中国艦艇が初めて尖閣接続水域に、ロシア駆逐艦など3隻も | 日本のお姉さん

中国艦艇が初めて尖閣接続水域に、ロシア駆逐艦など3隻も

中国艦艇が初めて尖閣接続水域に、ロシア駆逐艦など3隻も
TBS News-i 2016/6/10 02:51

9日未明、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域に進入したと防衛省が発表しました。また、ロシア軍の艦艇3隻も同じ時間帯に接続水域を航行していたことがわかりました。中国海軍の艦艇の進入が確認されたのは初めてのことです。

防衛省に緊張が走りました。9日午前0時50分ごろ、中国海軍の艦艇が沖縄県尖閣諸島付近の接続水域内に入ったことを、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が確認しました。

「今回、中国海軍の軍艦が接続水域に入ってきたのは初めてのことです」(斎木昭隆外務事務次官)

外務省の斎木次官は午前2時ごろ、中国の程永華大使を外務省に呼び、厳重に抗議を行う異例の対応をとりました。接続水域に入ったのはジャンカイ1級と呼ばれるフリゲート艦1隻。

「中国海軍艦艇が接続水域に近づきつつある段階から警告を発していました」(河野克俊統合幕僚長)

これを受け政府は、官邸内にある危機管理センターに情報連絡室を設置しました。

「今後とも米国をはじめとする国際社会と連携しながら、こうした緊張を一方的に高める行為は行うべきではないと強く求めていかなければならない 」(岸田文雄外相)

尖閣諸島は、石垣島の北およそ170キロ、沖縄本島の西およそ410キロの場所に位置する島々の総称です。中国のフリゲート艦は、久場島の北東で日本の領海の外側にある接続水域を航行。接続水域は通関などで国内法を適用することが認められています。防衛省によりますと、フリゲート艦は午前3時10分ごろ、接続水域を出て、北に向けて航行したことを確認したといいます。

尖閣諸島をめぐる日中間の確執。2010年に中国漁船が故意に海上保安庁の巡視艇に衝突し、漁船の船長が公務執行妨害で逮捕されました。自らの領土を主張する中国は強く反発。各地で反日デモが相次ぎました。

「東京都はあの尖閣諸島を買います」(東京都知事【当時】 石原慎太郎氏 2012年4月)

2012年、当時の石原慎太郎都知事が、日本固有の領土でありながら個人所有だった尖閣諸島を東京都が購入すると表明。その後、当時の民主党政権が国有化に踏み切りました。

再び当時の緊張がよみがえるなか、防衛省は、中国のフリゲート艦を確認する前に異なる国籍の艦艇の存在を確認していました。その国とは、ロシアです。8日午後9時50分にロシア海軍の駆逐艦など3隻が付近の接続水域に入っていたことを海上自衛隊の護衛艦が確認したのです。日中外交に詳しい富坂聰氏は、ロシアと中国の艦艇の動きに関連性はないのではないかと指摘します。

「フィリピンが仲裁裁判所に持ち込んだ(南シナ海の領有権を争う裁判の)結果がまもなく出て、(中国が)すごく警戒心を持っていたので、南シナ海の問題で関わっている日本にも非常に強いメッセージを発したと思う」(拓殖大学 海外事
情研究所 富坂聰教授)

一方で、ロシアと中国の海軍艦艇が相次いで進入したことについて、外遊中の中谷防衛大臣は、ロシア艦船の動きに中国が反応した可能性があると述べました。

日本側の報道を受け、中国国防省は9日、尖閣諸島を中国固有の領土と強調した上で、次のようなコメントを発表しました。

「中国の軍艦が自国の管轄海域を航行するのは理にかなっていて合法的である。他国がとやかく言う権利はない」(中国国防省 9日)
(09日17:54)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4615623

尖閣接続水域に中国海軍、NSCで情報分析
TBS News-i 2016/6/10 04:27

尖閣諸島付近の接続水域に中国海軍の艦艇が進入したことを受け、政府は9日夜、NSC=国家安全保障会議の関係閣僚会合を開き、情報分析を行いました。

会合には安倍総理のほか、菅官房長官、岸田外務大臣や防衛省幹部らが出席しました。岸田外務大臣から中国海軍の艦艇が接続水域に進入した事案について報告を受け、情報分析や今後の対処方針を確認したものとみられます。

会合に先立ち、防衛省の河野統合幕僚長は、今回の事案について次のように懸念を示しました。

「全体的に海洋を巡る安全保障環境は厳しさを増しているということは言える」(防衛省 河野克俊統幕長)

防衛省では、海外出張中の中谷防衛大臣がアメリカと緊密に連携するよう幹部に指示を出すなど、警戒態勢を強めています。(09日23:52)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4620263