来年からレスリングの階級や試合日程、計量方法などが大幅に変更となる予定のニュースが。


階級変更について


計量方法について



階級が男女とも10階級に増えるのは良いことですが、オリンピック階級は6階級のままで特に男子は4階級が80Kg以上の重量級となるので日本人選手にとってさらに五輪への道が険しくなるし、階級区分が欧米よりというか何と言うか、もう少しバランスを考慮すべきではないかと思います。



五輪は選ばれし者しか立てない舞台だけど、より身体の大きな人間が中心になってくるし、これからジュニアの選手育成においても長い目で見て身体の大きな選手を育成していくことも重要な課題となってくると思います。



計量方法については当日計量という私も過去に数回しか経験したことがないルールに変わり、必然的に減量方法が大幅に変わることになるでしょう。



今までは前日計量というルールを最大限に生かして、いかに筋肉や体力を落とさずに大幅に体重を落とし、計量時だけリミットにして試合時にいかにリカバリーして普段の体重に戻して有利に戦うということも、勝ち上がるための重要な戦術の1つであっただけに、選手も来年以降は調整方法を変えていかなくてはならないですね。



ちなみに私は普段はリミットから8Kg〜10Kgぐらいオーバーぐらいになるように、あえてしっかり身体を作ることを意識していました。



そして試合に合わせて1か月ぐらいかけて体脂肪を3〜4Kgぐらい落とし、残りの5〜6Kg分を水分で直前に落として計量をパスして、翌日からの試合には7〜8Kgぐらい戻るようにしっかりリカバリーさせていました。



リミットに落としている時間が長ければ長いほど身体が消耗するし、計量器に乗る時だけリミットであれば良いという考えだったので、計量当日なんかは2〜3Kgぐらいはいつも着込んで有酸素運動やサウナなどで落としていました。



しかし当日計量となると早朝だし、早ければ2時間後には試合が始まるのでこのような急激な落とし方やリカバリーは難しくなります。



それなので当日朝計量の体重の落とし方について、過去の経験を基に私なりにシュミレーションしてみました。



まず、準備段階として前日計量の時に最後水分で落とす量より前もって2Kg〜3Kgぐらい多く体重を落としていきます。



つまり前日計量で最後5Kg水分で落としていた場合、当日計量では水分で落とす量を2〜3Kgぐらいの範囲に納まるように2〜3Kg余分に体脂肪で体重を落とすようにする。



そしてリミットから残りの2〜3Kgを水分で丸1日か2日ぐらいで落とすイメージで試合前日の夜は1Kgオーバーで就寝するようにする。



ただ就寝する際も一旦その日の練習で500gオーバーぐらいまで落としてから塩分を極力含まない炭水化物と水で1Kgオーバーまで戻してからのほうが疲れを残さないし、グッスリ眠れて体重が落ちやすくなります。



そして一晩寝れば600〜800gぐらい基礎代謝で落ちるので、残りを会場までの移動の際に厚着をすればトイレの分もあるし計量する頃にはリミットに落ちているでしょう。



計量をパスしたら、食べるものも昔に戻って「おじや」と行きたいとこですが「おじや」や「お粥」は意外とエネルギーが少ないし、体内の失われた水分を摂るのが大事なのでまずはCCDドリンクなどの吸収の良いマルトデキストリンなどの炭水化物を含む飲み物を常温で1〜1,5リットルほど噛むように飲むと良いでしょう。



そして第1試合の開始予想時間に合わせて負担にならない量の餅やエネルギーゼリーなどの消化の良い炭水化物の含有量が多いものを食べます。



このように少しずつ水分と炭水化物を摂っていって、体重を2Kg〜2,5Kgぐらいまで戻して第1試合を迎えるようにすれば負担なく動けて力が出ると思います。



そして試合が終わるたびに水分を補給しながら餅やエネルギーゼリーなどを適量摂り、初日の最終試合前は3Kgオーバーぐらいまでは増えても大丈夫でしょう。



私の場合、試合の合間は大福、エネルギーゼリー、そして余裕がある時はおにぎりを食べていました。



全試合終了後、次の日のファイナルや敗者復活戦に進むことになった場合、就寝前は3Kgオーバーまでの範囲内で余裕があれば夕食でご飯やうどん、餅などを摂って炭水化物を補充する。



そして一晩明け、2日目の計量はリミットから2Kgオーバーで良いので、初日と同じようにパスさせてから試合時間に合わせて水分と炭水化物を摂る。



普段の体重にもよりますが、特にグレコローマンレスリングでは身体の当たりや圧力が大事になってくるので試合開始まで時間があるようであれば2日目にはリミットから5〜6Kgぐらいまでは戻しても良いと思います。



体重が軽いと自分で動く競技の場合はキレが出るかもしれないけど、コンタクト競技では逆に消耗しますからね。



ただ食べるもので気を付けなければならないのは油脂分で、消化吸収に時間がかかるし、体重が戻ったとしても逆に身体が重く感じるようになるので極力さけたいところです。



餅は炭水化物の量が多いし、安倍川餅やぜんざいなどは炭水化物の糖質の利用に関わるビタミンB群も豊富に含まれるので良いでしょう。



私はコンビニで豆大福を大量に購入していましたが、この際一日ぐらい保存料や添加物を多めに摂っても全く関係ないので試合でエネルギーを発揮するということを最優先にして、コンビニも上手く利用するのも良いです。



このように過去の経験を基にシュミレーションしてみましたが、やはり選手自身が何回も経験してコンディショニングの精度を高めてそれぞれ自分なりの方法を確立するのが一番ですね。



どうかご参考までに。