紀伊国の高野山めぐり⑤ ~壇場伽藍~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

高野山真言宗
(こうやさんしんごんしゅう)の
 

総本山である
金剛峯寺(こんごうぶじ)です。



平安時代初期の僧・
空海(くうかい)がひらいた

真言密教(しんごんみっきょう)の
道場であり

空海が入定(にゅうじょう)した
聖地だといいます。



「高野山(こうやさん)」
というのは、

山の名前ではなく
寺院の山号だそうです。

1000メートル級の
山々にかこまれた

標高約800メートルの
平地を

高地にある平野から
高野(たかの)といったのが
はじまりのようです。



東西におよそ
6キロ

南北におよそ
3キロにわたる

高野の盆地には、
120ちかい寺社のほか

宿や土産物や
飲食店だけでなく

幼稚園から
大学までそろっていて

ひとつの
宗教都市になっている
といいます。

今回だけではとても
まわりきれませんでしたから

たずねることのできた
数か所について書きますね。

 



大門(だいもん)から
500メートルほどゆくと
 

中門(ちゅうもん)が
みえてきます。

このあたりは
壇上伽藍(だんじょうがらん)
といわれるエリアで

空海の眠る
奥の院とならぶ聖地
だとされているようです。



唐にわたっていた
空海は

密教をひろめるための
聖地をこいねがって

法具のひとつである
三鈷杵(さんこしょ)を
天に投げたといいます。

すると、
三鈷杵は海のかなたへ
飛んでいったそうです。

帰国後、空海が
この地をたずねると

唐で投げた三鈷杵が
松の木にかかっていた
といいます。

そこで、この地を
真言密教の修行道場として
開山したというのです。

 



いまでは
三鈷の松といわれ、

壇上伽藍エリアに
祀られているようです。

また、となりある
金堂(こんどう)は

高野山造営の拠点として
はじめに建てた堂とも
いわれるようです。

もとは
檜皮葺(ひわだぶき)の
質素なものだったといいますから

庵をむすんだ地
高野山はじまりの地
ともいえるのでしょう。



空海による
真言密教のおしえの
象徴となるものが

根本大塔(こんぽんだいとう)
だといいます。

この塔は、

毘盧遮那法界体性塔
(びるしゃなほっかいたいしょうどう)

ともいい、

この世をあまねく照らす
大日如来(だいにちにょらい)
の世界をあらわしているそうです。

 



大日如来と縁のふかい
空海は

師匠である
恵果(けいか)和尚から

遍照金剛(へんじょうこんごう)の
号をさずかったといいます。

 



これは、
大日如来の別名でもあり

あまねく照らす(遍照)

「慈悲」と
 

くだけることのない(金剛)

「知恵」を

 

あらわしているそうです。

神仏習合でいえば
天照大神(あまてらす)

のことですね。



ですから、根本大塔は
高野山の信仰の中心とも
いえるようです。

また、壇上伽藍には
御社(みやしろ)という
神社があります。



丹生(にう)明神こと
丹生都比売(にうつひめ)

高野(たかの)明神こと
高野御子大神(たかのみこ)
祀られているといいます。

 



高野山は
丹生都比売神社
社領だったことや

高野山まで案内したのが
狩場(かりば)明神[高野御子]
だったことに由来するようです。

また、
12王子120伴神は

丹生明神や
狩場明神の
親類・血族・眷属ことの
ともいわれるようですね。



拝殿は
山王院(さんのういん)
というそうです。

山神や地主神を
山王(さんのう)として
礼拝したといいますが、

山王といえば
比叡山(ひえいざん)や
日吉(ひよし)大社とも

関係がありそうですね。



西塔(さいとう)は
根本大塔と対になる塔
だといいます。

密教では
本尊を中心として

右に
胎蔵界(たいぞうかい)の
曼陀羅(まんだら)を

左に
金剛界(こんごうかい)の
曼陀羅を祀るといいますが、



高野山では

根本大塔を
胎蔵界曼陀羅

西塔を
金剛界曼陀羅と
しているようですね。

あわせて
両界曼荼羅(りょうかいまんだら)
ともいうそうです。



胎蔵界は
「慈悲」をあらわし、

大日如来を中心として
8葉の蓮華が
ひろがるといいます。

金剛界は
「知恵」をあらわし、

月輪(がちりん)の
組み合わせによって
9つの会にわかれている
といいます。



ホツマツタヱには


いせのみち
やもひとくさお
いけめくむ
かれかつをやき



さかほこののり
あめのほし
こくらあらわし
かつをこき


とあり、

伊勢神宮の

造営のさい、

内宮(ないくう)
人々(八民)をめぐむために
鰹木を8本とし

外宮(げくう)
天界の九座をおろすため
鰹木を9本とした

といいますから、

 

根本大塔が、内宮・

天照大神だとすると

西院は、外宮・
豊受大神(とようけ)
あらわしているのかも
しれませんね。


ちなみに、いまでは
内宮の鰹木は

10本だそうです。


そんな
大塔と西塔にはさまれた
御影堂(みえどう)は

空海が日々礼拝する
持仏堂(じぶつどう)
だったといいます。

空海が暮らしていた
ともいわれ、

最重要の聖域
でもあるそうです。



中門の東にある
蓮池(はすいけ)には

善女竜王(ぜんにょりゅうおう)
が祀られています。

京都・
神泉苑(しんせんえん)での
雨乞い対決のさいに

空海が呼びだしたという
龍の女神だそうです。

空海が

唐から連れ帰ってきた

ともいわれるようですね。



このお社は、


江戸時代の干ばつで
ひとびとが苦しんでいたとき

蓮池の中州に
善女竜王を祀ったところ

たちまち霊験をあらわした
といいます。

 

 

ちくには、

善女竜王の別名とされる

 

清瀧(せいりゅう)権現を

祀る社もあるようですね。

 

 

紀伊国の高野山めぐり⑥ へ つづく

 

 

 

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紀伊国の高野山めぐり⑤ ~壇場伽藍~
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紀伊国の高野山めぐり⑦ ~奥の院~
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