Nコンブログ【NHK全国学校音楽コンクール合唱ファンブログ】 -3ページ目

伝説のNコン特番が再び❗️アンジェラ・アキと30歳になった五島列島・若松島の中学生たち

「手紙」からもう16年…

 

昨年のブログでチラッと「手紙を歌っていた中学生たちは今はもう30歳で、今頃未来に書いた手紙を開いているのかも」と書いていましたが、まさにその特番が放送されます。

 

 

伝説の特番のおさらい

 

もう一度振り返っておくと、今から16年前のNコン2008の課題曲「手紙」

Nコンの枠から飛び出して全方位に突き刺ささり、Nコンを知らない人でも知っているであろう曲になりました。

その当時、Nコンの特番としてアンジェラ・アキさんが全国の中学校を訪れ、その番組も大反響となり、続編がいくつも制作されました。

特に「続・拝啓十五の君へ」はTBSの安住紳一郎アナウンサーが号泣し、Nコンにハマるきっかけとなった特番で、繰り返し何度も再放送され、今や教材にも使われているという話も聞きます。

 

拝啓十五の君へ

 

 


アンジェラ・アキと中学生の交流を描いた「続・拝啓十五の君へ」【その1】



アンジェラ・アキと中学生の交流を描いた「続・拝啓十五の君へ」【その2】




 

映画のモチーフにもなった若松島の中学生との交流

 

その特番の中で長崎県の五島列島・若松島の中学校との交流の続編が多く作られ、卒業・成人と節目に特番が作られました。

 

拝啓十五の君へ

 

拝啓十五の君へ

 

拝啓十五の君へ

 

 

また、この若松島の中学生たちをモチーフにした小説「くちびるに歌を」が作られ、新垣結衣さん主演で映画化もされました。

 

 

▲映画「くちびるに歌を」(主演・新垣結衣)の予告編

 

 

 

30歳になった中学生とアンジェラ・アキ

 

今回30歳になった島の中学生たちをスタジオに呼んで、アンジェラさんと語り合うそうです。

この「30歳」には大きな意味があって、課題曲「手紙」は30歳のアンジェラさんに15歳の自分から届いた手紙がきっかけとなっています。番組では30歳になった自分から15歳の自分へ手紙を書いて朗読もするようです。

 

 

 

過去の特番も再放送

 

この特番に先立って、今日夕方に過去の放送分が再放送されるそうです。

できることなら「続・拝啓十五の君へ」も再放送されると良かったのですが。未だにこの特番の映像を見ると涙が止まりません。

 

「拝啓 十五の君へ~30歳になった私からのメッセージ~」

  • 総合:10月2日 (水) 午後10:00 ~ 午後10:44
  • 出演:アンジェラ・アキ ほか

 

「拝啓 十五の君へ 若松島編 ~歌と歩んだ島の子どもたち~ 」(2009年放送)

  • 総合:9月28日 (土) 午後4:30 ~ 午後5:13
  • 総合:10月1日 (火) 午前2:06 ~ 午前2:49 ※月曜深夜

 

「拝啓 二十歳の君へ ~アンジェラ・アキと中学生たち 再会そして未来へ~ 」(2014年放送)

  • 総合:9月28日 (土) 午後5:13 ~ 午後5:56
  • 総合:10月1日 (火) 午前2:49 ~ 午前3:32 ※月曜深夜

 

 

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【Nコン2024】新旧多彩な自由曲が楽しみな今年のNコンと昭和のNコン全国1位までの狭き門

 TODAY'S
 
今年のNコンの目玉は自由曲の選曲❓️

 

先日、東京の平山小が往年の名曲「鮎の歌」選曲をしたということで、「鮎の歌」について特集しましたが、実は今年のNコンの自由曲の選曲がなかなか面白いという話が。

 

 

 

「鮎の歌」が全国コンクールで2校も❓️

 

まずは「鮎の歌」が今年は全国コンクールで2校も聴けるとのこと。

しかも平山小に続くもう1校が黒沢尻北小というのがまた驚き。

前者の後藤先生はNコンの連覇記録、後者の中野先生は全日本の連覇記録

どちらも小学校の合唱界をリードする先生方です。偶然でこんなことが起きるのかという信じがたい被り。

 

平山小の音源はらじるらじるで、黒沢尻北小に関してはNHKのニュース映像によるダイジェストで聴きましたが、これだけ思想の違う「鮎の歌」が出来上がるとは😯

単に被るだけならどうなんだ❓️と思いましたが、全くの杞憂でした。2校とも楽曲をリスペクトされていて、それぞれの「鮎の歌」になっていました。

一点言うのであれば、「鮎の歌」は川の流れのように“流れ”を大事にした演奏が良いと思います。

 

 

 

十数年ぶりの小学校の部でのア・カペラも❗️

 

黒沢尻北小と同じく東北代表となった聖ドミニコ学院小「天使と羊飼い」も実に素晴らしかった。

無理のない、小学生にしか出せない明るい発声で歌われていて、小学生が歌う同曲の中ではトップクラスに好みでした。

しかもア・カペラ曲が全国コンクールで歌われるのはおそらく十数年ぶりだと思います。

こちらも新しい流れを作ってくれるのではないかと期待しています。

 

 

昨年の小学校の部の感想でも述べましたが、小学校の部の向かう先としていくつか気になることがあったので、小学生自身がどう歌いたいのか考え、どう表現したいのか工夫できる余地のある選曲は歓迎したいです。

今回は古くによく歌われた曲を取り上げていますが、楽曲の新旧問わずそう思います。

 

 

 

せっかくのテレビコンクール、課題曲の工夫は大賛成🙌

 

余談ですが、小学校の部の課題曲もいくつかの地区の音源を聴きましたが、工夫してる学校が多くて嬉しいです。

初演時に「この曲は工夫の余地がいっぱいある」と書きましたが、どの学校も想像以上にたくさんの工夫をして、楽曲が生き生きしてました。

ニュース映像を見ると、振り付けをしている学校もあるようで、体から曲を表現する楽しさ、詩・曲に合った声を工夫する面白さを感じてもらえれば、長い将来合唱を嫌いにならずに歌い続けてくれるのではないかと思います。

 

そしてなんといっても、せっかく3日間3時間近い生放送で合唱の魅力を知ってもらえるテレビコンクールなのですから、この音楽の工夫の流れは賛成です(肝心の演奏の流れが犠牲にならない程度で)。

 

 

 

今年も髙田作品が全国で❗️

 

同じく東北の高等学校の部の代表になった八戸東高。

昨年、豊島岡女子学園高が髙田三郎作品の「機織る星」で全国金賞、郡山一中が同じく髙田作品の「雨」で全国銅賞を受賞し話題になりましたが、八戸東高も髙田作品の「道」

青森県のホームページで県大会の演奏動画が見れますが、すでに涙です。よく歌声に合った楽曲を探してきましたね。

 

Nコンは選曲も評価対象と明記されているので、楽曲を新旧問わず幅広い範囲から選ぶことはNコン100周年に向けてより一層盛んになることを願います。

ちなみに、八戸東高としては昭和30年以来2回目、青森県勢の高校では34年ぶりの全国出場となります。

 

 

 

昭和のNコン全国1位までの狭き門

 

話は変わりまして、昭和つながりでこんな話題も。

 

現在のNコンはシード制があり、地区大会・ブロックコンクールにほぼシードによる上位進出の追加枠が設定されています。

しかし昭和のNコンはシードという概念がなく、1地区・1地方(現・ブロック)で代表は1校のみ(関東甲信越のみ2校。東京が独立していた時代は東京1校+関東甲信越1校)。

なので、全国1位になるには、基本的に地区大会~全国コンクールまでオール1位でないといけないという想像を絶するハードルの高さでした。

 

しかしこの狭き門は弊害もありました。

絶対的な強豪校が現れると、その間はその強豪校以外全国コンクールに出場できないというもの。

例えば中学であれば昭和56年~平成元年までの9年間は東北からは根城中のみという、そのブロックの他の学校にとってはやる気を失ってしまいそうな狭き枠となっていました。

高校でも平成7年~平成14年まで安積女子(黎明)高が8連覇という記録を達成しましたが、平成12年に全国コンクールでシード制が設定されることになりました(最初は金賞のみ、平成18年に銀賞にもシード)。

 

 

現在では全国の代表校は11校、全国コンクールも間近です。

楽しみでなりません。

 

 

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【Nコン2024】「鮎の歌」が令和のNコンによみがえる❓️詩から学ぶ日本の自然と鮎の一生

令和に「鮎の歌」がよみがえったというニュース

 

元七生緑小の後藤先生が率いる平山小が、「鮎の歌」を選曲していることが話題になっているので、「鮎の歌」について取り上げたいと思います。
らじるらじるでも早速聴きましたが、やはり名曲だと思います。

 

 

日本の自然美を描き、知識や想像力を高めてくれる一曲で、Nコンの目指す「豊かな音楽活動」につながる曲だと思います。

昨今流行りの壮大なテーマの曲も良いですが、こういう曲もコンクールで歌わないとしてもレパートリーとして歌うのは、小学生や中学生を大きく成長させてくれると思います。

 

ちなみに、昭和は自由曲の制限時間は3分半でしたが、今は制限時間が4分ですので、当時よりは多少余裕を持って歌えると思います。

 

 

盛んに歌われた組曲「鮎の歌」

 

「鮎の歌」は、昭和末期から平成初頭によくNコンで歌われた関根榮一湯山昭コンビの曲。
この曲が収録されている組曲の「鮎の歌」には、他にも「雉」「わさび田」等も収録されています。
「わさび田」と「鮎の歌」は同じくらいよく歌われていた記憶がありますが、意外にもNコンでは金賞曲となったことがありません。
「わさび田」もぜひどこかの強豪校の先生、取り上げていただけたら。
 

 

合唱組曲「鮎の歌」から

わさび田

作詞:関根榮一、作曲:湯山昭

 

「わさび田」(昭和63年度銀賞、愛媛大学教育学部附属小学校)

 

 

 

関根・湯山コンビで歌われた曲は他にもたくさんありますが、中でもよく歌われたのが「葡萄と風と赤とんぼ」

一時期は、この曲だらけということがありましたが、楽曲自体は今聴いても素晴らしいので、制限時間がゆるくなった今、取り上げるのはありだと思います。

この曲もNコンで金賞となったことがない曲です。

 

 

 

葡萄と風と赤とんぼ

作詞:関根榮一、作曲:湯山昭

 

「葡萄と風と赤とんぼ」(平成2年銀賞、島根大学教育学部附属小学校)

 

 

ちなみに、同じく静岡県を歌った組曲「駿河のうた」もおすすめです。

その中の一曲「みかんの花はかおり」は昭和59年に愛媛大学教育学部附属小学校が歌い、最優秀校となっています。

こちらの作詞は宮沢章二さん。

 

 

 

合唱組曲「駿河のうた」から

みかんの花はかおり

作詞:宮沢章二、作曲:湯山昭

 

「みかんの花はかおり」(八戸市立図南小学校合唱部、昭和60年代頃)

 

 

宮沢・湯山コンビは他にも「東北の讃歌」から「南部うまっこ唄」

この曲は昭和56年に八戸市立図南小学校が演奏し、最優秀校になっています。

 

 

 

合唱組曲「東北の讃歌」から

南部うまっこ唄

作詞:宮沢章二、作曲:湯山昭

 

「南部うまっこ唄」初演(八戸市立小中野小学校)
貴重な初演時の宮沢・湯山さんのインタビューと演奏。

演奏はこの曲で図南小を最優秀校に導いた吉田とみえ先生率いる小中野小。

 

 TODAY'S
 
「鮎の歌」で学ぶ鮎の一生

 

 

合唱組曲「鮎の歌」から

鮎の歌

作詞:関根榮一、作曲:湯山昭

 

 

「鮎の歌」(金竜小学校合唱部、昭和60年代の定演音源から)

 

 

1️⃣ 「鮎の歌」のおもな舞台はどこでしょうか。地図で確認してみましょう。

 

静岡県伊豆市狩野かの川沿いを地図で確認しましょう。「修善寺しゅぜんじ」を中心に探してみると良いと思います。

 

 

2️⃣ 「うす紫の霧のけむりをあげながら」はどんな光景ですか。絵にしてみましょう。

 

早朝に鮎釣りをする様子を探してみると良いと思います。「うす紫の霧」は、赤(太陽)+青(川)+白(霧)を混ぜるとどうなるかを考えると想像しやすいと思います。

 

 

3️⃣ 「狩野川の本流」とありますが、狩野川はいくつもの川が合流して成り立っている川です。地図の中から「猫越ねっこ川」「船原ふなばら川」「皆沢みなさわ川」「吉奈よしな川」「桂川」を見つけて色を塗ってみましょう。

 

「鮎の歌」は1970年代に作られた曲で、その他の「火の沢川」「二の小屋にのこや川」は現在では通常の地図には載らないほどの小さな川なので省きました。

川の名前を畳み掛けることで、一気に詩の舞台に引き込んでくれる効果を持っているように思います。

 

 

 

4️⃣ 鮎は何を食べて大きくなるでしょうか。歌詞の中から見つけて、それがどんなものか調べてみましょう。

 

水垢みずあかと呼ばれる川石についたこけのようなものを食べて大きくなります。水垢をたくさん食べた鮎は、香りが高く、鮮やかなだいだい色(柿色かきいろ)になると言われています。

 

 

 

5️⃣ 「太刀たち」とは「刀(のような)」という意味です。夏の鮎がどんな鮎か絵にしてみましょう。

 

川石の水垢を食べる鮎は、陸上から見ると光って見えることから、「きらめく 太刀」という表現が使われています。

 

 

6️⃣ 2番では「谷から谷へ 歌のこだまをひびかせて」とありますが、1番の川とどんな違いがあるか考えてみましょう。

 

 

1番では「川ぞいの町」「霧に濡れてる山の町」とあることから、下流~中流の川幅のやや広い川と思われます。

2番は「谷から谷へ」「こだま」という表現から、少し上流に上った中流~上流の谷間の川と思われます。上流を目指すことで、流れも1番より速くなっていき、いよいよ朝を迎えます。

 

 

7️⃣ 「柿色」とは、柿のような濃いだいだい色を表した色です。詩の中の鮎がどうして柿色のひれを持つのか調べてみましょう。

 

水垢をたくさん食べた天然の鮎は、香りが高く、柿色が鮮やかになると言われています。

一方、養殖の鮎は、香りが薄く、柿色がほとんどないと言われています。

 

 

8️⃣「胸びれと尾びれを たたいて 挑むは 何」とありますが、どんな光景を描いたものか考えてみましょう。

 

鮎は春頃から上流を目指して川をさかのぼり始め、中流までさかのぼった夏の鮎は縄張りなわばりを作って生活するようになり、縄張りに他の鮎が近づいてくると、激しく追い払います。縄張りの川石を守るために3メートル先から飛んでくることもあるそうです。

この習性を利用したのが「鮎の友釣り」で、夏の風物詩となっています。友釣りについても調べてみましょう。

 

 

9️⃣ 「川をのぼることだけが」から「川をのぼることだけを」と歌詞が変化しています。なぜなのか考えてみましょう。

 

「川をのぼることだけが鮎のいのち(=ひたすら川をのぼることが鮎の一生)」だった下流~中流から、上流で一生のピークを迎え、その後秋に再び下流に下り産卵し、短い一生を終えます。

「川をのぼることだけを」に変化したのは、ピークを迎えた鮎の命のはかなさへの深い感動を表現していると思われます(詠嘆の助詞「を」、つまり「本当にひたすら川をのぼるだけに必死に生きたはかない一生なんだなぁ」という想い)。鮎の短い一生を凝縮したフレーズだと思います。

「若いいのち」の「若い」は「短い」という意味で使われていることに注意。

 

 

▲鮎の一生(『水産総合研究センター NEWS LETTER おさかな瓦版 No. 56 アユ』より)

 

 

 

やはり深い❗️関根榮一さんの詩の世界

 

ということでいかがだったでしょうか❓️

鮎の力強く生きる姿とそのはかない命を感じ取ることはできたでしょうか❓

あらためて詳しく「鮎の歌」の歌詞を読み返しましたが、関根榮一さんの詩の深さと湯山昭さんの旋律の美しさにひたすら感動するばかり。

 

今の時代は小学生でも写真や動画でいくらでも鮎について知ることもできます。ぜひ鮎の一生を追ってみてください。

 

 

 

 

  追記(2024.10)

 

全国金賞を受賞した平山小学校による楽曲分析を紹介しておきます。

 

平山小の鮎の歌の分析1

 

平山小の鮎の歌の分析2

 

平山小の鮎の歌の分析3

 

平山小の鮎の歌の分析4

 

 

 

 

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