『海はなかった』―高度経済成長期の寂れた情景が浮かぶオトナの課題曲
(追記 2011.12.16)
作詞の岩間さんと、作曲の広瀬さんの
初演時の解説 を更新しました。
解釈の参考にしてみてください。
昭和50年度NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲
海はなかった
作詞:岩間芳樹、作曲:廣瀬量平
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さびれた入江で
白い羽根を見つけた
陽炎に かざして渚を走る
夏の旅びとの髪飾り
どの風待てば飛べるだろう
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最近聴き始めた曲です。
重々しいピアノのメロディーから曲は始まります。
重々しさに続き、寂しげな情景が浮かび、
歌は進んでいきます。
曲の解釈はいろいろだと思いますが、
おそらく環境問題をテーマにした楽曲なのでしょうね。
高度経済成長期真っ只中の
日本の汚れてしまった海と空が浮かんできます。
高等学校の部にピッタリな
聴きごたえのあるオトナな課題曲ですね。
難易度はさほど高くはないと思うのですが、
この詩の世界を表現するのは
大変だったかと思われます。
(昨年の課題曲「青春譜」にも通じると思います。)
中学校の部の自由曲としてや
多くの合唱団に歌われる人気曲ですが、
高校生以上の成熟した歌声の方がうっとりしますね。
『あの空へ~青のジャンプ~』―どう評価されるのかコンクールまで未知数な課題曲
平成21年度NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲
あの空へ~青のジャンプ~
作詞:石田衣良、作曲:大島ミチル
空を駆ける鳥たちも
最初から うまく飛べたわけじゃない
初めての自転車
笑っていた 身体中 傷だらけでも
Nコンファンにとっては何かと話題の
高等学校の部の課題曲![]()
直木賞作家の石田衣良さんと、
数々の映画やドラマ音楽を担当している大島ミチルさん。
豪華なタッグなのですが、
正直この曲を現時点で、
どう評価していいのかわかりません![]()
コンクールで全国の高校生たちが
実際に歌って初めて評価できる曲のような気がします。
はじめはまぁありかな、と思っていたのですが、
実際に参加する高校生たちのことを考えると、
この課題曲ありなのか
と考えるようになりました。
●厳格な審査がなされるコンクールの課題曲としてはどうなのか![]()
コーラス好きの高校生にとっては甲子園みたいなもんです。
その貴重なチャンスにふさわしいのか。
文化祭とかの課題曲なら素晴らしいと思うのですが。
●フリーパフォーマンスも評価対象になる
(やらなくてもマイナスにはなりません)
フリーパフォーマンスをやると
プラスにもマイナスにも評価されるそうです。
そういうのを評価できる審査員がいるのか![]()
合唱力ではなく、パフォーマンスの好みで
評価されてしまわないか![]()
●歌詞が高校生には幼く感じる
うーん、どうなんでしょう。
私には幼く見えるんですよね。
でも見る人が見たら深く感じるんでしょうか。
大島ミチルさんの作曲なので、
課題曲らしい課題曲を期待していたのですが、
詞の世界観と石田さんの今の高校生にしては
「まじめすぎる」という思いに押されたような感じに
なってる気がするんですよね。
と厳しいことを書きましたが、
実際コンクールが行われてみないとわかりませんね。
もしかしたら、昨年のアンジェラ・アキさんの
「手紙」以上に感動を呼ぶコンクールになるかもしれません![]()
『YELL』―いきものがかりが描く「YELL」を中学生はどう受け止めるのか?
平成21年度NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲
YELL
作詞・作曲:水野良樹(いきものがかり)、編曲:鷹羽弘晃
「“わたし”は今 どこに在るの」と 踏みしめた足跡を 何度も見つめ返す
枯葉を抱き 秋めく窓辺に かじかんだ指先で 夢を描いた
世間的には、今年度一番注目されている
であろう課題曲ですね![]()
第2の「手紙」誕生となるか![]()
メインテーマは「ジャンプ」ですが、
昨年のアンジェラ・アキの「手紙」に引き続き、
中学生の悩める思春期が歌われています。
ただ、今年はネガティブオーラが強いです![]()
・翼→飛べない
・ひとり→こわい
・夢→孤独
とこれでもか、という感じで、
青春真っ盛りの時期の世代に語りかけています。
決してネガティブなだけでは
終わっている歌ではないのですが、
メイキングを見ていると、
制作陣の中からも暗すぎると言われていたみたいで、
終始このようなトーンでいきものがかりから
中学生への「YELL」が贈られています。
素人的に注目したい点は、
●感情移入しやすい曲だけに、いかに自然に表現できるか。
昨年の「手紙」では、過度の感情移入で
不自然な仕上がりになっていた出場校が
多かったように思えます。
●「永遠など無いと~」のブロック部分と
それ以外の部分をいかにメリハリをつけるか。
●いきものがかり、を意識した仕上がりを
してもいいような気もします。
ボーカルの吉岡聖恵の歌唱する世界観を
参考にしてみてもおもしろいかと。