「バレンタイン流マネジメント」の逆襲 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

「バレンタイン流マネジメント」の逆襲

成長の痛み 」 に伴い、
社長としての僕の役割も、どのように変化していくのだろうと思い、
リーダー関係の本を何冊か読んだ。

で、一番おもしろかったのは、この本だった。

「バレンタイン流マネジメント」の逆襲

戦略コンサル辞めて起業している日記-valentine


いろいろなリーダー本はあるが、ほとんどが、
作者の視点からの理論を、リーダー本人たちへのインタビューで肉付けする
といったものがメイン。

ただこの本は、
作者の理論を、リーダーの部下からのインタビューで肉付けする
点が非常に面白かった。

バレンタイン・ロッテ監督の指揮下にある野球選手たちからの証言が数多く盛り込まれている。

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渡辺俊介の証言に戻ると、
「怒るところは見ていますが、それでワーッと怒鳴るようなことは選手にはしません。一生懸命冷静になろうと努力している感じです。頭に血が上っているときは、選手に話さないようにしていますね。そのあとちゃんと自分の中で考えてから話してくれます。だから、僕たちにもわかりやすく伝わるんだと思う。」
という。自らの短気を自覚して、それを出していい対象と、絶対にぶつけてはいけない相手とを区別しているのだ。だから、メディアに対しては不機嫌な時はそのまま不機嫌な顔をする。また、選手にはそれを見せなくても、コーチやスタッフに対しては見せることもある。
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キャッチャーの橋本将は、
「結果でものをいうことは絶対にないですね。これまでは、打たれれば怒られ、抑えればよくやったといわれるという感じだったので、ぜんぜん違います。データどおりに攻めて打たれたら、「あれは相手がナイスバッティングでしたね」で終わりですから」
という。
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こういう、部下の目というフィルターを通した具体的なエピソードひとつひとつの方が、
「どういうところが自分にはできていないくて、真似すべきなんだろう」
ということを考えるときに、参考になることが多い。

同監督、期限が来年いっぱいまでとなったようだが、その理由を示唆する内容も(この数年前の本に)入っており、その意味でも特筆すべき本。