【file 19】 東京都の少子化最新データ | 軍師たるもの物申す (世界で唯一の正しい少子化対策指南)

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新年度が始まり、各自治体が昨年度末の最新人口データを更新している。
取り急ぎ東京都が昨年11月に「令和4年 東京都人口動態統計年報」という形で昨年9月時点での東京都全体のデータを公開したが、その中で「合計特殊出生率」の数字を公開している。
「東京都全体」が1.04、「区部」が1.04、「市部」が1.12となっていて、市部の人口が無視出来るほど少なくはないのに「東京都全体」と「区部」の数字が同じというのは計算上明らかに間違っている。
東京都保健医療局の合計特殊出生率の年次推移を見ると、2015年・2016年に1.24まで持ち直した後、毎年0.03前後下がり続け、2022年が1.04であるから、「2022年と同じ」というのもやや不自然ではある。
「東京都全体」の数字だけ厚生労働省の数字を使っているので、国勢調査時点など、かなり古い数字なのだろう。

東京都内の各自治体が公表している昨年度末の最新人口データで、0才児の5年前からの増減、及び「簡易出生率」と称す「親が30歳と仮定した時の出生率」を纏めてみた(24/08/22更新)。



出生率の計算に用いた「親が30歳」という条件は、実際の親の平均年齢は子供2人を産んだ間の年であり、32~33歳程度が一番近いのだろうが、その辺の世代の人口がほぼ一定の傾向があり、少子化の影響(上の世代の方が人口が多い=出生率が実際よりも高く出る)はほとんど無いようだ。
「30歳の男女比は同数」という仮定で集計しているが、20~30代では23区では女性が多く、多摩地区では男性が多いので、合計特殊出生率と比べて23区は高めに、多摩地区は低めになる。

東京都全体の出生率(自治体数での平均)は、東京都発表の数字よりも低い0.93となり、東京都保健医療局の数字と右肩下がりで綺麗に繋がる。
東京都保健医療局の数字から1年半後であるため、期待値としては1.5倍の「0.06下がる」となって0.98辺りに留まって欲しい所だが、その倍くらい下がったという事だ。
つまり、「少子化の加速が加速している」という実態が明らかになった。
23区の平均が0.86、多摩地区が1.10であり、23区の数字が東京都発表とはかなりの隔たりがある。

コロナ前から少子化の加速が見られた訳であるから、コロナ禍での出会いや結婚控えの影響が結婚を延期してから3~4年後(結婚後に子供2人を産む期間の中央値)に大きく出るのは当然と言える。
今年の出生率の異常な低下は、仮にコロナのせいだとして、そのうち元に戻るものとしても、毎年出生率が0.04下がる現状を打開する事は出来ず、早急な少子化対策が求められる。

自治体別のデータを見ると、単に23区だから・多摩地区だからという傾向には収まらない。
出生率は周辺に比べて低くはないのに0才児の数が5年で30%以上激減している自治体(武蔵村山市、狛江市)もある。
出生率1.44をキープする稲城市の隣に出生率0.98の多摩市があるのも、どういった事情によるものかは、興味がある人は自分で調べて欲しい。

現在5才児の人口と5年前の0才児の人口も比べたものが「0歳5年後人口増減」であるが、5年の間に死亡する幼児は稀であるから、その差は幼児を伴う転出・転入の影響と見ることが出来る。
傾向としては、23区では5才になった時点で平均して8%減っており、多摩地区では逆に10%増えている。
これは、2人目の子供が出来る前に23区から他県を含む郊外に引っ越す子育て世帯が多い事を意味する。
「23区は子育てに適した環境ではない」(広いマイホームが買えない)という実態を示している。


最後に次の内閣(と東京都知事)に一言いいたい。

『23区の人口を半分にし、地価も半分にしろ』(出来ないなら首都移転)

「そのための法人税制や固定資産税、建築制限を考えろ」という事である。

【file 1】 少子化問題の背景(未婚問題・少子化問題記事一覧)