みなさんこんにちは。境界知能当事者ノミです。

今回は、
【感想】(第二章・前編)子ども虐待という第四の発達障害

についてのお話です。

 

 


このような方におすすめの記事です
・虐待サバイバーの方
・いわゆる毒親育ちの方
・自分自身に起こっている現象を知りたい方


 

 

本紹介についての記事はこちらです。
 

 

感想についての記事はこちらです。

第一章 発達障害としての子ども虐待


第二章 反応性愛着障害と子ども虐待(前編)(後編)

第三章 解離という現象と子ども虐待(前編)(後編)

 

第四章 高機能広汎性発達障害と子ども虐待(前編)(後編)

 

第五章 多動性行動障害と子ども虐待

第六章 子ども虐待の終着駅ー解離性同一性障害と複雑性PTSD

 

第七章 子ども虐待が脳に及ぼす影響

 

第八章 被虐待児へも包括的ケア1 心理アセスメント

 

第九章 被虐待児へのケア2 子ども自身へのケア

 

第一〇章 家族へのケア

 

第一一章 子育ての未来

 

 

 

 

 

第二章 反応性愛着障害と子ども虐待

 

愛着とは何だろうか

簡単に言ってしまうと、官能的・情的な記憶のことだと思います。

(愛着者の膝の暖かさ、柔らかさ、心地よさなど、子どもが好ましいと感じた記憶にもとづいた心の結びつきや絆が、愛着の核だと思います。)

また、愛着行動(子どもが不安にかられたとき、養育者に対して特異的な反応を示す現象)は、3つに分けられると言われています。

 

①定位行動
子どもが愛着者の方をじっと見つめ、愛着者から離れていても絶えずそちらの方に目を向けている行動のこと。

②信号行動
愛着者に向かって泣き声を上げ、愛着者の関心を自分にだけ向ける行動。
愛着者から関心が向けられていないと感じるとき、不安になったとき、離れた時などに、この行動が起こる。


③接近行動
愛着者から離れた時に不安を感じると、ハイハイや歩み寄りをして愛着者に近づく、後追いをする行動。
 

 

 

豆知識 刷り込み

愛着行動では、「刷り込み」という現象も有名だと思います。

 

 

こちらの動画では、親と判定された研究者の後を追うガチョウの話が出てきます。(日本語自動生成の字幕付きでどうぞ!)
 
研究者が、歩いても泳いでもカヌーを漕いでもついていくガチョウ達。かわいい。
 
また、母性剥奪研究の研究も載っており、とても貴重なのですが倫理的にはアウトですよね…。(子ザルさん、めっちゃ怯えていますね…)
 
 
 

豆知識 メアリー・エインズワースの「奇妙な状況」

ジョン・ボウルビィの理論をもとに、エインズワースは、画期的な研究「ストレンジ・シチュエーション(奇妙な状況)」を行いました。
 
※ジョン・ボウルビィ
精神医学に動物行動学(エソロジー)的視点を取り入れ、愛着理論をはじめとする早期母子関係理論を提唱した人。

エインズワースは、安全基地(securitybase、secure base)を提唱した人でもあります。
 
子どもが探索し、疲れたり不安になったら戻ってくる愛着者のことを、安全基地と呼び、この現象は飛行場現象と呼ばれています。
 
愛着者の元へ戻ってきて、「充電完了」となったら、子どもは再び外の世界へ冒険しに行きます。

また、アメリカのバージニア州には、エインズワース・アタッチメント・クリニックがあるようです。
 
まさに愛着についての専門機関ですね。


 

こちらの動画では、ストレンジ・シチュエーション(奇妙な状況)について説明をしています。
 
養育者がいなくなる気配を察知すると、赤ちゃんがハイハイで歩み寄ろうとしたり、それでも養育者がいなくなってしまうと、たちどころに泣きだしたりと、愛着行動についてとても分かりやすい映像です。

安全基地の体験、経験によって少しずつ外の世界が長くなったり、子どもにとって不安なことが起こってもある程度耐えることができるようになっていきます。

まるで、心の中に愛着者の視点が芽生えるようですね。

これが、被虐待児の場合だと、正反対のことが起こるかもしれません。

つまり、四六時中、起きている間はずっと批判されっぱなし。(夢の中でも…)

何をやってもダメ。合格点をもらえない。

もう、何もしたくないと思ってしまうかもしれませんよね。

養育的な親と批判的な親。
 
程度の差はあれど、ほどほど・いいあんばいな状態ならいいのかもしれませんが、片一方だけが比重が重いと、辛い。

ものすごくあまくて優しい、真綿で首を絞める親(共依存)と、ストレートに暴力をふるう親。
 
ハネムーン期も相まり、よりいっそう混乱を極めますね。
 
 
 

豆知識 学習性無力感(Learned Helplessness)

 

この実験では、セリグマンが犬に対して電気ショックが流れてしまう状況を作り出し、犬の反応を見る、という実験が載っています。(こちらも倫理的にアウト…)

スイッチを押すことで電流を止めたり、電流が流れる柵を超えるなど、回避方法を示されるグループの犬は、自ら電流から逃げたり、止めたり、飛び越える動きをとりました。

しかし、何をしても状況コントロールができないと学ぶことになったグループの犬は、うつ状態になり、鳴き、逃げずに電流を受け続けました。

実験者が犬に対して、足を動かせば逃げられると教えてあげることにより、学習性無力感から解放されたようです。(複数回同じ行動を教えてあげたそうです。)

(また、人に対しての学習性無力感についても解説をしています。)

この実験は、比較的短時間ですが、もしこれが、小さい頃からの、何十年分という積み重ねで学習したとしたら…。
 
学び直すことに、恐ろしいほどの労力がかかってきますよね。
 
正直、下手なホラーより怖いですよね。
 
 

 


象使いの象のお話も有名ですよね。(小さい頃、びくともしなかった鎖を、大人になっても断ち切れないと信じている象。)

また、漫画・動物のお医者さんでも、小さい頃動かせなかったラジカセに紐でつながれていた犬が登場したり。(もう立派な成犬だからラジカセを引きずることだってできるのに)

 
犬、象、人、マウス。たとえ話として、魚(カマス)や虫(ノミ)まで。

様々な生き物が、学習性無力感を学ぶようですね。
 

 

 


 

 

 

今回は、
【感想】(第二章・前編)子ども虐待という第四の発達障害

についてのお話しでした。

 

次回も感想記事をお伝えしたいと思います。

 

 

 

それではまた!

 

 

 

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