第二次世界大戦の沖縄。
米軍が上陸する前から始まり、
上陸したあとの悲劇を、
子供たちの目を通して描かれていた。
沖縄の那覇が空襲に遭い、
疎開してきたテツオ。
転校先で花子とノリオに出会う。
初めは紆余曲折があったものの、
仲良くなった花子とノリオの3人で
遊ぶところは見てて楽しかった。
ジュゴンと海で遊ぶ場面は、
曲もすごく良くて口ずさんでしまう。
あの表現も、楽しさが伝わって来る
一日一食しか食べられないけど、
「みんなそうさ。一日二食
食える家なんてないさ」と話し、
でも将来の話を楽しそうに語る3人。
ノリオはテツオに、海にある秘密基地と
ウミガメの産卵のことを教えた。
お酒を振る舞うと、
海がお返しをたくさんくれるとか。
ウミガメの産卵を見に来ようと、
3人で約束した。
だけど空を埋め尽くすほどの米軍機が来て
ミサイルを落としていく中で、
3人で逃げてたけどノリオが死に、
次に花子が目の前で死んでしまう。
テツオもボロボロで歩き、
ノリオに教えてもらった秘密基地に
なんとかたどり着く。
あまりの出来事にぼーっとしていたら、
ウミガメが産卵に来た。
米軍の軍艦がたくさんいる海に、
悠々と帰っていくウミガメ。
ウミガメの卵が壊れないように、
秘密基地に運び砂をかけ保護するテツオ。
3人の思い出を守りたかったのかな。
だけど長い間続く米軍の虐殺に、
飢えから瘦せ、フラフラになりながら、
ずっと卵を保護してたテツオだったけど
割れた卵をすすったら
卵を食べるのが止まらなくなった。
ウミガメが与えてくれた恩恵、
ノリオが教えてくれた秘密基地…
出会いと巡り合せの中で
なんとか生き長らえるテツオ。
だけどラスト、親のウミガメの後ろを
子供のウミガメも泳いでいるから、
一個は卵を残したと分かる。
テツオが生き残れたのかは、
描かれなかった。
沖縄の土に還ったから巡って海に流れて
その海でウミガメの栄養になったのか、
卵を食べ切る前に助かったのか、
どちらにしても過酷で悲惨すぎた。
阿鼻叫喚の地獄絵図が恐ろしかった。
悲しい物語。
エンディングの「花」も泣ける
沖縄戦のことをまた調べるきっかけになった。
見て良かった。