「雨天に舞う」
雨季を迎えた砂の地は、ひび割れ荒野が湿地になって、
やがて静寂、生まれた湖、
波紋のたびに揺らぐ山影、
窓のない街、濡れたカーテン、
小さな部屋の片隅に、溜まった埃が溶けてゆく、
数年一度のこの時期は、雨に踊るカーニバルが待っていて、
子供たちは背伸びながらに色づく街を眺めてる、
月さえ眠りの落ちるまで、ずっとずっと目を凝らす、
その姿は珍しげで楽しげで、
名もなき歌い手、踊り子や、
サーカス団やパフォーマー、原色アイスを売るバンや、
赤鼻忘れた道化師までも、雨を祝う独りになって、
傘を回して宙に舞う、優しき雨に打たれた娘、
艶やかなるドレスを濡らし、見知らぬ誰かと手をとって、
枯れ地に注ぐ黄金に、我を忘れて舞い踊る、
蹴り倒された銀細工の屋台小屋、
零れたソーダと混じり合う、カーニバルはひた続く、
少女は水を探して旅に出た、
恋人をいまも想う、
ほら、いまなら潤いがある、
大きな傘を掲げても、体中が水になりそう、
この瞬間をずっと待ってた、
砂に降る雨、それはあまりに優しくて、
真円満つる月の夜の、重ね合わせた淋しさが、
きっとすべて報われる、
そんな気がして誰もが踊る雨の日々、
カーニバルはまだ続く、
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