フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -9ページ目

失敗すべきと思うときでさえ、失敗を恐れてしまうのはなぜか

「失敗が怖くて、ついつい石橋を叩いて渡っちゃうんです。
 早く失敗しないと、いずれ大きな失敗をしてしまうのは、
 わかっているんですけどね。」

ベンチャー志望のとある方から、このように言われた。

ベンチャーは失敗してなんぼだ。
失敗する中で、仮説検証サイクルを早く回し、
正しい答えにいち早くたどりつく。
これがベンチャーだ。

ベンチャーとしての生き方を歩むべき人は社会でも限られている。
だが、ベンチャーとしての生き方を選んだ以上、首尾一貫して生きていかないと、
あとあと生きていきづらい。
というか、失敗を回避する位だったら、大企業など安定したポジションで首尾一貫した方がいい。

だから僕はこう尋ねた。

「今まで失敗したことがないから、失敗をむやみに恐れているんじゃない?
 失敗したことがないから失敗を回避し、失敗を回避するから失敗しない。
 そのような悪循環に陥っていない?」

その人はうんうんと深くうなずき、言った。

「そうなんです。僕、転び方を知らないから転べないんですよね。
 そもそも、加藤さんにとっての失敗、特にビジネス上の失敗とは何ですか?」

僕はうーんと考えてから、こう答えた。

「二つあると思う。

 一つは、倫理にもとること。
 倫理に外れた行動をとった方が、短期的には売上利益を確保しやすい。
 でもそれをやると中長期では必ず痛い目に合う。
 再起できない恐れすらある。
 だから倫理にもとることをやるのは僕にとって失敗。
 
 もう一つあるのは、仲間うちでケンカすること。
 会社が一つの方向性に向かっていく以上、意見が合わないのはしょうがないと思う。
 だけど意見が合わなくたって、お互いに理解し合うことはできるはず。
 結局一緒の会社ではやれないとわかっても、ハッピーエンドを迎えることはできる。
 でも仲間うちでケンカするのは、違うと思う。

 利益数値みたいな、外見的なものも確かに重要なんだけれど、
 僕にとっての失敗はそこではない。
 チャレンジする以上数値を出せないこともあるのが、資本主義経済だと思っているから。
 だから、倫理にもとることと仲間うちでケンカをすることは、
 資本主義経済というゲームのルール破りなんだ。
 そのルール破りをしてしまったら、僕にとってそれは失敗だと思う」

この答えは彼にも響いたようだった。
そのあと二人で、彼にとっての失敗の定義は何だろうか、話し合った。


日本の公的教育は、そこそこイケていると僕は思っている。
(特に、学校間競争のインセンティブがほとんどないなか、
 ここまでの質を保っているのは、卓越した現場力のおかげだと思っている)

しかしもし公的教育が今後改善すべきところがあるとしたら、
僕は下記3つだと思っている。

・転び方を覚えられること
・英語学習時間や英語テスト点数配分における、スピーキングの割合を社会におけるそれと同じにすること
・国語学習時間や国語テスト点数配分における、ライティング・スピーキングの割合を社会におけるそれと同じにすること

転び方を覚えられる教育を受けてこれなかったとしたら、
社会に出てから自分自身でなんとかするしかない。
そのときに大事なのは、転び方だ。
骨を折らない転び方は何なのか、自分なりの答えを見つけることがその第一歩だと思う。

僕たちは65歳ではなく75歳まで働くことになりそうだ。

三浦展著「日本の地価が3分の1になる」が面白かった。

・住宅地価格は、総人口、現役世代負担率、一人当たりGDP、この3つで決まる。ここでいう現役世代負担率は、老年人口(65歳以上)を生産年齢人口(20~64歳)で割ったもの

・このまま何もしないと、日本の地価が2分の1から3分の1にまで下がるのは避けられない (という理論的・実証的根拠がある)

・なぜなら、2013年の現役世代負担率は0.36だが、2050年には0.75まで上がることが人口動態上見えているから。

・だがもし、定年退職が65歳から75歳に引き上げられれば、現役世代負担率は、2013年と2040年では変わらない

・在留外国人はバブル期 からこれまで、約2倍の200万人に増えた

・それでも、全労働力人口中2%にも満たない。米英独などは6~7%いるので、あと400万人増えてもおかしくはない

・しかし、地価が下がらないようにするには、3600万人の生産年齢人口が必要。400万人では全然足らない。 



以上が抜粋だが、この本はとても面白かった。

2050年には僕は70歳になっている。
まったく人ごとではない。
結局のところ、日本社会は下記のどちらかを選ばなければいけないようだ。

・65歳定年を維持するかわりに、地価の大幅な下落や現役世代の大幅な負担増よる経済活動の大幅な落ち込み、そして生活水準の低下を許容する

・75歳まで働くかわりに、現在の生活水準を維持する

日本人のなかでは後者を選ぶ人が多いんじゃないかと、僕は個人的に思う。


では、75歳まで働く社会というのは、どのような社会か?
それは、今のように、20代~50代の日本人男性じゃないと勤まらないような、
ブラックな労働環境ではないだろうと思う。
短時間勤務も普通で、転勤を必須としないことも普通で、
それでもいきいきと働ける社会だろう。

つまり、75歳まで働ける社会は、
今よりもワークライフバランスに配慮された社会だと思う。

ワークライフバランス。
これは、韓国や、米国等のトップエリートをのぞき、
当たり前のことだ。
だって、ほとんどの人は生きるために働いているのであって、
働くために生きているのではないからだ。
(とくに、フィリピンでフィリピン人を見ているとそう思う)

だから世界ではこの当たり前の環境に、日本も必然的になっていくだけだと思う。
女性や外国人が働きたいと思える社会
70歳の日本人男性もいきいきと働ける社会、
そのような社会に、日本もなっていくだろう。

そのときに役立つのが、
英語をつかって仕事をすることだと思う。
英語を使って仕事をするのは、近い将来当たり前になる。
そのときに変わるのは言葉だけではない。
外国人との恊働が増えると否応がなしに、
働き方もまたグローバルに近いものになるだろう。

英語を学ぶことは、世界に出ていくためではない。
平日でも家で家族と夕食を食べられる、
そのような社会をつくるために、
僕たちは英語を学ぶのかもしれない。

レアジョブはスターバックスと同じです

「レアジョブはスターバックスと同じです」
と、レアジョブ英会話の東京オフィスのみなさんにいつも伝えています。
なぜ同じなのか、といいますと、

・スターバックスはコーヒーを売っているのではなく、リフレッシュ体験を売るホスピタリティビジネス。
・レアジョブも英語を教えているのではなく、英語に対するやる気を引き出す、ホスピタリティビジネス。
・カフェビジネスは参入は容易。スタバと同じコーヒー豆とエスプレッソマシーンを買えばいいだけだから
・しかし、カフェビジネスを成長させるのは難しい。スタバのようにミッション・ビジョンを整理し、従業員採用・教育や店舗内装やメニュー構成に反映させる必要があるから。
・同様に、オンライン英会話は参入は容易。
・だがオンライン英会話を成長させるのは難しい。ただ広告を打つだけではビジネスとして回らない。ミッション・ビジョンを整理し、スタッフ・講師の採用・教育、ウェブサイトや教材に反映させる必要がある。
・スタバの最大の強みはお客様。リフレッシュ体験を求めるお客様が集う場所だからこそ、リフレッシュできる。そのような場所は家庭を除くと日本になかなかない。
・同様に、レアジョブの最大の強みはお客様、と言えるはず、または近い将来言えるようになるはず。自己を高めようというやる気にあふれたお客様が集う場所だからこそやる気が続く。 そのような場所は職場を除くと日本になかなかない。

そのスタバの話でいい記事があったので紹介します。
 スターバックスCEO「私たちはコーヒービジネスをしているのではない。人間ビジネスをしているのだ。」

これをお読みの皆様が何らかの形で関わってくださっている、レアジョブというビジネスは、ホスピタリティ×ITのビジネスとして、発展させ続けたいと思っています。

ベンチャーの合宿のベストプラクティス

レアジョブ上場に前後して、
クロス・マーケティング社の五十嵐社長が弊社社外取締役に就任された。
レアジョブの状況を見た五十嵐さんは、合宿をやるよう提案した。
そして合宿のファシリテートに、石川代表をアテンドしてくださった。
(石川さんは、クロス・マーケティンググループの株式会社 UNCOVER TRUTHの代表取締役)

そのお二人が主導した合宿は、すごくよかった。
腹割って話し合うことができ、
社長や副社長の役割分担が決まり、
合宿後の組織のスピードが感覚値で5倍くらいに上がった。

その前にも自分たちで合宿をやったことは何回かある。
そのときとは全然比べ物にならないくらい、五十嵐さん・石川さんの合宿は成果が違った。

それは何故なのかを考えた。
恐らくは、ベンチャーの合宿のベストプラクティスがある。
ベストプラクティスに近い合宿は成功し、
ベストプラクティスからかけなはなれている合宿は失敗する。
ただそれだけなのかなと思っている。

では、ベンチャーの合宿のベストプラクティスは何か。
五十嵐さん・石川さんのときの合宿とそれ以前の違いは何か。
お二人からアドバイスを受けたことを思い出しながら、
そして僕の経験値を加えながら、
下記まとめる。

(1) 解決可能な課題を設定する。
例えば合宿が二日間のとき、二日間で解決できそうだと社長が直感的に思える範囲に絞って課題を設定すべき。

(2) 宿題を課す。
各課題につき宿題を課す。
合宿は各自の考え方を披露する場ではなく、議論しシナジーを生む場にする。

(3) ファシリテーターは、中立者を選ぶ。
外部の経験者が望ましい。
未経験者のときは、ロジカルシンキングに長けた人を。
内部でやる場合はコーチングができる人を。

(4) 合宿参加者はファシリテーター含め7人以下に絞る。
多すぎると一人当たりの発言時間が減り、「話し切った」という感覚を持てない。
それだと長時間集まって議論するの意味がなくなる

(5) 決め切る。
誰がいつまでになにをやるか。決めたことは文書で共有する。
次の合宿までは振り返って考え直さずに守る。
合宿は議論に徹し、普段は遂行に徹する。

(6) 社外でやる。
会社の目の前の案件に集中力がみだされない状況をつくる。
日中の会議にはホワイトボードは必要。
そして夜の飲み会は個室で。

(7) 裏テーマが存在する。
社長の役割が明確になるというのが大体における裏テーマ。
社長も人間なので、長所も短所もあれば、一人でできることに限りがある。
成長中のベンチャーでは社長の役割がどんどん変わるべき。
新しい社長の役割を、社長や社長の周囲がすりあわせながら決まっていく、というのが理想的。

(8) 夜の酒の席が1番重要。
本当に言いたいことは、日本人の場合酒の勢いを借りないと出ずらい。
実際、僕も合宿中に号泣した。

(9) 定期的にやる。
三カ月に一度が望ましい。
普段のミーティングとの役割分担が重要


以上が、現時点で思いつくかぎりの合宿の理想形。
合宿中にがんばって議論することは当然だが、
それ以上に、合宿はやる前から成否が分かれていると思う。
失敗の轍を踏む必要はない。

こう書いてみたが、うちの合宿もまだまだだと思う。
理想形に近づくよう、努力していきたい。




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東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにするために、Ed-tech生態系をつくる

レアジョブのサービスミッションは、「日本人1,000万人を英語が話せるようにする。」です。

先日、これに期限をつけました。
「東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにする。」

前の東京五輪までには日本に新幹線と高速道路が走りました。
次の東京五輪までには、人々の心の中に国境をこえるレールを走らせようと思います。
そうなれば、日本も世界ももっと素敵な場所になるはずです。

ここでいう「英語が話せる」とは、ネイティブ並みにペラペラになるということではありません。
英語を理由に人生で何かをあきらめたりはしない、ということです。
外国人相手にビジネスをするのでもいいし、留学するのでもいいし、パックツアーでない海外旅行にいきたいとか、駅で困ってた外国人に道を教えられる、でもいいです。
日本人口の約10%が英語をなんらかの形で勉強していると言われています。
その全員を、英語を理由に人生で何かをあきらめたりはしない水準にしたいです。

しかし、それは1000万人全員がネイティブとの会話に困らない英語力を持つ、という意味ではありません。
それができるのは早くても2030年だとみています。
2020年の東京五輪までにできるのは、街で困っている外国人に親切にできる英語力です。
単語を並べて最低限のコミュニケーションをして、そのあと笑顔でHave a nice day!と言えれば、
外国人が日本で受ける印象はがらりと変わるでしょう。
(専門的にいうと、CEFRのC1/C2レベルではなくA1レベルのInteraction能力を持つ、ということになります)

特に、日本人は中高で学んできた英語の基礎力があります。
だからあと必要なのは二つだけです。
それは、話すときの文例と、その文例を外国人と練習する機会です。
この文例&機会を日本人1000万人に届ける、これを目指しています。
もっとひらたくいいます。
レアジョブ英会話に無料登録された方はまだ累計で約30万人です。
他のオンライン英会話を合わせても、(ダブりを省けば)50万人にいくかいかないか位でしょう。
この50万人を2020年までに1000万人にする。
この1000万人全員がレアジョブのサービスを実際に使うかどうかはわかりません。
ただ、1000万人が意志さえあれば思えば外国人を楽しく迎え入れられうるようになる。
この状態を目指したいと思います。

しかし、どうやったら1000万人に届くでしょうか?
オンライン英会話はまだまだ恐らく100万人にも満たないはずです。
市場の成長をまだまだ加速させていかないといけません。
ではどうやって加速すればよいでしょうか?

それを先日、議論しました。
11月6日と7日、レアジョブ7周年の日に、
熱海で合宿をはり部長級のスタッフたちと2日間議論しました。
そしてそのときの結論は次のようなものです。

Ed-tech生態系をつくる

Ed-techというのは、教育×IT、つまりインターネットなどをつかって新しい教育の姿を模索しているベンチャー企業を指します。
レアジョブもその一社ですが、一社の努力には限界があります。
おそらく東京五輪までに1000万人は難しいでしょう
しかし、たくさんの教育系ベンチャー企業がお互いに相乗効果を発揮すれば、不可能も可能になると思います。

具体的には、レアジョブから他の教育系ベンチャー企業に送客したいと考えています。
それも、なるべくレアジョブとサービスが連動してくれるところに送客したいです。
(他の教育系ベンチャー企業からレアジョブへの送客を求めるだけでは生態系とは呼べません)

お客様からしたら、サービスがレアジョブだけで提供されているか、複数の企業から提供されているかは、あまり関係がありません。
効率よい学習を継続して行い、学習目的を達成できる環境はどこか。
それがお客様が気にしていることのはずです。
どのサービスがレアジョブでどのサービスがレアジョブでないかは、お客様に関係がありません。
当然、レアジョブが得意なことは他社は得意ではありませんし、その逆もまた同じです。
だとしたら、様々な教育系サービスの中でベストな組み合わせでお客様が英語学習できるのが、いちばんベストではないでしょうか。

だから僕たちは反省しました。
これまではレアジョブがスタンドアロン、つまり一社で全てをやろうとしすぎていました。
一方、フェイスブックやグーグルは他のネット系ベンチャーに送客しているがゆえにその繁栄を築いています。
そのオープン性をレアジョブも学びたいと思います。

繰り返しになりますが、レアジョブが戦うべき相手は他の教育系ベンチャー企業ではありません。
戦うべきは相手は、学習者が学習目的を達成するうえでの阻害要因です。
なぜやる気が途中でうせてしまうのか。
そもそも学習を始めようと思えない理由はなにか。
これが戦う相手です。
他の教育系ベンチャー企業はともに戦う仲間です。
ともに戦っていくなかで、恐らくは自然と、英語学習のオンライン・オフライン比率が変わってきます。
現在の英語学習は、たいがいが二極分化しています。
オンライン:オフラインで100%:0%のものか、0%:100%のものかしかありません。
しかしどちらかに偏るのが英語学習に最適なわけではありません。
今後は、30%:70%などさまざまなサービスが増えていくはずです。
レアジョブは仲間とともにその最適な比率をみつけていきたいです。

そうやって仲間とともにユーザーの声にお応えしてはじめて、1000万人の現実性がでてきます。
日本人1000万人÷オンライン英会話の累計無料登録者が現時点で推定50万人=20倍
20倍は大きな数値ではあります。
しかし、オンライン英会話市場が5年のあいだ毎年倍々成長を続ければ、2の5乗
は32。
20倍にできるかどうかは、倍々成長を5年間続けられるかどうかです。

もちろん、無料登録者を単純に増やすだけでは意味がありません。
たとえばレアジョブは「English Path」という自社メディアで英語学習情報を提供しています。
この記事を読むためだけに無料登録を課すという方法もあります。
しかしそれでは本末転倒です。
お客様に不本意な形で登録者数を増やしても意味がありません。
お客様の体験をより上質なものにするために登録が最低限必要なときがある。
これが本来の立場なはずです。

しかし、繰り返しになりますが、倍々成長を5年間続けるのは並大抵ではありません。
これからお客様の中身がかわっていくことも、その難しさに拍車をかけます。
例えば、これまでオンライン英会話は「新しいもの好き」な方々にご利用いただいてきました。
しかしこれからお客様になってくださるのは、より慎重な方々のはずです。
つまり、お客様をひとり確保するのに必要な事前接触回数が増えていくということです。
例えば、「新しいもの好き」な方々は、「レアジョブいいよ」と1回聞くだけでレアジョブのサイトを訪問してくださいます。
一方、もう少し慎重に判断される方は、1回の接触では動きません。
会社の同僚と高校時代の友人と家族、3人からレアジョブのことを聞かないと、レアジョブのサイトを訪問しないことさえあります。

ですから、一人のお客様を確保するうえで必要な事前接触回数は数倍から20倍に増えていく可能性があります。
さきほど、2の5乗の人数の無料登録者が必要だと書きました。
両方をかけあわせると、必要な事前接触回数は2の5乗×20倍だということになります。
「オンライン英会話、イイよ」という推奨をいまよりも数百倍に増やせるかどうか。
1000万人を達成するというのはそういうことです。

しかし、ここを乗り越えたサービスは存在します。
例えばLINEやフェイスブックです。
ではLINEやフェイスブックはどうやったのでしょうか?

両社とも広告をガンガンだしたから1000万人にいったわけではありません。
そうではなくて、人々のコミュニケーションを活発化させることで、
「フェイスブック、やらないの?」
「Line使っている?」
そんな会話が数百倍に自然と増えていったのだと思います。

それと同じことを、英語学習でやろうと思います。
一定量のマーケティング投資は必要だと思いますが、それがすべてではありません。
むしろ最大の強みになるのは、お客様だと思います。
サービスに共感するお客様たちが自然にコミュニケーションしてくれるかどうか。
お金に動かされたのではなく、共感で動いてくれるかどうか。
競合企業の中にはお金で押そうとする会社もありますが、
そのときに僕たちは心で押していきたいと思います。

ではどうやって心で押していくか。
ひとつの答えはEd-tech生態系です。
「なぜこの事業をやっているのか」という思いをサービスに反映させている企業たちとともに栄えていきたいです。

もうひとつの答えは、たとえレアジョブの中だけでも人々のコミュニケーションを活発化させていくことです。
オンライン英会話の大半はマンツーマンですが、楽しいコミュニケーションはマンツーマンに限りません。

Ed-tech生態系をともにつくる。
グループでのコミュニケーションを活発化させていく。

お客様が必要とするプロダクトを自社かどうかに関わらず推薦し、
お客様のコミュニケーションを対講師以外にも活発化させていく。

東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにしていきたいです。






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20代のうちに数億円をあたりまえのように稼ぐ時代が既にきている

先週、コルクの佐渡島さんとお会いして、いろいろ勉強させてもらった。
「宇宙兄弟」や「ドラゴン桜」といったヒットを連発した編集者だけあって、とても刺激的だった。
そのときの内容を、思い出せる範囲でかいつまんで書く。

・ミュージシャンのマネタイズ方法が、CDのダウンロード販売からライブのような体験へと移り変わっていっている
・一方、出版業界は遅れている。優れた書き手の才能のマネタイズ方法がまだ書籍というパッケージにとどまっている。Kindleも同様。
・本来は、クリエーターの才能は単品販売ではなく体験で消費したほうがマネタイズできるはず。
・そのときは単品販売ではなく月額課金になるかもしれない
・コルクは、そういったクリエーターのマネタイズをプロデュースするという、一部品の役割に徹する
・書籍に限らず、まだまだマネタイズの方法が進化する余地はたくさん残されている
・そのときにはもっといろんな「部品」が必要になる
・20代で起業して「部品」をつくり、先日のiemoのように大企業に数千万円から数十億円のレンジで買ってもらう、そんな日が既に来ている

以上、1週間ほど前の話なので、佐渡島さんご本人の発言以外に僕の解釈も入ってしまっていると思いますが、ご容赦を。

個人的には、
仕事がデキると自分で思っている20代は、
大企業にいくよりも起業する方が、
よっぽど期待リターンが大きいと思っています。
20代のうちに生涯年収稼げるので。
大企業行くよりスキル磨いた方が、リスクは小さいはずですし。

同期でいちばんイケてる奴は、大企業ではなく起業する、
というのはアメリカの風潮だとよく言われる。
これが日本で一般化するのも、あと数年くらいかと思います。

このブログを読んでくれている10代がもしいたら、
ベンチャーがどういうものか、まずは中から見てみるとよいです。
自分がデキそうか・そうでないか、人生設計がしやすいかと思います。
コルクさんでもレアジョブでも他のベンチャーでもインターンをやっています。

起業の成功確率を高めるには

レアジョブが上場して以来、起業直後のスタートアップの経営者たちにメンタリングを頼まれることが多い。

そのメンタリングのときにはいつも同じ質問をしているので、今日それを書いておく。
(これから相談してくれる方は、これを先に読み考えておいてもらえるとうれしい)

ではその質問と言うのは次の6つだ。

1) 今困っている人をすぐ助けたいか、それとも時間はかかっても大勢の人にインパクトを与えたいか
2) 誰から毎月いくらまでなら取れそうか
3) その「誰」に実際に売ってみたことはあるか? その時の反応はどうか?
4) その「誰」は世界に最高で何万人いそうか
5) その「誰」に、自分(昔の自分)は含まれているか?
6) 競合はその人たちをなぜまだ取れていないのか?


(1)は、例えばフィリピン・タクロバンのの台風ハイエンの高潮被害を例に挙げる。
質問の前者のように、被災者にいますぐテントや食料を届けるのはNPOしかできない。
ビジネスでもできないこともないが、本流ではない。
ただ、タクロバンで起きたことは、堤防を海岸に築くことで解決できていたはずの話。
堤防を築くためには国が富んでいないとだめで、
国を富ませられるのはビジネスしかない。
いま困っている人を助けたいとしたらNPOが最適で、
時間はかかってもインパクトを最大化したいならビジネスがよい。

そこで、もしビジネスがいいとなった場合は、以下、2)-6)の質問に移る。

(2)
ビジネスをするとなった場合は、どうやったらお金が儲かるかを考えなければいけない。
おカネをもうけてこそ、インパクトを最大化できるからだ。
だとすると、想定ユーザーたちから頂く金額を最大にするのが、ビジネスとしてはまっとうになる。
(もちろん、一人あたりの価格を安くすることで人数を増やし、結果として収益が最大化するのでもOK。レアジョブはそうしているつもり)


(3)
では、頂ける金額が見えてきたら、その金額で売ってみる。
ものはできていなくていいから、「この金額で買いたいですか?」と聞いてみる。
そうすれば、顧客が本当におもっていることを直接聞きやすい。
本当に思っていることがわかれば、その先に進めやすい。
ここで顧客ニーズが本当にあり、売れそうだという感触がつかめたら次に移る。
(レアジョブはプレサービスを3か月やった)

(4)
次は、顧客の人数を知る。世界で最高に何万人使いそうか。
(たとえばレアジョブは、日本人の中では、社会が大きく変わらない限りは人口の10%しかつかわないサービスだと考えている。)

(5)
そして、次に考えたいのは、自分がその商品をほしいかどうか。
いまの自分ではなく、昔の自分でも構わない。
自分がほしいものほど、しっかりしたものをつくりやすい
もちろん、世の中には自分がほしくないが他人がほしいものをつくれるひとはいる。
しかしそれは難易度が高い。
たいていのひとは、自分がほしいものを作った方がうまくいきやすい。
(レアジョブは、僕が前職の外資系戦略コンサル時代に欲しいサービスだった)

(6)
そして最後に考えてほしいのが、競合はその人たちをなぜまだ取れていないのか?
競合もバカではない。
なぜ競合がそれをできていないのかというところに、
本質的な答えが隠れていることが多い。
多くの場合は、技術的な理由が多い。
たとえばレアジョブが2007年から立ち上がったのは、
フィリピンでのADSlの普及のタイミングだったからで、
そのハードの進化に、スカイプでうまく乗れただけだ。
けして僕が優れた経営者だからではない。
(僕がレアジョブとは別にいま日本のオンライン英会話に参入しても、必ず失敗すると思う)


以上の質問を、メンタリングのときはたいていする。
Edu-techよりのスタートアップから相談に乗ることが多いので、
ややそちらに偏っているきらいはある。
ただ、大枠としては他の業種でもある程度は通用するのではと思う。

以上のことを
起業仲間と議論することで起業の成功確率が高まったとしたら、
僕はうれしい。

悩むことは仕事ではない

プレーヤーからマネジメントに移行しようとしているときに、
多少つまずき、悩んでしまった人と、
先日、お話する機会があった。

その際に僕が伝えたことを下記のようにまとめる。

悩むことは仕事ではない。
仕事とは作業だ。

たとえば、悩んでしまっているときは、
何が課題になっているか、考えつくかぎり書きだすこと。
これは作業だ。

そして、
書きだした課題を整理すること。
これも作業だ。

そして、
各課題について答えを出すための方法を整理することも、
これも作業だ。

もうちょっと具体的に言うと、
誰が何を決めればいいか、明確化できれば、
各課題について答えを出せるはず。
ときには、ある情報がないと決めるに決められないときもある。
しかしそのときも、
どんな情報が必要なのかは、明確にできるはず。

こういった作業を一人でやるのが苦手であれば、
誰か頭のいい人の知恵を借りる、
そのためのmtgを持つというのも、また作業だ。

そうやって作業をすれば、
あなたが悩んでいることを、どうすれば解決しうるかが見えてくる。

あなたが悩んでいたことは、本当にあなたが原因なのか?
もしかしたら上司が上司としての仕事をしていないことが原因ではないか?
もしかしたら他部門がその役割を果たせば起きなかった問題ではないか?
もしかしたら、間違ってもいいからやってみるというポリシーが会社で明示されてないから起きうる問題なのではないか?

もしそうだとしたら、そうなんですと言う責任はあなたにある。

ひとりで悩んでいても何も進まない。
周りが迷惑する恐れすらある。
悩まずに作業をすること。 
(繰り返しになるが、その作業を一人でできなかったら、誰かの助力を仰ぐこと)

これが、プレーヤーからマネジメントポジションに移るうえで、
とくに、自分で何もかも抱え込みがちな人にとって、
重要なことだと思う。

英語でのプレゼンに例文は不要で、暗記できる範囲に表現をとどめ、論理構成を整理したほうが効果的

この週末に、フィリピン人講師100人以上を集めたチューターギャザリングを2回やった。
このような会合は、かれこれ、既に60回近くはやっている。
毎回、僕が英語でプレゼンする機会をもらう。
その場でしか会うことのできない講師たちもいるから、プレゼンは一期一会の貴重な機会。
しかも相手は英語の講師だから、中途半端なプレゼンはできない。
だから一生懸命頑張っているつもりだけれど、うまくできるときもあれば、ダメなときもある。
そのなかで気づいたことは次の通り。

・英語でプレゼンするときは、暗記できる範囲にとどめた方が効果的。
・ここでいう効果的とは、聴衆にある種の印象を持たせたり、具体的なアクションをとらせたりすることを指す。

・日本人が英語でプレゼンするとなると、詳細なメモを用意してそれを読み上げる、という形式が多い。
・だが読み上げ形式では伝わらない。 というかそれだったら英語が流暢な人が代読したほうがいいはず。
・自分の言葉にしないと伝わらない。

・自分の言葉というのは、自分なりの言葉づかいで、自分なりのペースや抑揚で話すこと。

・英語がそれほどうまくないとしたら、できうる限り簡単な表現で話さないといけない。 例えば、I'm very honored... というのがプレゼン冒頭のひとつの例文だと思うが、普段口から出てこないとしたら、 I'm happy... ぐらいに言えばいい。
・簡単な表現で話してもビジネス的に効果的であるためには、プレゼンで写真や図を増やし、アニメーションを多用し、"From this to that!" と言えばいい。下手な英語を棒読みされるよりも、その方が外国人にとっては助かる。 というか、インパクトやキャラが出て面白くなる。

・また、英語がそれほどうまくないとしたら、プレゼン時間を短くした方がいい。細部は他人に任せて自分は重要なところだけしゃべるとか、一部をムービーで代用するとか、15分の時間を5分ずつにこまぎれにするとか、いくらでも方法がある。

・必然的に、暗記できるような表現で、暗記できる量の英語を、暗記したうえでプレゼンにいどむことになる。
・だから、とってつけたような例文は不要で、暗記できる範囲にとどめ、本番に紙は見ず、口から自然に言葉でるよう練習した方が効果的

・なお、外国人向けのプレゼンにおいて、ロジック構成は重要。日本人にすっと入るロジックと外国人にすっと入るロジック構成は異なることがある。例文に時間を使う暇があったら、ロジック構成に時間を使うべき。

・繰り返すが、日本人の英語のプレゼンは下手でいい。下手なりの味をうりにするか、死ぬ気で英語を上達させるか、どちらかを選ぶしかない。
・下手なりの味をうりにしたその最たるものがSekai cameraの井口さんがTechCrunch50というアメリカのイベントでやったプレゼンだと思う。 このプレゼンにより、彼は一躍世界的に有名になり、億単位の資金調達を可能にした。


・この井口さんの真似ができれば、たいていのプレゼンは、あなたの英語力は見せつけられなかったかもしれないが、ビジネス的には成功と言えるだろう。

一人前なら自分の要求を明確に言語化し主張できると思っている

僕は、日本生まれ、日本育ち。
まだ海外にでる前は、
自分の要求について、空気を読んで読み取ってくれない周囲にいらだったり、
逆に、
言われない要求がなんなのか、読み取らなきゃとあせっていた。

でも海外じゃ、
してほしいことを明確に(しかも相手が受け入れられうる形で)言えないと、
相手にされなかった。

だから、自分の要求はなんなのか、言語化するように心がけるようになった。
日本の教育では訓練されない分野なので、最初は苦労した。
でも今では慣れ、自然と、
一人前なら自分の要求を明確に言語化し主張できる、
(=言われてもらっていないことをしていないからって、怒られる筋合いはない)
僕はそう思うようになった。

それが日本人スタッフたちとの間で軋轢をうんでしまっていることもあった。
だから先日、「僕は空気を読みません」と宣言した。

(その話を友人にしたところ、
 「今更それですかってと言われなかった?」なんてからかわれたけど)

というわけで、空気をあえて読まないのか、読めないのか、
自分でもよくわかっていないけれど、
僕は空気を読まないよう、自分を訓練してきました。
だから、僕に接する人は、僕をそういうやつだという期待値を持ってもらったほうが、
お互いにハッピーだと思います。