
「スワロウテイル」
乳母車を押すショートパンツのしなやかなる華奢な脚、
カットオフしたインディゴブルーが溶けはしないが広がる青い、
青く青く連なる日々よ、
彼女は連れ子の父ではない、誰かに抱かれにゆくところ、
鳥籠には今日もまた、鳥にはなれぬ私たちが俯きながら指折り数える日々だけが眠ってる、
坂道のカーブに沿って、シャボン玉はふわりと空へ、
わずかに虹を映しては、青に紛れ消えてゆく、
眺める犬は走りたげに白線上を、
リードを持った樽の腹の初老よりもずっと、
犬のほうが美しかった、彼を見下ろすヒトは醜く無価値に映る、
鳥籠には出口を探す、飛び立てないことを知らない鳥がもがいてる、
羽根はとうに飾りになって、彼がかつては鳥だった、
その痕跡としてだけある、
水たまりに陽が咲いていた、その真上を燕が滑る、
数秒さえない飛沫が立って、それを鎮めてやろうと雨雲が、
憂鬱そうに空を眺めて傘の柄に、差し伸べたらクラクション、
薄汚い濃い青の獣に満たない生き物が、下卑た笑いで彼女を迎えた、
そのころ犬は雨を嫌って揺する腹の生き物に、
合わせて踊るふりをする、振り向きざまに手から縄が離れるときを、
今か今かと待ち構えてた、
鳥籠からそんな景色を眺めてた、
俺はとっくに飽き飽きて、欠伸しながら指を鳴らしてハーモニカにかじりつく、
閃くようにゆく燕、雨の季節に踊れるんならそいつが誰より自由だろうと、
たぶん、誰もが知っている、
本当は誰もが気づいてた、
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