最近の流行言葉なのか・・・何につけても「○○させていただく」と口にする方が多い・・・。
もちろん文法上間違ってはいないのですが、この言い回しは古来より冗長として使われませんでした。
どういうことかと言いますと、「させていただく」と発した場合、それは「相手の経済状態に頼る」とか「相手の力によってそうする」・・・逆説的には「あなたの責任に行うのであって、わたしには責任はありません」という意味になるのです
つまり昔から「させていただく」と言われた相手は「えっ!この人、わたしに責任すべてまるなげなの!?物事を自発的に行える人じゃないんだ・・・」と取られ、疎遠になっちゃうほど無責任な言い方だったのです
確かに最近は自信がないって方も増えたように感じます・・・。
こうした方は必ずものの言い方が疑問形のように語尾が上がります・・。
例えば・・・「あそこにあったラーメン屋さん↑?美味しいよね あのスープ↑? 麺↑? 餃子↑?・・」といった感じで、聞き手の合意を求めるがゆえに疑問形になっちゃうのでしょう・・。
きっと本質的にはお優しい性格だと理解はしつつも、あまりにも語尾があがり、終いには、させていただきます・・・なんて言われちゃうと、少し聞き苦しく受け取られてしまい、ビジネスにも支障をきたすかもしれません・・・。
では、どんな言い回しが相手の好感を得るのでしょうか?
それはズバリ!「くれぐれも」です←なんのこっちゃ
この「くれぐれ」とは漢字の「暮々」を想像しますが、これはあくまで漢字という借用文字にあてているだけで、本来の意味はまったく無関係
元来、日本語としての「くれ」とは、相手の全てを信じ任すという意味なのです。
ゆえに「○○さん!ホント!お願い!これやってくれ!」「頼むから逢わせてくれ!」・・・さらに丁寧語で「御」をつけると「やって御くれ」となります
つまり相手を信じる「くれ」をさらに重ねて願いを乞う表現が「くれぐれ」と言うのです。
大事な人とお別れする際に「くれぐれもお元気で!それじゃバイバイ~~」と言えば、それは「重ね重ね、わたしの人生にとって大事な存在なあなた・・あなたがこの世にいなければ、わたしはどうすることも叶いません。次にお会いするまでぜ~~ったいに健康でいてください。神様お願い申し上げます」というある種、祝詞(のりと)のように行間にこそ本質が隠された表現となるのです
ビジネスシーンにおいても「○○さん!このプロジェクトはあなたに任せる!どうかやってくれ!」と言われれば、きっと、その言霊は心に響き、やる気スイッチがONになるでしょ!
つまり、相手に自身をつけさせて、成長を促し、その結果によって、お互いがWINWINとなるための言い回しこそが「くれぐれ」の意(こころ)なのです
但し、似たような言い回しに「あれくれ!これくれ!」がありますが、あれは「下され」が語源の物乞いの意ですので、混同しないように「くれぐれも」ご注意くださいね(^^♪