「閉塞を続ける国の僕たちは」
無難という言葉が溢れ返る。
流行しているわけではなく、それはもはや指針にまでなった感さえある。
シャツに合わせるネクタイから、休日の過ごし方、人生における岐点である進学就職、結婚にいたるまで、すべてにその言葉が通用する選択が良いとされる。
冒険ができず、退屈そうにも思えるが、それはおそらく重要なことではない。
重要なのは「失敗しないこと」なのだから。
この国は閉塞を続けている。
それは今後も変わらず続く。
バブルを体験した50歳以上、とくに六十代の中高年者には「いつかまた好景気が」と考える向きも少なくないが、現実には景気が良くなる可能性などない。
既に経済成長は終わったのだ、なぜ景気が良くなると思うのか。
人や動物も同じだ、成長が終われば退化する、一歩ずつ死に寄っていく。
いまの日本は、その状態か、いっそ延命治療を施されている状態か、である。
失敗をすると、選択を誤ると、リカバリが効かない時代なのだ。
だからその時代に生きる人、特に若い世代は上の世代の失敗を見て育っている、やり直しがとても難しいと知っているから無難さを重視する。
仕方がない。それはおそらく彼らの処世術だ。
それほどに閉塞しているのだ、見渡しても出口を見つけるのが難しいほど、この国は生きることが難しくなっている。
私たちは収縮し、縮小し、閉塞してゆく国に生きる、日本で最初の世代である。
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