
「アロン」
夜を欲しがる武器商人は殺された、
桟橋下には火薬の匂いが朝になっても残ってた、ナイフに映っているのは三日月、
鏡は錆びずに白を望んだ聖人君子を映し出す、
そいつは夜明けのためなら方法なんて選ばない、
それがこの世の聖人なんだと額にかかる前髪はらった、
踵には生温い赤、シルクでそれを拭き取って、
匂いを確かめ丸めて捨てた、
心臓なんぞは冷たい熱で脈を打つ、
夢ばかりを見ている弱者が自身に酔っているのは不様に過ぎると聖人ならば誰もが認めることだろう、
溶けた鉛が広がる空から裂けた血の雨流させようと、生真面目なる君が言う、
軍靴で水溜まりを蹴ると、乱れ落つのは月灯り、
ふたつに割れて散り散り濡れた、
思いつきを口笛載せては雑兵倒れる夜探す、
機関銃を盗みたいのは今宵に限るわけでなく、雪待つ刻ならいつであれどそうだった、
命に大儀を背負わせるから孤独に怯え、
意味やら意義を見出そうと無駄に足掻く、
喰わずに踏まれて潰れたオレンジ、
山羊の歯型が残る教典、
パンと間違え泥を飲みこみ絶えてしまった名もなく美しくもない市民、
君が僕が気づいてながら口にすることない真理、
軍靴で水溜まりを蹴ると、乱れ落つのは夏の陽光、
無数に割れて散り散り溶けた、
思いあがって星の命に自身委ねる歪なる、
雑兵倒れた夜探す、
機関銃を盗みたいなら武器商人より燕尾服の聖人気取りを探せばいい、
君が僕が気づいてながら口にできずにいる真理、
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