クリーチャーガレージキット人間のブログ -17ページ目

なかよしごっこ

小学生3年生になったばかりの時。

クラスの◎◎クンが授業中、
流行のギャグを言ってみんなを笑わせた。
先生も笑った。

「んもー、◎◎くんったら~~
本当に馬鹿なんだから笑」

それからというもの、
「◎◎クンは面白いキャラクター」
になった。


別の日、△△クンが理科の時間、
昆虫に妙に詳しく、
「△△クンはファーブルみたいだ!」と
クラスの昆虫博士になった。
ファーブルと名づけた××クンも、
「あだ名は××にまかせろ」
というキャラになった。

■■クンは、ビックリマンシールを
コンプリートして人気者。

●●さんは、勉強ができてクラスのお手本。
◇◇クンは体育が出来て頼りがいになる。

クラスの役割をみんな持っていった。


そしてとうとう自分の番が来た。


美術の時「日常の風景を思い出して描こう」という
テーマで絵を描かされた。

模写や「楽しいこと」「おとうさんの顔」
とテーマがしっかりしているものは
みんな同じようなネタがあるので
どんどん描くが、
こういう「日常の風景」という漠然としたテーマは
みんななれていない感じだった。

当然自分も理解はしていなかったが、
その時は思いつくままに

大嫌いな雑巾がけを思い出し、
主観で見える雑巾、手、廊下を
描いて提出した。

どういう訳かそれを先生が気に入ったらしく
「まあ上手!斬新!君は、美術くんだね!」

そういってほめた。


とたんにクラスメートたちは自分に群がり、
ほめてみたり、絵の描き方を聞いてきた。


「はい、今日はここまで。
描き終わらなかったお友達は、
明日までに描いてきてください」


描ききれずに困っていたうちの一人が
「描いてくれる?」
と頼んできた。

別にいいよと引き受けると、
他の明日提出の子供たちも次々と頼んできた。

次の日、
約束どおり人数分の絵を描いて持ってきた。

「ありがとう!」
「さすが美術くんだね!」

絵を見る前からみんな絶賛していた。


しかし、その絵を渡すと口々に
「なにこれ・・・」
「気持ち悪い・・・」
と文句を言い出した。

その子達は、
仕方なく、
自分の描いた、否定したばかりの絵を
提出した。


すると案の定

「なにこれ!誰が描いたの!」

先生は立腹した。


「あいつが描きました」


チクられた。


「なんで友達の宿題をあんたがやるの!
しかも、なんて気持ち悪い絵を描くの!
今後こういう絵は禁止です!」


こっぴどく怒られた挙句、
一日で誰も
自分のことを美術君とは呼ばなくなった。

そればかりか、得体が知れないと
みんな気持ち悪がった。


大好きな絵で
賞賛を得た自分は、
本当の役割をもらえたので最高の気分だった。



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駅の先 1

毎朝込み合っている電車に揺られていると、
ふと我に返る瞬間はないだろうか。

現状の混雑の息苦しさだけで
耐え切れないかもしれないのに
見渡す車内には
無駄に大きな音で音楽を聴いている人や
過ぎている香水のキツイ臭い、
無駄に感じる視線。

綺麗な女性が自分の前に立っている時なんかは
喜ぶどころか、
両腕でつり革を持って
誰も気づかないのに
やってないアピールをしてしまい、
めんどくさいったらない。



それらの事柄が充満しているだけで
深海に沈んでいく気がする。
そしてそれらのネガティブな想像は
時間の経過を遅くする作用があるので
目的の駅はさらに遠く感じ、
無駄な事を考えてしまう時間が増えていく。
時間が多くなった分、考える事も増えるので
この後にはじまるマンネリな一日を想像し、
それに恐怖して
呼吸困難に陥りそうになる。


心に、酸素と明かりが欲しい。


そういう時、
決まって思い浮かべるのは
このまま降りる駅を過ぎても電車に乗り続ける事。


妄想の中では自分勝手に都合のよい想像が
進行し始める。

乗り続けるほど、
徐々に人が減っていき、
気が付くと一度も行った事のない駅に
到着している。

その駅は無人で、
目の前に広がる景色は、
静かな海か、のどかな田園風景。


木造の改札に、無骨な石畳。

そこまで想像すると、自然と気分が落ち着いた。


そんな事を繰り返しているうちに、
妄想が一人歩きをはじめ、
ある日を境に

「もしかしたら本当にそうなのではないか」



「行ってみないとそうかわからない」
に変わり始めた。


そしてとうとう
「乗り越し」をしたい気持ちが
抑えられなくなった。


その日の決心は固かった。
季節は、夏だった。



いつものように電車に乗る。
いつものように混んでいて、
いつものように暑い。
変わっていたのは自分の気持ちだけだった。

目的の駅が近づくと、
鼓動がどんどん早くなるのが分かる。

鼓動はこれから訪れるであろう、
妄想に過ぎなかった冒険が
現実になるのではという期待で
高まっていたのもあるが、
実はそれだけでなく
現実の社会責任を犯してしまう
恐怖心の作用も混ざっている。



降りるべき駅に着いたとき、
いつものように足が一歩前に出そうになった。
日常の連続した習性が起こした無意識の行動だ。


何度かこらえた。
葛藤。

そしてようやく、電車のドアが閉まった。
降りなかった。

電車は再び揺れ始めた。
駅が遠くなっていく。


いつもの駅がどんどん離れていくのは、
はじめて見る光景だった。


駅が見えなくなり、
しばらく見知らぬ風景が続くと
次の駅についた。


この駅もまた、見たことのない景色だ。

そのまま次の駅、また次の駅と
電車は進んでいく。

日常を変えてしまった事の緊張感で、
窓から離れられなくなっていたし
とんでもないところに行ってしまうのではないかという
恐怖心が芽生えてきて、
どんどん進んでいく見知らぬ景色から
なかなか目が離せなくなっていた。



ようやく落ち着き、周りを見回すと、
あれだけ混んでいた車内に
今は椅子に座れるほど
人少なくなっていて
それからまたしばらくすると、
同じ車両にいるのはほんの2~3人になっていた。


ここで、ようやく妄想と現実が重なった。


やはり!

自分の求めていた景色に出会える期待が高まり、
最後まで行ってみようという決心がついた。

電車は、満員の時より
ゆっくりと進んでいるように思えた。

ワンフェスに

ワンフェスに行きました。
特になんもなかった。
ゴキカブリというクリーチャー、
次回売り上げでたら買いたいぞ!
そんくらいでした。

しかし!
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こいつがいました。

まさか日本でこいつに会えるとは・・・。

今回のワンフェスは不参加でしたが、
客で行ってよかった。

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抱っこさせてもらいました。
俺の体はワイキキの運転手ですが、
顔面はベリアルのガレージキットになってます。

ベリアルのガレージキットは近々
ヘルペインターで販売になるようです。$クリーチャーガレージキット人間のブログ

やっぱり1だよね!
このゴムみたいな感じが、悲哀だよね!
2からは人間みたいになってしまってるので・・・
まあそれはそれで好きだけどね!
変な映画だから!


$クリーチャーガレージキット人間のブログ
「行くぞ」


山が呼んでいるので、今日はこのへんで。

宇宙戦争

前回までのあらすじ

宇宙人のカバンには、世界を征服するための
スイッチが入っていた。はたして、阻止できるのか!?



宇宙人が強烈な便意から開放され、
茂みから帰ってきた。

そんな宇宙人を、
自分は無言でにらみつけていた。


宇宙人は、驚いた顔でこちらを見つめていたが、
すぐに笑顔になって近づいてきた。

「どしたん・・・プゥ」

宇宙人は質問すると同時に屁をこいた。

本来なら口元が緩む音だったが、
しかし自分はにらむのをやめなかった。




今まで友達だと思っていた宇宙人に、
今は嫌悪感しかなかった。






沈黙に耐えられなくなった宇宙人は

「どしてそんな怖い顔するん?」

と聞いてきた。

当然自分は宇宙人の問いには答えなかった。



カバンの中に入っていたもの。
それを思い出すとこみ上げてくる。

怒りなのか、
悲しみなのか、
はたまた軽蔑なのか。

まだ子供の自分には
それがなにか全く分からなかった。

ただただ、あれほど清清しかった夏の気持ちが、
いつもよりも
何倍も、
ずっしりと重く感じたのを覚えてる。


やはり彼とは住む世界が違いすぎる。



やる事がえげつなさ過ぎた。


今まで一緒に笑って遊んでいたのに、
それを見たら急に裏切られたような気になった。



宇宙人が近づいてくるので、口を開いた。


「おまえ、気持ち悪いんだよ!
カバンの中身のアレ、なんなんだよ!」


すると

「おまえ、カバン中みたんか!
人のもの勝手に見るなんて最低だ!」

と言い返してきた。

「お前いい奴だと思ってたけど、
他のやつらと変わらんな!」
と宇宙人は続けた。



その言葉に逆上した。

次の瞬間には、
ありったけの暴言を、
宇宙人にぶつけた。

汚いのに遊んでやったんだとか、
みんな軽蔑してるだとか、
そんな、言ってはいけない言葉ばかり
だったと思う。



暴言にブチ切れた宇宙人は、
泣きながら震え始め、
遂にこちらに突進してきた。


普段ケンカ慣れしていない自分は、
そのまま簡単に押し倒され、
腹の上にまたがられてしまった。

宇宙人の拳が振り下ろされる!


しかし宇宙人の力は意外にも弱かった。
自分は当時
「ネクロスの要塞チョコ」
を集めていたおかげで
毎日チョコレート三昧でメタボっており、
ガリガリにやせこけた宇宙人とでは
ウェイトに差があったのだ。

彼のパンチはポスポスと
自分のチョコで出来た脂肪の上で
ひ弱な音を立てていた。


しかし宇宙人の怒り狂った形相には
とんでもない迫力があり、
パンチが効かないとみるや、
今度は首絞めに移行した。
喉に手が伸びた時、
本当に殺しに来ているんではないかと思い、
怖くて力があまり入らなくなってしまった。



マウントポジションを取られ、
喉をがっちりと両手で締められてしまった。



それから10年後
自分は格闘技の世界に身をおくことになるが、
この頃知っている闘いの知識といったら
「宇宙刑事ギャバン」の戦闘シーンしか無い。

無論レーザーZビームは出ないので
首を閉められらている状態を抜ける術は全く無かった。



できる事といったら、首に思いっきり力を入れて
それ以上締められないようにする程度だ。



「死ねや!」



気迫とは裏腹に、
力の弱い宇宙人の首絞めはどんどん弱まっていき
気が付くと首を絞めている宇宙人の方が白目を剥いていた。
りきみすぎているのか、
彼の腰が乗っている腹のあたりで、
プリプリと屁の温かみが感じられる。

しかし、こうしていてもラチがあかない。
この状況をなんとか打破できないかと、
あたりを見回した。

!!


あるものが目に飛び込んできた。


自分は弱まった宇宙人を払いのけ、
そのものめがけて走った。


そして、それを宇宙人に向けた。



ぴたりと動きを止める宇宙人。


「おまえ、そんなことすんのか・・・

やめとけよ・・・」



さっきまで凶悪な形相で
首を絞めてきていた宇宙人は、
それを向けた瞬間から、
顔を青くし、両手を前に出して無抵抗の
ポーズをとった。
そして思い出したように肩で大きく息をし始めた。



自分が向けているのは、
あの、ワルサー小便銃だった。





最終回に多分続く

宇宙人の謎

前回までのあらすじ


ついに宇宙人の侵略が始まった。

人々は滅び行く地球を見守る事しかで着なかった。



宇宙人を見かける最後の日。
知るよしも無くいつものように宇宙人と待ち合わせている畑に来た。

自分の外出が許されるのは12時以降、
昼飯を食ってからだったのだが、
宇宙人はいつもそれより早く来ていた。



前日、危うくザリガニを食わされそうになった。


「絶対に食えないよ!」
かたくなに拒絶する自分に
「エビみてぇなはずだから!んまいはずだから!」
と泥だらけの手で、剥いたばかりの
ザリガニの身を突き出してきた。

実はそれより前の日に
宇宙人は一度オタマジャクシは食えると言って
口の中にいれたが
一噛みして無言で吐き出していた。


結局自分はザリガニを食わず、
「もったいね~~」と言った宇宙人のエサになった。
宇宙人は、味に対して「泥くせ」と一言放っただけだった。


夏ももうすぐ終わる。もしかしたら
もう遊べなくなるのではないかという不安もあったはずだが
何故かお互いに連絡先や実家の場所を教える事はしなかった。
子供なので、そこまで気が回らなかっただけなのかもしれない。


「いてて・・・腹からウンコが出てきそうだ。
待っててくれ」

そう言った宇宙人のズボンは既に半分脱げており、
ケツの出た状態で茂みに歩いていった。


夏の日差しを浴びながら、周りを見回した。
ふと、宇宙人がいつも持ち歩いているカバンが気になった。
水鉄砲が二つはいっていたやつだ。

そのカバンは
ビジネスマンが持ち歩いていそうな
ちょっと高級そうな感じで、
いつもヨレヨレの服に半ズボン、サンダルを
着用している彼には不釣合いだった。

水鉄砲に小便を装填する時に開けるので
何度か中を覗く機会があった。

中には水鉄砲以外にも小さい虫かごのような
やわらかそうなプラスチックの網で出来てる箱や、
あでやかな色の子供用縄跳びの紐等、
何に使うのかよく分からないようなものが入っているのが見えた。


宇宙人がなかなか帰ってこない。
昨日食ったザリガニで腹を壊したのだと思った。


暇なので、覗いても別に怒らないと思い、
カバンを開けてみた。



すると、中からとんでもないものが出てきた・・・・・


多分続く