ベンチャーの合宿のベストプラクティス | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

ベンチャーの合宿のベストプラクティス

レアジョブ上場に前後して、
クロス・マーケティング社の五十嵐社長が弊社社外取締役に就任された。
レアジョブの状況を見た五十嵐さんは、合宿をやるよう提案した。
そして合宿のファシリテートに、石川代表をアテンドしてくださった。
(石川さんは、クロス・マーケティンググループの株式会社 UNCOVER TRUTHの代表取締役)

そのお二人が主導した合宿は、すごくよかった。
腹割って話し合うことができ、
社長や副社長の役割分担が決まり、
合宿後の組織のスピードが感覚値で5倍くらいに上がった。

その前にも自分たちで合宿をやったことは何回かある。
そのときとは全然比べ物にならないくらい、五十嵐さん・石川さんの合宿は成果が違った。

それは何故なのかを考えた。
恐らくは、ベンチャーの合宿のベストプラクティスがある。
ベストプラクティスに近い合宿は成功し、
ベストプラクティスからかけなはなれている合宿は失敗する。
ただそれだけなのかなと思っている。

では、ベンチャーの合宿のベストプラクティスは何か。
五十嵐さん・石川さんのときの合宿とそれ以前の違いは何か。
お二人からアドバイスを受けたことを思い出しながら、
そして僕の経験値を加えながら、
下記まとめる。

(1) 解決可能な課題を設定する。
例えば合宿が二日間のとき、二日間で解決できそうだと社長が直感的に思える範囲に絞って課題を設定すべき。

(2) 宿題を課す。
各課題につき宿題を課す。
合宿は各自の考え方を披露する場ではなく、議論しシナジーを生む場にする。

(3) ファシリテーターは、中立者を選ぶ。
外部の経験者が望ましい。
未経験者のときは、ロジカルシンキングに長けた人を。
内部でやる場合はコーチングができる人を。

(4) 合宿参加者はファシリテーター含め7人以下に絞る。
多すぎると一人当たりの発言時間が減り、「話し切った」という感覚を持てない。
それだと長時間集まって議論するの意味がなくなる

(5) 決め切る。
誰がいつまでになにをやるか。決めたことは文書で共有する。
次の合宿までは振り返って考え直さずに守る。
合宿は議論に徹し、普段は遂行に徹する。

(6) 社外でやる。
会社の目の前の案件に集中力がみだされない状況をつくる。
日中の会議にはホワイトボードは必要。
そして夜の飲み会は個室で。

(7) 裏テーマが存在する。
社長の役割が明確になるというのが大体における裏テーマ。
社長も人間なので、長所も短所もあれば、一人でできることに限りがある。
成長中のベンチャーでは社長の役割がどんどん変わるべき。
新しい社長の役割を、社長や社長の周囲がすりあわせながら決まっていく、というのが理想的。

(8) 夜の酒の席が1番重要。
本当に言いたいことは、日本人の場合酒の勢いを借りないと出ずらい。
実際、僕も合宿中に号泣した。

(9) 定期的にやる。
三カ月に一度が望ましい。
普段のミーティングとの役割分担が重要


以上が、現時点で思いつくかぎりの合宿の理想形。
合宿中にがんばって議論することは当然だが、
それ以上に、合宿はやる前から成否が分かれていると思う。
失敗の轍を踏む必要はない。

こう書いてみたが、うちの合宿もまだまだだと思う。
理想形に近づくよう、努力していきたい。




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