「見上げれば鮮やかすぎる」
見上げれば鮮やかすぎる、青は浅い波間のように、
天を突き抜く、色が意味をなさなくなって、
如何に大きく青くあろうが、救われるでもなかろうに、
不甲斐ないから遥か彼方を見ているふりして雨が降ればいいと思った、
荒れに荒れた季節は過ぎず、手の中に冷えてくのはダージリン、
香も熱も凍りゆく、
見上げた空の、そのあまりの極彩色に、
言葉など在るはずもなく立ち尽くす、
感嘆さえ遥か超え、
もはやそこには畏怖しかなかった、
鮮やかすぎて目に染みる、天が堕ちてしまえばいいと、
去来の想いの途方のなさよ、
群れから離れる一羽の白は、
無垢なる其れより濁る冬を越える者、
雪のなかで揺れながら、
浮き沈む、打ち際にて砕かれて、
弾ける泡の粒に宿る光のよう、
儚く咲いて儚くも散る、
飄々さえも冷淡に、ひとつの感触、感慨もなく、
儚く咲いて儚くも散る、
なぜそのように孤独に喘ぐこともなく、
全うすべきの命になれない、滑稽すぎるヒトがいる、
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