
学びながら呑みログ 加賀屋の件
東京限定の話。
加賀屋は東京にあるチェーン酒場。店舗によってニュー加賀屋とか、加賀廣とかともいう。ホッピーともつ焼き、煮込みが定番。だが、店舗によって味つけ、価格は微妙に違う。雰囲気も微妙に違う。マニュアルがしっかりしてないのかと思う、ちょっと変わったチェーン酒場だ。
店員もちょっとクセがあり、客が騒いでると平気で叱る。愛想もない。なにより、おばちゃん、おじちゃんが多い。接客対応は、今のチェーン酒場とまったく違うので注意。
加賀屋は1965年に板橋駅前で創業。店主が石川県出身ということで、加賀屋。働いていた店員が、暖簾分けで独立。そして大勝軒のように、次から次へと同じ名の店舗ができた。つまりチェーン展開でも、FC展開でもなく、個々の店舗は独立経営。ニュー加賀屋というのは同地域内に新しく作る時に、わかりやすく付けただけなので、別の店主ということもある。
秀和飲料が加賀屋創業からのつきあいでホッピーを卸している。HPを見ると加賀屋の店舗情報がわかる。ちなみに秀和飲料は、個人経営の酒場にホッピーなどを卸している。個人でも卸価(今は微妙かもしれない)で買える。
なぜ、こんなに加賀屋を推すのか。
今のチェーン酒場は楽しくない。安くても、旨くても楽しくない。養瀧、つぼ八、村さ来のような個人経営の酒場が暖簾を変えて営む、昔のチェーン酒場は楽しかった。なぜか。個人経営の良いところ「好い加減」があった。オリジナルメニューがあったり、サービスしてくれたり。だが、そういう「好い加減」の昔のチェーン酒場は減ってきた。
個人経営の酒場は、どうしても商圏が狭くなり、常連客を相手に商売する。一見客は入りづらい、入る前にメニューやサービスに不安がある。チェーン酒場は入りやすい、不安がない。でも、入りたくない。
そういうことで加賀屋の安心感が嬉しい。おばちゃんの暴走は愛嬌。おじちゃんの頑固は愛情。そう、「大衆酒場」の雰囲気を醸すチェーン酒場だ。
酒場に、そういう雰囲気を嫌う客も増えてきた。ひとりだけでゆっくり、ふたりだけでしっぽり呑ませてくれよ、という。チェーン酒場も、そういう客も楽しめる個室を作った。例えば大人数のとき、忘年会や新年会、歓迎会や送別会などのときには便利だ。そういう新しいニーズは、今のチェーン酒場に任せよう。ただ呑んで騒いで楽しい客も任せよう。
「好い加減」の雰囲気を醸す酒場はあってほしい。加賀屋は、そう思う客のためにある。
東京のチェーン酒場といえば、もうひとつ。謎の激安チェーン酒場。「裏モンテローザ」とも言われている。なぜ。