草彅剛
これまで堪えてきた時事ネタですが、さすがにこの餌には食いつかずにはいられませんでした。
この人はスマップが売れだした頃からヘナチョコで、木村拓哉が大人気になった影で普通さを強調したり、最近では草食系男子などともてはやされていても、やっぱり見事にヘナチョコのままだった人です。自分としては彼のあまりの朴念仁っぷりというかアドリブの利かなさに、彼がテレビに出ているとイライラしたものでした。
しかし「日本沈没」の柴崎コウへの突撃キスシーンを見た時、「ああ・・・この男をバカにしてスマンカッタ」と心から反省しました。アドリブの利かなさをココまでネタとして昇華しきるとは。あの女性経験の少なさをモロだしした後でも以前と変わらぬ様子でテレビに出てくるには相当の覚悟が必要だと思う。彼のこれまでの「注目されつつ、ハブにもされる」という不思議なタレント人生は、決して無駄ではなかったのだ。
そこで今回の公然わいせつですが、彼をCMに起用していた企業やテレビ局への影響は大層なものだろうし、それは大人として責任を取らない訳にはいかないだろうが、一般人の感覚ではコレは明らかになごみネタの範疇である。クスリや未成年との淫行のようなシビアなものではない、酒飲みすぎてスッポンポンで騒いでましたなんて、もしもシラフだったら大事件ですが、大人だったらコレくらい目くじらを立てずに流してやりましょうや。
草彅君は何とかしてこのバツの悪い逆境を乗り越えて、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」な芸風に磨きをかけてカンバックして欲しい。観ないつもりだったけど応援のつもりで「BALLAD」も観に行くことにしよう。
この人はスマップが売れだした頃からヘナチョコで、木村拓哉が大人気になった影で普通さを強調したり、最近では草食系男子などともてはやされていても、やっぱり見事にヘナチョコのままだった人です。自分としては彼のあまりの朴念仁っぷりというかアドリブの利かなさに、彼がテレビに出ているとイライラしたものでした。
しかし「日本沈没」の柴崎コウへの突撃キスシーンを見た時、「ああ・・・この男をバカにしてスマンカッタ」と心から反省しました。アドリブの利かなさをココまでネタとして昇華しきるとは。あの女性経験の少なさをモロだしした後でも以前と変わらぬ様子でテレビに出てくるには相当の覚悟が必要だと思う。彼のこれまでの「注目されつつ、ハブにもされる」という不思議なタレント人生は、決して無駄ではなかったのだ。
そこで今回の公然わいせつですが、彼をCMに起用していた企業やテレビ局への影響は大層なものだろうし、それは大人として責任を取らない訳にはいかないだろうが、一般人の感覚ではコレは明らかになごみネタの範疇である。クスリや未成年との淫行のようなシビアなものではない、酒飲みすぎてスッポンポンで騒いでましたなんて、もしもシラフだったら大事件ですが、大人だったらコレくらい目くじらを立てずに流してやりましょうや。
草彅君は何とかしてこのバツの悪い逆境を乗り越えて、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」な芸風に磨きをかけてカンバックして欲しい。観ないつもりだったけど応援のつもりで「BALLAD」も観に行くことにしよう。
鴨川ホルモー
京都の東西南北に位置する四大学が、彼らに従う鬼をひきつれて対抗戦を行うというブッ飛んだ内容のこの映画。一番期待していたのはパパイヤ鈴木が振り付けた、鬼を指示する時のヘンテコなポーズであります。あのキッチュなポーズを真正面からバァァァーーンと演出してくれたらそれだけで満足!だったのだけれど、実際はそれらを過度にクローズアップするような事をせず、アクションよりも変な顔で笑わせようとしているようでチト残念。
それでも栗山千明の振る舞いがスバラシイ。青竜会が分裂して5対5で対峙するシーンで、彼女の胸を張って弓なりに体をそらせた姿勢と浴衣姿が見事にマッチして、これがマンガなら彼女の全身アップで四段ブチ抜き(背景は水仙)で描かれてもおかしくないほど凛として美しい。しかしそれが遠景で1秒も映ってないなんて、どこに目ぇつけとんじゃい!>本木監督。栗山千明と山田孝之とのゲロンチョリーを見るとよくわかるのだが、体の固そうな山田孝之に比べて、栗山千明は上体をアーチ型にしならせて腕を後ろに大きくそらし、手先まで神経の通った見事なゲロンチョリーを披露している。彼女のアクションはどれもこれも見ていて清々しい。あとは石田卓也のポーズもパワフルで良かったです。
鬼のCGはとても良く出来ていて、キモカワイサ全開であります。チョコマカとした動きが役者の演技と一体になって違和感がなく、京都の町中を追いかけ回る姿はホントに鬼が存在するようなビジュアルだった。でも何だかひと味足りないなあ・・・と思ったら、鬼たちは互いにドツキ合うも建造物には全く被害を与えていないので、せっかくの京都の町並みもサザエさんのオープニングのような書き割りのように見えてしまったのだ。「鴨川ホルモー」は平成ガメラじゃないので京都を破壊する映画じゃないし、もしかして鬼たちは破壊行為はしないという設定があるのかもしれない。でも折角これだけヘンテコな話なんだから、清水の舞台から飛び降りざまに空中戦したり二条城で瓦を投げ合あったりと、京都そのものを使って学生たちがバカ騒ぎを繰り広げる様を派手に見せて欲しかったな。
話は変わりますが、大学時代の自分のクラスに三十半ばで入学した女性がいて、当時の彼女は「若い奴等の集団は臭すぎて、学食なんかでメシは絶対食えん」と言っていた。自分はその匂いの発信源の一つであったからついぞ気付かなかったが、トレーニングが終わって汗まみれでやってくる体育会の野郎共の体臭や、加減がわからずとにかく塗りました的な女の子の化粧の匂いや人いきれなど、萌え出づる若さには独特の匂いがついてまわる。「鴨川ホルモー」にはそんな若者特有の匂いや熱気がブチ込まれていて、山田孝之が好きな女の子が寝ていた後の残り香を必死に嗅ぐシーンとか、京大の寮のゴミためのようなシーン(臭いがどうこうという感覚を超えたカオスっぷりが凄い。あれがホントの寮の様子だってんだから二度ビックリ)とか、もう見ているだけで若さに大幻滅である。しかしムサ苦しいと思いつつ、彼らがホルモーに全力投球するこの映画は、学生時代の目的のないバカ騒ぎの世界に自分を束の間だけ連れ戻してくれたようでした。
一つ謎だったのは、濱田岳が演じる帰国子女の男が、途中で唐突に髪の毛ボサボサのオカマキャラになっており、あの短い間のキャラチェンジにどんな意味があったのか未だに分からない。彼がホルモーに破れた罰としてチョンマゲを結うための伏線だとしたら、初めから長髪で問題ないと思うのだけれど・・・。
7秒あたりの栗山&山田のポージングの違いに注目
こんな人にオススメ:観光番組にはない京都が登場するので、京都に縁があれば尚更楽しめると思います。
それでも栗山千明の振る舞いがスバラシイ。青竜会が分裂して5対5で対峙するシーンで、彼女の胸を張って弓なりに体をそらせた姿勢と浴衣姿が見事にマッチして、これがマンガなら彼女の全身アップで四段ブチ抜き(背景は水仙)で描かれてもおかしくないほど凛として美しい。しかしそれが遠景で1秒も映ってないなんて、どこに目ぇつけとんじゃい!>本木監督。栗山千明と山田孝之とのゲロンチョリーを見るとよくわかるのだが、体の固そうな山田孝之に比べて、栗山千明は上体をアーチ型にしならせて腕を後ろに大きくそらし、手先まで神経の通った見事なゲロンチョリーを披露している。彼女のアクションはどれもこれも見ていて清々しい。あとは石田卓也のポーズもパワフルで良かったです。
鬼のCGはとても良く出来ていて、キモカワイサ全開であります。チョコマカとした動きが役者の演技と一体になって違和感がなく、京都の町中を追いかけ回る姿はホントに鬼が存在するようなビジュアルだった。でも何だかひと味足りないなあ・・・と思ったら、鬼たちは互いにドツキ合うも建造物には全く被害を与えていないので、せっかくの京都の町並みもサザエさんのオープニングのような書き割りのように見えてしまったのだ。「鴨川ホルモー」は平成ガメラじゃないので京都を破壊する映画じゃないし、もしかして鬼たちは破壊行為はしないという設定があるのかもしれない。でも折角これだけヘンテコな話なんだから、清水の舞台から飛び降りざまに空中戦したり二条城で瓦を投げ合あったりと、京都そのものを使って学生たちがバカ騒ぎを繰り広げる様を派手に見せて欲しかったな。
話は変わりますが、大学時代の自分のクラスに三十半ばで入学した女性がいて、当時の彼女は「若い奴等の集団は臭すぎて、学食なんかでメシは絶対食えん」と言っていた。自分はその匂いの発信源の一つであったからついぞ気付かなかったが、トレーニングが終わって汗まみれでやってくる体育会の野郎共の体臭や、加減がわからずとにかく塗りました的な女の子の化粧の匂いや人いきれなど、萌え出づる若さには独特の匂いがついてまわる。「鴨川ホルモー」にはそんな若者特有の匂いや熱気がブチ込まれていて、山田孝之が好きな女の子が寝ていた後の残り香を必死に嗅ぐシーンとか、京大の寮のゴミためのようなシーン(臭いがどうこうという感覚を超えたカオスっぷりが凄い。あれがホントの寮の様子だってんだから二度ビックリ)とか、もう見ているだけで若さに大幻滅である。しかしムサ苦しいと思いつつ、彼らがホルモーに全力投球するこの映画は、学生時代の目的のないバカ騒ぎの世界に自分を束の間だけ連れ戻してくれたようでした。
一つ謎だったのは、濱田岳が演じる帰国子女の男が、途中で唐突に髪の毛ボサボサのオカマキャラになっており、あの短い間のキャラチェンジにどんな意味があったのか未だに分からない。彼がホルモーに破れた罰としてチョンマゲを結うための伏線だとしたら、初めから長髪で問題ないと思うのだけれど・・・。
7秒あたりの栗山&山田のポージングの違いに注目
こんな人にオススメ:観光番組にはない京都が登場するので、京都に縁があれば尚更楽しめると思います。
クレヨンしんちゃん オタケベ!カスガベ野生王国
娘の付き合いで観てきました。なーんてホントは自分が観たいのに興味が無いフリをして子供に恩を着せる。ああ、大人ってステキ。
映画本編よりもオタクとして今取り上げねばならないのは「BALLAD」であります。2002年に公開された「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を実写化し、9月に公開の運びとなるこの映画をどう受け止めてよいのやら。ジャニーズ絡みなのでそれなりの規模の映画にはなるだろうけど、実写で合戦シーンを撮るのは並の予算やセンスでは無理だろうし、何より草彅剛の又兵衛じゃアカンだろう。それもあってか現時点ではこの映画を「感動します!泣けます!!」という路線で宣伝しているが、実際に「戦国大合戦」を観て感動し、かつ泣いた自分にとっては「何故その感動を虚仮にするような真似をするのだ」というのが正直なところ。さりとて本来子供たちのものであるアニメ版のクレヨンしんちゃんであるから、大人が「クレしんを汚すな」と憤るのも文字通り大人げない。「戦国大合戦」を元ネタにしている以上は成功して欲しいという思いと、アニメなら、クレヨンしんちゃんならパクっても誰も文句言わないだろう的な安直な企画なぞコケてしまえという思いが相まって、なんとも複雑な心境であります。
でも予告編の新垣結衣のお姫様姿はとても似合ってました。草彅剛は顔色が変でした。
「オタケベ!」の話に戻りまして、今回の映画は春日部に侵入した謎の組織と、その組織に対抗する一人の美女という、しんちゃんの映画では割と良くあるパターンです。悪の組織の理念がエコロジーという設定に毒を含んでおり、「どれほど正しい主張をする団体でも、一歩間違うと恐ろしい集団になるんですよ」という社会のカラクリをさり気なく示しているが、子供にそれが伝わるかどうかは難しいような。
今回の大人向け涙腺刺激ポイントは、動物になってしまったみさえがしんのすけのオシリの感触で人間の心を取り戻すシーン。もちろんクレヨンしんちゃんには尻ネタが多いからという理由もあるだろうが、幼い子供がいるとこのくだりが実感として分かると思う。5歳くらいまでの子供のプニプニした感触を大抵の親はフェティッシュに愛しているもので、一日中娘のほっぺをムニムニしてても飽きない自分は立派なほっぺたフェチであります。しかし娘はすぐに嫌がるので寂しい。
とはいえここ数年のクレヨンしんちゃんは、ギャグや面白い絵で笑わせる真っ当な子供向けのアニメ映画で、今回も基本的に子供が楽しけりゃいいじゃないという作りです。そういう意味で人間が動物になるというアイディアは後半で子供が喜ぶアニメーション的ドタバタを演出するのに向いているし、動物になった野原家がファイヤーする場面でブレーメンの音楽隊とオーバーラップする所など、上手く生かされてました。
こんな人にオススメ:子供にせがまれた親御さんでも十分楽しめる内容でした。
映画本編よりもオタクとして今取り上げねばならないのは「BALLAD」であります。2002年に公開された「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を実写化し、9月に公開の運びとなるこの映画をどう受け止めてよいのやら。ジャニーズ絡みなのでそれなりの規模の映画にはなるだろうけど、実写で合戦シーンを撮るのは並の予算やセンスでは無理だろうし、何より草彅剛の又兵衛じゃアカンだろう。それもあってか現時点ではこの映画を「感動します!泣けます!!」という路線で宣伝しているが、実際に「戦国大合戦」を観て感動し、かつ泣いた自分にとっては「何故その感動を虚仮にするような真似をするのだ」というのが正直なところ。さりとて本来子供たちのものであるアニメ版のクレヨンしんちゃんであるから、大人が「クレしんを汚すな」と憤るのも文字通り大人げない。「戦国大合戦」を元ネタにしている以上は成功して欲しいという思いと、アニメなら、クレヨンしんちゃんならパクっても誰も文句言わないだろう的な安直な企画なぞコケてしまえという思いが相まって、なんとも複雑な心境であります。
でも予告編の新垣結衣のお姫様姿はとても似合ってました。草彅剛は顔色が変でした。
「オタケベ!」の話に戻りまして、今回の映画は春日部に侵入した謎の組織と、その組織に対抗する一人の美女という、しんちゃんの映画では割と良くあるパターンです。悪の組織の理念がエコロジーという設定に毒を含んでおり、「どれほど正しい主張をする団体でも、一歩間違うと恐ろしい集団になるんですよ」という社会のカラクリをさり気なく示しているが、子供にそれが伝わるかどうかは難しいような。
今回の大人向け涙腺刺激ポイントは、動物になってしまったみさえがしんのすけのオシリの感触で人間の心を取り戻すシーン。もちろんクレヨンしんちゃんには尻ネタが多いからという理由もあるだろうが、幼い子供がいるとこのくだりが実感として分かると思う。5歳くらいまでの子供のプニプニした感触を大抵の親はフェティッシュに愛しているもので、一日中娘のほっぺをムニムニしてても飽きない自分は立派なほっぺたフェチであります。しかし娘はすぐに嫌がるので寂しい。
とはいえここ数年のクレヨンしんちゃんは、ギャグや面白い絵で笑わせる真っ当な子供向けのアニメ映画で、今回も基本的に子供が楽しけりゃいいじゃないという作りです。そういう意味で人間が動物になるというアイディアは後半で子供が喜ぶアニメーション的ドタバタを演出するのに向いているし、動物になった野原家がファイヤーする場面でブレーメンの音楽隊とオーバーラップする所など、上手く生かされてました。
こんな人にオススメ:子供にせがまれた親御さんでも十分楽しめる内容でした。
レッドクリフ part2
パート1では見せ場の多かった趙雲や関羽など蜀の面々が序盤で映画から外れてしまったこともあり、三国志を彩る英雄たちの群像劇という面持ちは影をひそめてしまいました。代わりに孫権の妹の尚香と周瑜の妻の小喬の呉の女性二人にスポットライトが当たっており、ジョン・ウーは男たちの火を噴くような激しい対決でご飯三杯はイケる監督なのに、まさかのフェミニズム的展開は孔明ですら見抜けなんだに違いない。
てっきり映画に花を添える程度の存在だと思っていたのに、映画の一番の見所となってしまった小喬が魏の陣営に乗り込むシーン。もうトンでもなく美しい。彼女が一人で乗り込むというのがミソで、これはまるで、小林旭の渡り鳥シリーズで、最後の決闘前に敵のチンピラが脇を埋め尽くす中をギターを弾きながら悠然と歩く小林旭のよう。ものすごくたっぷりタメを持たせて、動きの少ないシーンなのに観る側の興奮をこれでもかと煽っております。その後でお茶を淹れる前に手を拭う仕草がこれまた色っぽい。小喬ラーーーーヴ!
もう一方の尚香ですが、「小林サッカー」の坊主頭もチャーミングだったのも今は昔、えらいことヴィッキー・チャオが老けてしまっている。ともかく彼女が敵陣に乗り込んでスパイをするくだりで、彼女をテンから男と信じ、知らぬ間にスパイを手伝ってしまう気のいい男が登場するのだが、何となくこの男は、黒澤明の「用心棒」で傷ついた主人公を運ぶ時に騙されて棺桶の片棒を担いだ悪党の手下を思い出した。レッドクリフでは愛嬌とバカっぽさを残して腹立つほどいい人に仕立てた感じで、いくらなんでもここまで阿呆だと嘘臭い。ヴィッキー・チャオの男装が誰にもバレてないのと合わせて、このシーケンスは映画から浮いてしまっている感じがする。
色々とオリジナル要素を加えても三国志の大枠は変えられないから、史実の通り曹操は大敗するも結局は逃げ延びる。しかしいくら何でもあそこまで追いつめて首を取らないってのは手ぬる過ぎ。これまでのジョン・ウーの映画は男のダンディズムの上に非情さがあってこそ対決に見応えがあったのだが、今回は自己陶酔しっぱなしで終わってしまう。お前らなんのために戦ったんだと。中途半端に終わるくらいならいっそ曹操を殺してしまえ!と思うが、さすがにそれでジョン・ウーを責めるのは違うよなあ。 男同士の対決を描きつつ決着がつけられないという、最後の最後で「実はこの話をジョン・ウーが監督するのは間違っていたのでは?」と思ってしまったのでありました。
こんな人にオススメ:映画を観た後は誰もがリン・チーリン ラーーーーヴ!
てっきり映画に花を添える程度の存在だと思っていたのに、映画の一番の見所となってしまった小喬が魏の陣営に乗り込むシーン。もうトンでもなく美しい。彼女が一人で乗り込むというのがミソで、これはまるで、小林旭の渡り鳥シリーズで、最後の決闘前に敵のチンピラが脇を埋め尽くす中をギターを弾きながら悠然と歩く小林旭のよう。ものすごくたっぷりタメを持たせて、動きの少ないシーンなのに観る側の興奮をこれでもかと煽っております。その後でお茶を淹れる前に手を拭う仕草がこれまた色っぽい。小喬ラーーーーヴ!
もう一方の尚香ですが、「小林サッカー」の坊主頭もチャーミングだったのも今は昔、えらいことヴィッキー・チャオが老けてしまっている。ともかく彼女が敵陣に乗り込んでスパイをするくだりで、彼女をテンから男と信じ、知らぬ間にスパイを手伝ってしまう気のいい男が登場するのだが、何となくこの男は、黒澤明の「用心棒」で傷ついた主人公を運ぶ時に騙されて棺桶の片棒を担いだ悪党の手下を思い出した。レッドクリフでは愛嬌とバカっぽさを残して腹立つほどいい人に仕立てた感じで、いくらなんでもここまで阿呆だと嘘臭い。ヴィッキー・チャオの男装が誰にもバレてないのと合わせて、このシーケンスは映画から浮いてしまっている感じがする。
色々とオリジナル要素を加えても三国志の大枠は変えられないから、史実の通り曹操は大敗するも結局は逃げ延びる。しかしいくら何でもあそこまで追いつめて首を取らないってのは手ぬる過ぎ。これまでのジョン・ウーの映画は男のダンディズムの上に非情さがあってこそ対決に見応えがあったのだが、今回は自己陶酔しっぱなしで終わってしまう。お前らなんのために戦ったんだと。中途半端に終わるくらいならいっそ曹操を殺してしまえ!と思うが、さすがにそれでジョン・ウーを責めるのは違うよなあ。 男同士の対決を描きつつ決着がつけられないという、最後の最後で「実はこの話をジョン・ウーが監督するのは間違っていたのでは?」と思ってしまったのでありました。
こんな人にオススメ:映画を観た後は誰もがリン・チーリン ラーーーーヴ!
戦国 伊賀の乱
「戦国 伊賀の乱」は信長と甲賀の軍勢に包囲され滅亡の危機に瀕している伊賀の忍の里で、敵と手を結ぶ裏切り者を一掃するため、彼らが集まるという洞窟に人間爆弾として出向く主人公と彼を守る男二人の死闘を描いたアクション・ムービーであります。
舞台がオール山中ロケ、しかもセットがホントに1つもないという、赤貧ぶりがありありと伝わって来る映画なのだが、アクションシーンが結構しっかりと撮られておりました。刀を4本つかって井桁を組むような面白い殺陣や、敵に突きを食らわす際にカメラが突きと同じタイミングでパンするような役者の動きとカメラの動きが繋がっている感じなど、山の中の撮影ではカメラの自由も効かないだろうに、アクションをしっかり堪能できる映像でした。
登場人物が下忍ということで、衣装は片袖が破れて無かったり、頭にボロ布を巻いていたりと、役柄に合わせた汚れ具合を出している。演じているのが総じてイケメンで、むさ苦しい装束に身を包む姿がそれぞれ似合っているので嘘っぽさは感じなかったな。むしろ、彼らに襲いかかるお馴染みの黒装束の忍者のほうがワザとらしさを感じる。主人公の妻の衣装が、着物なのにハイウェストで帯をしめているせいでオッパイが強調されており、戦国時代だからこれぐらいアトラクティブに小袖を着こなしていてもおかしくなく(何故?)、これまた嘘っぽさは感じませんでしたな。
アクションだけの映画かと思いきや、主人公以外の登場人物が皆腹に一物ある感じで、誰が裏切り者なのかを探る心理劇っぽい展開をしていくのですが、登場人物の少ない中であれだけ大きな裏切りのストーリーをやるのは、ちょっと欲張りすぎだったのではなかろうか。ストーリーの風呂敷をたたむ前に映画が唐突に終わってしまい、「こんな中途半端に終わるならストーリーは要らん」と正直思った。
千葉誠治監督は「戦国 伊賀の乱」に先立って二本も「伊賀の乱」をタイトルにした映画を撮っており、さながら伊賀の乱クロニクルと言わんばかりの展開をしていきそうなのに、低予算ゆえの全編山中ロケでセットなしの似たような映画ばかりでは、いくら映画オタクでもついていけない。 この映画に限らず「片腕マシンガール」の井口昇や「サムライゾンビ」の坂口拓など、アクションを得意とする監督の揃いも揃ってのこの不遇っぷりは一体何なのだろう。日本人ってそんなにアクション映画が嫌いだったのかと、いち観客として驚く程であります。
こんな人にオススメ:アクションがあればその他のチープさに目を瞑れる人に
舞台がオール山中ロケ、しかもセットがホントに1つもないという、赤貧ぶりがありありと伝わって来る映画なのだが、アクションシーンが結構しっかりと撮られておりました。刀を4本つかって井桁を組むような面白い殺陣や、敵に突きを食らわす際にカメラが突きと同じタイミングでパンするような役者の動きとカメラの動きが繋がっている感じなど、山の中の撮影ではカメラの自由も効かないだろうに、アクションをしっかり堪能できる映像でした。
登場人物が下忍ということで、衣装は片袖が破れて無かったり、頭にボロ布を巻いていたりと、役柄に合わせた汚れ具合を出している。演じているのが総じてイケメンで、むさ苦しい装束に身を包む姿がそれぞれ似合っているので嘘っぽさは感じなかったな。むしろ、彼らに襲いかかるお馴染みの黒装束の忍者のほうがワザとらしさを感じる。主人公の妻の衣装が、着物なのにハイウェストで帯をしめているせいでオッパイが強調されており、戦国時代だからこれぐらいアトラクティブに小袖を着こなしていてもおかしくなく(何故?)、これまた嘘っぽさは感じませんでしたな。
アクションだけの映画かと思いきや、主人公以外の登場人物が皆腹に一物ある感じで、誰が裏切り者なのかを探る心理劇っぽい展開をしていくのですが、登場人物の少ない中であれだけ大きな裏切りのストーリーをやるのは、ちょっと欲張りすぎだったのではなかろうか。ストーリーの風呂敷をたたむ前に映画が唐突に終わってしまい、「こんな中途半端に終わるならストーリーは要らん」と正直思った。
千葉誠治監督は「戦国 伊賀の乱」に先立って二本も「伊賀の乱」をタイトルにした映画を撮っており、さながら伊賀の乱クロニクルと言わんばかりの展開をしていきそうなのに、低予算ゆえの全編山中ロケでセットなしの似たような映画ばかりでは、いくら映画オタクでもついていけない。 この映画に限らず「片腕マシンガール」の井口昇や「サムライゾンビ」の坂口拓など、アクションを得意とする監督の揃いも揃ってのこの不遇っぷりは一体何なのだろう。日本人ってそんなにアクション映画が嫌いだったのかと、いち観客として驚く程であります。
こんな人にオススメ:アクションがあればその他のチープさに目を瞑れる人に