ホイアンのような世界遺産の観光は、街をブラブラ歩き、200‐300年前にタイムスリップでもしながら、あっちのカフェ、こっちのレストランなどの飲み食べ歩きをし、自転車で周辺の農村巡りでもするのが楽しいので、市街地周辺にあるホテルに泊まる方が便利良いのだが、しかし筆者はホイアンだからなのか、結果としていつもビーチの方のホテルに泊まってしまう。
ホイアンで許可になるホテルは基本的にバッファエリア(世界遺産指定域の緩衝地帯)の外側になる。
赤が世界遺産指定地区、水色が緩衝地帯。
この地図は当初の案で、後に川から南は緩衝地帯から外れている。
周囲には大型ホテルを建てる場所も無く、だから、それらのホテルは民宿レベルから大きくても100室程度までのブティックホテルが殆どだ。
今回気が付いたのが、何時か泊ってみようと思っていた昔からあるコロニアル風のブティックホテルが、どうもコロナ禍をとおして経営が変わっていたり、独立系ホテル好きの筆者としては、躊躇するインターナショナルブランド参加のクラシック風なホテルが出来ていたりしている。
ホイアンを良く知るエージェントは、それらブティックホテルを紹介しているが、ホイアンを知らないエージェントや大手エージェントになると、ホイアンから離れたダナンの海岸沿いの大型ホテルを紹介するケースが多い。つまり、ホイアンではなくビーチリゾートのダナンを売り出そうとしていることになる。
ホイアンのビーチにもリゾートホテルはあるのだが、筆者も20年前、当時の最新ビーチリゾートに泊まったことがあるが、最近は日本のエージェントはあまり使っていないようだ。
調べると市街地に近いビーチが随分と波で砂を持っていかれているようだ。
有名なビクトリアなどは海岸線を石壁を築いて防御している。
アンバンビーチから北側のビーチは問題はなさそうだが、それでもフォーシーズン・ナムハイなどは高すぎて、使いたくても平民には使えないということもある。
アンバンビーチはパブリックビーチで人が多い。
市街地のホテルに泊まるツーリストはこのビーチで海を楽しむ。
ホテルはホイアン市街地でも良いのだが、普段都会にいるのだったら、どうせなら広い敷地を持つビーチに面したリゾートホテルで気分転換するのが良い。
これをウエルネスツーリズムとしての自然療法でいうと、気候療法という。昔は転地療法といっていた。
しかし、ホイアンのビーチに建築中はあっても、住民の立ち退きをしない限り新たなホテルはもう建たないようだ。
そこで、ホイアンの南のビーチ、ビンミンビーチには海に面した空き地が広がり、大型プロジェクトのホテルがボチボチ建ち始めたところで、これからのエリアに注目。
現在IRのホイアナにホテルが2軒とカジノにゴルフ場、大型の会議施設が既に揃っている。
だが、ウエルネスを感じたいツーリストには向いていない。
ターゲットは中国!と地元の人のアドバイス。
その南に、大型不動産開発を伴う大型ホテルのビンパールがゴルフ場と、大型のテーマパーク、ウォーターパークに動物園を併せ持つ縦1,000横で2,000mになる長方形型の巨大なリゾートを展開させている。
これも、とてもじゃないが「大きいことは良いことだ」の時代を経験した日本人には避けたいリゾート。
その下の空き地を過ぎてようやくウエルネスコンセプトのリゾートホテル、ブリスホイアンビーチリゾート&ウエルネスにたどり着く。
ホイアンの市街地から17Km約20分。地元の人は15分というが安全運転にこしたことはない。
ブリスホイアンは欧米客が殆どで、ウエルネスコンセプトと聞いていたが、敷地に入って驚いた。ホームページの写真で見て知ってはいたが、このランドスケープ(景観)には唖然とさせられた。
こんな贅沢なホテルランドスケープを見たことがない!
しかし、写真ではその感動は伝わらないものだ。
web siteの全景写真
海に面して200mのオープンな庭!
苦労して森の中の山道を登り、頂上に立った時の絶景を見た時の感動する感覚。
これをウエルネスデザインと呼ぶ。
55m幅のプールが小さく見える。
筆者撮影、広すぎる!
今回は、新しいホテルで情報も少なかったので、ビルディング棟の一番下のカテゴリーの部屋に泊まったが、これほどランドスケープが素晴らしいのであれば、金額は大して違わないのだから、ビルディング棟なら3階から上のオーシャンデラックス以上か、庭中のビラタイプの部屋にすれば良かったのだ。
筆者が泊った部屋、デラックスホテルお決まりのバスルームからベッドルームを通して外が見える。インドシナやバンガローならもっとお洒落なバスルームになる。
中央にあるのがスパ棟でサウナ、ジムも入っている。
ヨガにブレスワーク、タイチにメディテーションのセッションを毎日交互に行っている。
I do Yoga with you
Balance Tranqulity Yen’sTaichi
チェックインの時にハイティーのバウチャーを貰ったが、どの部屋でも滞在中にハイティーのサービスを受けられる。このサービス長く続くと好いと思うよ!
筆者甘いものはあまり食べないが、一番下の段がローカルのスィーツなので女性なら喜べる体験でしょうね。
毎週3回のディナーのテーマナイトがあり、ライブミュージック付きのシーフードバーベキュー&ストリートフードの日と、ホイアン料理の日に当たったのでこれも体験としては楽しかった。どちらも、ワインがすすみました。
チェックインの時に、ホテル前のビーチを少し歩いたところで珍しい魚市場が開かれるのが見られるので、是非早起きして行くようにと勧められた。
その夜、食事の後にルーフトップバーに上がると、お客の中の男性が興奮して漆黒の海を指さし、「あれを見ろ!凄いぞー!」と筆者に近づき興奮気味に語り掛けてくる。
見ると真っ黒な海の中に明かりが幾つも輝いて一直線上に横に伸びている。なーんだ、漁船じゃないか、と筆者はすぐ理解するのだが、その外人さんには珍しい光景のようだ。
翌朝、5時に目を覚まし、薄暗いがかすかにオレンジ色がかってきた海の方を眺め、ゆっくりと外に出る準備をして庭を突き切ってビーチに出たとき、大分明るくなってきて、見ると左手前方の海に漁船が幾つも停泊している。
そうか、昨夜の漁船がここに戻ってきたんだ、と理解する。
そして左側前方200m先に人だかりが見える。
魚市場というのがこれなのか?と驚く!
波打ち際の砂浜の上で、獲れたての魚を魚種ごとに取引をしている。
せめてもう一段上の砂の上で、屋根くらいある場所での市場をすればよいものを、完全なオープンエアー状態の魚市場。
これは珍しい!!!
見る風景からして、魚を売っているのが漁師の奥さんで、買っているのが仲買人なのでしょうか?(後でわかったのが漁師のお母さんたち、これは後のブログで紹介する。)
しかも、観光用でしか見たことのなかったバスケットボートが漁船と浜の間を往復している。
漁船から魚をバスケットポートに載せて、それを浜に運んでいるのだ。
丸いボードだもの波でひっくり返りそうなボートも見かける。
それにしてもスピードがでないし波の上で安定することもないのに、よくこんなボートが現役で利用されているものだと感心して見入ってしまう。
砂浜をもう一段上がったところで、箱に魚種ごとにきれいに入れられてこれから大きな魚市場に持っていくらしい。
2日後、自転車で周囲をポタリングして発見したのが、これら魚の一部の魚種は道端で干物にされている光景だ。あたり一帯から干物の香ばしい空気が漂っていて、酒飲みには嬉しさが込み上げてくる。
帰国後、改めてホイアンの観光素材を調べていくと、この魚市場はホイアンだけではなくダナンからもオプショナルツアーで紹介されていた。
そして、このあたりのビーチではこのビンミンビーチが一番きれい、とも紹介されている。
何がどれ位他と比較してきれいなのかは、ビーチリゾートに来ても海に入らない筆者には分からないが、ホテルのスタッフが言うには、一番きれいなビーチを探してブリスの場所をここに決めたというし、写真に撮ってみるとダナンやホイアン中心部側の海より確かにきれいに見える。
ブリスでは、個人旅行者向けにホテル主催のツアーを各種紹介しているので、旅行会社経由でない場合などは便利かと思う。
筆者の場合は、既に主要な場所は保々ほぼ訪れているので、自転車で周辺のポタリングを楽しんだ。普段あまり皆が行かない更に南、クアンガイにより近い、というのが主目的だったのだが、ホイアンそのものを楽しむということでも、このホテルにして良かったと本音で思う。
余談。
ある知人は、ホイアンの南は良くないと筆者が行く前に語っていたが、筆者としては場所も環境も良かったし、ホテルに騒々しい客もいないし、前回のダナンのホテルよりはるかに良かった。
そのうえ、ホテルレートがダナンに比較し格段に安いのに気が付いた。
その知人に帰ってきてから良かった話をすると、実はその知人、ホイアンの南のビーチまでは来たことが無い人だったのですよ。
まぁ、知ったかぶりで人が泊るホテルの悪口は言わない方がいいですな。
とにかく、ホテルは好みとTPOで選び、コストパフォーマンスのより良い方を選ぶに越したことはないです。