改めまして、いとうひろよです。私はロサンジェルスで臨床栄養士をやっています。




子育てを楽にするFood Therapyファシリテーターを私はなぜ目指したのかについて話を5部にわたって書いてみたいと思います。




 

臨床現場でのモヤモヤ


私は主にICUで臨床栄養士をやっていて、呼吸不全や腎不全、ひどい床ずれなどの、重篤な患者さんを受け持っています。

 

患者さんによっては、昨日まで口から食事を摂っていた方が、容態が急変して、天に召されてしまったということも少なくありません。


その患者さんの死をレポートとして知らされ、翌日には違う患者さんがそこにもういる。昨日渡したりんごジュースが知る限り最期の食事って事もありました。

 

敗血症(はいけっしょう、sepsis)という、全身性の高炎症状態になって、心肺停止が起こり、急性腎不全を起こしたり、亡くなってしまうこともたくさんあります。

 

ひどい交通事故やアルコールや薬物中毒が原因で心肺停止状態などで、救命されて、転院してきた若い患者さんのお母さん達にも接してきました。


うつろな表情や涙目だったり、病室の患者さんに一時も離れずに寄り添っている姿を見ると、いたたまれません。


私もお母さんなので、そんなママ達の手を握ったり、背中をさすったこともありました。

 


私の患者さんの多くは、栄養指導がどうとかという段階の患者さんではないのです。

 


事故の場合は致し方ないとしても、生活習慣病が原因で、重篤な合併症を引き起こすもっと前に会って、患者さんの栄養相談とかした方がもっと役に立つんじゃないかな、と予防医療に興味を持つようになっていました。


でも、栄養相談を外来でやっても、その後継続してお話させてもらえる機会がほぼなかったことが多かった事があるので、かなりモヤモヤしていました。



つづく…

👉 マイストーリー②: はたらくママとしてのモヤモヤ