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学びながら呑みログ

酒場で学び、酒を楽しむ。
呑んでいる酒を楽しく学ぶブログ


酒呑み散歩 下北沢・KFC ROUTE25(後編)

下北沢に、なぜ酒の呑める、なぜ世界で唯一のケンタッキーフライドチキンがあるのか。スタッフに聞いてみた。

「ROUTE25」は2012年4月にオープンした。カーネル・サンダースが最初に店を出した通りの名が店名の由来。以前に別のところにあった下北沢店が、ここに移った時に実験店として酒を置いてみた。

フライドチキンを食べながら酒を呑みたい人はテイクアウトしかなく、家に帰る頃には冷めてしまう。それならイートインで酒を呑めればいいのでは、と考えたのがきっかけ。そういう需要を調べる為に作った。

スタッフはアルバイト。シェーカーは振れない。…すみません、仕事中に色々と聞いて。

とにかく温かいフライドチキンを食べながら、ビールやハイボが呑めるようになった。たしかにデリバリーでもいいが、家で一人で食べ呑みするのも悲しいし、いい雰囲気のバーでノーチャージで食べ呑みするのも楽しいし、そういう店を作ってしまったケンタッキーフライドチキンのために、ぜひ。
学びながら呑みログ-中生

学びながら呑みログ 小瓶と中生の件

知らない酒場に入って「とりあえず中生」と頼んで、あまりに小さいジョッキがきたので、悲しくなった。中瓶を頼めばよかった。

なぜ悲しくなったんだろうか。たぶん、じぶんの心の中で「中生=中瓶」という感覚があったから。そういうじぶんがいけない。いけないが、いつから中生のジョッキは、こんなに小さくなったんだろうか。

中生も中瓶も500円なら、ぜったい中瓶のほうが得だ。そうわかっても中生を頼んでしまうじぶんがいけない。瓶ビールも「生ビール」だし、ちょっと寂れた酒場のビールサーバはいい状態ではないし。でも、酒場に入ると中生を頼んでしまう。中生という呪縛から逃れられない。「中生」のほうが、なんとなく旨そうに思ってしまう。でも、どのくらい損なんだろうか。

酒場によって異なるが、ジョッキの平均容量は400mlくらい。泡もあるので、だいたい350mlちょっと。ということは小瓶を500円で呑んでることだ。もう一度。ショート缶を500円で呑んでることだ。ホテルで小瓶500円は許せない。でも、酒場で中生500円は許してしまう。

ちなみに大瓶633ml、中瓶500ml、小瓶334ml。

最近は、そういういけないじぶん、中生の呪縛から逃れられないじぶんのために、ビールサーバのない近所の飯屋で、500円で大瓶を呑んでいる。一品料理も安く、新聞も読める、うるさい客も来ない。

そう、酒場だけが呑み処ではない。ぜひ。
学びながら呑みログ-氷結ストロング

家で呑みログ 氷結STRONG・麒麟麦酒

原料:レモン果汁・ウォッカ・酸味料・香料・甘味料(アセスルファムK)
アルコール:8%・果汁:2.7%・分類:スピリッツ

「シチリア産レモン」「糖類ゼロ」「シチリア産レモンの氷結ストレート果汁を主に使用した、みずみずしい果汁感としっかりした飲みごたえ。」という謳い文句。

果汁感ゼロ。香料の香り、しっかり舌に残る甘味料の甘さ。ビール、発泡酒、第三のビールと、けっこうキリンブランドは好きだが…。限定販売のスタンダードとスパークリングは好き。甘い缶チューハイを呑みたいときに、そんなに甘くないから。

高いアルコールを求めるストロングに、この甘味は必要か。糖類ゼロ(果汁いりでも100mgあたりの糖類0.5g未満なら表示OKとのこと)を謳うなら、潔くアセスルファムKは入れない。甘い缶チューハイを呑むなら甘い果実を選ぶ。レモンも、ブレフルも、ライムもストロングに甘味は求めない。

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学びながら呑みログ-氷結

家で呑みログ 氷結(レモン)・麒麟麦酒

原料:レモン果汁・ウォッカ・糖類・酸味料・香料
アルコール:6%・果汁:2.7%・分類:リキュール

「シチリア産レモン」「氷結ストレート果汁」「シチリア産レモンの氷結ストレート果汁を主に使用した、爽やかでみずみずしいおいしさ。」という謳い文句。

缶チューハイブームに乗り遅れた2001年に発売。アルコール感のない、すっきり爽快で果汁感ばっちりの缶チューハイを作るため、ストレート果汁とウォッカベースにこだわったという。当時、缶チューハイというと焼酎ベースで、どうしてもアルコール感が残る。蒸留だけの焼酎より、蒸留、濾過しているウォッカのほうがアルコール感は少ない。また、キリンは甲類焼酎の設備と製造免許をもってなかった。

「氷結」は売れた。缶チューハイのトップブランドになった。ダイヤカットも受けて、おじさんから若年層、女性層まで呑んだ。「氷結」のおかげで、おちこんでいたアルコール飲料業界は賑わった。ビールに強く、缶チューハイに乗り遅れたキリンも、「氷結」のおかげで一気に躍り出た。

その後に、2003年にメルシャンが「本搾り」を発売。ワイン(ぶどう)のメルシャンらしく果汁感というより、果汁そのもの、その香りと味わいにこだわった。メルシャンは焼酎事業もあったが、果汁を引き立てるために、ウォッカを選んだ。果汁とウォッカのみで作る。売れた。だが、「氷結」に勝てなかった。

メルシャンはキリングループになり、ワイン以外はキリンに移った。もちろん「本搾り」も。2008年にキリンが「本搾り」を発売。なんとなく戦国時代のようだ(涙)。

実は「氷結」は最初から呑んでいた。「本搾り」に嵌って、メルシャンがキリングループに入って泣いて。キリンの「本搾り」に対する対応が許せなくて。キリンの飲料は飲まないといいながら、「キリンラガー」「一番搾り」「端麗」と呑んで、ボルビックを飲んで。

という歴史よりも、感想を。

久々に「氷結」を呑んだ。ちょっと甘味は気になるが、嫌味はなく、デザートドリンクとしては旨い。ぜひ。

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酒呑みログ 赤羽橋・丸辰有澤酒店

赤羽橋に角打ち酒屋があると聞いて呑み歩く。

赤羽橋で日本酒を呑ませてくれる角打ち酒屋「丸辰有澤酒店」。意外と知られてないのは、取材、撮影、SNSはNGのため。同業の酒屋、卸先の酒場への配慮だ。

レジの横の狭い通路を通ると、裏の倉庫にビールや日本酒のケースで作られたテーブルとイス。17時を過ぎると常連客がひっそりと集う。なんとなくアンタッチャブルな雰囲気が漂う。

だいたいの日本酒が1合350~400円、5勺(1合の半分)で200円くらい。かんたんな肴もある。

ふつうの酒場では定番銘柄しか呑めず、日本酒専門の酒場では1杯700~800円以上となるが、ここでは色々な銘柄が安く呑める。週替わりで色々な日本酒を開けてくれるので、呑んで旨かったら表のレジで買っていく。日本酒好きにはたまらない呑み処だ。

蒸留酒は開栓後の保存をあまり気にしないが、日本酒やワインなどの醸造酒は、開栓後はちゃんと閉栓、冷蔵しなければならない。数日で呑まないと酸化で味が変わってしまう。そのためコップ(グラス)売りはしてくれない。特に「生」の日本酒を呑みたいときは、日本酒専門の酒場で呑むしかない。ここでは生酒も、純米吟醸酒も、なかなかと呑めない日本酒を呑める。安く。

残念なのは、来る常連客はビールを呑んで、帰ってる。「せめて3杯は呑みたい」と言ってる隣で、もったいないと思う。

3人で行ったので、都合9種の日本酒が呑めた。旨かった。詳細は書けないが、もし日本酒が好きなら、ぜひ。

あと、日本酒が好きなら全国40の酒蔵のアンテナショップ・名酒センターと長野の酒蔵のアンテナショップ・信州おさけ村も勧める。

酒呑み比べ 広島・藤井酒造

藤井酒造という名の酒蔵は鳥取、福島などにもあるが、今回の紹介は広島の藤井酒造。

1863年創業。150年前から純米酒にこだわり、米不足の戦中も純米酒を作り続けて現在に至る。創業以来から作り続けてきた「龍勢」と、「宝寿」いう銘柄を持つ。「龍勢」は1907年開催の第1回全国清酒品評会で第1位受賞の銘酒だ。

最近の酒蔵は酒米にこだわっている。藤井酒造も最上の山田錦以外に、山田錦の親種である岡山の雄町、広島の八反錦を使っている。雄町は磨いても米の旨味たっぷり、ふっくらした味わいを楽しめる
日本酒好きむけ。逆に八反錦は吟醸香の高い、澄んだ味わいの今風の日本酒を楽しめる。

「裏・龍勢」は、力の強い、腰のある、日本酒らしい日本酒。ぜひ。

呑み比べた3本
・龍勢 雄町無濾過生原酒・純米酒
 Alc:16・酒度:+6・精米歩合:65%(雄町)
・裏・龍勢 特詰・純米原酒
 Alc:18・酒度:+3・精米歩合:65%(雄町)
・涼風夏生・特別純米生酒
 Alc:16.5・酒度:+5・精米歩合:65%(八反錦)
遊びながら呑みログ-ハイサワー

家で呑みログ ハイサワー缶・
博水社

原料:レモン・醸造アルコール・ワイン・水飴・香料
アルコール:7%・果汁:7%・分類:リキュール

「おいしいとこだけ!真んなか搾り」「イタリアシチリア産の契約農家の手摘みレモンの果肉の真んなかを約30%だけを搾る『真んなか搾り』製法。皮の苦みや渋みを入れずに、レモンのおいしいところだけを使って贅沢に。昭和から酒場で親しまれるプロの味を、どうぞ。」と謳い文句も気合ばっちり。

原料は「ハイサワー」と醸造アルコール。炭酸は弱く、喉を過ぎるまで「ハイサワー」の酸味が残る。できればグレフルなどのバリエーションは作らず、レモンだけでがんばってほしい。

「ホッピー」に隠れてしまった「ハイサワー」。サワーブームを作って、甲類焼酎の呑み方を変えた。おじさんにとって青春の味だ。

最近の缶チューハイの甘味嗜好に逆らい、あの味のままで今年2013年に発売。かなり売れてる。また盛り上がってほしい。すっきり酸味のある味に、甘い缶チューハイに嘆いてたおじさんも盛り上がってる。今後は関東以外も売っていくらしい。実は、「ハイサワー」は関東以外は意外と知られてない。ばんばってほしい。

でも、ハイサワーなのにレモンチューハイか。なぜ。気にせず、ぜひ。

作ってるのは受託製造メーカーのジャパンフーズ。

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酒呑み散歩 下北沢・KFC ROUTE25(前編)

下北沢で呑み歩くわけは、ここに世界で唯一の酒が呑めるケンタッキーフライドチキンがあるからだ。そのために来た。いったいどういう店か。

ケンタッキーフライドチキンは、現在は社名をKFCと改めて、ファーストフード&レストランチェーンの最大手のヤム・ブライズグループの1社だ。日本のKFCは、実は三菱商事の連結子会社で、アメリカのKFCとはライセンス契約。他にピザハットもライセンス契約していて、KFCとピザハットは同じグループ。

ちなみに、カーネル・サンダースの等身大立像は、当時日本ではフライドチキンが知られてなかったため、イメージ戦力として作られたので、本国のアメリカにはない。老眼鏡は、昔はちゃんと度が入っていて眼鏡フレームの生産で有名な鯖江市で作られてた。今は定かではない。

ROUTE25」はKFC下北沢店の3階にある。一見店内はスポーツバーのよう。17時まではKFCの喫煙席、18時からはROUTE25として営業。フライドチキンはあたりまえだが、メニューも価格も一般店と変わらない。ここだけの肴はピクルス、野菜スティック、デザートなどで、平均300~500円。酒はノーチャージでビール、ワイン、ハイボ、そしてカクテルなどで、平均500円。ふつうの酒場と変わらない。しかし、フライドチキンを食べながらビールやハイボが呑めるのはいい。

この感動はなかなかない。できれば新宿、渋谷あたりにあると嬉しいのだが。下北沢の成績しだいだ。

コースメニュー(笑)や飲み放題(1280円)など、宴会、貸切対応もできる。テラス席もあるので、大人の誕生会に、ぜひ。

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遊びながら呑みログ-ポンジュース

家で呑みログ チューハイ果実の瞬間(贅沢みかんテイスト)・アサヒビール

原料:アルコール・オレンジ果汁・うんしゅうみかん果汁・
糖類・酸味料・香料・カラメル色素・ベニバナ色素
アルコール:3%・果汁:30%・分類:リキュール

えひめ飲料の「ポンジュース」を原料にしたチューハイがリニューアル。「ハイリキ」や「カクテルパートナー」、そして今年2013年12月発売の「カルピスサワー」と社外開発の缶チューハイがめだつなかで、オリジナルブランドのプライドはあるだろう。パッケージも他の「果実の瞬間」と大きく変えている。

「ポンジュース」は、1952年に愛媛県青果販売農業協同組合連合会が作った。その後、2003年に全農資本のえひめ飲料に営業譲渡。ミカン以外にリンゴやブドウ、パインのジュース、緑茶、烏龍茶も出している。愛媛県の果実はイヨカンとキウイフルーツが1位、ミカンが2位、ハッサクとクリが3位。あれ、リンゴやブドウ、パインは…。

「ポンジュース」は日本一(ニッポンイチ)のジュースになるようにという願いだ。


他の「果実の瞬間」の果汁は3%以下。色々と入れて整えるんだろうけど、「こだわり果実の、味がする。」の謳い文句はちょっと。そのなかで、30%の「贅沢みかんテイスト」は…。

味はまさしく「ポンジュース」だ。アルコール感ゼロ。グラスに入れたらまちがえるくらい。アルコールで酔う前に、あの濃厚な「ポンジュース」に酔う。それなのに、なぜ「テイスト」という名をつけるのか。「ポンジュース」は糖類不使用だから「ポンジュースっぽい」ということ。

朝食がパンの人に向いている、きっと(笑)。もしくは迎え酒に向いている、きっと。オススメ。ぜひ。


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遊びながら呑みログ-加賀屋

学びながら呑みログ 加賀屋の件 


東京限定の話。


加賀屋は東京にあるチェーン酒場。店舗によってニュー加賀屋とか、加賀廣とかともいう。ホッピーともつ焼き、煮込みが定番。だが、店舗によって味つけ、価格は微妙に違う。雰囲気も微妙に違う。マニュアルがしっかりしてないのかと思う、ちょっと変わったチェーン酒場だ。


店員もちょっとクセがあり、客が騒いでると平気で叱る。愛想もない。なにより、おばちゃん、おじちゃんが多い。接客対応は、今のチェーン酒場とまったく違うので注意。


加賀屋は1965年に板橋駅前で創業。店主が石川県出身ということで、加賀屋。働いていた店員が、暖簾分けで独立。そして大勝軒のように、次から次へと同じ名の店舗ができた。つまりチェーン展開でも、FC展開でもなく、個々の店舗は独立経営。ニュー加賀屋というのは同地域内に新しく作る時に、わかりやすく付けただけなので、別の店主ということもある。


秀和飲料が加賀屋創業からのつきあいでホッピーを卸している。HPを見ると加賀屋の店舗情報がわかる。ちなみに秀和飲料は、個人経営の酒場にホッピーなどを卸している。個人でも卸価(今は微妙かもしれない)で買える。


なぜ、こんなに加賀屋を推すのか。


今のチェーン酒場は楽しくない。安くても、旨くても楽しくない。養瀧、つぼ八、村さ来のような個人経営の酒場が暖簾を変えて営む、昔のチェーン酒場は楽しかった。なぜか。個人経営の良いところ「好い加減」があった。オリジナルメニューがあったり、サービスしてくれたり。だが、そういう「好い加減」の昔のチェーン酒場は減ってきた。


個人経営の酒場は、どうしても商圏が狭くなり、常連客を相手に商売する。一見客は入りづらい、入る前にメニューやサービスに不安がある。チェーン酒場は入りやすい、不安がない。でも、入りたくない。


そういうことで加賀屋の安心感が嬉しい。おばちゃんの暴走は愛嬌。おじちゃんの頑固は愛情。そう、「大衆酒場」の雰囲気を醸すチェーン酒場だ。


酒場に、そういう雰囲気を嫌う客も増えてきた。ひとりだけでゆっくり、ふたりだけでしっぽり呑ませてくれよ、という。チェーン酒場も、そういう客も楽しめる個室を作った。例えば大人数のとき、忘年会や新年会、歓迎会や送別会などのときには便利だ。そういう新しいニーズは、今のチェーン酒場に任せよう。ただ呑んで騒いで楽しい客も任せよう。


「好い加減」の雰囲気を醸す酒場はあってほしい。加賀屋は、そう思う客のためにある。


東京のチェーン酒場といえば、もうひとつ。謎の激安チェーン酒場。「裏モンテローザ」とも言われている。なぜ。