※素人の記事です。
↑を読んでいて、非常に気になる記述がありました。
『はみ出しによる追い越しが禁止されているのは、道幅幅が6m以上ある「白の実線」道路』
「白の実線」は、はみ禁らしいのです。
えっ、黄色の実線がはみ禁なのは知ってますが、白もダメなんでしたっけ?
・白の実線→「はみ出しによる追い越し禁止」
・黄色の実線→「追越しのためのはみ出し禁止」
↑これでは同じことを述べてしまっていて、色分けする意味がありません。
なので、はみ出し刑事情熱系のなおたんが調べてみることにします。
と、その前にもう一点。
『一方、実線しかない「黄色」のセンターラインは、白の実線が前述のように「原則はみ出し禁止」なのに対し、「追い越しのためのはみ出し禁止」と条件を絞って規定されている点が異なります。』
『白の実線は、そのようなわけで黄色よりも厳しい規定といえるでしょう。』
『ただし、黄色実線の場合、路肩の駐停車車両や路線バスをパスする場合、これは追い越しとは見なされないので、反対車線にはみ出しても問題ない。いっぽう白実線は、はみ出し禁止ゆえ、いかなる時にもはみ出しが禁止されている。』
これらの記事では、
・白実線→「そもそもすべてのはみ出しが不可」
・黄色→「追越しのためのはみ出しが不可」
とされています。
しかし、これでは、日々、路駐しているア〇ト引越センターを抜いている我々の行動に反します。
こういう時は、素人の記事ではなく、条文を読もう。
(あっ、僕も素人です)
まず、勘違いを生まないように。
これは「センターライン」の話です。
「車線」は関係ありません。
【原則】
車両は、道路の"左側"を走らないといけない(道交法17条4項)
(=はみ禁)
【例外】
以下のいずれかの場合は、"右側"へはみ出していい。
①一方通行(道交法17条5項1号)
②幅員狭い(同2号)
③工事や障害物あり(同3号)
④道幅6m未満の道で追越しをするとき(同4号)
(ただし、黄色線のときは右側へはみ出せない)
⑤~省略~
つまり、
①~③の場合は、常に"はみ出しOK"です。
ですので、上の記事がいう
「白実線は、例外なく"はみ禁"」は、誤りだと思います。
(上の記事は、
「黄色線は、追越しのためのはみ出し禁止」のところ→
「駐車車両を抜く」のは"追越し"にあたらないから→
"「追越しのための」はみ出し"にならない→
よって、黄色線でもはみ出しOK→
このように、「黄色線のほうが、はみ出せる例外が多い」
という論理です。
が、これは誤りだと思います。
ややこしいのですが、「追越しでなかった」としても、依然としてはみ出せません。
大原則は、はみ禁なのです。
その例外として、④6m未満で「追越し」するときは、はみ出しOKとありますが、
そもそも、駐車車両を抜くのは「追越しではない」ので、④のケースではありません。
結局、黄色線・白線どちらでも、「駐車車両を抜くために」はみ出せる理由は、③にあたるからです。
黄色線だけ特別に例外が多いわけではありません。
じゃあ、なぜ黄色線のところに「追越しのための」をつけたかというと、
単に「黄色線は、はみ出し禁止」とすると、はみ出せる例外である①~③と競合してしまうからだと思われます。
常識的に考えて、「例外なくはみだし禁止」にした道路をまともに走れるはずがありません。
一休さんなら走れそうですが……)
続いて、
"黄色線がはみ禁"のソースを探します。
『追越しのための右側部分はみ出し通行禁止 色彩 黄色』
(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年12月17日総理府・建設省令第3号)別表第六)
ありました!(感動)
ここまでで分かること。
(いずれも"追越しのために"はみ出す場合です)
①a.白線で、道路幅6m以上→はみ禁
①b.白線で、道路幅6m未満→はみ出しOK
②黄色線は全て→はみ禁
冒頭の記事には、
『白実線は片側6m以上ある道路に引かれ』るとあります。
なので、白実線は、「①aにあてはまり、はみ禁である」との結論だそうです。
そこで"白実線は、6m以上の道で引かれる"ソースを探します。
『舗装された部分の片側の幅員が6メートル以上の道路に設置する場合又は法定追越し禁止場所に設置する場合においては、中央線は実線により表示するものとする。』
『舗装された部分の片側の幅員が6メートル未満の道路に設置する場合においては、中央線は破線により表示するものとする』
(交通規制基準(平成29年4月24日警察庁丙規発第6号)第10)
なるほど。
これで
①6m以上は、はみ禁
6m未満は、はみ出しok
↓
②白実線=6m以上の道
白破線=6m未満の道
↓
③白実線は、はみ禁
と結論できそうです。
(↑の道は、どうみても「幅6m未満」です。ですので、「破線」が引かれています。
ここは"はみ出せます"。
一方、「法定追越し禁止場所である交差点付近」は、「実線」となっています。
ここは"追越せません"ので、結果的に、実線に達したら"はみ出すことは、ほぼできません"。)
それでは、白線と黄色線との関係性を調べます。
このままでは、白実線、黄色線ともに「はみ禁」という差がない結論になってしまうからです。
『なお、舗装された部分の片側の幅員が6メートル未満の道路において、車両が道路の 右側部分にはみ出して追越しを行うことを禁止する必要があるときは、追越しのための右側部分はみ出し通行禁止規制を行うものとする』
(交通規制基準(平成29年4月24日警察庁丙規発第6号)第10)
これでソースが出そろいました。
「トロい車両を追越す場合」で考えます。
※いずれの場所も、追越しは許されます。
(追越し禁止場所等でない限り)
追越す際に、"はみ出すことが許されるか"どうかが問題となります。
①白線→実線
(=幅6m以上)
◆はみ禁
◇[はみ出さなければ追越しOK]
②白線→破線
(=幅6m未満)
◆はみ出しOK
③黄色線
(=幅6m未満)
◆はみ禁
◇[はみ出さなければ追越しOK]
(たとえば、「黄色線のときに、自転車を追越したい場合」
自転車はたとえ追越し禁止区間であっても"追越すことができます"が、"はみ出せません"。
ですので、「車線内で追越せるとき」のみ、やり過ごせます。)
~まとめ~
白実線と黄色線は、
いずれも「はみ禁」で、
その違いは「道路幅6mあるか、ないか」でしかありませんでした。
ということで、
「原則はみ禁、破線のときだけはみ出しOK」
と覚えるほうが無難です。
【原則】
はみ禁
【例外】
はみ出しOK
①一方通行
②幅員狭い
③工事や障害物あり
④「破線」で追越しをするとき
(ただし、黄色線のときは右側へはみ出せない)
⑤~省略~
後編↓
この②の時、白実線は、本来の「はみ出し禁止」としての意味ではなく、「追越し禁止」の意味になります。
さらに、「黄色線の破線」は存在しないようです。
破線に、「追越し(によるはみ出し)禁止」の意味合いを込めると、途端に実線にモデルチェンジするのです。
あーややこしい。