感慨深々 -2ページ目

感慨深々

医学教育の現場から見た本音をROPPONGIから発信!
臨床教育で重要なものは技術か?
それともその技を使う心か?
は、過去の話題。
これからは日本の医療を外から眺めた場合の問題点とその解決を述べてみます。

フライトの乗り継ぎでラウンジで時間があったので前回に続いて日本では余り聴かない「詐欺師諸侯群(impostor syndrome=インポスター症候群)」について少し解説しましょう。
インポスター症候群では最近ミッシェル・オバマ元大統領夫人がイギリスの後援会で自ら「自分はインポスター症候群」と明かしたことで欧米では結構話題になりました。
file:///C:/Users/MBI-Dan/Creative%20Cloud%20Files/Downloads/20181214obama.jpg

wikipedia によると
    インポスター症候群またはインポスター・シンドローム(英: Impostor syndrome) は、自分の達成を内面的に肯定できず、自分は詐欺師であると感じる傾向であり、一般的には、社会的に成功した人たちの中に多く見られる。
    能力の高い人々は、自分が偽物であると人から思われたくないがために、熱心に働く傾向がある。その勤勉さの結果、人から賞賛を受けたり、成功につながるのだが、それがますます自分に対する偽物意識を高め、人から目立つことを恐れる。彼らは通常の人の2倍から3倍量働き、準備をし過ぎたり、詳細に至るまで考え詰めたりするので、燃え尽き症候群や睡眠不足に陥る。


このインポスター症候群は特別な人間だけに見られるものではなく、誰にも見られる可能性があるとても身近なものです。それゆえ、もしかしたら周りの友人や同僚、先輩や上司、家族の仲にいる可能性が考えられます。ひょっとするとこれを読んでいるあなた自身がそうである可能性があります。

それでは、このインポスター症候群とはいったい何でしょうか。
簡単に言えば、自身に対する自己評価が著しく低く、自身が達成した成功や業績、得た結果などに対して、周りの人間からの高評価を頂いても、自分自身受け入れられない心理状態の事です。

例えば、ある人がメインでやっていた仕事が何か大きな業績をもたらした時に、周りの同僚や上司は当然その人に「よくやった」、「さすがだわ」、「やっぱりすごい才能の持ち主だな」などと高評価を与えます。
普通は大喜びするのでうが、この他人からの評価を受け入れられず、「いえ、これは皆さんのおかげで、私一人だったら絶対無理でした。周りの人と、あとは単に運が良かっただけで、私の力なんてこれっぽっちも役に立っていません。」と本気で思ってしまう事なんです。
どんなに素晴らしい結果を残したり、素晴らしい仕事をやってのけても、決して自分の力ではなく、「謙遜」などではなく、心の底からそう信じ込んでいます。

なぜ「impostor=詐欺師」と病名が付くのか?どんなに仕事や社会で経験や実績を積み上げてきたとしても、自身に対して自信を持つどころか、このキャリヤや今の立場はすべて偽りのもので、周りを騙しているものだと感じて、「自身は詐欺師なんじゃないか」と不安に思ってしまうから来ているようです。

また、一般的には男性よりも女性の方が多いとも言われ、社会的にはより高いキャリアを持つ人ほど陥りやすいとのデーターもあります。

このインポスター症候群になる原因には、個人の心理的な側面と環境などの外的要因という側面の2つが原因とされています。

まず、個人の心理的な側面としては、自身の実力にまったく自信を持てずにいる事にあります。
こんな実力のない自身が評価されたりすれば、周りの人たちから疎まれてしまう、自身への称賛の言葉を信じれず、きっと心の中では「あんな何もできない人がこんな結果を出せるわけがない。きっと汚い手でも使ったんだな」と他人に思われていると思い込み不安になります。

こういった自身や他人に対する不信感や不安感情が大きい事が原因である場合があるのでしょう。

続いて、外的要因に関してです。
諸説ありますが育って来た教育環境が影響している場合が考えられれます。
例えば、一つの作業や勉強に対して、それまでの過程(プロセス)などよりも、結果(リソルと)を重視した教育環境下で若年期をおくったことがあるか?
その人の過程や経験などではなく、どんな経緯があろうと関係なく、単なる「結果」だけを評価されきた耐性が原因です。

難しい表現になってしまいましたね?
具体的に言うと、自己評価が低い人々は自身の実力に対して常に不信感を持っています。
一般的には彼らの自己評価を高めるならば、どんな結果であろうと「何をして、どんな風にやってきたか」という「過程」を重視する事が重要で、少しずつでも自信を持たせる事ができますが「結果重視」になると、その人がどんな事をやってきたか、どれほどの実力を持っているかなどはほとんど見ずに、現れた結果だけを見てその人を判断します。

それゆえ、本当にそれは自身の実力なのか、たまたま運が良かっただけ、何を頑張れたのかわからない、といった状態になり、余計に「自身の力ではなく、結果だけが良かっただけなんだ」と思い悩む日々が続くように・・。

詐欺師諸侯群は女性の方が多い傾向にある原因としては、ここ2,30年で世界的にも女性も社会で活躍するべきだという思考が広まった時期がありますよね?仕事でも男性だけでなく女性もその才能や実力を発揮して、多くの女性が活躍する世の中になりました。
しかし、中には大企業の場合上辺だけの役職だけであったりして「本当に自身の実力なのか、もしかしたら世間的な流れで私を評価しただけなんじゃないか」と考える女性も多かったの事も事実で「実力」で評価されたのか、「世間的」に評価せざる負えなかったのか、と悩んでしまう事が原因のようです。


最後にあまり聞きなれない病名でもあり、日本では知られていませんし、自覚することも難しい病気です。
特に日本で最近話題になることが多い「パワハラ」の遭遇者など世界中にこの症状で苦しんでいる人がいます。

たとえ、自身がそうでなくても、身近にこういった方々がいる可能性が考えられます。

彼らに対してしっかりと心の底からそれは「君自身の力なんだよ」と言ってあげましょう。

今日は久々に医療のお話でも・・。
最近過酷な救急現場を離れたせいか?

今まで思っていても仕事に追われて調べられなかった事をゆっくり時間を掛けて調べることが出来るようになったのは良いのですが、自宅だと論文本文にダウンロード制限があるので中途半端な調べ事になってしまう欠点があります。

今日の話題は題名の日本で昔から都市伝説的に言われてきた「塩分の過剰摂取とその影響」のお話です。

日本では昭和30年代後半から脳溢血死が多く、秋田の脳研など塩分摂取が特に多いと言われた東北地方を中心にいろんな研究や施設が作られました。

これは単純に

   塩分摂取過多=高血圧=脳溢血
ということが都市伝説的に言われるようになり、現代でもこの過程式を鵜呑みにしている方々も決して少なくありません。

 

でも、現代の高齢者の罹患問題は脳溢血から認知症へと変貌してきています。これは高血圧患者の管理が薬や食療法などの他、救急医学の発達で死亡数が激減したからだと言っても過言ではないでしょう。

しかし、寿命が長くなった分、この塩分摂取過多が認知症と深い関係があることが最近話題になっています。
今年の1月 米ワイルコーネル医科大学の研究チームは、、学術雑誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」で研究論文を発表しました。

内容はマウス実験を通じて、塩分の過剰摂取が大脳の血流や血管内皮機能を抑制し、認知機能障害を引き起こすとの事。

判りやすく説明すると塩分を過剰に摂取すると、組織の免疫や炎症応答を起こし、重要な役割を担うTh17細胞が小腸で増殖し、Th17細胞によってインターロイキン17(IL-17)が多く生成されてしまい、そのインターロイキン17が体内に循環することで、内皮機能不全や認知機能障害を促すということになります。

日本でも厚生労働省の2015年版「日本人の食事摂取基準」では、18歳以上の男性は1日あたり8.0グラム未満、18歳以上の女性は1日あたり7.0グラム未満と定めています。

また、世界保健機関(WHO)でも「塩分摂取量を1日あたり5グラム未満にすると、血圧が下がり、心血管疾患や脳卒中、心臓発作のリスクを軽減できる」と提唱しています。

が、これら指標はあくまでも 心血管疾患や脳卒中、心臓発作のリスクを軽減策ですね。

では認知症予防のためには?
ここで注目しなくてはいけないのは腸と脳を結びつける微生物、免疫系、神経系の塩分の影響ですね。
因果関係はまだ精査されていませんが注目される二つの発表があります。
その一つ目は フロリダ州立大学の研究結果では「腸から脳へのフィードバックが、感情を変化させ、行動への動機付けを行う」ことが解明されつつあるいう発表。

二つ目が、米デューク大学の研究チームは、摂取した食物の情報を腸から脳に伝達する新たな回路を発見したという論文です。

まだまだ推論の域を出ていませんが今後、腸と脳を結びつけている微生物、免疫系、神経系の役割や相互作用が徐々に明らかにされていくにつれて、既存の治療法や予防医学のアプローチにも大きな変化が出てくると思います。

なんか本業でバタバタしておりすみません。
今、生まれた時から没するまでの一生カルテ(医療データの一元)化を某外国企業にコンサルしていて、インターラプトが結構あります。(笑)

その2は銀行だので使っているホスト集中型システム,分散型システム(Peer to Peer)の違いの説明でした。

 

皆さまが銀行に行ってATMで入出金や振り込みを行う場合、ATMに色々メッセージが出てきますよね?

皆さんが使っているATMと銀行のデータセンターにあるホスト(汎用機=馬鹿デカイコンピューター)とが会話してそのたび画面が変わったり、メッセージや確認ボタンが出てきます。

ホスト集中型システムは、1台のコンピュータで集中的に管理するため、システムの管理はその一台で済みます。
例えば、コンピュータウィルスの感染を防ぐため、ソフトウェアをバージョンアップする、という場合は、ホスト集中型システムでは、1台のみに適用すればよいわけですが分散型システムでは、全てのコンピュータに適用する必要があるため、システム管理者にとっては大変な作業となります。

f:id:motoyamablog:20171028010326g:plain 

©MOTOYAMA BLOG


分散側にもメリットがない事はありません。システムに新しく機能を追加する場合、ホスト集中型システムでは、既存のシステム上に新しい機能追加を行うので、新機能の処理が、既存の処理に影響を与えないかどうか十分に検討する必要があり、その分テストなどで時間が必要になります。

一方分散型システム(Peer to Peer)であれば、新機能は新しく追加する限定されたコンピュータ上で処理すればよいので、ホスト集中型システムと比べると、柔軟性が高いと云えるでしょう?

f:id:motoyamablog:20171028010404g:plain

©MOTOYAMA BLOG

 
ここまではメリットvsデメリットは引き分けです。

ここでセキュリティ面の話題をもう一つ、データの機密性を保つには、ホスト集中型コンピュータの方が正直楽です。

ホスト集中型コンピュータであれば、1台のコンピュータのデータを保護すればよいですが、分散型システムであれば、すべてのコンピュータに同様の対策を行う必要があるので、同等の機密性を持ったシステムを構築するのであれば、ホスト集中型システムの方が容易だとブロックチェーンの到来までは思われていました。

コスト面の話になりますが、PCにアンチウィルスソフトを皆さま入れていますよね。2千円+/台のコストが掛かっているかと思います。
では2千円でアンチウィルスソフトを購入できるとして試算してみましょうか?
上図のクライアントが1000台あれば1000台分の2百万円、1000万台あれば単純計算だと20億円となります。(笑)

つづく

 

 

 

ブロックチェーンの解説HPは各国のランゲージで数万近くググると出てきます。

さぁ~?どれを読もうか?

そういう皆様も決して少ないないと思いますが如何ですか?

 

どちらの解説を見ても「ブロックチェーン」や「マイニング」といった、日常生活では耳にすることのない言葉が多く登場しますので困惑しますよね。


昔からある技術で 「Peer-to-Peer」ってあるのはご存知ですか?

通称P2Pと呼ばれる技術で複数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることができる通信技術です。 広い意味では「Bitcoin」もこのP2Pアーキテクチャを使っています。
2008年10月 に「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文を掲載したのが始まりです。その後、この理論を基にビットコインの開発が進められ、翌年の2009年1月には最初のビットコインが発行されこれまで改ざんやネットワークのストップがないことで一躍有名になり、現在に至っています。

次回に続きます。
次回はこれまで利用されてきた クライアント-サーバ方式ブロックチェーンの違いを解説しまう。

厚労省が無い予算の中から国公立病院のインフラ再整備に取り組んでいるが海外では日本の資金でより高度な医療を目指す機運が高まりつつあり日本の商社によるアジアへのヘルスケア作業への投資はこれからも増えるだろうと2年前に思ったことが現実になりつつある。


我が国日本の病院経営はまるめ医療の影響が大きく、薄利多売で利益を上げる他残された道はないように600床を超える国公立病院、私立病院は、コスト軽減、集約化にむきになっているが、そんな努力を傍目に見ながら日本の商社はより収益性が高いアジア圏の病院への投資が活気付いてきている。

11月30日にも三井物産がアジアの最大病院IHH Groupに2300億円出資すると大ニュースがアジア圏ならず世界に流れた。

三井物産がマレーシアに本拠を置くアジア最大の民間病院グループIHH社で出資比率は32・9%となり、筆頭株主になる。 IHH社はシンガポールやマレーシア、トルコ、インドなど9カ国で主に富裕層向けの50の病院(計約1万2千床)を展開するアジアの雄であるが組織が巨大化する一方、 9カ国で受け入れる外来患者600万人、入院患者60万人のデータなどを全社で活用できる仕組みの構築の遅れや人材不足で今後に危機感を持っていただけに今回の投資案件は絶好のパートナーを得た形だ。
https://www.ft.com/__origami/service/image/v2/images/raw/https%3A%2F%2Fs3-ap-northeast-1.amazonaws.com%2Fpsh-ex-ftnikkei-3937bb4%2Fimages%2F5%2F6%2F2%2F4%2F16904265-1-eng-GB%2F20181129%20IHH%20Healthcare%20.jpg?source=nar-cms
https://media.malaymail.com/uploads/articles/2015-05/khazanah_nasional_office_kl_afp.jpg
三井物産は傘下に三井情報(MKI)を持つ。MKIは数年前からビッグデーターを活用したヘルスケア事業を大きな柱と考え、SAP社からHANAを導入。
地道な国内でのマーケティングを展開してきたが商品化が厚労省の規制などもあり医療界の求めるコストと品質を満足出来ずに居た。

MKIがアジア域でこれらシステムの展開をするか否かは別にしてHANAのようなマスタースレーブ型RDBはもはや時代遅れで完成した時には時代遅れでその時代のユーザーニーズを満足させることは難しいだろう。


この原因はMKIだけでなく、SAP JAPANの責も大きい。SAP自体医療は国と地域で法律や規制が違う事が常識で個々のRegion毎にきめ細かなサポートの必要性があるがSAP JAPANではマニュアル記載されている以上のノウハウを持つエンジニアがいないことだ。
この現実は独本社も薄々とは知りながらもテコ入れしなかった。

 

病床数や質で課題を抱える地域が多いアジアの医療には、他の大手商社も熱いまなざしを向けている。伊藤忠商事は病院グループを傘下に持つ華僑財閥などと組んで、東南アジアや中国で広く展開する予定。三菱商事はミャンマー、双日はトルコで病院運営を計画する。豊田通商もインドで病院を運営し、インドネシアで臨床検査を始めている。 

 

日本の病院経営にも民間資本が可能になれば少しは超高齢化社会とがん患者数で断トツの日本医療が少しは良い方向にパラダイムする可能性もあるのだが???