【TBS安住アナも感動】アンジェラ・アキと中学生の交流を描いた「続・拝啓十五の君へ」【1】 | Nコンブログ【NHK全国学校音楽コンクール合唱ファンブログ】

【TBS安住アナも感動】アンジェラ・アキと中学生の交流を描いた「続・拝啓十五の君へ」【1】

TBS安住アナがNコンにハマるきっかけとなった感動のNコン特番

 

課題曲「手紙」を通じた中学生とアンジェラさんの交流を描いた番組が2008年に放送されていました。

Nコン特番「続・拝啓 十五の君へ」です。

私が知ってるだけで、4~5回再放送されたと思います。Nコンの特番としては超異例中の異例。
この番組は、先日取り上げたTBS・安住紳一郎アナウンサーがNコンにハマったきっかけの番組でもあります。

その番組を少し振り返ってみたいと思います。

ちなみに、この記事を書きながら見てて、また涙が😢

ちょっと長いので2回に分けています。

 

映画化

この番組の若松島でのドキュメンタリーが原点になった映画「くちびるに歌を」(主演:新垣結衣)が公開されました。

 

Nコン2008特番「続・拝啓十五の君へ」【1】

 

 西宮市立甲陵中学校とアンジェラ・アキ(前編)

甲陵中学校を訪れたアンジェラさんは、合唱部の生徒に「手紙」を披露しました。

手紙の歌詞には、中学時代の苦しさや辛さが描かれていました。

「手紙」の作詞のヒントは、30歳の誕生日を迎えたアンジェラさんに、母親から1通の手紙が届けられたことにはじまります。

その手紙は、15歳のアンジェラさんが30歳の未来の自分へ宛てた手紙でした。

 

 

    

あたしって何なの❓

何で生まれてきたの❓

どの道を進めばいいの❓

 

 

と書き綴られた手紙。

 

30歳になった今の自分がそのときの自分に、返事を出すとしたらどんな返事を書くだろう。

そんな思いを込めた手紙を披露したのです。


 

人生の全てに意味があるから
恐れずに あなたの夢を育てて
Keep on believig

 

 

「人生のすべてに意味がある」というメッセージには、実はこんな背景がありました。

アンジェラさんは父親が日本人、母親がアメリカ人のハーフに育ち、15歳のアンジェラさんは、

 

普通の人と違う。
見た目も違う。

 

と悩み、みんなと同じになりたいと思い悩んでいました。

 

アンジェラさんは、同じように悩みを抱える中学生たちに、1学期の自分から3学期の自分へ、未来の自分へ手紙を書くことを提案しました。

3学期の自分が読んだら「何でこんなことで悩んでいたんだろう」と未来の自分が肩をなでることで、もっと強くなることができるはずだ、と言うのです。

 

 

中学生たちの手紙には、友だちとの関係、自分への不安、生きることへの疑問…

今の中学生が抱えるさまざまな悩みが綴られていました。

 

 

 

 

部長の田邊さんの手紙です。

 

    

3学期になった自分へ

今、すごく思うのは、
自分が部長で良いのか❓
ということです。

自分が引退するとき、
後輩に「やったー」とか
言われたらどうしよう…

もっと優しく接することが
できたらええのに…

クラスでも、クラブでも、
嫌われたらどうしよう…って
たまにすごく怖くなる。

クラスでの居場所が
無い気がする。


 

2年生の河野さん(愛称・くるみちゃん)の手紙です。

 

 

    

自分って何ですか❓

何でここにいて、
ここで歌って、
苦しんで、
悲しんで、
泣いているのか、
わかんない…

「素直」になるには
どうすればいいですか❓

自分と
ちゃんと向き合ってね。
つらいときは
きゅうけいしていいよ。

私はあなたを
信じるからね。

二人で一緒に
頑張っていこうね。

 

 

涙で手紙が読めなくなるくるみちゃん。
アンジェラさんは涙を浮かべ、くるみちゃんに語りかけます。

 

ありがとう。

河野さん…くるみちゃん。

最後「二人で一緒に頑張っていこう」って、すごい素敵な表現だと思うし、「手紙」っていう曲を書いたとき、自分も二人の自分っていうのがいて、励ましあって生きていかんといかん、ていう風に思ったから…

 

そういう意味では「二人で頑張って行こうね」っていうのは、くるみちゃん自身が、すごいいろんな苦しい思いをしているけれど、すごい強い自分がいるんだなってね、感じた、その手紙で。

 

 

 たった2人でのコンクール挑戦~仙台市立八木山中学校~(前編)

宮城県・佐藤さんの手紙です。

 

    

コンクールの日の私へ

コンクールには出れていません。
人数が足りないから。

部員は3人だけど、
1人部活に来なくなってしまい、
2人で活動しています。


それでもくじけす、頑張っています。

誰に何と言われようと、
私は合唱が大好きです。

コンクールに出られないけど、
誰よりも合唱が好きな私でいますか❓


合唱に人数は関係ありません。

歌うのは生き甲斐です。


頑張れ、自分。

 

 

 

 

アンジェラさんの「手紙」が好きで、4月から練習を続けてきたたった2人の合唱部。

かつては20人近くいた合唱部も今は2人。伴奏者もいません。CDを伴奏にしています。

人数のハンディをカバーするために、2人が取り組んでいるのは少しでも大きな声で歌うことです。


 

歌う心がないなら帰れ
「恥」を捨てろ
「自分」をもって生きろ

以上

 

 

佐藤さんが黒板に書いた部の標語です。
しかし、「手紙」は3部合唱。3人いないとできません。

 

ソプラノとアルトしかいないので、メゾを行ったり来たりで各々が1.5人前。

もっと部員がいるといいな、と思うことはあることはあるけど、2人でもできるので…

 

と佐藤さん。

2人だけの部に危機が訪れたこともありました。
もう1人の部員の半澤さんが練習に来なくなったことがあったのです。
「3部合唱の曲を2人だけで歌うのは大変だ」

と半澤さんは思い、部を辞めたいと佐藤さんに申し出たのです。


1人で歌い続ける佐藤さん。

自分がくじければ廃部になると、歌い続ける佐藤さんを支えたのが「手紙」でした。

 

 

自分とは何でどこへ向かうべきか
問い続ければ見えてくる

 


佐藤さんは1週間考えたうえで、半澤さんに素直な気持ちをメールで伝えることにしました。

 

 

    

納得いかないだろうし、
うざいやつだと思うかもしれない


美季が怒るだろうけど
言いたいことがあります。


最後のお願いです。

まだ辞めないで。


返事まってます。

 

 

「自分のせいで廃部になるんだったら、やっぱり辞めないでいっしょに歌っていた方がいいかな」

と半澤さんは思いました。挑戦みたいな感じで…

2人は再び練習をはじめ、Nコンに挑戦することにしました。

 

 

 島の中学校、コンクールへの挑戦~新上五島町立若松中学校~

部長の3年生・増田さんの手紙です。

 

 

    

私は今、
とてつもなくいそがしく、
少しむねが苦しいです。

このごろよく
仲間というものについて考えます。

1年後には「本当の仲間」になれて、
みんなで泣いて卒業できていますか。

 

 

3日後にコンクールを控えた五島列島の若松中学校。

部長の増田さんは、

 

金を取るしかない❗
人に感動を与えられるような合唱をしたい❗

 

と意気込みます。
島には高校がないので、春になると高校進学になるために島を離れなければなりません。

 

顧問の安永先生も島の出身。

一旦、島の外に出てしまったとき、すごくキツくなるときが絶対あります。
 

そういうときに、もう一歩頑張れる強さ、「みんなであのとき頑張ったな」とグッと支えられる気持ちが生徒たちに核のように、芯となって備わってくれるように…

 

 

― コンクール当日。

 

心を届ける❗ Let' enjoy❗

 

円陣を組み、張り切る若松中の生徒。

ホールに響く島の中学生の歌声…

 

 


 

 

しかし、演奏を終えた部長の増田さんは納得のいかない様子。

泣き崩れ、それを優しくなだめる安永先生。

 

 

 

 

― 結果は銀賞。
生徒たちの思いは叶わず…

 

若松中学校の夏の挑戦は終わりました。

安永先生が生徒たちに語りかけます。

 

本当にね、よく頑張りました。

銀賞って悪い結果じゃないって絶対わかってるんだけども…

やっぱり頑張った分、喜びを与えてあげたかったね、私は。
ごめんね、本当に…

でも、みんながこうやって命をかけて、時間をかけてやってきたこの瞬間を忘れないでください。

だってすごいじゃん。

五島で一生懸命頑張って、銀まで行くんだから。

「みんなで一つのことを追っかければ、こんなことができるんだ」っていう気持ちを忘れないでください。

 


その2へつづく…

 

 



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