全世界を震撼させている新型コロナウイルスであるが、元々先細りの自身の商売も少なからず影響を受けており、早めに新しい商売を立ち上げねばならない状況ではあるが、まだ生活費に余裕があるうちは慌てる事は無い。
自粛解除になってもなお、休業補償などの手当の規模不足・時期逸失が致命的であり、業種によってはいつ売り上げが戻るのか、対策にかかるコストをどうするのか、最低でも2割の会社が消えるのではないかという暗澹たる先行きしか見えない中、株価だけが何の根拠も無く高値を戻しているのが滑稽ですらある。
地元自治体からは、本日(6月4日)やっと定額給付金の案内が届いた。政府・都・自治体の対応には、色々と思う所はあるが、上げるときりがないので、今回は省略する。
日常生活は、感染リスクの大小によって行動を変える必要がある。感染リスクとは、そのエリア(自治体)での感染率が目安となる。外からどういうリスクがある層が来るかも重要である。ただし、日々発表される感染者数は、あくまでPCR検査をして陽性になった数だけであって、症状があるのに検査を受けられない人や、無症状で感染している人の数を入れると、少なくとも10倍以上と見るのが妥当である。
プロ野球では、巨人の関係者200人を抗体検査した所、4人が陽性となり、うち2日がPCR検査で(弱)陽性となったという報道が出ている。この数字は、東京23区の推定感染者数とほぼ一致する割合であり、その大部分は5月中旬までに感染・発症したものであり、現在では感染リスクのある感染者の数は、1/10程度に減っていると見る事が出来る。
以下、東京都の区市町村別の感染者数と推定感染率を示す。
数字はあくまで感染者が住んでいる自治体であり、感染が発生した場所ではない事に注意を要する。病院でクラスターが発生しても、あくまで医療従事者・入院者の住所で人数が加算されるという事である。
感染率で見る限り、23区と多摩地区では数倍~1桁の差がある。新宿区と港区は1%を越えて感染率が高く、接待を伴う飲食店が多いなどの要因が考えれる。直近の報道によれば、新宿の歓楽街で感染して地元に持ち帰るパターンが多くなっているそうだ。感染場所の人数で判断すれば、新宿は想定よりも1桁多いのかも知れない。
感染力を持つ感染者が1%いると、強力な接触制限をしないと感染爆発は防げない。都知事の「80%接触削減(外出自粛)」は、正しい選択ではあった。また、病院の新規入院患者に無症状感染者が紛れている可能性が高くなるため、実際に各地で院内感染が発生している。院内感染を防ぐには、入院患者のPCR検査が必須の状況になる。熱中症の救急患者と症状が見分けが付かないという懸念も出ている。
スポーツ選手は、人との交流抜きでは仕事にならない職種であり、平均感染率より数倍高めに出る。競技を再開するには、スタッフを含めて2週間に1回のPCR検査は必須の状況であり、感染リスクが高い場合には、選手は毎週PCR検査を受ける必要があるだろう。
一般の行動では、感染力を持つ感染者の割合・有効推定感染率が0.1%程度では、外出時のマスク着用、外出前・中・後の手洗い・手消毒1~2回程度で十分であり(感染の可能性が0ではない)、居酒屋などでの飲み会は4人程度(週1回)までが許容範囲である。
有効推定感染率が1%レベルになると、外出時は店舗の入店前の手消毒が必須となり、飲食店は退店時の手消毒も必須である。飲み会は2人までが許容範囲である。入店中は、マスク・顔・髪の毛・スマホなどの私物に触らないようにしなければならない。
国内外を問わず、「集団免疫」という考え方があるが、新型コロナに限っては、自殺行為に等しいように思う。アメリカで180万人(死者11万人、人口3.3億人)、イタリアで23万人(死者3万人、人口6千万人)、ブラジルで56万人(死者3万人、人口2億人)、実数を20倍と見ても、感染率は10%に届くかどうかのレベルである。
集団免疫が効果を発揮するのは、感染率がおおむね60%を越えた場合とされるが、今の日本がそのレベルを目指すのは、桁が2つ3つ違うという事である。
4月には、接触自粛が目標通りになされているのに、感染増加が止まらないという状況が報告されたが、これには裏がある。日本では、「コロナ感染関係無い」という自粛に従わない層が10~15%存在する(海外では数倍多かった)。自粛に従わない層は感染しているリスクが高く、同時に感染するリスクも高い行動をする。この層が感染防止に協力しなければ、この層が全て感染し終らない限り、感染拡大は止まらない。5月の感染収束は、感染リスクの高い業種の営業自粛による効果が大きい。営業自粛が順次解除された6月以後、どうなるかが不安視されている。
仮に自粛に従わない層がほぼ全て感染してしまえば、一般的な感染対策だけで感染拡大が止まるはずであるが、そうなるまでに自粛・対策をする層の半分が感染し、感染した高齢者の10%、150~200万人が命を落とす事になるだろう。全ての学校・保育所でクラスターが発生し、医療はもはや機能しない。そんな事が出来る訳がない。
集団免疫の問題として、抗体には有効期間があること(一般的なコロナウイルスは3~6ヶ月)、ウイルスは常に変化していること・・による再感染のリスクがある。最悪の場合、ワクチンを打ってもほとんど効かないウイルスが発生する可能性もある。そうなれば、毎年自粛に従わない層が感染を広げ、高齢者を中心に寿命が削られて行く事になる。
このウイルスに対して、人類はどう立ち向かって行くのか、文化の多様性は保たれるのか、何を犠牲にしなければならないのか、まだ結論は見えない。
※エクセルの元データが欲しい場合は、問い合わせにて。