戦国 伊賀の乱 | 今日も定時ダッシュ

戦国 伊賀の乱

 「戦国 伊賀の乱」は信長と甲賀の軍勢に包囲され滅亡の危機に瀕している伊賀の忍の里で、敵と手を結ぶ裏切り者を一掃するため、彼らが集まるという洞窟に人間爆弾として出向く主人公と彼を守る男二人の死闘を描いたアクション・ムービーであります。

 舞台がオール山中ロケ、しかもセットがホントに1つもないという、赤貧ぶりがありありと伝わって来る映画なのだが、アクションシーンが結構しっかりと撮られておりました。刀を4本つかって井桁を組むような面白い殺陣や、敵に突きを食らわす際にカメラが突きと同じタイミングでパンするような役者の動きとカメラの動きが繋がっている感じなど、山の中の撮影ではカメラの自由も効かないだろうに、アクションをしっかり堪能できる映像でした。

 登場人物が下忍ということで、衣装は片袖が破れて無かったり、頭にボロ布を巻いていたりと、役柄に合わせた汚れ具合を出している。演じているのが総じてイケメンで、むさ苦しい装束に身を包む姿がそれぞれ似合っているので嘘っぽさは感じなかったな。むしろ、彼らに襲いかかるお馴染みの黒装束の忍者のほうがワザとらしさを感じる。主人公の妻の衣装が、着物なのにハイウェストで帯をしめているせいでオッパイが強調されており、戦国時代だからこれぐらいアトラクティブに小袖を着こなしていてもおかしくなく(何故?)、これまた嘘っぽさは感じませんでしたな。

 アクションだけの映画かと思いきや、主人公以外の登場人物が皆腹に一物ある感じで、誰が裏切り者なのかを探る心理劇っぽい展開をしていくのですが、登場人物の少ない中であれだけ大きな裏切りのストーリーをやるのは、ちょっと欲張りすぎだったのではなかろうか。ストーリーの風呂敷をたたむ前に映画が唐突に終わってしまい、「こんな中途半端に終わるならストーリーは要らん」と正直思った。

 千葉誠治監督は「戦国 伊賀の乱」に先立って二本も「伊賀の乱」をタイトルにした映画を撮っており、さながら伊賀の乱クロニクルと言わんばかりの展開をしていきそうなのに、低予算ゆえの全編山中ロケでセットなしの似たような映画ばかりでは、いくら映画オタクでもついていけない。 この映画に限らず「片腕マシンガール」の井口昇や「サムライゾンビ」の坂口拓など、アクションを得意とする監督の揃いも揃ってのこの不遇っぷりは一体何なのだろう。日本人ってそんなにアクション映画が嫌いだったのかと、いち観客として驚く程であります。

こんな人にオススメ:アクションがあればその他のチープさに目を瞑れる人に