フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -62ページ目

今日勉強になったこと

営業のトークの場などでは、Ice breaking、商談に入る前に打ち解けた感じを作り出すよう努力するが、
それは取材を受けている時も全く同じだという。

最初に、記者をひきつける、腹を割ることが大事。
・起業の経緯
・自分の体験、特に失敗を語る
・世の中の状況や、これからどう変化するか、という話

自分の商品・サービスを売り込む前に、
相手をなるべく味方にしておくよう努力するのは、
なにも営業に限った話ではない、ということのよう。

やっぱりベンチャー

池田信夫氏のブログ を最近読んでいるのだが、勉強になる。

なぜ日本の株価がこうも下がったかというと、サブプライムだけじゃないのだという。


日本のサービス業の生産性の悪さ(*)
 ↓
日本経済の長期低迷 
 ↓
ゼロ金利政策による、景気の刺激
 ↓
円の価値下落=円安
 ↓
円安による輸出バブル発生 (2003年~2008年前半まで)


だから、日本がまた伸びてきた、というのは幻想だった模様。
いや、たとえ幻想だとしても、それが続けば問題がなかったのだが、
だがここで、バブルを壊す一撃があったという。


米国の住宅バブル崩壊
 ↓
サブプライムによる、主要通貨の価値下落
リスクをとっていなかったため、日本の金融業界だけが傷が少なくて済む
 ↓
1ドル80円、などの円高
 ↓
日本の輸出産業に打撃 (ただでさえ、サブプライムで世界的に需要が縮小しているのに!)

というように、バブルが崩壊してしまった。


この株安・不景気は、
サブプライム問題による不景気だけが原因じゃなくて、
ゼロ金利政策による円安バブルの崩壊、という要素がある模様。

つまり、根本的には、
日本のサービス業の生産性の悪さをどうにかしないといけない模様。

(間違っていたら教えてください)


具体的に生産性をどう図るのかわからないから、なんともいえないが、
直感的には、サービス業の生産性の向上とは、
・わずかな改善を継続的に重ねていった結果としての、生産性向上
よりも、
・階段状に、ある瞬間的にブレークスルーすることによる、生産性向上
の方が大きいのではないか、と思う。

(たとえば、通学制の英会話スクールがどう頑張ったって、
 せめてレッスン料金を半額にできる努力が限界。
 レアジョブのように、数十分の1の値段で英会話を提供するためには、
 事業のモデル自体をがらっと変える以外にないのである。)


だとすると、サービス業の生産性の向上は、
大企業によるカイゼン ではなく、
ベンチャーによる適者生存 の方がいいのではないかなぁと思う。

で、いつか別のエントリに書く予定だが、
・日本におけるベンチャー経営の最大のボトルネックは、優秀な人材の流動性の低さ
だと感じている。

で、今までの議論をすべて強引にまとめると、

・日本が長期衰退を免れるためには、
 ベンチャーに優秀な人材が流入しやすくなるような
 社会的なセイフティーネットの設計

これが必要なんじゃないかなーと思う。

必要なのは、ベンチャーへのインセンティブじゃなくて、ベンチャーに流入する人へのインセンティブ。
それも、成功時のインセンティブでなく、失敗時のセイフティーネット。
「子持ちでも、大企業からベンチャーに安心して転職できる」 ための、
社会的なセイフティーネットかなぁと思う。

子持ちの社員が採用しづらい = 30代以降の優秀な人が採りづらい
 = 20代だけでビジネスやることになる!

年の功もなかなかに大切だと思う毎日です。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。昨年はたいへんお世話になりました。

昨年1年間で、レアジョブはオンライン英会話最大手へと成長することができました。これも皆様のお陰でございます。ありがとうございます。
現在講師は約400名、講師・生徒様・スタッフへの責任を考えると身が引き締まる思いでありますが、日本人の英語力を向上すべく、フィリピンへより多くの雇用機会を提供すべく、頑張ってまいります。
今年もよろしくお願いいたします。

株式会社レアジョブ 代表取締役 加藤智久/中村岳

戦略コンサル辞めて起業している日記-gantan2009

忘年会

フィリピン側のクリスマスパーティーに引き続き、日本側でも忘年会をやった。

戦略コンサル辞めて起業している日記-bounenkai2008

(ブログに載せると皆さんに断わっていないので極小サイズの写真にした)

コンセプトは、「僕とパートナーが、皆さんに感謝する」 というもの。

ひとしきり飲んで騒いだあと、一人ひとりにお礼の言葉を僕から述べた。

楽しかった。


スカイプのトラブル解決ツール(ベータ版)

うちのインターンS君が、スカイプのトラブル解決ツール をつくってくれました!

こちら  です

彼にお願いしたのは、

「スカイプ初心者が、スカイプのトラブルにあったときに、
 ”この順番でサイトを見ていくだけで、トラブル解決できる”
 というものをつくってください」

これをするためには、下記の努力が必要になります。

・スカイプで起きうるすべての問題のリストアップ
・それらをツリー構造でひとつに系統づける
・初心者でもたどっていけるよう、平易な言葉に置き換える
・なるべく画像で説明する

出してもらってはダメ出しし、
出してもらってはダメ出しし・・・
10回は間違いなくやり直しをしてもらった、力作です。

・・・とは言いつつも、粗いところがまだあるかもしれません。
お気づきの点がありましたら、ぜひ このブログのコメント欄でご指摘してやってくださいませ。

スカイプのトラブル解決ツール


あとS君、お疲れ様です。
長い間、よくダメ出しに耐えきってくれました。
問題解決能力が、少しは身につけてもらえたのではないかと思っています。

「バレンタイン流マネジメント」の逆襲

成長の痛み 」 に伴い、
社長としての僕の役割も、どのように変化していくのだろうと思い、
リーダー関係の本を何冊か読んだ。

で、一番おもしろかったのは、この本だった。

「バレンタイン流マネジメント」の逆襲

戦略コンサル辞めて起業している日記-valentine


いろいろなリーダー本はあるが、ほとんどが、
作者の視点からの理論を、リーダー本人たちへのインタビューで肉付けする
といったものがメイン。

ただこの本は、
作者の理論を、リーダーの部下からのインタビューで肉付けする
点が非常に面白かった。

バレンタイン・ロッテ監督の指揮下にある野球選手たちからの証言が数多く盛り込まれている。

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渡辺俊介の証言に戻ると、
「怒るところは見ていますが、それでワーッと怒鳴るようなことは選手にはしません。一生懸命冷静になろうと努力している感じです。頭に血が上っているときは、選手に話さないようにしていますね。そのあとちゃんと自分の中で考えてから話してくれます。だから、僕たちにもわかりやすく伝わるんだと思う。」
という。自らの短気を自覚して、それを出していい対象と、絶対にぶつけてはいけない相手とを区別しているのだ。だから、メディアに対しては不機嫌な時はそのまま不機嫌な顔をする。また、選手にはそれを見せなくても、コーチやスタッフに対しては見せることもある。
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キャッチャーの橋本将は、
「結果でものをいうことは絶対にないですね。これまでは、打たれれば怒られ、抑えればよくやったといわれるという感じだったので、ぜんぜん違います。データどおりに攻めて打たれたら、「あれは相手がナイスバッティングでしたね」で終わりですから」
という。
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こういう、部下の目というフィルターを通した具体的なエピソードひとつひとつの方が、
「どういうところが自分にはできていないくて、真似すべきなんだろう」
ということを考えるときに、参考になることが多い。

同監督、期限が来年いっぱいまでとなったようだが、その理由を示唆する内容も(この数年前の本に)入っており、その意味でも特筆すべき本。

アルバイトの募集、いったん終了します。

先日、アルバイトの募集をここに出させていただきましたが、
前回を大きく上回るご応募をいただきました。

現段階をもって、いったん、募集は終了とさせていただき、
数ヵ月後にまだ募集を再開させていただきます。

ご応募、まことにありがとうございました。

ミクシィ年賀状は来年はもう使わない

先日、久しぶりに会った友人がニヤニヤして、
「年賀状ありがとう」 と言った

そいつに出したのは、
ミクシィから年賀状が出せるというミクシィ年賀状。

面白そうで、
届いた人も物珍しさでうれしいだろうなぁと思って利用してみた。

僕が年賀状を出した後は、
当然、ミクシィは年賀状を受け取る側から住所データをもらう必要がある
(ミクシィ側は住所データをそもそも持っていないので)

ただそのときは、
「あなたのマイミクの一人から、年賀状が来ていますので、
 住所を教えてください」
っていうように、匿名でやってくれるもんだと思っていた。

でも、実際には、
「xxさんから年賀状が届いています」
っていうように、だれが出したがわかる仕組みだったらしい。

ふざんけんなよー と思った。

・この仕組みでは、僕は相手の住所を知りえないわけで、
 そもそも僕の名前を出す理由がない
・12月中に、僕が年賀状を出したことが相手にわかる、
 つまり、「お前も俺に年賀状を出せよ」 という
 無言のプレッシャーになって、サムい
・「誰がミクシィ年賀状を送ってくれたんだろう?」という
 ドキドキ感がおもしろかったはず。
 たとえ元旦に届くのが僕からだったにしても。

というわけで、ミクシィ年賀状は、二度ともう使わない。

神は細部に宿る。
名前を出さざるを得ない背景には、なにか事情があったのかもしれないが、
「12月中に、誰が自分に年賀状を出したかわかる」
という仕組みは、年賀状の伝統をぶっ壊すもので、ちょっとミクシィさんにがっかりした。



戦略コンサル辞めて起業している日記


スカイプのチャット履歴データの移管

パソコンを新しくした。

いろいろデータ移管が大変だったが、
忘れちゃいけないのが、スカイプのチャット履歴の移管。

どうすればいいんだろうと考えて、いい方法をここで発見した
http://share.skype.com/sites/ja/2007/04/03/xp2vista.html

さっそく試してみたが、無事成功!
別のパソコンで今までのチャット履歴が見れた時はちょっと感動!

成長の痛み

おかげさまで、2008年に、レアジョブは急成長した。
そして、講師を増やしていく中で感じていたのは、
成長とは痛みを伴うということだった。

例えば、講師5人を前提にしていたシステムでは、
講師100人はカバーしきれない。
  ・どの講師がどの生徒様とやっているか、把握しきれなくなる
  ・講師5人に給料を支払うには、単純に送金して手渡しすればいいが、
   100人になるときちんとしたルートを考えないと、
   送金すらできない
   (=個人的な送金の枠から、マネーロンダリングの監視対象の枠になる)

だから、例えば講師が100人になった段階では、
社内が混乱し、時には講師や生徒様に迷惑をおかけすることがあった。

大体今までの感覚から言うと、講師の数が倍になると、
次元の違う痛みが発生し、
その問題に対処する必要が生じてくる、とわかった。

そうなると、
「現在の成長ペースで行くと、
 だいたいあと○週間/○か月くらいしたら、
 ○○の問題が生じるから、
 早めに手を打つことにしよう」
ということがわかる。

こういうことで参考になる本はこれ。

アントレプレナーマネジメント・ブック―MBAで教える成長の戦略的マネジメント

戦略コンサル辞めて起業している日記-Growing_Pains



「アントレプレナーマネジメント・ブック」という題名よりも、
原題の「Growing Pain」という題名の方がしっくりくる。

とにかく、数あるベンチャー本の中で、
最も参考になった本を5冊を上げるとすれば、
間違いなくその中に入る。
でも、今は残念ながら絶版のよう。

内容をかいつまんで言うと、ベンチャーは4つの段階に分かれる。

1) 創業者だけの段階(または、売上高0円の段階)
2) 従業員10人程度の段階(または、売上高1億円の段階)
3) 従業員30人程度の段階(または、売上高10億円の段階)
4) 従業員100人以上の段階(または、売上高100億円の段階)

で、それぞれの段階では、最も大切なのは異なる。

1) 売れる商品・サービスをつくりだすこと
2) 必要な人材を採用・トレーニングする仕組みをつくること
3) 社内の経営管理体制をつくること
4) 企業文化をマネジメントすること

例えば、マッキンゼー出身で、DeNAを創業した南場さんが、こういう記事 を書いている

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前職コンサルタントだった私は、ビッダーズが15分に一回ダウンするほど脆弱なシステムだったサービス開始直後からどうしても分析がしたかったらしく、すべてに優先して(経路別入会者数などキー数値がわかる)コックピットを完備した。

阿呆である。

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これがなぜ「阿呆」なのかというと、
サービスとしてまだ1)の段階なのに、
3)で必要なことをしているからだ。

ただ、逆の言い方をすると、
3)の段階にくると、こういう経営管理システムは必要になってくる。

いや、なくても事業はやっていけるんだけれど、
・施策間の優先順位がわからないまま、事業を運営していかなければいけない
・施策の評価ができないため、各従業員の評価ができず、社内のモチベーションが低下する
という、「成長の痛み」を感じることになる。

レアジョブは、1)から2)の移行期にある。
思ったより、2)で生じるはずの問題は回避できてきたのではないか、
と思っている。

2)から3)で必要な対策も、今からきちんと考えておきたいと思う。