
「サマー・オブ・ラヴ」
夕立ち明けに立っている、
色とりどりの雨傘たちは陽の光を吸い込んだ、
汗を滴らせてぽつんぽつんと立っている、
舗装路から蒸せ返る夏の匂い、腕白たちは白いシャツで風にまたがる、
隙間を縫うよう膨らむ雲湧く坂道へ、
こうもりたちは畦道を渡る宵闇頃を待ちわびて、
空へ空へと青く伸び立つ穂の草原、
四方に合唱、蝉時雨、
麦の帽子が額を拭う、農道ラジオがサイレン鳴らす、
新しい朝が生まれる、
今日もまた、新しい朝が生まれたことを知っているんだ僕たちは、
音が匂いがそれから光、閉じた瞼にさえ焼きつく、
私たちは小さな部屋に生きている、
けれどそれは開かずの扉を持たない、
いつ如何なるときでさえ、開かれるのを待っている、
私たちは鍵を持つ、空と海と土と草へ繋がる外へ、
手ぶらで走り出せたころの鍵、





