CNN(Convolution Neural Network)とは? | 感慨深々

感慨深々

医学教育の現場から見た本音をROPPONGIから発信!
臨床教育で重要なものは技術か?
それともその技を使う心か?
は、過去の話題。
これからは日本の医療を外から眺めた場合の問題点とその解決を述べてみます。

 

 

先日Blockchainが医療現場を変貌させる話をしました。
今日はそのBlockchain化されたデーターをどう使うか?
つまり、医療AIが専門医に勝ることが可能かを考察してみましょう。

がんを中心に多くの疾病は適切な診断や早期発見が難しく、毎年多くの人が命を落とす病は今も少なくありません。
例えば、皮膚癌の一種である悪性黒色腫(メラノーマ)。早期発見できれば治療可能な病気だが、手遅れになるまで見つからない場合が多いがんの一種です。

しかし遠くない将来、人工知能(AI)がこの状況を変えるかもしれない。
今年5月に医学誌「腫瘍学年報」に発表された研究によると、AIに画像診断をさせると、皮膚科医より正確に皮膚癌を識別できたそうです。

具体的には、癌が疑われる部位の写真を読み取り、AIに診断させる方法でコンピューターに画像診断をマスター化するためにディープラーニング(深層学習)で使用しています。
CNN(Convolution Neural Network)畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれる情報処理システム利用し、子供の脳のように視覚的情報を処理して学習させていきます。

 

ハイデルベルク大学(ドイツ)のホルガー・ヘンスル教授下で行われた研究によるとチームでは10万点以上の良性と悪性の腫瘍、ほくろの画像を診断結果とセットでCNNに与えて学習させ、画像を1点与えるごとに、良性と悪性を見分ける能力が高まったそうです。

結果は皮膚科医が悪性黒色腫を正しく識別できた割合は86.6%だったが、CNNの場合はこの割合が95%に達したそうです。
ただし研究チームも認めているように、患者の年齢や性別、患部などの情報が分からないために、皮膚科医が実力を発揮できなかった可能性は排除でず、鮮明な画像を撮りにくい部位(手指や足指、頭皮など)でもCNNが専門医と同様の精度で診断できるのかは、さらなる研究が必要だそうです。