまた世界に広がりました。
そうなると、GPIFの運用を「リスク型」に変えたことが裏目に出ます。株価の下落、円高という状況に対して、運用資産の半分が株で、4割が円高に弱い外貨資産というGPIFの運用構成が、余計損失を大きくすることになったのです。
相場上昇下では儲けが大きい反面、相場が下げれば損も大きくなる「博打型」になり、その付けが回ってきた形です。
皮肉なことに、こうした嵐の中で、「株価押し上げエンジン」が使えないのです。日本株の運用は昨年末ですでに24%近くになり、運用枠の25%に達しつつあるため、ここからは大きく買い上げることができません。外国株や外国債券の買い増し余地もあまりありません。
巨大ファンドの買いで相場を押し上げていたのが、買えなくなると「エンスト」になります。
このため、今年1-3月分も、株価がこの間12%も下落したのですが、GPIFは株価を押し戻すことができず、株で4兆円近い損を出したと見られます。外国株では米国株が堅調だったのですが円高で目減りし、欧州株が下落したので、これも2兆円から3兆円の損となった模様です。
皮肉にも、運用を減らした債券が頑張り、国内債は金利低下、価格上昇で2兆円ほど稼いだようです。
外国債券は金利低下(価格上昇)で利益が出た半面、為替が円高となって利益の多くを打ち消してしまいました。
以上はGPIFの運用が指標平均並みとの前提で計算しましたが、この結果、1-3月の運用成績は4兆円から5兆円の損失となり、15年度全体でも5兆円前後の損失となった可能性があります。
Next: 今後も逆風が続く市場で、国民の年金資産に目減りリスク
今後も逆風が続く市場で、国民の年金資産に目減りリスク
GPIFへの逆風は昨年だけのものではなさそうです。今後もかなり厳しい運用環境が続き、我々の年金資産は目減りしてゆくリスクがあります。
その主な理由は、日銀や欧州中央銀行(ECB)が、マイナス金利策なども含めて、金融市場を異常な世界にしてしまったためです。
すでに日本やスイスでは10年国債の利回りまでマイナスになり、一般の投資家は買えなくなってしまいました。日本では個人向け国債の発行が取りやめになっています。
マイナス金利の国債に投資するということは、例えば金利ゼロで額面100円の国債を105円で買うようなもので、満期まで持っていると額面の100円しか返ってこないので、5円の損失になります。
それでも機関投資家などのプロがこの国債を買うのは、一段の金利低下で国債の値上がりを期待したり、日銀が高い値段で買ってくれるのをあてにしたりするためで、買った時より高い値段で売れればよいのですが、満期が近づけば、値段は確実に下がり、最後は額面の100になってしまいます。
安全資産のはずの国債が、今や売り場を逃すと確実に損をするリスク資産になりました。
言い換えれば、国債そのものが異常な価格に値上がりしていて、いわば「バブル」の状況にあり、その国債を買いにくくなった分、株などほかのリスク商品に投資をしてきたので、株も実体経済とのバランスを超えた「バブル」水準になっています。
つまり、日欧などの中央銀行が異常な金融緩和を続けているため、株も債券もバブルになっている可能性があります。
バフェット基準では株価はすでに「天井」
例えば、日本の東証一部上場の株式時価総額は4月21日時点で528兆円を超え、日本の名目GDPを超えています。米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏は、株の時価総額がGDPの100%になると、これを「天井」とみて株価の過熱警報と見ます。
現在の日米の株価は、この「天井」に達し、過熱警戒警報が出ているような状況です。
この金融市場にバブルを生じさせている中央銀行の異常な緩和策について、米国がいち早く修正に乗り出しましたが、日欧は依然としてマイナス金利策を強化しようとしています。
そのために、貸出や債券運用で利益を上げられなくなった金融機関が利益を減じ、経営が圧迫されて金融仲介機能が十分果たせなくなりつつあります。
せっかく金融緩和しても、マイナス金利という異常な世界で金融が機能不全になれば、血の巡りが悪くなった身体と同様、経済の体力が弱ってきます。そうなると株も債券も下落し、バブルが弾けやすくなります。バブルが弾ければ、それらを大量に保有するGPIFなどの年金基金はさらに損失を拡大し、年金原資が細ります。
Next: 安倍政権の見栄と短期利益を優先した年金運用は失敗する
バブルが弾ければ経済に大きなダメージとなることは、20年前に日本は嫌というほど経験しましたが、金融政策で無理したつけは、バブルに手を染めていない一般の年金受給者など国民に回ってきます。
政権維持のために、金融政策に無理強いし、資産バブルを生みだした結果、所得格差、資産格差が拡大した上に、今後バブルが弾ければ、年金減額などの将来不安を生みます。
年金という国民の将来生活に深くかかわるものを、現政権の短期的な利益のために無理な運用をさせたことが、次の世代に大きな負担を負わせることになります。
安倍政権が隠蔽する「不都合な真実」
年金運用の損失発生は15年度だけでは済まない可能性があるのです。この「不都合な真実」を隠してもいずれわかってしまいます。
国民の年金を預かる立場の者は、その運用実態を国民に正直に正確に報告する義務があり、時の政権の「短期的な利益」でなく、長い目で見て国民の利益に供する努力が求められます。異常な金融市場にあっては、「博打に参加しない」判断も必要になります。
運用比率にこだわらず、嵐の中では「現金」で安全に逃げる柔軟性も必要です。国民の将来を担う年金の運用責任はそれだけ重いのです。
【関連】【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年4月24日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。
http://www.mag2.com/p/money/10679
【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか? あり得ない運用成績隠し=江守哲
国民の大事な年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、今回の株安でパフォーマンスを悪化させたうえに、その運用成績の発表を政治的な都合により遅らせようとしています。ひどい話です。(『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』4月18日号)
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エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に運用者たる資格なし
株安で悪化、年金の運用成績
安倍政権の肝いりで始まったGPIFの株式中心の運用戦略。中心ではないのかもしれませんが、これまでの株式への投資比率を劇的に引き上げたことを考慮すれば、株式中心といってもよいでしょう。
しかし、今回の株安でその運用パフォーマンスが大きく落ち込んだとの試算がなされているようです。運用成績というのは、どの期間で見るかで変わりますので、いまの株安の時期だけをみると、パフォーマンスが悪化していることは明白です。
【関連】日経624円安「ブルームバーグショック」日銀追加緩和見送りで失望売り進む
これは、投資している対象の多くが、いわゆるパッシブ運用であることに起因します。つまり、上場投資信託(ETF)など株式指数に連動する投信に投資をしていれば、株式指数が下げると必然的に運用パフォーマンスも低下するからです。
これは市場任せの運用ですので、自分ではどうすることもできません。株価が下げると思えば、早めに投資を解約するしかありません。
ここには投資判断という、きわめて重い責任が入りますので、一般的には投資を開始した際に決めた比率を維持しながら、投資を継続するのが一般的です。その結果、相場が上下動しながらも長期的に良い運用成績になっていればよいわけです。
しかし、これも実際にどうなるかはわかりません。あくまで市場任せであることに変わりありません。
人為的に作られた相場の限界
やれることは、投資先の配分を見直すことぐらいです。自分で売り買いのタイミングを決められないので、投資対象の比率を変更することで、多少のパフォーマンス向上は可能です。しかし、これもどの投資対象が上昇するかを見極めるのは困難であり、実際には現実的ではありません。
安倍政権の肝いりで投資比率を変更したため、株価が上がってくれないと困るわけです。ですので、円安・株高誘導に必死になっているのですが、それでも残念な結果にしかなりません。所詮、人為的に作られた相場は長続きしません。
運用成績の発表遅延は意図的か
それ以上に問題なのは、運用成績の公表に関する政府の姿勢です。年度が3月末で終了しているので、本来であれば、発表すべき時期に来ているのですが、運用成績が悪いので、どうやら意図的に発表時期を遅らせているようなのです。
Next: 政治的理由で運用成績を隠すGPIFにプロ運用者の資格なし
GPIFの常識は世界の非常識
今回は、過去10年間のパフォーマンスの状況を詳細に公表するとのことで、その精査に時間がかかっているとしています。
しかし、そんなものは、最初から決まっているのであれば、すぐにできるはずなのです。
まして、運用というのは、保有している資産の現在価値を常に時価評価して把握しておくのが、運用の世界では常識です。このグローバルスタンダードと完全にかけ離れた、むしろ逆の姿勢で運用管理を行っているのがGPIFということになります。
私もヘッジファンド運用をしていたからよくわかるのですが、3月末時点の運用成績を7月末に出すなどというのは、運用者としてはあり得ないことです。
それは、意図的に遅らせているか、それとも運用状況を精査できないほど体制が貧弱であるかのどちらかです。もちろん、今回のケースは前者でしょう。
先が思いやられる年金運用の将来
国民の大事な年金が運用されているのですが、その運用成績の発表が政治的な都合で遅れる。ひどい話です。一般の運用業界の話であれば、即座に投資家は資金引き上げを行います。そのような運用者には、安心して資金を預けることはできません。
日本の年金運用の大本尊がこれではお話になりません。日本の年金運用の体制の将来が思いやられます。
日本の運用業界は世界に比べて大きく遅れています。そして、年金運用も同様というわけです。とても残念ですね。
※今回ご紹介するコラムは有料メルマガの一部抜粋です。初月無料の初月無料の定期購読で、株式・為替・商品市場の週間見通しや、ヘッジファンド投資戦略の解説、住友商事銅地金チーム時代の回想録など、すべてのコンテンツをすぐにご覧いただけます。
【最新号(4月18日)の内容】
◆マーケット・ヴューポイント~大局観は変わらず
・株式市場~想定以上に堅調な米国株
・為替市場~円高への動きが再開する展開を想定
・コモディティ市場~一旦調整の可能性も
◎今週の「ポジショントーク」~日経平均先物をショートは...
○ヘッジファンド投資戦略~「政治要因の重要性」-投資戦略構築のポイント
●マーケット・トピック~「GPIF」はプロの運用者か?-成績発表遅延は世界標準ではあり得ない
□マーケット人生物語~私の人生を変えたアノ事件
◇ベースボール・パーク~久しぶりのプロ野球観戦
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【関連】GPIF運用益4.7兆円~それでも日本の公的年金は実質破綻している=近藤駿介
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『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』(2016年4月18日号)より一部抜粋
[月額3,240円(税込) 毎週月曜日(祝祭日・年末年始を除く) ]
株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。
http://www.mag2.com/p/money/10248
t: リスク資産中心のポートフォリオで自滅、15年度は5兆円の赤字に
ただラッキーだったのか、この子供のサバイバル能力が高かったのか
北海道不明小2男児無事保護、父親が会見
TBS News-i 2016/6/3 15:17
先月28日、北海道七飯町の山林でしつけのために置き去りにされた小学2年の男の子が3日午前8時前、無事保護されました。
保護された小学2年の田野岡大和君が手当てを受けている函館市内の病院です。診察した医師によりますと、大和君は手足に擦り傷などがありますが、命に別状はないということです。
「このようなことになるとは思わず、行き過ぎた行動だったと反省している。息子(大和君)に『つらい思いをさせてごめん』と言った」(大和君の父親)
6日もの間、行方が分からなくなっていた大和君は、3日朝、置き去りにされた林道から直線でおよそ5キロ離れた自衛隊の演習場の建物にいるところを発見されました。行方不明となった当日に建物にたどり着いた大和君はマットレスにくるまって暖をとり、水道の水で飢えをしのいでいたということです。6日ぶりに家族との再会を果たした大和君。発見された場所はこれまでの捜索の範囲の外だったということです。(03日13:47)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4590205
ただラッキーだったのか、この子供のサバイバル能力が高かったのか
あちこち歩き回らず、小屋にとどまっていたのは非常に賢いやり方だと思った。
水道があったのは、ラッキーだった。
とにかく、沢に落ちたりもせず、熊にもやられず、無事でよかった。
TBS News-i 2016/6/3 15:17
先月28日、北海道七飯町の山林でしつけのために置き去りにされた小学2年の男の子が3日午前8時前、無事保護されました。
保護された小学2年の田野岡大和君が手当てを受けている函館市内の病院です。診察した医師によりますと、大和君は手足に擦り傷などがありますが、命に別状はないということです。
「このようなことになるとは思わず、行き過ぎた行動だったと反省している。息子(大和君)に『つらい思いをさせてごめん』と言った」(大和君の父親)
6日もの間、行方が分からなくなっていた大和君は、3日朝、置き去りにされた林道から直線でおよそ5キロ離れた自衛隊の演習場の建物にいるところを発見されました。行方不明となった当日に建物にたどり着いた大和君はマットレスにくるまって暖をとり、水道の水で飢えをしのいでいたということです。6日ぶりに家族との再会を果たした大和君。発見された場所はこれまでの捜索の範囲の外だったということです。(03日13:47)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4590205
ただラッキーだったのか、この子供のサバイバル能力が高かったのか
あちこち歩き回らず、小屋にとどまっていたのは非常に賢いやり方だと思った。
水道があったのは、ラッキーだった。
とにかく、沢に落ちたりもせず、熊にもやられず、無事でよかった。
北海道男児不明 「不明当日から演習場内にいた」
灯台もと暗し。自衛隊の演習場にいた。
~~~~~~~~~~~~
北海道男児不明 「不明当日から演習場内にいた」「一人で山の中を歩いて来た」と説明 目立った外傷なし
産経新聞 6月3日(金)9時52分配信
北海道警によると、3日午前7時50分ごろ、北海道七飯町の林道で行方不明になっていた北斗市の小学2年、田野岡大和君(7)とみられる男児が、鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された。目立った外傷はない。男児は自ら「田野岡大和」と名乗り、「一人で山の中を歩いて来た」と説明。道警などが確認を進めている。
男児は5月28日から行方不明となっていたが、「28日夜から演習場にいた。水を飲んで過ごした」と話しているという。
道警によると、田野岡君は5月28日、家族4人で訪れた公園で人や車に石を投げつけたため、しつけとして同日午後5時ごろ、七飯町の林道で車から降ろされた。約5分後に父親(44)が戻ると姿がなかったといい、行方不明になっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00000504-san-soci
北海道男児不明 「食べ物なかった」「水を飲んで過ごした」と田野岡君 7日ぶりに家族と再会
2016.6.3 10:59
北海道七飯町の林道で行方不明となり、7日目の3日朝に鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された小学2年、田野岡大和君(7)は同日、搬送先の函館市の病院で両親や姉と再会した。病院側が明らかにした。
田野岡君が運ばれた市立函館病院の医師が同日会見し、「軽い脱水症状で体温が低いので点滴している。両手両足に軽い擦過傷があるがいずれも命に関わるようなものではない」と説明した。
関係者によると、田野岡君が見つかったのは、演習場内で陸自隊員が雨宿りに使う小屋の中で、「食べ物はなかった」と説明。「一人で山の中を歩いてきた」「水を飲んで過ごした」と話しているという。
3日は七飯町で午前9時から捜索が予定されていたが、8時20分すぎに田野岡君の祖父らが自衛隊に「道警から母親に保護したという連絡が来た。本当なのか」と問い合わせ、現場は騒然となった。無事が確認されると拍手が起こった。
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160603/evt16060310590007-n1.html
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北海道男児不明 「不明当日から演習場内にいた」「一人で山の中を歩いて来た」と説明 目立った外傷なし
産経新聞 6月3日(金)9時52分配信
北海道警によると、3日午前7時50分ごろ、北海道七飯町の林道で行方不明になっていた北斗市の小学2年、田野岡大和君(7)とみられる男児が、鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された。目立った外傷はない。男児は自ら「田野岡大和」と名乗り、「一人で山の中を歩いて来た」と説明。道警などが確認を進めている。
男児は5月28日から行方不明となっていたが、「28日夜から演習場にいた。水を飲んで過ごした」と話しているという。
道警によると、田野岡君は5月28日、家族4人で訪れた公園で人や車に石を投げつけたため、しつけとして同日午後5時ごろ、七飯町の林道で車から降ろされた。約5分後に父親(44)が戻ると姿がなかったといい、行方不明になっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00000504-san-soci
北海道男児不明 「食べ物なかった」「水を飲んで過ごした」と田野岡君 7日ぶりに家族と再会
2016.6.3 10:59
北海道七飯町の林道で行方不明となり、7日目の3日朝に鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された小学2年、田野岡大和君(7)は同日、搬送先の函館市の病院で両親や姉と再会した。病院側が明らかにした。
田野岡君が運ばれた市立函館病院の医師が同日会見し、「軽い脱水症状で体温が低いので点滴している。両手両足に軽い擦過傷があるがいずれも命に関わるようなものではない」と説明した。
関係者によると、田野岡君が見つかったのは、演習場内で陸自隊員が雨宿りに使う小屋の中で、「食べ物はなかった」と説明。「一人で山の中を歩いてきた」「水を飲んで過ごした」と話しているという。
3日は七飯町で午前9時から捜索が予定されていたが、8時20分すぎに田野岡君の祖父らが自衛隊に「道警から母親に保護したという連絡が来た。本当なのか」と問い合わせ、現場は騒然となった。無事が確認されると拍手が起こった。
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160603/evt16060310590007-n1.html
◆ジョン・ミアシャイマー『大国政治の悲劇:改訂版』を読み解く
◆ジョン・ミアシャイマー『大国政治の悲劇:改訂版』を読み解く
(翻訳・奥山真司さん)
※要旨
・新たに書き換えられた最終章で、
私は自分の理論である「オフェンシヴ・リアリズム」を使って、
皆が注目している「中国の台頭は平和的なものだろうか?」
という質問についての答えを出している。
残念ながら、私の答えは「ノー」である。
・小著は、重要な疑問を解明するための手がかりを与えようとしている。
本書の核心にあるメッセージは、
「国際政治の危険な世界の中で生き残ろうとする国家にはパワーを求めて互いに競い合う以外に、
ほとんど選択肢は残されていない」ということである。
平和に生きることに満足しているような国家でも、
パワーを求める無慈悲な争いに巻き込まれてしまうからだ。
・すべての大国にとっての究極の目標は、世界のある一定の地域を支配し、
他の大国が自分以外の地域で覇権国にならないようにすることだ。
この国際政治の理論を、私は自分で、
「オフェンシヴ・リアリズム」(攻撃的現実主義)と呼んでいる。
・これはアジアにとって重要な関連性を持つ。
なぜならこの理論は、「中国が次の10年間に見事な経済成長を続けていけば、
強力な軍事組織を築き上げ、アメリカが西半球で行ったようなやり方でアジアを支配しようとするはずだ」
と予測しているからだ。
・中国が覇権を目指す理由は、中国の文化が伝統的に攻撃的であるとか、
政治指導者の失策などにあるのではなく、ただ単に、
「覇者になることが自国の生き残りを最も確実に保証してくれる」
という点にある。
・地域覇権。
大国は通常、4つの基本的な目標を達成することに集中する。
まず「地域覇権」である。
・最大の富。
大国が共通して持つ2つ目の目標は、
「世界の富の中で、自国がコントロールできる量の最大化を常に目指す」
ということである。
国家は富の相対量に敏感である。
経済的な強さは、軍事的な強さにつながる。
・傑出した陸軍力。
大国が共通して持つ3つ目の目標は、
「大国は軍事力を最大化するための最高の方法であるという理由から、
ランドパワー(陸上兵力)のバランスにおいて圧倒的な立場を目指す」
ということにある。
・核武装優越状態。
大国が共通して持つ4つ目の目標は、
「大国はライバルをはるかに超える核武装優越状態を獲得しようとする」
ということである。
・まとめると、大国の主な4つの目標は、以下の通りである。
1.地域覇権国になること。
2.世界の富のなるべく多くの割合を自分たちでコントロールすること。
3.自国の陸上での陸上兵力のバランスを圧倒すること。
4.核武装優越状態を手に入れることを目指している。
・オフェンシブ・リアリズムのまとめ。
私の理論を最も簡潔に言えば、
「国際システムの基本的な構造によって国家は安全保障を心配するようになり、
互いにパワーを争うことになる」というものだ。
すべての大国の究極の目標は世界権力の分け前を最大化することであり、
最終的にこのシステムを支配することにある。
・もし中国が台頭しつづけたらどうなるのかという未来像についての私の見通しは、
あまり喜ばしいものではない。
実際のところ、それはむしろ完全に気の滅入るものである。
中国が最終的に地域覇権を目指すことを否定できるような理由も存在しない。
※訳者解説
・ミアシャイマーは1947年生まれ。
ベトナム戦争真っ盛りの時代にウェストポイントの陸軍士官学校を卒業し、
5年間空軍に勤務している。
1980年にコーネル大学で「通常兵器による抑止理論」というテーマで、
ジョージ・クエスターやリチャード・ローズクランスのもとで博士号を取得。
・博士号取得後はハーバード大学の研究員になり、
1982年から保守系の名門校シカゴ大学へ赴任、
現在に至るまでシカゴ大学一筋で教えている。
・専門は主に国際政治理論や軍事戦略論などであり、
国際政治の動きを主に安全保障の観点から客観的かつロジカルに分析する、
正真正銘の「現実主義者(リアリスト)」と呼ばれる学者だ。
・彼の「攻撃的現実主義」という理論の基礎になっているのが、
「国際政治は権力闘争の場である」とする、
いわゆるホッブスのリバイアサン的な「リアリズム」という冷酷な視点を持った学派の考え方である。
・ミアシャイマーの理論を含むリアリズムの源流は、
もちろん紀元前の古代までさかのぼることができる。
「人間の政治は常に権力闘争である」というイメージは聖書にも見てとれることができる。
またギリシャではツキディデスによる『戦史』、インドではカウティリヤによる『実理論』、
そして中国では『孫子の兵法』や『韓非子』などにもあり、その歴史は古い。
・なぜ中国はアメリカに挑戦してくるようになるのだろうか。
まず中国は「大国」になるために国家が必要とする3つの「パワー」の要素を、
すでにある程度備えている。
この3つとは、
1.人口の多さ。
2.軍事力(特に核兵器)。
3.経済力。
である。
・中国は軍事力に転用できる資金が豊富になり、
軍備を整えた中国はさらなる安全保障を求めて北東アジアの覇権を目指すようになる。
※コメント
現実的な視点で物事をみると、なにをやればいいのか自ずと見えてくる。
そのような観察力がないと、ちゃんとした戦略も立てられない。
現実と理想の2つの視点を持って生きていきたい。
★ジョン・ミアシャイマー『大国政治の悲劇:改訂版』の詳細、amazon購入はこちら↓
(翻訳・奥山真司さん)
◎国際インテリジェンス機密ファイル
のバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000258752/index.html?l=fox08dd07c
(翻訳・奥山真司さん)
※要旨
・新たに書き換えられた最終章で、
私は自分の理論である「オフェンシヴ・リアリズム」を使って、
皆が注目している「中国の台頭は平和的なものだろうか?」
という質問についての答えを出している。
残念ながら、私の答えは「ノー」である。
・小著は、重要な疑問を解明するための手がかりを与えようとしている。
本書の核心にあるメッセージは、
「国際政治の危険な世界の中で生き残ろうとする国家にはパワーを求めて互いに競い合う以外に、
ほとんど選択肢は残されていない」ということである。
平和に生きることに満足しているような国家でも、
パワーを求める無慈悲な争いに巻き込まれてしまうからだ。
・すべての大国にとっての究極の目標は、世界のある一定の地域を支配し、
他の大国が自分以外の地域で覇権国にならないようにすることだ。
この国際政治の理論を、私は自分で、
「オフェンシヴ・リアリズム」(攻撃的現実主義)と呼んでいる。
・これはアジアにとって重要な関連性を持つ。
なぜならこの理論は、「中国が次の10年間に見事な経済成長を続けていけば、
強力な軍事組織を築き上げ、アメリカが西半球で行ったようなやり方でアジアを支配しようとするはずだ」
と予測しているからだ。
・中国が覇権を目指す理由は、中国の文化が伝統的に攻撃的であるとか、
政治指導者の失策などにあるのではなく、ただ単に、
「覇者になることが自国の生き残りを最も確実に保証してくれる」
という点にある。
・地域覇権。
大国は通常、4つの基本的な目標を達成することに集中する。
まず「地域覇権」である。
・最大の富。
大国が共通して持つ2つ目の目標は、
「世界の富の中で、自国がコントロールできる量の最大化を常に目指す」
ということである。
国家は富の相対量に敏感である。
経済的な強さは、軍事的な強さにつながる。
・傑出した陸軍力。
大国が共通して持つ3つ目の目標は、
「大国は軍事力を最大化するための最高の方法であるという理由から、
ランドパワー(陸上兵力)のバランスにおいて圧倒的な立場を目指す」
ということにある。
・核武装優越状態。
大国が共通して持つ4つ目の目標は、
「大国はライバルをはるかに超える核武装優越状態を獲得しようとする」
ということである。
・まとめると、大国の主な4つの目標は、以下の通りである。
1.地域覇権国になること。
2.世界の富のなるべく多くの割合を自分たちでコントロールすること。
3.自国の陸上での陸上兵力のバランスを圧倒すること。
4.核武装優越状態を手に入れることを目指している。
・オフェンシブ・リアリズムのまとめ。
私の理論を最も簡潔に言えば、
「国際システムの基本的な構造によって国家は安全保障を心配するようになり、
互いにパワーを争うことになる」というものだ。
すべての大国の究極の目標は世界権力の分け前を最大化することであり、
最終的にこのシステムを支配することにある。
・もし中国が台頭しつづけたらどうなるのかという未来像についての私の見通しは、
あまり喜ばしいものではない。
実際のところ、それはむしろ完全に気の滅入るものである。
中国が最終的に地域覇権を目指すことを否定できるような理由も存在しない。
※訳者解説
・ミアシャイマーは1947年生まれ。
ベトナム戦争真っ盛りの時代にウェストポイントの陸軍士官学校を卒業し、
5年間空軍に勤務している。
1980年にコーネル大学で「通常兵器による抑止理論」というテーマで、
ジョージ・クエスターやリチャード・ローズクランスのもとで博士号を取得。
・博士号取得後はハーバード大学の研究員になり、
1982年から保守系の名門校シカゴ大学へ赴任、
現在に至るまでシカゴ大学一筋で教えている。
・専門は主に国際政治理論や軍事戦略論などであり、
国際政治の動きを主に安全保障の観点から客観的かつロジカルに分析する、
正真正銘の「現実主義者(リアリスト)」と呼ばれる学者だ。
・彼の「攻撃的現実主義」という理論の基礎になっているのが、
「国際政治は権力闘争の場である」とする、
いわゆるホッブスのリバイアサン的な「リアリズム」という冷酷な視点を持った学派の考え方である。
・ミアシャイマーの理論を含むリアリズムの源流は、
もちろん紀元前の古代までさかのぼることができる。
「人間の政治は常に権力闘争である」というイメージは聖書にも見てとれることができる。
またギリシャではツキディデスによる『戦史』、インドではカウティリヤによる『実理論』、
そして中国では『孫子の兵法』や『韓非子』などにもあり、その歴史は古い。
・なぜ中国はアメリカに挑戦してくるようになるのだろうか。
まず中国は「大国」になるために国家が必要とする3つの「パワー」の要素を、
すでにある程度備えている。
この3つとは、
1.人口の多さ。
2.軍事力(特に核兵器)。
3.経済力。
である。
・中国は軍事力に転用できる資金が豊富になり、
軍備を整えた中国はさらなる安全保障を求めて北東アジアの覇権を目指すようになる。
※コメント
現実的な視点で物事をみると、なにをやればいいのか自ずと見えてくる。
そのような観察力がないと、ちゃんとした戦略も立てられない。
現実と理想の2つの視点を持って生きていきたい。
★ジョン・ミアシャイマー『大国政治の悲劇:改訂版』の詳細、amazon購入はこちら↓
(翻訳・奥山真司さん)
◎国際インテリジェンス機密ファイル
のバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000258752/index.html?l=fox08dd07c
太田述正コラム#8425(2016.5.29)
太田述正コラム#8425(2016.5.29)
<皆さんとディスカッション(続x3008)>
<太田>(ツイッターより)
「…ペイリン氏が…オバマ米大統領の広島訪問を「私たちが始めたわけではない
戦争を、米軍が終わらせたことが間違いだったと最高司令官(大統領)が示唆し
た」などと非難した。…ドナルド・トランプ氏の集会で語った。この週末は戦死
者を悼む米国の祝日、メモリアルデーを含めた連休で、ペイリン氏は「このタイ
ミングで民主党の指導者が謝罪の旅に出ているのはいいことなのか」とも…トラ
ンプ氏は…オバマ氏の広島訪問について「謝罪しない限りは、たいへん結構なこ
とだ」と語った。」
http://www.asahi.com/articles/ASJ5X41R6J5XUHBI00G.html?iref=comtop_list_int_n01
アホ達を誑かして当選目前までもってきたトランプの恐ろしさ!
<US>
<昨>日のコラム(#8423) の中でも、 “もっとも正鵠を射た記事を載せたの
が朝鮮日報” と紹介された記事を読んだところ、その中で、「オバマ大統領は演
説の冒頭で韓国人被爆者にも言及したが、 」という一節がありました。そのよ
うな発言があったことをテレビニュースでは一回も聞いていなかったので、初め
て産経の記事
http://www.sankei.com/world/news/160528/wor1605280026-n1.html
で冒頭の演説文を読みました。
ちゃんと、「われわれは命を落とした10万人を超える日本の男女、子供、何千
人もの朝鮮半島出身者、十数人の米国人捕虜を悼む。」と朝鮮半島出身者、米国
人捕虜にも言及していました。
今回の件、各方面に対してとても気を使っているのだと感じました。
先日の沖縄の事件に対して、当初、Regretを哀悼としていたのを遺憾と訂正す
るなど、サミットのため米国の外交能力が日本に向けられ、その結果、彼らの能
力の高さを集中して目の当たりにできた期間でした。
上記ニュースを漁っている中で、別件ですが、本日、ハーバード大学の方が研
究成果として、中共当局により、ソーシャルメディア上で年間、約4億8800万件
の意図的な書き込みを行い、微妙な政治的問題などへの世論の関心をそらす工作
に従事しているとする研究報告書が28日までに公表されたというニュースを見ま
した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160528-35083372-cnn-int
“とんでも”話かどうかは判断したく元ねたを探したところ大丈夫そうでした。
日本語ニュースの元ねた↓
http://money.cnn.com/2016/05/20/technology/china-social-media-fake-posts-strategy/
ブルームバーグ↓
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-05-19/china-seen-faking-488-million-internet-posts-to-divert-criticism
Gary King教授の今回発表した論文↓
http://gking.harvard.edu/50c
ニュースの中に出てくる 50 cents party↓
https://en.wikipedia.org/wiki/50_Cent_Party
中共当局の “努力” も、なみなみならぬものがあると実感しました。
<NzCm2Cac>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
広島被爆米兵の名前を刻んだ日本の歴史家
http://www.nippon.com/ja/people/e00097/
この人↓(森重昭氏)
http://www.jiji.com/news/photos/photo_news/images/658/0021513399.jpg
被爆者を代表しての出席だったから、それなりの活動をしている人が厳選され
てるんだろうとは思ってたけどなるほど、至誠、天に通ずるとでも言いますか、
凄いやぁね。
<太田>
「・・・マスコミも偽善者に見えるし、オバマも安倍もよくもぬけぬけとあん
な心にもないことを言えるものだと思ってしまう。わしがひねくれてるわけでは
なくて、日本が「核の傘」は要らないと言えるはずがないからだ。国連ではメキ
シコなど多数の国々が「核兵器廃絶」を主張しているらしい。その議論に欠席す
るのが核保有国であり、アメリカも当然欠席しているという。その上、呆れるこ
とに、他ならぬ被爆国・日本が、「核兵器廃絶」に反対して、メキシコなどと衝
突している。当然、中国・ロシアという核保有国が隣りにあって、北朝鮮という
核開発を進めるイカれた国が恫喝しているからだ。テレビを見ていると、誰もか
れもが核廃絶を訴えているが、本気なのだろうか?国連で、日本が「核兵器廃
絶」を主張する国々と連帯してもいいのだろうか?・・・」
http://blogos.com/article/177244/
小林よしのり↑って、ペイリンおばさまよりも更に格段にオツルな。
オバマが原爆投下の謝罪にきたってのは明白であって、そのことを、あえて指
摘しないトランプは大人、大声で指摘するぺイリンはアホ、小林のように核廃絶
を叫ぶためにきたなんて言うのはアホを通り越して魯鈍だよ。
関連記事だ。
「・・・オバマ米大統領が広島訪問の決断をしたのは今月6日だったことが分
かった。複数の日米政府当局者が毎日新聞に明らかにした。実際の訪問の約20
日前で、国内世論の反発やオバマ氏の後任を決める11月の大統領選への影響、韓
国や中国からの反応などをぎりぎりまで考慮した結果という。・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/k00/00m/030/116000c
「安倍首相--真珠湾訪問に慎重姿勢・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/k00/00m/010/063000c
<太田>(ツイッターより)
「… サミット…で、安倍晋三首相が「世界経済はリーマン・ショック前に似て
いる」との景気認識をもとに財政政策などの強化を呼びかけたことに対し、批判
的な論調で報じる海外メディアが相次いだ。
景気認識の判断材料となった統計の扱いに疑問を投げかけ、首相の悲観論を
「消費増税延期の口実」と見透かす識者の見方を交えて伝えている。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e4%bc%8a%e5%8b%a2%e5%bf%97%e6%91%a9%e3%82%b5%e3%83%9f%e3%83%83%e3%83%88%e3%80%8c%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%e7%b4%9a%e3%80%8d%e3%81%ab%e6%89%b9%e5%88%a4%e7%9b%b8%e6%ac%a1%e3%81%90/ar-BBtAhQM?ocid=iehp#page=2
「…首相並びに…官邸が…他の政府の部局とは無関係に単独で暴走していた疑い
がある…」
http://blogos.com/article/177275/
参院選での憲法改正可能議席数確保に死に物狂いの安倍チャン。
<太田>
関連記事だ。
「自民は追い込まれている…本紙が掴んだ「W選断念」の理由・・・」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182267
<yjY36GIE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
記事の内容より、<写真から、>さすがトヨタだなと思ってしまいます。
SASは、そんなもんでしょ、もともと。
http://www.independent.co.uk/voices/britain-is-at-war-in-libya-and-nobody-thought-to-tell-us-a7052356.html
<nPeekQfQ>(同上)
UK weapons sales to oppressive regimes top £3bn a year
http://www.theguardian.com/world/2016/may/28/uk-weapons-sold-countries-poor-human-rights-saudi-arabia
今日もブリカスは通常運行。
イギリスのビリオンも10億でいいんだっけ?
<太田>
おお、そう言えばそうだったな。↓
http://english.evidus.com/magazine/ibunka/155.html
でも、最近じゃ、さして意識することなく、ボカァ10億だと受け止めてきた
し、それでいいんじゃない?
<准教授>
≫1、3、4はできても2ができないからこそ、理科III類には行けなくても、太
田コラムが書けてるんだけど、と負け惜しみを言う私。↓≪(コラム#8423。太田)
数学(算数)のセンスが無いと、ショーンKやセルカン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3#.E3.82.BB.E3.83.AB.E3.82.AB.E3.83.B3.E6.9C.AC.E4.BA.BA.E3.81.AE.E8.87.AA.E7.A7.B0.E3.81.AB.E5.9F.BA.E3.81.A5.E3.81.8F.E5.8F.97.E8.B3.9E.E6.AD.B4
や水素水に騙されちゃいますよ~。
算数コンプレックスをこじらせると、小保方擁護で有名なこんな人
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
みたいになっちゃいますよ~
太田さんも、大学レベルの数学を趣味でがじってみるというのはどうです?
<太田>
「せめて過去記事に検索かけてから」投稿しろとキミに前に(コラム#8279)
言ったけど、「ショーンKやセルカン」なーんて、その折に自分自身が持ち出し
た話であることすら忘れちゃったの?
ひょっとして、キミ、私と正反対の、数学能力以外は(記憶力を含め)全てま
るでダメ人間?
なお、ビジネススクールじゃ、基本科目は数学(含む統計学)ができなくても
何とかなるが、選択科目レベルのマーケティングやファイナンス等では数学を
ちゃんと身に付けてないとどうしょうもない。
そういうこともあって、スタンフォードの数学科でも授業をとったってずっと
以前に書いたはずだよ。
そもそも、現在の社会科学全般と少なからぬ人文科学においても、数学は必須
だし、「私の日本型経済体制論を数学モデル化できればノーベル<経済学>賞確
実」(?)(コラム#7997)なんだからなおさらだ。
はっきり言えるのは、数学能力って努力で向上させるのは不可能ってこと。
それはそれとして、私が、数学だけダメってことは、現在の日本じゃ、恐らく
私の強みなんだ、と半ばホントに思うに至ってんだな。
吉田ドクトリン下で数学がなまじできる人間は、飛翔して俯瞰することができ
なくなる、というのが私のメタ仮説だ。
例えば、視覚障害者は、視覚を代替するために聴覚や触覚が常人よりも優れて
いる場合が多いとされている。
http://q.hatena.ne.jp/1090753681
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85
で、私の場合は、昨日のディスカッションでの2(数学能力)が極度に劣って
いることが、それを代替するために1、3、4の能力を向上させた、そのおかげ
で、上記の飛翔・俯瞰が可能になった、と見るわけ。
吹き出したい人はご随意に。
<太田>
昨日の日本報道の自由風前の灯論の補足だが、戦後、一貫して日本のメディア
は吉田ドクトリンの枠内での報道しか基本的にやってこなかったところ、最近、
それが変わりつつあることが、欧米人から見ると、日本報道の自主規制ぶりが政
府主導でより強化されたように見えてるってことだろうな。
全く逆に連中は受け止めてるってこと。
改めて、欧米には、報道の自由を成り立たせる基盤が欠如している・・アング
ロサクソン文明至上主義、ないしその劣化形態としての人種主義、に羈束されて
いる・・と思うねえ。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
まず舛添問題から。
<この時に現在と同じ状態にならなかったのは、社保庁(当時)の不祥事で、
厚労省の役人達が何も言えず、言っても取り上げてもらえなかったからだろう。↓>
「・・・参院議員だった舛添知事が2007年に厚労相に就任した時に、片山議員
が自民党幹部に大反対したという。「あの時のブチ切れっぷり…。『あんなのが
務まるわけないじゃない!』ってどなりつけていた」」
http://news.livedoor.com/article/detail/11575373/
<遡って、第一次安倍内閣の時の安倍首相は戦犯第2号だ。↓>
「元衆院議員でタレントの杉村太蔵・・・は「ドケチって言うのがこの人ほど
当てはまる人はいない」としてエピソードを披露。「厚生労働大臣に就任して職
員が言っていたのは『急にトイレットペーパーが減った』ということ」と述べた。
共演者から「持って帰ったってこと?」などと驚きのツッコミが入った。杉村
は「そういう話がいっぱいでてくる。ちょっとでも経費で落とせるものは落とそ
うとする」とも明かした。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%e6%9d%89%e6%9d%91%e5%a4%aa%e8%94%b5-%e8%88%9b%e6%b7%bb%e6%b0%8f%e3%81%ae%e3%83%89%e3%82%b1%e3%83%81%e7%a7%98%e8%a9%b1%e3%82%92%e6%8a%ab%e9%9c%b2-%e5%8e%9a%e5%8a%b4%e7%9b%b8%e5%b0%b1%e4%bb%bb%e5%be%8c%e3%80%81%e3%83%88%e3%82%a4%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bc%e6%b8%9b%e3%81%a3%e3%81%9f/ar-BBtAdPD?ocid=iehp
<数日前のコラムだが、更に遡って、戦犯第1号は、舛添を世に出した田原総
一朗だ。↓>
「実は、舛添要一さんをマスコミに出したのは僕<(田原総一朗)>だ。・・・
ものごとをはっきり言う、世論にあまり迎合しない、国際政治にも詳しい。と
いうことで、舛添さんにテレビに出てもらうことになった。
舛添さんには、僕がいまも司会を務めている「朝まで生テレビ」にパネリスト
として出てもらった。朝生での発言が非常に受けて、それから、あちこちのテレ
ビ番組に出るようになった。
舛添さんはアカデミズムの世界からマスコミの世界で活躍するようになったわ
けだが、「彼はそのうち政治家になるな」と思っていた。舛添さんには「天下を
取る」という考えがあった。これは、政治家の発想だ。だから、いずれ政治家に
なるだろうと思っていた。
<田原にいかに人を見る目がないかは、ここからも明らかだ。↓>
そして自民党に入り、政治家になった。僕も、もし舛添さんがいまも自民党に
いたら、安倍さんに代わって、総裁になっていた可能性もあったと思っている。
つまり、もしかすると、総理大臣になっていたかもしれない。実際に、自民党幹
部の何人かは舛添さんを総裁に推したいと思っていた。
ところが、彼はオッチョコチョイで、ささいなことで自民党を飛び出してし
まった。自民党の何人か怒っていたが、僕もオッチョコチョイだなと思った。舛
添さんは飛び出したはいいものの、展望がなかった。長期的な戦略をもっていな
かった。・・・
http://blogos.com/article/176649/
<またも新しい批判が。↓>
「・・・「家族旅行での温泉利用発覚については、同施設のオーナーと関係が
深い地元県議が出どころのようです。たびたび報じられた舛添氏の韓国偏向や、
金銭トラブルが原因で仲たがいしたからだと」(政治部記者)
舛添氏のケチケチ行状は今に始まった話ではない。10年4月、自民党を離党し
た舛添氏が立ち上げた「新党改革」でのあきれた素顔について同党関係者が憤る。
「新党結成時に幹部は1人100万円ずつを寄付したのですが、舛添さんだけは1
円も出さなかった。党員同士の会合にも『お金がないから』と、一度たりとも出
席していない。にもかかわらず、党が銀行から借りた2億5000万円の返済を政党
交付金で賄った疑いがある。これは政党助成法で禁じられている行為です。発覚
時に弁護士に相談したところ、『不当ではあるものの、違法とまでは断言できな
い』とのことで、告発は見送ってきましたが‥‥」」
http://news.infoseek.co.jp/article/asageiplus_58896/
「・・・「本来は『第三者』ではないのに、そういって、その場をごまかす言
葉の乱用だ」
東京都内で27日に記者会見した国広正弁護士は、そう厳しく指摘しました。国
広さんはコンプライアンスの専門家として著名な弁護士です。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11576523/
例の事件についてだ。↓
<でき悪の記事。↓>
「「楽しい時間をありがとう」から一転「嫌な女」…アイドルを刺した27歳男
のゆがんだ妄想・・・」
http://www.sankei.com/premium/news/160529/prm1605290032-n1.html
<できの良い記事。↓>
「女子大生の刺傷事件 ストーカー、誰でも被害者に・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/ddm/013/040/019000c
Poor polls, scandal, a cussed rival … how it’s all going wrong for
Hillary Clinton・・・
http://www.theguardian.com/us-news/2016/may/28/hillary-clinton-us-presidential-electiond-democrats
(カット)
◎防衛省OB太田述正メルマガ のバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000101909/index.html?l=fox08dd07c
<皆さんとディスカッション(続x3008)>
<太田>(ツイッターより)
「…ペイリン氏が…オバマ米大統領の広島訪問を「私たちが始めたわけではない
戦争を、米軍が終わらせたことが間違いだったと最高司令官(大統領)が示唆し
た」などと非難した。…ドナルド・トランプ氏の集会で語った。この週末は戦死
者を悼む米国の祝日、メモリアルデーを含めた連休で、ペイリン氏は「このタイ
ミングで民主党の指導者が謝罪の旅に出ているのはいいことなのか」とも…トラ
ンプ氏は…オバマ氏の広島訪問について「謝罪しない限りは、たいへん結構なこ
とだ」と語った。」
http://www.asahi.com/articles/ASJ5X41R6J5XUHBI00G.html?iref=comtop_list_int_n01
アホ達を誑かして当選目前までもってきたトランプの恐ろしさ!
<US>
<昨>日のコラム(#8423) の中でも、 “もっとも正鵠を射た記事を載せたの
が朝鮮日報” と紹介された記事を読んだところ、その中で、「オバマ大統領は演
説の冒頭で韓国人被爆者にも言及したが、 」という一節がありました。そのよ
うな発言があったことをテレビニュースでは一回も聞いていなかったので、初め
て産経の記事
http://www.sankei.com/world/news/160528/wor1605280026-n1.html
で冒頭の演説文を読みました。
ちゃんと、「われわれは命を落とした10万人を超える日本の男女、子供、何千
人もの朝鮮半島出身者、十数人の米国人捕虜を悼む。」と朝鮮半島出身者、米国
人捕虜にも言及していました。
今回の件、各方面に対してとても気を使っているのだと感じました。
先日の沖縄の事件に対して、当初、Regretを哀悼としていたのを遺憾と訂正す
るなど、サミットのため米国の外交能力が日本に向けられ、その結果、彼らの能
力の高さを集中して目の当たりにできた期間でした。
上記ニュースを漁っている中で、別件ですが、本日、ハーバード大学の方が研
究成果として、中共当局により、ソーシャルメディア上で年間、約4億8800万件
の意図的な書き込みを行い、微妙な政治的問題などへの世論の関心をそらす工作
に従事しているとする研究報告書が28日までに公表されたというニュースを見ま
した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160528-35083372-cnn-int
“とんでも”話かどうかは判断したく元ねたを探したところ大丈夫そうでした。
日本語ニュースの元ねた↓
http://money.cnn.com/2016/05/20/technology/china-social-media-fake-posts-strategy/
ブルームバーグ↓
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-05-19/china-seen-faking-488-million-internet-posts-to-divert-criticism
Gary King教授の今回発表した論文↓
http://gking.harvard.edu/50c
ニュースの中に出てくる 50 cents party↓
https://en.wikipedia.org/wiki/50_Cent_Party
中共当局の “努力” も、なみなみならぬものがあると実感しました。
<NzCm2Cac>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
広島被爆米兵の名前を刻んだ日本の歴史家
http://www.nippon.com/ja/people/e00097/
この人↓(森重昭氏)
http://www.jiji.com/news/photos/photo_news/images/658/0021513399.jpg
被爆者を代表しての出席だったから、それなりの活動をしている人が厳選され
てるんだろうとは思ってたけどなるほど、至誠、天に通ずるとでも言いますか、
凄いやぁね。
<太田>
「・・・マスコミも偽善者に見えるし、オバマも安倍もよくもぬけぬけとあん
な心にもないことを言えるものだと思ってしまう。わしがひねくれてるわけでは
なくて、日本が「核の傘」は要らないと言えるはずがないからだ。国連ではメキ
シコなど多数の国々が「核兵器廃絶」を主張しているらしい。その議論に欠席す
るのが核保有国であり、アメリカも当然欠席しているという。その上、呆れるこ
とに、他ならぬ被爆国・日本が、「核兵器廃絶」に反対して、メキシコなどと衝
突している。当然、中国・ロシアという核保有国が隣りにあって、北朝鮮という
核開発を進めるイカれた国が恫喝しているからだ。テレビを見ていると、誰もか
れもが核廃絶を訴えているが、本気なのだろうか?国連で、日本が「核兵器廃
絶」を主張する国々と連帯してもいいのだろうか?・・・」
http://blogos.com/article/177244/
小林よしのり↑って、ペイリンおばさまよりも更に格段にオツルな。
オバマが原爆投下の謝罪にきたってのは明白であって、そのことを、あえて指
摘しないトランプは大人、大声で指摘するぺイリンはアホ、小林のように核廃絶
を叫ぶためにきたなんて言うのはアホを通り越して魯鈍だよ。
関連記事だ。
「・・・オバマ米大統領が広島訪問の決断をしたのは今月6日だったことが分
かった。複数の日米政府当局者が毎日新聞に明らかにした。実際の訪問の約20
日前で、国内世論の反発やオバマ氏の後任を決める11月の大統領選への影響、韓
国や中国からの反応などをぎりぎりまで考慮した結果という。・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/k00/00m/030/116000c
「安倍首相--真珠湾訪問に慎重姿勢・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/k00/00m/010/063000c
<太田>(ツイッターより)
「… サミット…で、安倍晋三首相が「世界経済はリーマン・ショック前に似て
いる」との景気認識をもとに財政政策などの強化を呼びかけたことに対し、批判
的な論調で報じる海外メディアが相次いだ。
景気認識の判断材料となった統計の扱いに疑問を投げかけ、首相の悲観論を
「消費増税延期の口実」と見透かす識者の見方を交えて伝えている。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e4%bc%8a%e5%8b%a2%e5%bf%97%e6%91%a9%e3%82%b5%e3%83%9f%e3%83%83%e3%83%88%e3%80%8c%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%e7%b4%9a%e3%80%8d%e3%81%ab%e6%89%b9%e5%88%a4%e7%9b%b8%e6%ac%a1%e3%81%90/ar-BBtAhQM?ocid=iehp#page=2
「…首相並びに…官邸が…他の政府の部局とは無関係に単独で暴走していた疑い
がある…」
http://blogos.com/article/177275/
参院選での憲法改正可能議席数確保に死に物狂いの安倍チャン。
<太田>
関連記事だ。
「自民は追い込まれている…本紙が掴んだ「W選断念」の理由・・・」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182267
<yjY36GIE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
記事の内容より、<写真から、>さすがトヨタだなと思ってしまいます。
SASは、そんなもんでしょ、もともと。
http://www.independent.co.uk/voices/britain-is-at-war-in-libya-and-nobody-thought-to-tell-us-a7052356.html
<nPeekQfQ>(同上)
UK weapons sales to oppressive regimes top £3bn a year
http://www.theguardian.com/world/2016/may/28/uk-weapons-sold-countries-poor-human-rights-saudi-arabia
今日もブリカスは通常運行。
イギリスのビリオンも10億でいいんだっけ?
<太田>
おお、そう言えばそうだったな。↓
http://english.evidus.com/magazine/ibunka/155.html
でも、最近じゃ、さして意識することなく、ボカァ10億だと受け止めてきた
し、それでいいんじゃない?
<准教授>
≫1、3、4はできても2ができないからこそ、理科III類には行けなくても、太
田コラムが書けてるんだけど、と負け惜しみを言う私。↓≪(コラム#8423。太田)
数学(算数)のセンスが無いと、ショーンKやセルカン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3#.E3.82.BB.E3.83.AB.E3.82.AB.E3.83.B3.E6.9C.AC.E4.BA.BA.E3.81.AE.E8.87.AA.E7.A7.B0.E3.81.AB.E5.9F.BA.E3.81.A5.E3.81.8F.E5.8F.97.E8.B3.9E.E6.AD.B4
や水素水に騙されちゃいますよ~。
算数コンプレックスをこじらせると、小保方擁護で有名なこんな人
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
みたいになっちゃいますよ~
太田さんも、大学レベルの数学を趣味でがじってみるというのはどうです?
<太田>
「せめて過去記事に検索かけてから」投稿しろとキミに前に(コラム#8279)
言ったけど、「ショーンKやセルカン」なーんて、その折に自分自身が持ち出し
た話であることすら忘れちゃったの?
ひょっとして、キミ、私と正反対の、数学能力以外は(記憶力を含め)全てま
るでダメ人間?
なお、ビジネススクールじゃ、基本科目は数学(含む統計学)ができなくても
何とかなるが、選択科目レベルのマーケティングやファイナンス等では数学を
ちゃんと身に付けてないとどうしょうもない。
そういうこともあって、スタンフォードの数学科でも授業をとったってずっと
以前に書いたはずだよ。
そもそも、現在の社会科学全般と少なからぬ人文科学においても、数学は必須
だし、「私の日本型経済体制論を数学モデル化できればノーベル<経済学>賞確
実」(?)(コラム#7997)なんだからなおさらだ。
はっきり言えるのは、数学能力って努力で向上させるのは不可能ってこと。
それはそれとして、私が、数学だけダメってことは、現在の日本じゃ、恐らく
私の強みなんだ、と半ばホントに思うに至ってんだな。
吉田ドクトリン下で数学がなまじできる人間は、飛翔して俯瞰することができ
なくなる、というのが私のメタ仮説だ。
例えば、視覚障害者は、視覚を代替するために聴覚や触覚が常人よりも優れて
いる場合が多いとされている。
http://q.hatena.ne.jp/1090753681
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85
で、私の場合は、昨日のディスカッションでの2(数学能力)が極度に劣って
いることが、それを代替するために1、3、4の能力を向上させた、そのおかげ
で、上記の飛翔・俯瞰が可能になった、と見るわけ。
吹き出したい人はご随意に。
<太田>
昨日の日本報道の自由風前の灯論の補足だが、戦後、一貫して日本のメディア
は吉田ドクトリンの枠内での報道しか基本的にやってこなかったところ、最近、
それが変わりつつあることが、欧米人から見ると、日本報道の自主規制ぶりが政
府主導でより強化されたように見えてるってことだろうな。
全く逆に連中は受け止めてるってこと。
改めて、欧米には、報道の自由を成り立たせる基盤が欠如している・・アング
ロサクソン文明至上主義、ないしその劣化形態としての人種主義、に羈束されて
いる・・と思うねえ。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
まず舛添問題から。
<この時に現在と同じ状態にならなかったのは、社保庁(当時)の不祥事で、
厚労省の役人達が何も言えず、言っても取り上げてもらえなかったからだろう。↓>
「・・・参院議員だった舛添知事が2007年に厚労相に就任した時に、片山議員
が自民党幹部に大反対したという。「あの時のブチ切れっぷり…。『あんなのが
務まるわけないじゃない!』ってどなりつけていた」」
http://news.livedoor.com/article/detail/11575373/
<遡って、第一次安倍内閣の時の安倍首相は戦犯第2号だ。↓>
「元衆院議員でタレントの杉村太蔵・・・は「ドケチって言うのがこの人ほど
当てはまる人はいない」としてエピソードを披露。「厚生労働大臣に就任して職
員が言っていたのは『急にトイレットペーパーが減った』ということ」と述べた。
共演者から「持って帰ったってこと?」などと驚きのツッコミが入った。杉村
は「そういう話がいっぱいでてくる。ちょっとでも経費で落とせるものは落とそ
うとする」とも明かした。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%e6%9d%89%e6%9d%91%e5%a4%aa%e8%94%b5-%e8%88%9b%e6%b7%bb%e6%b0%8f%e3%81%ae%e3%83%89%e3%82%b1%e3%83%81%e7%a7%98%e8%a9%b1%e3%82%92%e6%8a%ab%e9%9c%b2-%e5%8e%9a%e5%8a%b4%e7%9b%b8%e5%b0%b1%e4%bb%bb%e5%be%8c%e3%80%81%e3%83%88%e3%82%a4%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bc%e6%b8%9b%e3%81%a3%e3%81%9f/ar-BBtAdPD?ocid=iehp
<数日前のコラムだが、更に遡って、戦犯第1号は、舛添を世に出した田原総
一朗だ。↓>
「実は、舛添要一さんをマスコミに出したのは僕<(田原総一朗)>だ。・・・
ものごとをはっきり言う、世論にあまり迎合しない、国際政治にも詳しい。と
いうことで、舛添さんにテレビに出てもらうことになった。
舛添さんには、僕がいまも司会を務めている「朝まで生テレビ」にパネリスト
として出てもらった。朝生での発言が非常に受けて、それから、あちこちのテレ
ビ番組に出るようになった。
舛添さんはアカデミズムの世界からマスコミの世界で活躍するようになったわ
けだが、「彼はそのうち政治家になるな」と思っていた。舛添さんには「天下を
取る」という考えがあった。これは、政治家の発想だ。だから、いずれ政治家に
なるだろうと思っていた。
<田原にいかに人を見る目がないかは、ここからも明らかだ。↓>
そして自民党に入り、政治家になった。僕も、もし舛添さんがいまも自民党に
いたら、安倍さんに代わって、総裁になっていた可能性もあったと思っている。
つまり、もしかすると、総理大臣になっていたかもしれない。実際に、自民党幹
部の何人かは舛添さんを総裁に推したいと思っていた。
ところが、彼はオッチョコチョイで、ささいなことで自民党を飛び出してし
まった。自民党の何人か怒っていたが、僕もオッチョコチョイだなと思った。舛
添さんは飛び出したはいいものの、展望がなかった。長期的な戦略をもっていな
かった。・・・
http://blogos.com/article/176649/
<またも新しい批判が。↓>
「・・・「家族旅行での温泉利用発覚については、同施設のオーナーと関係が
深い地元県議が出どころのようです。たびたび報じられた舛添氏の韓国偏向や、
金銭トラブルが原因で仲たがいしたからだと」(政治部記者)
舛添氏のケチケチ行状は今に始まった話ではない。10年4月、自民党を離党し
た舛添氏が立ち上げた「新党改革」でのあきれた素顔について同党関係者が憤る。
「新党結成時に幹部は1人100万円ずつを寄付したのですが、舛添さんだけは1
円も出さなかった。党員同士の会合にも『お金がないから』と、一度たりとも出
席していない。にもかかわらず、党が銀行から借りた2億5000万円の返済を政党
交付金で賄った疑いがある。これは政党助成法で禁じられている行為です。発覚
時に弁護士に相談したところ、『不当ではあるものの、違法とまでは断言できな
い』とのことで、告発は見送ってきましたが‥‥」」
http://news.infoseek.co.jp/article/asageiplus_58896/
「・・・「本来は『第三者』ではないのに、そういって、その場をごまかす言
葉の乱用だ」
東京都内で27日に記者会見した国広正弁護士は、そう厳しく指摘しました。国
広さんはコンプライアンスの専門家として著名な弁護士です。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11576523/
例の事件についてだ。↓
<でき悪の記事。↓>
「「楽しい時間をありがとう」から一転「嫌な女」…アイドルを刺した27歳男
のゆがんだ妄想・・・」
http://www.sankei.com/premium/news/160529/prm1605290032-n1.html
<できの良い記事。↓>
「女子大生の刺傷事件 ストーカー、誰でも被害者に・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160529/ddm/013/040/019000c
Poor polls, scandal, a cussed rival … how it’s all going wrong for
Hillary Clinton・・・
http://www.theguardian.com/us-news/2016/may/28/hillary-clinton-us-presidential-electiond-democrats
(カット)
◎防衛省OB太田述正メルマガ のバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000101909/index.html?l=fox08dd07c
さすが日本人の建設したものは、“出来が違う”といわれるものにしたいと本気で思っている。・・・
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国史百景(20): 中央アジアにオペラ劇場を作った日本人抑留者たち
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■1.「大きな地震が起こったら、、、」
1966年4月26日、中央アジアのタシケント市が直下型の大地震に襲われた。ソーヤは「みんな外に出て!」と子供たちに向かって叫んだ。子供らの手を掴んで外に飛び出しながら、「近くのナボイ劇場の建っている公園に行って! 噴水の周
りに集まりましょう」と叫んだ。あちこちの家が崩れている。
ソーヤがナボイ公園に逃げることを咄嗟(とっさ)に思いついたのは、20年前に、まだ少女だった頃、ナボイ劇場建設に従事していた日本人抑留者たちから、「大きな地震が起こったら、家が倒れて逃げられなくなるので、広場などに避難した方が良い」と教わったことを思い出したからだ。
と、同時に、あの真面目で仕事熱心だった日本人抑留者たちの建てたナボイ劇場も壊れてしまったのだろうか、と気になった。多くの人々が、同様にナボイ公園に向かっていた。
しかし、公園に着いた人々は、みんな息をのむほどに驚いた。ナボイ劇場は、何事もなかったかのようにすっくと立っていた。
■2.中央アジア各国の広まった日本人伝説
ナボイ劇場は地上3階建て、地下1階、1400席を備えた壮麗なレンガ作りの建物で、旧ソ連時代ではモスクワ、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)、キエフのオペラハウスと並び称される四大劇場の一つとされていた。
大地震で政府系建物240、工場250、約8万の家が崩壊し、タシケントの街がほぼ全壊したといってもよい状況の中で、ナボイ劇場だけが無傷だった。
「外壁も崩れていないし、レンガ建てなのによく壊れずに美しくそびえ立っているな」
「レンガの張り付け、積み立て、継ぎ目などの仕事がしっかりしていたからびくともしなかったんじゃないか。建物の角やレンガを積み重ねて形造っている目地も相変わらず見事な美しさだ」
タシケント市のシンボルであるナボイ劇場が凜として立ち続けている姿を見て涙ぐむ人もいた。ソーヤの目からも涙がこぼれ落ちた。子供たちに言った。「ね、すごいでしょ。あの劇場づくりをお母さんも手伝ったの。でも本当に一生懸命作ってくれたのは、一緒にいた捕虜の日本人だったのよ。」
大地震にも倒れなかったナボイ劇場の話は、瞬く間にウズベキスタン国内だけでなく、隣接するキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンなど中央アジア各国に伝わった。日本人は優秀で真面目な民族だという「日本人伝説」が広まり、1991年のソ連崩壊で各国が独立した後に、国家目標として日本人を見習おうとする国も出てきた。
■3.タシケントへ
奉天の第10野戦航空部隊で航空機の修理を担当していた永田行夫大尉以下250名がタシケント市に到着したのは、1945(昭和20)年10月下旬だった。8月15日の玉音放送を受けて日本軍が降伏すると、19日にはソ連軍の航空機が次々と奉天の飛行場に着陸した。
ソ連兵は「ダモイ(帰国)、ダモイ(帰国)」と言いながら、日本兵を貨車1両に50人もの割合で詰め込んだ。「帰国」と騙して抵抗を防ぎつつ、貨物列車は西に向かった。
日本の降伏直前に、日ソ中立条約を蹂躙して満洲になだれ込んだソ連軍は、戦争終了後に捕虜をシベリアや中央アジアでの強制労働で使役するという、国際法違反を犯したのであった。
永田大尉の一行は貨物列車で約4千キロ、1ヶ月半もかけてタシケント市に連れてこられた。ここでソ連は革命30周年にあたる1947年11月7日までに、壮麗なオペラハウスを建設する計画を立てていた。
航空機の修理をしていた永田の部隊に技術者が揃っていることから、この任務につけたようだ。他の部隊からも補充を受けて、永田は24歳にして、18歳から30歳までの457人を指揮する立場となった。
■4.「ノルマを守らない者は食事も少なくなる」
1947年11月とは2年も先だ。「最低2年は、この収容所で暮らすということか」と皆、がっかりした。永田は「我々の仕事は劇場を建設することだが、最も重要な使命は全員が無事に健康な状態で日本へ帰国し家族と再会することだ」と皆に諭(さと)した。
その後、測量、鉄骨組立、レンガ積み、電気工事など、各自の職歴と適性をもとに班分けをして、建設作業が始まった。
収容所所長のアナポリスキーは、「ノルマを守らない者は食事も少なくなる」と、社会主義の基本原則を押しつけた。その食事にしても、黒パンや塩っぱいキャベツの漬物、羊肉と言っても骨ばかりで、一日2千カロリーほどしかなかった。
しかし、仕事が違うのに、公平なノルマなどできるはずもない。床張り、電気工事などは日本で職人をしていた人にとっては軽々とノルマを達成できるが、穴掘りやレンガ積みなど、きつい肉体作業はノルマ達成が難しい。罰として食事を減らされると、体力が落ちてますます難しくなる。数ヶ月も経つと、こうした不公平から不満が高まり、収容所内で喧嘩にまでなりそうだった。
■5.「今回は君たちのやり方を認めよう」
永田は「全員が無事に帰国する」という至上目的のためには、皆に公平な食事がわたるようにしなければならない、と考えた。しかし、アナポリスキー所長をどう説得するか。そこで永田は、各自がノルマに応じた食料を受けとった後、公平に再分配させるようにした。
その光景を見ていたソ連兵たちは驚いて、所長に報告した。所長は食堂にやってきて「永田隊長はどこにいる」と大声を出した。永田は「ここにおります」とゆっくり立ち上がった。所長が「これは規則違反だ」と言うと、食堂はシーンとなった。永田は通訳を通じて、所長の目をしっかり見つめながら、語り出した。
永田が「ソ連の社会主義政策では、働いた上で本人に与えられた物は、その本人が自由に処分してもよいんですよね」と言うと、所長は「当たり前だ」。
__________
それを聞いて安心しました。今日の食事は、ノルマ以上の達成で多くの量を与えられた兵が、自分の裁量で配分が少なかった兵に自分の分を分け与えたんであります。その結果として全員がほぼ同じ量、平等になったわけです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
所長は「してやられた」という顔で、「まあ、今回は君たちのやり方を認めよう」と言って、永田の肩をポンと叩いて出て行った。「度胸があり、兵隊思いのよい男だ」と感じ入ったのである。
食事に関しては、ウズベク人たちの隠れた支援もあった。穴掘りに疲れて立っている青年に、老婆が「私の息子は独ソ戦でお前と同じ年頃に死んだよ」と言って、手提げ袋から黒パンをひと塊出して「お腹空いているんだろう。これを食べなさい」と言ってくれた。
「父母はどこか」と聞くので「東京にいる」と言ったら「おお、かわいそうに、、、」と肩を抱いてくれた。その青年は涙が止まらなかった。こういう形で、差し入れをしてくれるウズベク人が後を絶たなかった。
■6.「日本人の誇りと意地にかけて最良のものを作りたい」
1946年になると、工事を加速するためにウズベキスタンの各地から抑留者が次々と送り込まれてきた。その中に、日本大学の建築学科を出た若松律衛(りつえ)少尉がいた。ソ連側は若松の能力を見込んで、工事全般の日本側総監督を命じた。
困った若松は永田に相談した。永田は「全体を監督できるのは、あなたしかいない。協力し合ってやろう」と若松の手を握った。さらに、こう続けた。
__________
むろん、手抜きをしたり、いい加減なやり方で格好をつけた建物にすることもできると思うが、私はソ連の歴史に残るオペラハウスとなる以上、日本人の誇りと意地にかけて最良のものを作りたいと思っている。
捕虜としてやるのだから別にそこまで力を入れなくても良いだろう、という意見もあるだろう。しかし私の気持ちとしては、後の世に笑われるような建築物にはしたくないと考えている。さすが日本人の建設したものは、“出来が違う”といわれるものにしたいと本気で思っている。・・・
捕虜になって多くの兵隊は生きる張りを失い、先も見えず精神的に弱っている者もみかける。そんな時だけに、自分たちがこれまでに培った技術、技能で世界に引けをとらない建築物をつくるんだという一点を生きる気力の糧にしてくれたらと願っている。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
若松は永田の言葉を聞いて、胸が熱くなった。「この人と協力して歴史に残るような建築物を作るよう全力を尽くそう」と決心した。そんな「日本人の誇りと意地」が劣悪な生活環境で、抑留者たちを支えていた。
■7.「何のおまじないなのだ」
日本人の働き方を見て、ロシア人やウズベク人が不思議に思ったのは、皆で重い物を持ち上げたりする時に、「セーノ」とか「ヨイショ」と声を合わせることだった。「何のおまじないなのだ」とウズベク人が聞いてきた。一人の日本人はこう説明した。
__________
これはね、皆で重いものを持ち上げる時に、“セーノ”と言ったら、一斉に力を出して持ち上げるんだ。日本人はなるべく皆が一緒に力を合わせてやった方が上手くいくと教えられてきた。それが日本独特の“和”の精神さ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「“ワ”というのか」と不思議がったが、ウズベク人たちも一斉に「ヨイショ」と声をあげて力を合わせると石が持ち上がり、みんな「なるほど」という顔をしていた。
永田は、そんなエピソードを挙げて、アナポリスキーに“和”を説明した。
__________
和というのは皆で一つの大きな仕事を完成させる時に最も大事な協力の精神の事です。皆が助け合い足りないところを補いあうから、日本では仕事が早くうまくゆくのです。
二、三人の優れた者がいてもオペラハウスの建設のような大きな仕事はできません。日本人はそのことを知っているので、皆が助け合って仕事を進めているんです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
さらに食事の平等な配分もこの考え方に基づいている事を説明した。アナポリスキーは「あなたは立派なリーダーだ。日本人の協力の精神の源や仕事のやり方、生き方を知ることができて大変参考になった。ありがとう」と永田の手を強く握りしめた。
■8.?日本人は本当によくやってくれた”
日本人抑留者たちは、こうして建設に励む一方、休みの日には花札やトランプ、果ては麻雀牌まで手作りして、一緒に遊んだ。ソ連兵も面白がって、「教えろ」「教えろ」と麻雀に加わるようになった。収容所内はぐっと明るくなった。
また、ソ連兵が時々、ロシア民謡を合唱しているのを聞いて、日本人の一人がバイオリンを手作りして、伴奏した。こうした動きが盛りあがって、ついには日ソ合同の演芸大会まで開催された。近所のウズベク人も大勢、押しかけた。
他の収容所のように、ソ連の共産主義教育で洗脳された日本兵がかつての将校を吊し上げる、というような陰惨な光景は、この収容所ではついぞ見られなかった。
1947年9月の初め、劇場が完成に近づいたので、永田はソ連側の了承を得て、仮の完成式を行う事とした。無事に立派な建物を作りあげた事を皆で確認し、喜び合いたい、と思ったのである。
9月中旬の日曜日、抑留者たちと、一緒に働いたロシア人、ウズベク人たちが続々と劇場前に集まった。永田が「皆の前に建っているこの壮麗なナボナ劇場は、私達日本人を中心に一緒に働いたロシア人、ウズベク人たちとの汗と涙の結晶だ」と挨拶した。
ソ連将校やウズベク人が永田に近づいて握手し、何事か囁いた。永田は大きく頷き、皆に告げた。
__________
ロシア人もウズベク人も?日本人は本当によくやってくれた。素晴らしい民族だ?と言っている。それと後で、私達の作った舞台でロシア人、ウズベク人がバレエを披露するので見て欲しいと言っている。楽しみに見せてもらおう。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
抑留者たちは、出来上がった劇場を見学し、後世に残る建物を作りあげたことに誇りを抱いた。永田は見学後に、隊員たちに、もう一度、声をかけた。
__________
日本はアメリカの爆撃でそこら中が廃墟のようになっていると聞いている。・・・
ぜひ、諸君らも帰国したら世界から敬意を表されるような日本を再建し、そのような日本人になって欲しい。私たちはここで礎を築くことを学んだし、感じたはずだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
永田は胸にこみあげる思いを呑み込んで、一気に話した。思い残すことは、もうなかった。
(文責:伊勢雅臣)
■リンク■
a. JOG(946) 国史百景(19): ウズベキスタンの桜
ソ連に抑留され、ウズベキスタンで強制労働に従事して亡くなった日本人の墓を、地元の人々は大切に護ってきた。
http://blog.jog-net.jp/201604/article_2.html
b. JOG(525) シベリア抑留
「ここにおれがいることを、日に一度、かならず思い出してくれ」
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h19/jog525.html
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
1. 嶌信彦『日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた』★★★、H27
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4041035376/japanontheg01-22/
国史百景(20): 中央アジアにオペラ劇場を作った日本人抑留者たち
「日本人の誇りと意地にかけて最良のものを作りたい」
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・amazonでは発売と同時に売れ切れになり、ご迷惑をおかけしています。皆様の応援、ありがとうございます。お読みいただいた方はぜひカスタマー・レビューの投稿をお願いします。
・図書館・学校への寄贈依頼も54件、寄せられました。海外の日本人学校にもお送りしています。まだまだ枠はありますので、お申し込み下さい。
http://blog.jog-net.jp/201605/article_8.html
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■1.「大きな地震が起こったら、、、」
1966年4月26日、中央アジアのタシケント市が直下型の大地震に襲われた。ソーヤは「みんな外に出て!」と子供たちに向かって叫んだ。子供らの手を掴んで外に飛び出しながら、「近くのナボイ劇場の建っている公園に行って! 噴水の周
りに集まりましょう」と叫んだ。あちこちの家が崩れている。
ソーヤがナボイ公園に逃げることを咄嗟(とっさ)に思いついたのは、20年前に、まだ少女だった頃、ナボイ劇場建設に従事していた日本人抑留者たちから、「大きな地震が起こったら、家が倒れて逃げられなくなるので、広場などに避難した方が良い」と教わったことを思い出したからだ。
と、同時に、あの真面目で仕事熱心だった日本人抑留者たちの建てたナボイ劇場も壊れてしまったのだろうか、と気になった。多くの人々が、同様にナボイ公園に向かっていた。
しかし、公園に着いた人々は、みんな息をのむほどに驚いた。ナボイ劇場は、何事もなかったかのようにすっくと立っていた。
■2.中央アジア各国の広まった日本人伝説
ナボイ劇場は地上3階建て、地下1階、1400席を備えた壮麗なレンガ作りの建物で、旧ソ連時代ではモスクワ、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)、キエフのオペラハウスと並び称される四大劇場の一つとされていた。
大地震で政府系建物240、工場250、約8万の家が崩壊し、タシケントの街がほぼ全壊したといってもよい状況の中で、ナボイ劇場だけが無傷だった。
「外壁も崩れていないし、レンガ建てなのによく壊れずに美しくそびえ立っているな」
「レンガの張り付け、積み立て、継ぎ目などの仕事がしっかりしていたからびくともしなかったんじゃないか。建物の角やレンガを積み重ねて形造っている目地も相変わらず見事な美しさだ」
タシケント市のシンボルであるナボイ劇場が凜として立ち続けている姿を見て涙ぐむ人もいた。ソーヤの目からも涙がこぼれ落ちた。子供たちに言った。「ね、すごいでしょ。あの劇場づくりをお母さんも手伝ったの。でも本当に一生懸命作ってくれたのは、一緒にいた捕虜の日本人だったのよ。」
大地震にも倒れなかったナボイ劇場の話は、瞬く間にウズベキスタン国内だけでなく、隣接するキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンなど中央アジア各国に伝わった。日本人は優秀で真面目な民族だという「日本人伝説」が広まり、1991年のソ連崩壊で各国が独立した後に、国家目標として日本人を見習おうとする国も出てきた。
■3.タシケントへ
奉天の第10野戦航空部隊で航空機の修理を担当していた永田行夫大尉以下250名がタシケント市に到着したのは、1945(昭和20)年10月下旬だった。8月15日の玉音放送を受けて日本軍が降伏すると、19日にはソ連軍の航空機が次々と奉天の飛行場に着陸した。
ソ連兵は「ダモイ(帰国)、ダモイ(帰国)」と言いながら、日本兵を貨車1両に50人もの割合で詰め込んだ。「帰国」と騙して抵抗を防ぎつつ、貨物列車は西に向かった。
日本の降伏直前に、日ソ中立条約を蹂躙して満洲になだれ込んだソ連軍は、戦争終了後に捕虜をシベリアや中央アジアでの強制労働で使役するという、国際法違反を犯したのであった。
永田大尉の一行は貨物列車で約4千キロ、1ヶ月半もかけてタシケント市に連れてこられた。ここでソ連は革命30周年にあたる1947年11月7日までに、壮麗なオペラハウスを建設する計画を立てていた。
航空機の修理をしていた永田の部隊に技術者が揃っていることから、この任務につけたようだ。他の部隊からも補充を受けて、永田は24歳にして、18歳から30歳までの457人を指揮する立場となった。
■4.「ノルマを守らない者は食事も少なくなる」
1947年11月とは2年も先だ。「最低2年は、この収容所で暮らすということか」と皆、がっかりした。永田は「我々の仕事は劇場を建設することだが、最も重要な使命は全員が無事に健康な状態で日本へ帰国し家族と再会することだ」と皆に諭(さと)した。
その後、測量、鉄骨組立、レンガ積み、電気工事など、各自の職歴と適性をもとに班分けをして、建設作業が始まった。
収容所所長のアナポリスキーは、「ノルマを守らない者は食事も少なくなる」と、社会主義の基本原則を押しつけた。その食事にしても、黒パンや塩っぱいキャベツの漬物、羊肉と言っても骨ばかりで、一日2千カロリーほどしかなかった。
しかし、仕事が違うのに、公平なノルマなどできるはずもない。床張り、電気工事などは日本で職人をしていた人にとっては軽々とノルマを達成できるが、穴掘りやレンガ積みなど、きつい肉体作業はノルマ達成が難しい。罰として食事を減らされると、体力が落ちてますます難しくなる。数ヶ月も経つと、こうした不公平から不満が高まり、収容所内で喧嘩にまでなりそうだった。
■5.「今回は君たちのやり方を認めよう」
永田は「全員が無事に帰国する」という至上目的のためには、皆に公平な食事がわたるようにしなければならない、と考えた。しかし、アナポリスキー所長をどう説得するか。そこで永田は、各自がノルマに応じた食料を受けとった後、公平に再分配させるようにした。
その光景を見ていたソ連兵たちは驚いて、所長に報告した。所長は食堂にやってきて「永田隊長はどこにいる」と大声を出した。永田は「ここにおります」とゆっくり立ち上がった。所長が「これは規則違反だ」と言うと、食堂はシーンとなった。永田は通訳を通じて、所長の目をしっかり見つめながら、語り出した。
永田が「ソ連の社会主義政策では、働いた上で本人に与えられた物は、その本人が自由に処分してもよいんですよね」と言うと、所長は「当たり前だ」。
__________
それを聞いて安心しました。今日の食事は、ノルマ以上の達成で多くの量を与えられた兵が、自分の裁量で配分が少なかった兵に自分の分を分け与えたんであります。その結果として全員がほぼ同じ量、平等になったわけです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
所長は「してやられた」という顔で、「まあ、今回は君たちのやり方を認めよう」と言って、永田の肩をポンと叩いて出て行った。「度胸があり、兵隊思いのよい男だ」と感じ入ったのである。
食事に関しては、ウズベク人たちの隠れた支援もあった。穴掘りに疲れて立っている青年に、老婆が「私の息子は独ソ戦でお前と同じ年頃に死んだよ」と言って、手提げ袋から黒パンをひと塊出して「お腹空いているんだろう。これを食べなさい」と言ってくれた。
「父母はどこか」と聞くので「東京にいる」と言ったら「おお、かわいそうに、、、」と肩を抱いてくれた。その青年は涙が止まらなかった。こういう形で、差し入れをしてくれるウズベク人が後を絶たなかった。
■6.「日本人の誇りと意地にかけて最良のものを作りたい」
1946年になると、工事を加速するためにウズベキスタンの各地から抑留者が次々と送り込まれてきた。その中に、日本大学の建築学科を出た若松律衛(りつえ)少尉がいた。ソ連側は若松の能力を見込んで、工事全般の日本側総監督を命じた。
困った若松は永田に相談した。永田は「全体を監督できるのは、あなたしかいない。協力し合ってやろう」と若松の手を握った。さらに、こう続けた。
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むろん、手抜きをしたり、いい加減なやり方で格好をつけた建物にすることもできると思うが、私はソ連の歴史に残るオペラハウスとなる以上、日本人の誇りと意地にかけて最良のものを作りたいと思っている。
捕虜としてやるのだから別にそこまで力を入れなくても良いだろう、という意見もあるだろう。しかし私の気持ちとしては、後の世に笑われるような建築物にはしたくないと考えている。さすが日本人の建設したものは、“出来が違う”といわれるものにしたいと本気で思っている。・・・
捕虜になって多くの兵隊は生きる張りを失い、先も見えず精神的に弱っている者もみかける。そんな時だけに、自分たちがこれまでに培った技術、技能で世界に引けをとらない建築物をつくるんだという一点を生きる気力の糧にしてくれたらと願っている。
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若松は永田の言葉を聞いて、胸が熱くなった。「この人と協力して歴史に残るような建築物を作るよう全力を尽くそう」と決心した。そんな「日本人の誇りと意地」が劣悪な生活環境で、抑留者たちを支えていた。
■7.「何のおまじないなのだ」
日本人の働き方を見て、ロシア人やウズベク人が不思議に思ったのは、皆で重い物を持ち上げたりする時に、「セーノ」とか「ヨイショ」と声を合わせることだった。「何のおまじないなのだ」とウズベク人が聞いてきた。一人の日本人はこう説明した。
__________
これはね、皆で重いものを持ち上げる時に、“セーノ”と言ったら、一斉に力を出して持ち上げるんだ。日本人はなるべく皆が一緒に力を合わせてやった方が上手くいくと教えられてきた。それが日本独特の“和”の精神さ。
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「“ワ”というのか」と不思議がったが、ウズベク人たちも一斉に「ヨイショ」と声をあげて力を合わせると石が持ち上がり、みんな「なるほど」という顔をしていた。
永田は、そんなエピソードを挙げて、アナポリスキーに“和”を説明した。
__________
和というのは皆で一つの大きな仕事を完成させる時に最も大事な協力の精神の事です。皆が助け合い足りないところを補いあうから、日本では仕事が早くうまくゆくのです。
二、三人の優れた者がいてもオペラハウスの建設のような大きな仕事はできません。日本人はそのことを知っているので、皆が助け合って仕事を進めているんです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
さらに食事の平等な配分もこの考え方に基づいている事を説明した。アナポリスキーは「あなたは立派なリーダーだ。日本人の協力の精神の源や仕事のやり方、生き方を知ることができて大変参考になった。ありがとう」と永田の手を強く握りしめた。
■8.?日本人は本当によくやってくれた”
日本人抑留者たちは、こうして建設に励む一方、休みの日には花札やトランプ、果ては麻雀牌まで手作りして、一緒に遊んだ。ソ連兵も面白がって、「教えろ」「教えろ」と麻雀に加わるようになった。収容所内はぐっと明るくなった。
また、ソ連兵が時々、ロシア民謡を合唱しているのを聞いて、日本人の一人がバイオリンを手作りして、伴奏した。こうした動きが盛りあがって、ついには日ソ合同の演芸大会まで開催された。近所のウズベク人も大勢、押しかけた。
他の収容所のように、ソ連の共産主義教育で洗脳された日本兵がかつての将校を吊し上げる、というような陰惨な光景は、この収容所ではついぞ見られなかった。
1947年9月の初め、劇場が完成に近づいたので、永田はソ連側の了承を得て、仮の完成式を行う事とした。無事に立派な建物を作りあげた事を皆で確認し、喜び合いたい、と思ったのである。
9月中旬の日曜日、抑留者たちと、一緒に働いたロシア人、ウズベク人たちが続々と劇場前に集まった。永田が「皆の前に建っているこの壮麗なナボナ劇場は、私達日本人を中心に一緒に働いたロシア人、ウズベク人たちとの汗と涙の結晶だ」と挨拶した。
ソ連将校やウズベク人が永田に近づいて握手し、何事か囁いた。永田は大きく頷き、皆に告げた。
__________
ロシア人もウズベク人も?日本人は本当によくやってくれた。素晴らしい民族だ?と言っている。それと後で、私達の作った舞台でロシア人、ウズベク人がバレエを披露するので見て欲しいと言っている。楽しみに見せてもらおう。
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抑留者たちは、出来上がった劇場を見学し、後世に残る建物を作りあげたことに誇りを抱いた。永田は見学後に、隊員たちに、もう一度、声をかけた。
__________
日本はアメリカの爆撃でそこら中が廃墟のようになっていると聞いている。・・・
ぜひ、諸君らも帰国したら世界から敬意を表されるような日本を再建し、そのような日本人になって欲しい。私たちはここで礎を築くことを学んだし、感じたはずだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
永田は胸にこみあげる思いを呑み込んで、一気に話した。思い残すことは、もうなかった。
(文責:伊勢雅臣)
■リンク■
a. JOG(946) 国史百景(19): ウズベキスタンの桜
ソ連に抑留され、ウズベキスタンで強制労働に従事して亡くなった日本人の墓を、地元の人々は大切に護ってきた。
http://blog.jog-net.jp/201604/article_2.html
b. JOG(525) シベリア抑留
「ここにおれがいることを、日に一度、かならず思い出してくれ」
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h19/jog525.html
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
1. 嶌信彦『日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた』★★★、H27
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4041035376/japanontheg01-22/